資料8 政策コメンテーター委員会・総会提出資料 2016年7月20日 経済財政政策における重点課題等について 【①デフレ脱却に向けて】 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 参与 景気循環研究所長 嶋 中 雄 二 この資料は2016年7月15日10:00時点で作成いたしました。 (嶋中並びに景気循環研究所の最新レポートは、下記HPでご覧になれます。) http://www.sc.mufg.jp/report/business_cycle/index.html 次ページに重要な注意事項を記載していますので、ご参照ください。 本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。本資料で直接あるいは間接に採り上げられている有 価証券は、価格の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化、金利・為替の変動などにより投資元本を割り込むリスクがあります。ここに示したすべての 内容は、当社の現時点での判断を示しているに過ぎません。本資料は、お客様への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券の売買あるいは特定の証券取引の勧誘を目的とし たものではありません。本資料にて言及されている投資やサービスはお客様に適切なものであるとは限りません。また、投資等に関するアドバイスを含んでおりません。当社は、本資料の論旨 と一致しない他のレポートを発行している、或いは今後発行する場合があります。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている 場合を除き、ウェッブサイト等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料の利用に際してはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、 先物その他の金融派生商品について、買いまたは売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係会社は、本資料に記載された会 社に対して、引受等の投資銀行業務、その他サービスを提供し、かつ同サービスの勧誘を行う場合があります。 当社の役員(会社法に規定する取締役、執行役、監査役又はこれらに準ずる者をいう)が、以下の会社の役員を兼任しております:三菱UFJフィナンシャル・グループ、カブドットコム証券、 三菱倉庫。 債券取引には別途手数料はかかりません。手数料相当額はお客様にご提示申し上げる価格に含まれております。 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承諾なく、本資料の全部もしくは一部を引用または複製、転送等により使用することを禁じます。 Copyright © 2016 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved. 〒100-8127 東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティグランキューブ 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 景気循環研究所 (商号) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2336号 (加入協会) 日本証券業協会・一般社団法人金融先物取引業協会・一般社団法人日本投資顧問業協会・一般社団法人第二種金融商品取引業協会 本資料は、英国において同国the Prudential Regulation Authorityとthe Financial Conduct Authorityの監督下にあるMitsubishi UFJ Securities International plcが配布致します。また、米国にお いては、Mitsubishi UFJ Securities (USA),Inc.が配布致します。 【①デフレ脱却に向けて】 ~現状は、最近までの円高・原油安を受けて、物価は低迷。期待インフレ率は大幅低下し、円高で訪日外客数も ピークアウト(円高定着なら、2020年4000万人目標にもマイナスの影響)。~ 図1. 円レート水準と日銀版コアコアCPI(前年比)の推移 図2. (10年=100) (前年比、%) 2.0 60 円レート・名目実効為替レート指数(右逆目盛) 1.5 ガソリン価格の水準とコアCPI(前年比)の推移 (前年比、%) (前年比、%) 40 コアCPI(月次、右目盛) 30 70 3 インフレ目標 2 16年5月 -0.4% 1 20 1.0 80 0.5 0.0 90 10 円安 0 0 -10 -0.5 100 -1.0 -2.0 2005 -40 07 120 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 図3. 14.10 物価モニター調査による期待インフレ率の推移 14年12月 2.33 15年2月 2.15 7月 6月 2.04 1.99 2.3 2.1 1.9 7 10 12 13 14 4月 1.60 5月 1.46 30 -3 16 (年、月) ドル・円レートと訪日外客数の関係 (前年比、%) (前年比、%) 60 円安・外客増 ドル・円レート(左目盛) 40 訪日外客数(右目盛) 20 20 10 5 (注)期待インフレ率は物価モニター調査ををもとに算出。「-5%超」、「-5%程度」は-5%、「-4%程度」は-4%、 「-3%程度」は-3%、「-2%程度」は-2%、「-1%程度」は-1%、「変わらない」は0%、「+1%程度」は1%、 「2%程度」は2%、「3%程度」は3%、「4%程度」は4%、「5%程度」、「5%超」は5%のインフレ率をそれぞれ 予想しているとして計算。 (資料)消費者庁『物価モニター調査』、総務省『消費者物価指数』などをもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所作成 0 1.6 1.5 1.4 1.3 1.2 1.0 4 0 1.7 1.1 16.1 15 1.8 都区部・コア消費者物価 前年比(左目盛) 4 11 2.0 9月 1.80 10月 1.6711月 12月16年1月 3月 1.56 1.58 1.60 2月 1.51 1.51 6月速 1.06 全国・コア消費者物価 前年比(左目盛) 40 2.2 8月 1.86 10 2.4 1年後の期待インフレ率 (右目盛) 5月 1.89 15.1 図4. (%) 2.5 4月 2.03 09 (注)コアCPIは消費税の影響を除く。ガソリン価格は全国店頭レギュラーガソリン。 (資料)資源エネルギー庁『石油製品価格調査』、総務省『消費者物価指数』をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所作成 (注)消費者物価は、05年が00年基準、06~10年が05年基準、11年以降が10年基準。 (資料)日本銀行『名目実効為替レート指数』、『基調的なインフレ率を捕捉するための指標』などをもとに 三菱UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 (%) 1.2 1.1 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 -0.5 -0.6 08 2016 (年、月) -2 16年7月11日 -14.9 (123.5円/㍑) -30 110 円高 消費者物価・生鮮食品・ エネルギーを除く総合(左目盛) (日銀版コアコアCPI) -1.5 -1 ガソリン価格(週次、左目盛) -20 0.9 (年、月) -10 -20 -30 -40 -1- -20 10円の円安・ドル高(円高・ドル安)で、 2016年の訪日外国人数は59.2万人増加(減少) -40 円高・外客減 -60 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (暦年) (注1)2016年のドル・円レートは年初から直近までの平均値、2016年の訪日外客数は1-5月値をもとに試算。 (注2)ドル・円レートの1%上昇に伴なう訪日外国人数の増加率は0.36%。訪日外国人の短期的変動を先進国GDPとドル・円レートで 説明する回帰分析(誤差修正モデル)をもとに算出。 (資料)日本政府観光局『訪日外客数・出国日本人数』、日本経済新聞社資料などをもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所作成 【①デフレ脱却に向けて】 ~金融政策では、為替・株価に与える影響が大きく、名目GDPを引っ張る量的拡大が効果的。2020年度GDP 600兆円に向け、アベノミクスの3本の矢(金融緩和・財政出動・成長戦略)のコラボが必要に。~ 表1. 日銀の金融政策の推移 図1. 1年半前のマネタリーベースの後を追う名目GDP (修正マッカラム・ルールによる推定) (円安・株高への効果) 2013年4月4日 量を伴なう緩和 2014年10月31日 量を伴なう緩和 2015年12月18日 量を伴なわず 2016年1月29日 量を伴なわず 「量的・質的金融緩和」の導入を決定 (マネタリーベース・コントロールの採 用・長期国債買入れの拡大と年限長 期化・ETF、J-REITの買入れの拡 大(全員一致)、「量的・質的金融緩 和」の継続(賛成8反対1))。 136 (トレンド=100) 132 〇 114 ●必要マネタリーベース増減率(6四半期前) =名目GDPのトレンド成長率-流通速度のトレンド変動率 +(1/β)×( 名目GDP成長率目標-名目GDPのトレンド成長率) 124 120 追加金融緩和(賛成5、反対4)。マネ タリーベースを年間80兆円に。資産 買入れ額の拡大および長期国債買 入れの平均残存年限の長期化(賛 成5、反対4)。 112 110 116 現状維持(賛成8、反対1)。QQEを補 完するための諸措置を導入。 108 112 〇 × 106 名目GDP(四半期、右目盛) 108 104 104 102 100 100 96 98 マネタリーベース (1年半先行、月次、左目盛) 92 「マイナス金利付き量的・質的金融緩 和」を導入(賛成5、反対4)。 × 96 88 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 94 17 (年) (注)マネタリーベース、名目GDPは、実額のトレンドを100として計算。トレント゛はHPフィルターにより抽出。 (資料)内閣府、日本銀行資料をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 マネタリーベース(平残)の推移 図3. (兆円) 14、15年度に減少した公共投資(前年比) (%) 1000 20 20年度下期 名目GDP600兆円 達成には、 19年度上期までにマネタリーベースを 676兆円に拡大させることが必要に (年率92兆円増、20.3%増) 500 名目 15 19年度上期 676兆円 10 15年度下期 354兆円 5 0 100 -5 実質 ( 年度半 期) 50 -10 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 (注)名目GDP(トレンド除去後)のマネタリーベース(同、3半期前)の変動に対する弾性値(0.09、92年度上期~15年度上期) をもとに推計。 (資料)日本銀行、内閣府資料をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 2012 13 14 15 16 (年、四半期) (資料)内閣府資料をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 -2- 118 116 ●名目GDP(トレント゛除去後)のマネタリーベース(同、6四半期ラグ)に対する 長期的な弾性値(β)は0.11(推計期間:83年1-3月期~12年10-12月期) 128 (資料) 日本銀行資料をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 図2. (トレンド=100)
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