東海市における土壌・地下水汚染に係る報告について [PDF

※東海市記者クラブ同時発表
平成 28 年7月 20 日(水)
愛知県尾張県民事務所 知多県民センター
環境保全課 環境保全グループ
担当 礒貝、吉田
電話 0569-21-8111(代表)
内線 262、264
愛知県環境部水地盤環境課
規制・土壌グループ
担当 柘植、宮本
内線 3045、3050
ダイヤルイン 052-954-6225
東海市における土壌・地下水汚染に係る報告について
株式会社ダイセキ環境ソリューションが、同 社 名 古 屋 リ サ イ ク ル セ
ひ そ
ン タ ー において自主的に土壌汚染等調査を実施したところ、砒素 及びそ
の化合物による土壌汚染並びに砒素及びその化合物、ふっ素及びその化
合物、ほう素及びその化合物による地下水汚染が判明した旨、本日、同
社から報告がありました。
事業者は、今後地下水モニタリングを実施していく予定です。
また、愛知県は事業者に対し土壌・地下水汚染対策を適切に実施する
よう指導するとともに、東海市はじめ関係行政機関と連携して、原因調
査、周辺の井戸の水質調査及び井戸所有者に対する情報提供等を実施し
ます。
1
調査対象地
株式会社ダイセキ環境ソリューション
名古屋リサイクルセンター
しんぽう まち
東海市新宝 町 29 番1
2
報告内容
(1)報告年月日
平成 28 年7月 20 日(水)
(2)調査実施期間
平成 27 年2月9日(月)から平成 28 年7月 19 日(火)まで
(3)調査項目
ア 土壌溶出量
砒素及びその化合物
イ 地下水
第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)全 11 物質
第二種特定有害物質(重金属等)全9物質
第三種特定有害物質(農薬等)全5物質
-1-
(4)調査結果(土壌汚染等対策基準は5ページ参照)
ア 土壌溶出量
砒素及びその化合物が、次表のとおり条例に規定する土壌溶出量基準を
超過しました。
特定有害
測定結果 土壌溶出量 最大値 基準超過土壌 超過地点数
物質名
最大値
基準
検出深度
検出深度
/調査地点数
0.017mg/L 0.01mg/L
2.0m
砒素及び
2.0m
4/4
注
その化合物 (1.7 倍)
以下
6~7.5m
注:( )内は土壌溶出量基準に対する倍率を示す。
イ 地下水
調査項目のうち、砒素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、ほう素
及びその化合物が、次表のとおり条例に規定する地下水基準を超過しまし
た。
なお、砒素及びその化合物、ほう素及びその化合物は、海岸付近の地点
では地下水基準を超過しましたが、陸側の敷地境界付近 の地点では地下水
基準に適合しており、陸側の敷地外への地下水汚染の拡散は認められませ
ん。
また、ふっ素及びその化合物は、海岸付近の地点 では地下水基準に適合
し、陸側の敷地境界付近の地点は地下水基準を超過しています。
特定有害
測定結果
超過地点数
地下水基準
物質名
最大値
/調査地点数
0.020mg/L
砒素及び
0.01mg/L 以下
1/2
その化合物
(2 倍) 注
ふっ素及び
その化合物
1.1mg/L
(1.4 倍) 注
0.8mg/L 以下
1/2
ほう素及び
その化合物
2.2mg/L
(2.2 倍) 注
1mg/L 以下
1/2
注:( )内は地下水基準に対する倍率を示す。
(5)土壌・地下水汚染の原因
砒素及びその化合物は、表層の土壌汚染が確認されていないことから埋立
土もしくは自然由来と推定されます。
ほう素及びその化合物は、当該地が沿岸部にあり、海水中にほう素が含ま
れていることから海水由来と推定されます。
ふっ素及びその化合物は、海水に含まれるふっ素や埋立土の影響等も考え
られますが、海岸付近の地点は地下水基準に適合し、陸側の敷地境界付近の
地点は地下水基準を超過していることから、当該地以外が原因であることも
考えられ、汚染原因は不明です。
3
今後の対応
今後、事業者は、地下水のモニタリングを実施していく予定です。
県は、事業者に対し、地下水モニタリング等の土壌・地下水汚染対策を適切に実施す
るように指導します。また、東海市はじめ関係行政機関と連携して、主にふっ素及びそ
の化合物について、原因調査及び周辺の井戸の水質調査を実施するとともに、井戸所有
者に対する情報提供等を行います。
-2-
4
事業者の連絡先
株式会社ダイセキ環境ソリューション
住所 名古屋市港区船見町1番 86
電話 052-611-6350
5
事業所の概要
事業所の面積: 約 17,707 ㎡
業務内容:砒素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、ほう素及びその化合
物等により汚染された土壌の浄化等処理及び分別等処理を行ってい
ます。
調査対象地
-3-
参考
○
基準を超過した特定有害物質について
・砒素及びその化合物
急性の中毒症状としては、めまい、頭痛、四肢の脱力、全身疼痛、麻痺、呼
吸困難、角化や色素沈着などの皮膚への影響、下痢を伴う胃腸障害、腎障害、
抹消神経障害が報告されており、砒素化合物の致死量は体重1kg あたり砒素と
して 1.5~500mg と考えられています。
慢性の中毒症状としては、砒素に汚染された井戸水を飲んだことによって、
皮膚の角質化や色素沈着、末梢性神経症、皮膚がん、末梢循環器不全などが報
告されています。
・ふっ素及びその化合物
ふっ素を継続的に飲み水によって体内に取り込むと、0.9~1.2mg/L の濃度で
12~46%の人に軽度の斑状歯が発生することが報告されており、最近いくつか
の研究では、1.4mg/L 以上で、骨へのふっ素沈着の発生率や骨折リスクが増加
するとされています。
なお、厚生労働省では、過剰摂取による健康被害の防止の観点から、栄養補
助食品として用いるふっ素の上限摂取量を1日4mg 以下としています。
・ほう素及びその化合物
急性毒性としては、悪心、嘔吐、下痢、腹痛等の症状を起こします。ホウ酸
の中毒量は成人で1~3g、経口致死量は成人で 15~20g、幼児で5~6g、
乳児で2~3gと言われています。また、慢性毒性としては、ホウ酸水でうが
いを続けたときなどに起きる食欲不振・無力症等のほか、ホウ酸を添加した食
品の摂取による消化管障害の報告があります。
(参考:環境省水・大気環境局「土壌汚染に関するリスクコミュニケーションガ
イドライン」、改訂4版 水道水質基準ガイドブック 日本環境管理学
会編)
-4-
○
土壌汚染等対策基準について
1 土壌溶出量基準
汚染土壌から特定有害物質が地下水に溶出し、その地下水を飲用することに
よる健康影響を考慮して設定されました。
2
土壌含有量基準
汚染土壌を直接摂取することによる健康影響を考慮して設定されました。
3
地下水基準
地下水を飲用することによる健康影響を考慮して設定されました。
表
土壌汚染等対策基準(条例施行規則第 37 条)
特定有害物質の 名称
第
二
(
種
重
特
金
定
属
有
等
害
)
物
質
第
三
種(
特農
定薬
有等
害)
物
質
土壌含有量基準
(mg/kg)
地下水基準
(mg/L)
四塩化炭素
0.002 以下
-
0.002 以下
1,2-ジクロロエタン
0.004 以下
-
0.004 以下
0.1 以下
-
0.1 以下
0.04 以下
-
0.04 以下
0.002 以下
-
0.002 以下
ジクロロメタン
0.02 以下
-
0.02 以下
テトラクロロエチレン
0.01 以下
-
0.01 以下
1,1,1-トリクロロエタン
1 以下
-
1 以下
1,1,2-トリクロロエタン
0.006 以下
-
0.006 以下
トリクロロエチレン
0.03 以下
-
0.03 以下
ベンゼン
0.01 以下
-
0.01 以下
カドミウム及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
六価クロム化合物
0.05 以下
250 以下
0.05 以下
1,1-ジクロロエチレン
(
第
揮
一
発
種
性
特
有
定
機
有
化
害
合
物
物
質
)
土壌溶出量基準
(mg/L)
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
シアン化合物
水銀及びその化合物
検出されないこと
水銀が 0.0005 以下、かつアル
キル水銀が検出されないこと
50 以 下 (遊離 シアンとし て )
15 以下
検出されないこと
水銀が 0.0005 以下、かつアル
キル水銀が検出されないこと
セレン及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
鉛及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
砒素及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
ふっ素及びその化合物
0.8 以下
4,000 以下
0.8 以下
ほう素及びその化合物
1 以下
4,000 以下
1 以下
シマジン
0.003 以下
-
0.003 以下
チウラム
0.006 以下
-
0.006 以下
0.02 以下
-
0.02 以下
チオベンカルブ
PCB
検出されないこと
-
検出されないこと
有機りん化合物
検出されないこと
-
検出されないこと
-5-