4.新技術説明会について(実施後フォローアップ、来年度の実施) 【産連展開部(産学連携支援G)】 炭素系触媒によるリグノセルロース 分解 北海道大学 触媒科学研究所 教授 福岡 淳 1 検討課題 固体触媒による糖化法の開発 加水分解 前処理 バイオマス バイオマス −炭素 糖 前処理: 混合ボールミル粉砕 • セルロースの非晶質化 • 固体基質−固体触媒の接触増大 プラスチックス 適用事例 空気酸化炭素触媒 Carbon BA (市販品、 約300円/kg) 空気酸化 BA-Air 流通法、475℃、1時間 収率: 46 % セルロース糖化 回分式、水中、180℃、20分、S/C=10 可溶化糖 選択率96% 芳香族骨格、弱酸点 高耐久性 • 希塩酸中(0.012%): グルコース収率86% • ユーカリからグルコース 77%、キシロース 67% 従来技術とその問題点 既に検討されているものには、酵素法、硫酸法 等があるが、 触媒のコスト高 反応後の触媒の分離・再使用が困難 等の問題があり、広く利用されるまでには至っ ていない。 4 新技術の特徴・従来技術との比較 • 安価な活性炭・バイオマスを原料とし空気酸 化することで、従来技術の問題点であった、触 媒コストの低減に成功した。 • 本技術の適用により、触媒コストが1/10程度 まで削減されることが期待される。 • 従来の炭素触媒は再使用性の点で問題が あったが、高温での耐久性が向上できたため、 繰り返し反応することが可能となった。 • 流通式反応が可能である。 5 想定される用途 • 本技術の特徴を生かすためには、バイオマス 由来化成品製造に適用することで触媒の低 価格化のメリットが大きいと考えられる。 • 上記以外に、触媒再使用の効果が得られるこ とも期待される。 • また、達成された結果に着目すると、食品添 加物といった分野や用途に展開することも可 能と思われる。 6 実用化に向けた課題 • 現在、バイオマスの前処理として粉砕が可能 なところまで開発済み。しかし、他の前処理法 の検討が未解決である。 • 今後、溶解法について実験データを取得し、 セルロース分解に適用していく場合の条件設 定を行っていく。 • 実用化に向けて、LCAを含めたプロセス評価 の必要もあり。 7 企業への期待 • 未解決の前処理については、溶解法の技術 により克服できると考えている。 • バイオマスの前処理を持つ、企業との共同研 究を希望。 • また、バイオマス由来化成品を開発中の企業、 食品分野への展開を考えている企業には、本 技術の導入が有効と思われる。 8 お問い合わせ先 科学技術振興機構 環境エネルギー研究開発推進部 TEL 03−3512 − 3543 FAX 03−3512 − 3533 e-mail alca@jst.go.jp 9
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