稲沢市における土壌・地下水汚染に係る報告について [PDF

※稲沢市同時
平成 29 年2月 21 日(火)
愛知県尾張県民事務所環境保全課
環境保全第一グループ
担当 芳澤、望月
ダイヤルイン 052-961-7254
愛知県環境部水地盤環境課
規制・土壌グループ
担当 柘植、宮本
内線 3045、3050
ダイヤルイン 052-954-6225
稲沢市における土壌・地下水汚染に係る報告について
かねげん いのうえしょうてん
有限会社金源 井上 商 店 が、稲沢市内の同社ガソリンスタンドの廃止に
伴い、県民の生活環境の保全等に関する条例(平成 15 年愛知県条例第7
号。以下「条例」という。)第 39 条第2項に基づき土壌汚染等調査を実
施した結果、ベンゼンによる土壌・地下水汚染が判明した旨、本日、同
社から報告がありました。
汚染が判明した場所は、コンクリート舗装等によって覆われており、
汚染土壌の飛散のおそれはありません。また、今後事業者は、汚染土壌
については全て掘削除去し、汚染された地下水については揚水し浄化す
る予定です。
なお、県は事業者に対し土壌・地下水汚染対策を適切に実施するよう
指導するとともに、稲沢市を始め関係行政機関と連携して、旧ガソリン
スタンド周辺の井戸の水質調査、井戸所有者に対する情報提供等を実施
します。
1
調査対象地
有限会社金源井上商店 稲沢駅前SS
稲沢市駅前一丁目1番 11、1番 12
2 報告内容
(1)報告年月日
平成 29 年2月 21 日(火)
(2)調査実施期間
平成 28 年 11 月7日(月)から平成 28 年 12 月 31 日(土)まで
-1-
(3)調査項目
ア 土壌ガス
ベンゼン
イ 土壌溶出量
ベンゼン、鉛及びその化合物
ウ 土壌含有量
鉛及びその化合物
エ 地下水
ベンゼン
(4)調査結果(土壌汚染等対策基準は5ページ参照)
ア 土壌ガス
4区画のうち2区画でベンゼンの土壌ガスが検出されました。
*土壌ガス調査で第一種特定有害物質が検出された場合は、追加調査として、
土壌溶出量を測定することとされています。
イ 土壌溶出量
調査項目のうち、ベンゼンが次表のとおり条例に規定する土壌溶出量基準
を超過しました。なお、鉛及びその化合物は全ての調査区画で土壌溶出量基
準に適合していました。
特定有害
測定結果 土壌溶出量 最大値 基準超過土壌
超過区画数
物質名
最大値
基準
検出深度
検出深度 /調査区画数注 2
ベンゼン
3.8 mg/L 0.01mg/L
以下
(380 倍) 注 1
1.0m
0.5~3.2m
2/4
注1:( )内は土壌溶出量基準に対する倍率を示す。
注2:調査対象地を 10 メートル格子で分割した区画数。
ウ 土壌含有量
全ての調査地点で条例に規定する土壌含有量基準に適合しました。
エ 地下水
土壌ガスが検出された全ての区画でベンゼンについて調査したところ、次
表のとおり条例に規定する地下水基準を超過しました。
特定有害
測定結果
地下水
超過区画数
物質名
最大値
基準
/調査区画数注 2
ベンゼン
7.0 mg/L
(700 倍) 注 1
0.01mg/L
以下
2/2
注1:( )内は地下水基準に対する倍率を示す。
注2:調査対象地を 10 メートル格子で分割した区画数。
(5)土壌・地下水汚染の原因
ガソリンスタンドで取り扱っていたガソリンに含まれるベンゼンによるもの
と推定されます。
(6)当該地の現在の状況
汚染が判明した場所はコンクリート舗装及び一部不透水シートによって覆わ
れており、汚染土壌の飛散のおそれはありません。
-2-
3
今後 の対応
事業 者は、汚染
染土壌につ
ついては全
全て掘削除
除去し、汚
汚染された 地下水につ
ついては
揚水し 浄化する予
予定です。
県は 、事業者に
に対し、汚
汚染土壌の
の掘削除去
去時の飛散 ・流出防止
止等の土壌
壌・地下
水汚染対
対策を適切
切に実施す
するように
に指導して
ていきます 。また、稲
稲沢市を始
始め関係
機関と連
連携して旧
旧ガソリン
ンスタンド
ド周辺の井
井戸の水質
質調査を実施
施すると ともに、
井戸所有
有者に対す
する情報提
提供等を実
実施します
す。
4
5
報告 者の連絡先
先
有限 会社金源井
井上商店 代表取締
締役
増田北町 119 番地
住所 稲沢市増
電話 0587-244-0192
井上
上
裕昭
調査 対象地の概
概要
調査 対象地の面
面積:357
7.69 ㎡
特定 有害物質の
の使用状況
況等:当該
該地では、有
有限会社金
金源井上商
商店が昭和
和 47 年か
ら平成
成 28 年 10
0 月まで、ガソリン スタンド として営
業して
ていました
た。ガソリ ンにはベ ンゼンが含
含まれて
おり、
、有鉛ガソ
ソリンの販
販売が廃止
止されるま では、有
鉛ガソ
ソリンを取
取り扱って
ていました
た。
調査対象地
地
※
※背景地図は
は国土地理
理院の地理院
院地図を使
使用
-3-
参考
○
基準を超過した特定有害物質について
・ベンゼン
急性毒性としては麻酔作用であり、高濃度暴露では中枢神経系に作用して、頭
痛、悪心、けいれんを起こし昏睡死亡します。慢性中毒として、造血組織に対す
る障害作用があげられます。
(参考:改訂4版 水道水質基準ガイドブック 日本環境管理学会編)
○
県民の生活環境の保全等に関する条例(平成 15 年愛知県条例第7号)(抄)
(汚染の状況の調査等)
第三十九条
1(略)
2 特定有害物質等取扱事業者は、その特定有害物質等取扱事業所(規則で定める
ものに限る。)の全部又は一部の廃止をしようとするときは、土壌汚染等対策指針
に従い当該廃止に係る特定有害物質等取扱事業所が設置されている土地において
土壌汚染等調査を行い、その結果を規則で定めるところにより知事に報告しなけ
ればならない。
3~5(略)
-4-
○
土壌汚染等対策基準について
1 土壌溶出量基準
汚染土壌から特定有害物質が地下水に溶出し、その地下水を飲用することに
よる健康影響を考慮して設定されました。
2 土壌含有量基準
汚染土壌を直接摂取することによる健康影響を考慮して設定されました。
3 地下水基準
地下水を飲用することによる健康影響を考慮して設定されました。
表
土壌汚染等対策基準(条例施行規則第 37 条)
特定有害物質の名称
土壌溶出量基準
(mg/L)
土壌含有量基準
(mg/kg)
地下水基準
(mg/L)
(揮発性有機化合物)
第一種特定有害物質
(重金属等)
第二種特定有害物質
四塩化炭素
0.002 以下
-
0.002 以下
1,2-ジクロロエタン
0.004 以下
-
0.004 以下
0.1 以下
-
0.1 以下
0.04 以下
-
0.04 以下
0.002 以下
-
0.002 以下
ジクロロメタン
0.02 以下
-
0.02 以下
テトラクロロエチレン
0.01 以下
-
0.01 以下
1,1,1-トリクロロエタン
1 以下
-
1 以下
1,1,2-トリクロロエタン
0.006 以下
-
0.006 以下
トリクロロエチレン
0.03 以下
-
0.03 以下
ベンゼン
0.01 以下
-
0.01 以下
カドミウム及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
六価クロム化合物
0.05 以下
250 以下
0.05 以下
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
シアン化合物
水銀及びその化合物
検出されないこと
水銀が 0.0005 以下、かつアル
キル水銀が検出されないこと
50 以 下 (遊 離 シアンと し て )
15 以下
検出されないこと
水銀が 0.0005 以下、かつアル
キル水銀が検出されないこと
(農薬等)
第三種特定有害物質
セレン及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
鉛及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
砒素及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
ふっ素及びその化合物
0.8 以下
4,000 以下
0.8 以下
ほう素及びその化合物
1 以下
4,000 以下
1 以下
シマジン
0.003 以下
-
0.003 以下
チウラム
0.006 以下
-
0.006 以下
0.02 以下
-
0.02 以下
チオベンカルブ
PCB
検出されないこと
-
検出されないこと
有機りん化合物
検出されないこと
-
検出されないこと
注:土壌ガスについては、検出された場合に土壌溶出量を調べ、土壌溶出量基準
の適否を確認することになっており、基準値は設定されていません。
-5-