大容量光アーカイブメモリ技術 東京理科大学 基礎工学部 電子応用工学科 教授 山本 学 1 ストレージ市場 ■ 電子データ量増大に伴い3つのアーカイブ市場が拡大すると予想 (a)従来型アーカイブ(7.4B$@'18): 公文書、映像アーカイブ 等 (b)クラウド型アーカイブ(20B$@'18): コンテンツクラウド 等 (c)低ビットコストによる新規アーカイブ(43B$@'18): 従来破棄していた情報を保存 ($B) アーカイブ市場の内訳 新規アーカイブ 80 アーカイブ市場全体 60 2.8ZB (2012) 40ZB (2020) 14 倍 (+39%/年) 70.4 クラウド型 従来型 40 40 20 17 22 30 0 2014 2015 2016 2017 2018 図: WW電子データ量の増大 図: WWアーカイブ市場規模予測 [出典:"THE DIGITAL UNIVERSE IN 2020"(IDC, 2012)] [出典: IDC資料(2012)より予測] 2 データ長期保管の高まり 3 研究技術内容(1) 4 研究技術内容(2) 5 研究技術内容(3) 新しく開発した多重方式により、現状DVDの400倍の超大容量ホロ グラムメモリの開発に成功し、世界で初めて実用化に目途を立てた。 研究当初から実用化の観点に注力して開発を進めた結果、記録再生 の安定性、互換性、大容量性、転送速度に優れ、かつ光学系、メカ機 構も簡略化可能な3次元クロスシフト多重方式という新たな多重化技 術を開発した。 実験結果、検証結果 クロスシフト多重記録法 1ホログラムの入力情報(予定) ディスク全面記録 拡大図 数1000個のホログラム列,シフト量は10μm 10 6 bits / holo. 6 今後の進め方 本方式の実用化開発を進める 2020年東京オリンピック開催に伴う高精細映像のアーカイ ブを第一ターゲットとして開発を進める 製品レベルの機器開発を共同で行える企業を募集 システムの構築に必要な機構系、光学系、制御系など多岐にわ たる要素技術開発について、共同研究を行う形態。構築する システムは連携する事業者が販売あるいはシステムメーカへの 開発技術供与。 7 従来技術とその問題点 既に検討されているものには、角度多重記録による記録再生法 等があるが、 レーザビームの角度制御精度が0.02度以下を要求されシス テムの信頼性に難 環境温度によるメディアの膨張収縮効果に対応する制御技 術が必要 等の問題があり、広く利用されるまでには至っていない。 8 新技術の特徴・従来技術との比較 •従来技術の問題点であった、システム設計の余裕度を大幅に 改良することに成功した。 •従来技術に比べ大容量化に成功した。 •本技術のデータセンタへの適用により、アーカイブ情報の大容 量・長期保管(100年)が可能となり、ハードディスクと置き 換えることによりデータセンタで消費される電力消費量を1/5 ∼1/10程度まで削減されることが期待される。 9 想定ユーザ 規格化 次期光ディスク規格として規格化を検討 販売先 ビッグデータを保管・処理を行うハイパースケールデータセンター を構築する事業者 ・グローバル大手クラウド事業者 ( facebook, Google, Amazon, Microsoft, 他) ・IoTデータをオンプレミスで保管・活用する事業者、機関 (政府機関、製造、研究機関、医療、他) 10 実用化に向けた課題 現在、要素技術については可能なところまで開発済み。しかし、 システム化の点が未実施であり、総合評価に至っていない。 今後、高密度記録について実験データを取得し、ドライブに 適用していく場合の条件設定を行っていく。 実用化に向けて、ビーム位置決めの精度を向上できる技術を 確立する必要もあり。 11 企業への期待 •制御機構、光学系の技術を持つ、企業との共同研究 を希望。 •また、今後増大するデータセンターで課題となっている 電力消費量についてその低減等を検討している企業、 IoTなどのセンサー情報の蓄積、NHKなどの映像アー カイブ事業分野への展開を考えている企業には、本技 術の導入が有効と思われる。 12 本技術に関する知的財産権 • • • • 発明の名称 出願番号 出願人 発明者 : : : : 記録媒体およびホログラム記録再生装置 特願2015-102691 学校法人東京理科大学 山本 学、吉田 周平、谷口 淳 13 産学連携の経歴 過去に企業が必要とするホログラムメモリ用ソフトウエアを大学 から供給することを目的として共同研究を行った。 •記録再生シミュレーションソフト :電気機器メーカ3社と実施 •光学設計ソフト(ロッドレンズアレイ用) :光学機器メーカ1社と実施 •信号処理ソフト : 電気機器メーカ3社と実施 •記録メカニズムシミュレーションソフト(重合反応) : 媒体メーカ3社と実施 NEDOプロジェクト実施中(平成26年度∼28年度) 「エネルギー・環境新技術先導プログラム」 データセンタの省電力化を実現する大容量・高速光アーカイブ システムの研究開発 14 お問い合わせ先 東京理科大学 研究戦略・産学連携センター 担当URA 中村 優 TEL 03−5228−7440 FAX 03−5228−7441 e-mail ura@admin.tus.ac.jp 15
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