経済財政政策における重点課題等について

資料8
政策コメンテーター委員会・総会提出資料
2016年7月20日
経済財政政策における重点課題等について
【①デフレ脱却に向けて】
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
参与
景気循環研究所長
嶋 中
雄 二
この資料は2016年7月15日10:00時点で作成いたしました。
(嶋中並びに景気循環研究所の最新レポートは、下記HPでご覧になれます。)
http://www.sc.mufg.jp/report/business_cycle/index.html
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(商号)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2336号
(加入協会) 日本証券業協会・一般社団法人金融先物取引業協会・一般社団法人日本投資顧問業協会・一般社団法人第二種金融商品取引業協会
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いては、Mitsubishi UFJ Securities (USA),Inc.が配布致します。
【①デフレ脱却に向けて】
~現状は、最近までの円高・原油安を受けて、物価は低迷。期待インフレ率は大幅低下し、円高で訪日外客数も
ピークアウト(円高定着なら、2020年4000万人目標にもマイナスの影響)。~
図1.
円レート水準と日銀版コアコアCPI(前年比)の推移
図2.
(10年=100)
(前年比、%)
2.0
60
円レート・名目実効為替レート指数(右逆目盛)
1.5
ガソリン価格の水準とコアCPI(前年比)の推移
(前年比、%)
(前年比、%)
40
コアCPI(月次、右目盛)
30
70
3
インフレ目標
2
16年5月
-0.4%
1
20
1.0
80
0.5
0.0
90
10
円安
0
0
-10
-0.5
100
-1.0
-2.0
2005
-40
07
120
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
図3.
14.10
物価モニター調査による期待インフレ率の推移
14年12月
2.33
15年2月
2.15
7月
6月 2.04
1.99
2.3
2.1
1.9
7
10
12
13
14
4月
1.60
5月
1.46
30
-3
16
(年、月)
ドル・円レートと訪日外客数の関係
(前年比、%)
(前年比、%)
60
円安・外客増
ドル・円レート(左目盛)
40
訪日外客数(右目盛)
20
20
10
5
(注)期待インフレ率は物価モニター調査ををもとに算出。「-5%超」、「-5%程度」は-5%、「-4%程度」は-4%、
「-3%程度」は-3%、「-2%程度」は-2%、「-1%程度」は-1%、「変わらない」は0%、「+1%程度」は1%、
「2%程度」は2%、「3%程度」は3%、「4%程度」は4%、「5%程度」、「5%超」は5%のインフレ率をそれぞれ
予想しているとして計算。
(資料)消費者庁『物価モニター調査』、総務省『消費者物価指数』などをもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券
景気循環研究所作成
0
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.0
4
0
1.7
1.1
16.1
15
1.8
都区部・コア消費者物価
前年比(左目盛)
4
11
2.0
9月
1.80
10月
1.6711月 12月16年1月
3月
1.56 1.58 1.60 2月
1.51 1.51
6月速
1.06
全国・コア消費者物価
前年比(左目盛)
40
2.2
8月
1.86
10
2.4
1年後の期待インフレ率
(右目盛)
5月
1.89
15.1
図4.
(%)
2.5
4月
2.03
09
(注)コアCPIは消費税の影響を除く。ガソリン価格は全国店頭レギュラーガソリン。
(資料)資源エネルギー庁『石油製品価格調査』、総務省『消費者物価指数』をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券
景気循環研究所作成
(注)消費者物価は、05年が00年基準、06~10年が05年基準、11年以降が10年基準。
(資料)日本銀行『名目実効為替レート指数』、『基調的なインフレ率を捕捉するための指標』などをもとに
三菱UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
(%)
1.2
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
-0.1
-0.2
-0.3
-0.4
-0.5
-0.6
08
2016
(年、月)
-2
16年7月11日
-14.9
(123.5円/㍑)
-30
110 円高
消費者物価・生鮮食品・
エネルギーを除く総合(左目盛)
(日銀版コアコアCPI)
-1.5
-1
ガソリン価格(週次、左目盛)
-20
0.9
(年、月)
-10
-20
-30
-40
-1-
-20
10円の円安・ドル高(円高・ドル安)で、
2016年の訪日外国人数は59.2万人増加(減少)
-40
円高・外客減
-60
85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (暦年)
(注1)2016年のドル・円レートは年初から直近までの平均値、2016年の訪日外客数は1-5月値をもとに試算。
(注2)ドル・円レートの1%上昇に伴なう訪日外国人数の増加率は0.36%。訪日外国人の短期的変動を先進国GDPとドル・円レートで
説明する回帰分析(誤差修正モデル)をもとに算出。
(資料)日本政府観光局『訪日外客数・出国日本人数』、日本経済新聞社資料などをもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券
景気循環研究所作成
【①デフレ脱却に向けて】
~金融政策では、為替・株価に与える影響が大きく、名目GDPを引っ張る量的拡大が効果的。2020年度GDP
600兆円に向け、アベノミクスの3本の矢(金融緩和・財政出動・成長戦略)のコラボが必要に。~
表1.
日銀の金融政策の推移
図1.
1年半前のマネタリーベースの後を追う名目GDP
(修正マッカラム・ルールによる推定)
(円安・株高への効果)
2013年4月4日
量を伴なう緩和
2014年10月31日
量を伴なう緩和
2015年12月18日
量を伴なわず
2016年1月29日
量を伴なわず
「量的・質的金融緩和」の導入を決定
(マネタリーベース・コントロールの採
用・長期国債買入れの拡大と年限長
期化・ETF、J-REITの買入れの拡
大(全員一致)、「量的・質的金融緩
和」の継続(賛成8反対1))。
136
(トレンド=100)
132
〇
114
●必要マネタリーベース増減率(6四半期前)
=名目GDPのトレンド成長率-流通速度のトレンド変動率
+(1/β)×( 名目GDP成長率目標-名目GDPのトレンド成長率)
124
120
追加金融緩和(賛成5、反対4)。マネ
タリーベースを年間80兆円に。資産
買入れ額の拡大および長期国債買
入れの平均残存年限の長期化(賛
成5、反対4)。
112
110
116
現状維持(賛成8、反対1)。QQEを補
完するための諸措置を導入。
108
112
〇
×
106
名目GDP(四半期、右目盛)
108
104
104
102
100
100
96
98
マネタリーベース
(1年半先行、月次、左目盛)
92
「マイナス金利付き量的・質的金融緩
和」を導入(賛成5、反対4)。
×
96
88
73
75
77
79
81
83
85
87
89
91
93
95
97
99
01
03
05
07
09
11
13
15
94
17 (年)
(注)マネタリーベース、名目GDPは、実額のトレンドを100として計算。トレント゛はHPフィルターにより抽出。
(資料)内閣府、日本銀行資料をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
マネタリーベース(平残)の推移
図3.
(兆円)
14、15年度に減少した公共投資(前年比)
(%)
1000
20
20年度下期 名目GDP600兆円 達成には、
19年度上期までにマネタリーベースを
676兆円に拡大させることが必要に
(年率92兆円増、20.3%増)
500
名目
15
19年度上期
676兆円
10
15年度下期
354兆円
5
0
100
-5
実質
( 年度半 期)
50
-10
2006
2008
2010
2012
2014
2016
2018
2020
(注)名目GDP(トレンド除去後)のマネタリーベース(同、3半期前)の変動に対する弾性値(0.09、92年度上期~15年度上期)
をもとに推計。
(資料)日本銀行、内閣府資料をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
2012
13
14
15
16
(年、四半期)
(資料)内閣府資料をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
-2-
118
116
●名目GDP(トレント゛除去後)のマネタリーベース(同、6四半期ラグ)に対する
長期的な弾性値(β)は0.11(推計期間:83年1-3月期~12年10-12月期)
128
(資料) 日本銀行資料をもとに三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
図2.
(トレンド=100)