知多市における土壌汚染に係る報告について [PDFファイル

※知多記者クラブ同時
平成 29 年2月 23 日(木)
愛知県尾張県民事務所 知多県民センター
環境保全課 環境保全グループ
担当 礒貝、吉田
電話 0569-21-8111(代表)
内線 262、264
愛知県環境部水地盤環境課
規制・土壌グループ
担当 柘植、宮本
内線 3045、3050
ダイヤルイン 052-954-6225
知多市における土壌汚染に係る報告について
中部電力株式会社が、知多LNG共同基地及び知多エル・エヌ・ジー
ひ
そ
株式会社敷地において自主的に土壌汚染等調査を実施したところ、砒素
及びその化合物による土壌汚染が判明した旨、県民の生活環境の保全等
に関する条例(平成 15 年愛知県条例第7号。以下「条例」という。)第
39 条の2第1項に基づき、本日、同社から報告がありました。
事業者は、汚染土壌の一部については掘削除去を行い、残置する汚染
土壌については土地所有者が地下水モニタリングを実施していく予定で
す。
1
調査対象地
知多LNG共同基地
みなみはま まち
知多市 南 浜 町 23 番
知多エル・エヌ・ジー株式会社
知多市南浜町 27 番 1 始め3筆
2
報告内容
(1)報告年月日
平成 29 年2月 23 日(木)
(2)調査実施期間
平成 28 年6月1日(水)から平成 29 年2月 22 日(水)まで
(3)調査項目(特定有害物質の種類は5ページ参照)
ア 土壌ガス
ベンゼン
イ 土壌溶出量
砒素及びその化合物
-1-
ウ
土壌含有量
砒素及びその化合物
エ 地下水
砒素及びその化合物
(4)調査結果(土壌汚染等対策基準は5ページ参照)
ア 土壌ガス
全ての調査地点で、土壌ガスは検出されませんでした。
イ 土壌溶出量
次表のとおり条例に規定する土壌溶出量基準を超過しました。
特定有害
測定結果
土壌溶出量 最大値 基準超過土壌
超過地点数
物質名
最大値
基準
検出深度 検出深度
/調査地点数
1.0m、2.0m、
0.032mg/L 0.01mg/L
砒素及び
12m
10~13m、
2/2
その化合物 (3.2 倍) 注
以下
17m、18m
注:( )内は土壌溶出量基準に対する倍率を示す。
ウ 土壌含有量
2地点で調査した結果、条例に規定する土壌含有量基準に適合していま
した。
エ 地下水
土壌溶出量を超過した2地点で調査した結果、条例に規定する地下水基
準に全て適合していました。
(5)土壌汚染の原因
当該地では砒素及びその化合物の取扱履歴がないことから、埋立土もしく
は自然由来と推定されますが、原因を特定することはできませんでした。
3
今後の対応
事業者は、汚染土壌の一部については掘削除去を行い、残置する汚染土壌につ
いては土地所有者である東邦ガス株式会社及び知多エル・エヌ・ジー株式会社が
地下水モニタリングを実施していく予定です。
県は、事業者に対し、土壌汚染対策を適切に実施するように指導していきます。
4
報告者の連絡先
中部電力株式会社 発電カンパニー
住所 名古屋市港区大江町3番地
電話 052-611-7826
火力センター
-2-
5
調査対象地の概要
調査対象地の面積: 13,536.99 ㎡
特定有害物質の使用状況等:当該地は、知多LNGターミナル内の知多LNG
共同基地及び知多エル・エヌ・ジー株式会社の敷地
の一画にあり、中部電力株式会社が土地の形質変更
を予定しています。当該地には、ベンゼンを含む原
油の取扱いはありますが、その他の特定有害物質の
取扱履歴はありません。
調査対象地
※背景地図は国土地理院の地理院地図を使用
-3-
参考
○
基準を超過した特定有害物質について
・砒素及びその化合物
急性の中毒症状としては、めまい、頭痛、四肢の脱力、全身疼痛、麻痺、呼
吸困難、角化や色素沈着などの皮膚への影響、下痢を伴う胃腸障害、腎障害、
末梢神経障害が報告されており、砒素化合物の致死量は体重1kg あたり砒素と
して 1.5~500mg と考えられています。
慢性の中毒症状としては、砒素に汚染された井戸水を飲んだことによって、
皮膚の角質化や色素沈着、末梢性神経症、皮膚がん、末梢循環器不全などが報
告されています。
(参考:環境省水・大気環境局「土壌汚染に関するリスクコミュニケーションガ
イドライン」)
○
県民の生活環境の保全等に関する条例(平成 15 年愛知県条例第7号)(抄)
(土地の形質の変更をしようとする者の義務等)
第39条の2 土地の掘削その他の土地の形質の変更(以下「土地の形質変更」とい
う。)であって、その対象となる土地の面積が規則で定める規模以上のものをし
ようとする者は、当該土地における過去の特定有害物質等取扱事業所の設置の状
況その他規則で定める事項について、土壌汚染等対策指針に従い調査し、その結
果を規則で定めるところにより知事に報告しなければならない。ただし、次に掲
げる行為については、この限りでない。
一 軽易な行為その他の行為であって、規則で定めるもの
二 非常災害のために必要な応急措置として行う行為
三 土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)第11条第1項の規定により指定され
た同条第2項に規定する形質変更時要届出区域内における土地の形質の変更
第2項(略)
-4-
○
土壌汚染等対策基準について
1
土壌溶出量基準
汚染土壌から特定有害物質が地下水に溶出し、その地下水を飲用することに
よる健康影響を考慮して設定されました。
2
土壌含有量基準
汚染土壌を直接摂取することによる健康影響を考慮して設定されました。
3
地下水基準
地下水を飲用することによる健康影響を考慮して設定されました。
表
土壌汚染等対策基準(条例施行規則第 37 条)
特定有害物質の名称
土壌溶出量基準
(mg/L)
土壌含有量基準
(mg/kg)
地下水基準
(mg/L)
(揮発性有機化合物)
第一種特定有害物質
(重金属等)
第二種特定有害物質
四塩化炭素
0.002 以下
-
0.002 以下
1,2-ジクロロエタン
0.004 以下
-
0.004 以下
0.1 以下
-
0.1 以下
0.04 以下
-
0.04 以下
0.002 以下
-
0.002 以下
ジクロロメタン
0.02 以下
-
0.02 以下
テトラクロロエチレン
0.01 以下
-
0.01 以下
1,1,1-トリクロロエタン
1 以下
-
1 以下
1,1,2-トリクロロエタン
0.006 以下
-
0.006 以下
トリクロロエチレン
0.03 以下
-
0.03 以下
ベンゼン
0.01 以下
-
0.01 以下
カドミウム及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
六価クロム化合物
0.05 以下
250 以下
0.05 以下
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
シアン化合物
水銀及びその化合物
検出されないこと
水銀が 0.0005 以下、かつアル
キル水銀が検出されないこと
50 以 下 (遊 離 シアンと し て )
15 以下
検出されないこと
水銀が 0.0005 以下、かつアル
キル水銀が検出されないこと
(農薬等)
第三種特定有害物質
セレン及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
鉛及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
砒素及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
ふっ素及びその化合物
0.8 以下
4,000 以下
0.8 以下
ほう素及びその化合物
1 以下
4,000 以下
1 以下
シマジン
0.003 以下
-
0.003 以下
チウラム
0.006 以下
-
0.006 以下
0.02 以下
-
0.02 以下
チオベンカルブ
PCB
検出されないこと
-
検出されないこと
有機りん化合物
検出されないこと
-
検出されないこと
注:土壌ガスについては、検出された場合に土壌溶出量を調べ、土壌溶出量基準の
適否を確認することになっており、基準値は設定されていません。
-5-