小牧市における土壌汚染に係る報告について [PDFファイル

※小牧市政記者クラブ同時発表
平成 28 年5月 11 日(水)
愛知県尾張県民事務所環境保全課
環境保全第二グループ
担当 原野、牧原尚
ダイヤルイン 052-961-7255
愛知県環境部水地盤環境課
規制・土壌グループ
担当 柘植、宮本
内線 3045、3050
ダイヤルイン 052-954-6225
小牧市における土壌汚染に係る報告について
株式会社大林組が、小牧市内の同社名古屋機械工場・名古屋機材セ
ンターの敷地内において自主的に土壌汚染等調査を実施したところ、
六価クロム化合物並びに鉛及びその化合物による土壌汚染が判明した
ため、県民の生活環境の保全等に関する条例(平成 15 年愛知県条例第
7号。以下「条例」という。)第 45 条第1項に基づき、本日、同社か
ら報告がありました。
なお、汚染が判明した場所は、現在は建物及び不透水シートで覆わ
れており、汚染土壌の飛散や雨水等による汚染の拡散のおそれはあり
ません。また、今後、事業者は、汚染土壌の掘削除去を予定していま
す。
1
調査対象地
株式会社大林組
ふ な つ
名古屋機械工場・名古屋機材センター
きゅうほじ
小牧市大字舟津 字久保寺 877 番1の一部
2 報告内容
(1)報告年月日
平成 28 年5月 11 日(水)
(2)調査実施期間
平成 28 年1月5日(火)から平成 28 年4月 15 日(金)まで
(3)調査項目
ア 土壌ガス
第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)全 11 物質
イ 土壌溶出量
六価クロム化合物、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、ふっ素
及びその化合物、PCB
-1-
ウ
土壌含有量
第二種特定有害物質(重金属等)全9物質
エ 地下水
六価クロム化合物、鉛及びその化合物
(4)調査結果(土壌汚染等対策基準は5ページ参照)
ア 土壌ガス
全ての調査地点で検出されませんでした。
*土壌ガス調査で第一種特定有害物質が検出された場合は、追加調査として、
土壌溶出量を測定することとされています。
イ 土壌溶出量
調査項目のうち、六価クロム化合物、鉛及びその化合物 が次表のとおり
条例に規定する土壌溶出量基準を超過しました。
特定有害
測定結果 土壌溶出量 最大値 基準超過土壌
超過区画数
物質名
最大値
基準
検出深度
検出深度 /調査区画数注 2
六価クロ
ム化合物
0.75mg/L 0.05mg/L
0~0.5m
(15 倍) 注 1
以下
0.029mg/L 0.01mg/L
鉛及び
その化合物 (2.9 倍) 注 1
以下
2.0m
0~0.5m
6/195
0~0.5m,
2.0m
1/195
注1:( )内は土壌溶出量基準に対する倍率を示す。
注2:調査対象地を 10 メートル格子で分割した区画数。
ウ 土壌含有量
調査項目のうち、鉛及びその化合物が次表のとおり条例に規定する土壌
含有量基準を超過しました。
特定有害
測定結果 土壌含有量 最大値 基準超過土壌
超過区画数
物質名
最大値
基準
検出深度
検出深度 /調査区画数注 2
590mg/kg 150mg/kg
鉛及び
その化合物 (3.9 倍) 注 1
以下
0~0.5m
0~0.5m
6/195
注1:( )内は土壌含有量基準に対する倍率を示す。
注2:調査対象地を 10 メートル格子で分割した区画数。
エ 地下水
六価クロム化合物は土壌溶出量基準を超過した区画のうち濃度が高めの
2区画で、鉛及びその化合物は土壌溶出量基準を超過した1区画で 、地下
水を調査した結果、全て条例に規定する地下水基準に適合していました。
(5)土壌汚染の原因
六価クロム化合物並びに鉛及びその化合物については、過去に工場で使用
されていた塗料に含まれていたことから、人為的な汚染である可能性が高い
と考えられます。
(6)当該地の現在の状況
汚染が判明した場所は、現在は建物及び不透水シートで覆われており、汚
染土壌の飛散や雨水等による汚染の拡散のおそれはありません。
-2-
3
今後の対応
事業者は、汚染土壌を全て掘削除去する予定です。
県としては、事業者に対し、汚染土壌の掘削除去時の飛散・流出防止等の土壌汚
染対策を適切に実施するように指導していきます。
4
事業者の連絡先
株式会社大林組 名古屋支店 総務部総務課 金子正文
住所 名古屋市東区東桜 1-10-19
電話 052-961-5111
5
調査対象地の概要
調査対象地の面積:21,636.32 ㎡
調査対象地の状況等:調査対象地は、株式会社大林組が昭和 42 年から現在ま
で機械工場・機材センターとして利用しており、平成 11
年まで六価クロム化合物、鉛及びその化合物を含む塗料
を使用していました。なお、今回の調査対象地の南側の
敷地についても、土壌汚染がありました(平成 26 年 3 月
18 日公表)が、すでに掘削除去が終了しています。
調査 対象地
-3-
○
参考
基準を超過した特定有害物質について
1 六価クロム化合物
六価クロム化合物の毒性として、溶液にさわったり、非常に細かい粒子を
含む蒸気を吸い込むことによって、手足、顔などに発赤、発疹が起こり、炎
症が生じることが知られています。また、鼻の粘膜やのどへも炎症が生じや
すく、ひどくなると鼻中隔の内部の組織にまで炎症が及ぶことがあります。
2
鉛及びその化合物
化合物によって毒性は異なりますが、高濃度の鉛による中毒の症状としては、
食欲不振、貧血、尿量減少、腕や足の筋肉の虚弱などがあります。
体内に取り込まれた鉛は血中などに分布したあと、90%以上が骨に 沈着
します。主に尿に含 まれて排泄されますが、体内の濃度が半分になるには約
5年かかり、長く体内に残ります。
(参考:環境省水・大気環境局「土壌汚染に関するリスクコミュニケーション
ガイドライン」)
○
県民の生活環境の保全等に関する条例(平成 15 年愛知県条例第7号)(抄)
(自主調査に係る報告等)
第 45 条 この節の規定に基づき行う土壌汚染等調査及び土壌汚染対策法第2条
第2項に規定する土壌汚染状況調査以外の土壌汚染等調査(以下「自主調査」
という。)を土壌汚染等対策指針に従い行った者は、当該自主調査の結果、当該
自主調査に係る土地の土壌又は当該土地にある地下水の特定有害物質による汚
染状態が土壌汚染等対策基準に適合しないことが明らかになったときは、当該
汚染の状況その他規則で定める事項を知事に報告するよう努めなけ ればならな
い。ただし、当該土地の区域について土壌汚染対策法第 14 条第1項の申請があ
った場合は、この限りでない。
2 知事は、前項の規定による報告があったときは、当該報告をした 者又は当該
報告に係る土地の所有者等に対し、必要な助言を行うことができる。
-4-
○
土壌汚染等対策基準について
1 土壌溶出量基準
汚染土壌から特定有害物質が地下水に溶出し、その地下水を飲用すること
による健康影響を考慮して設定されました。
2
土壌含有量基準
汚染土壌を直接摂取することによる健康影響を考慮して設定されました。
3
地下水基準
地下水を飲用することによる健康影響を考慮して設定されました。
表
土壌汚染等対策基準(条例施行規則第 37 条)
特定有害物質の 名称
第
2
(
種
重
特
金
定
属
有
等
害
)
物
質
第
3
種(
特農
定薬
有等
害)
物
質
土壌含有量基準
(mg/kg)
地下水基準
(mg/L)
四塩化炭素
0.002 以下
-
0.002 以下
1,2-ジクロロエタン
0.004 以下
-
0.004 以下
0.1 以下
-
0.1 以下
0.04 以下
-
0.04 以下
0.002 以下
-
0.002 以下
ジクロロメタン
0.02 以下
-
0.02 以下
テトラクロロエチレン
0.01 以下
-
0.01 以下
1,1,1-トリクロロエタン
1 以下
-
1 以下
1,1,2-トリクロロエタン
0.006 以下
-
0.006 以下
トリクロロエチレン
0.03 以下
-
0.03 以下
ベンゼン
0.01 以下
-
0.01 以下
カドミウム及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
六価クロム化合物
0.05 以下
250 以下
0.05 以下
1,1-ジクロロエチレン
(
第
揮
1
発
種
性
特
有
定
機
有
化
害
合
物
物
質
)
土壌溶出量基準
(mg/L)
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
シアン化合物
水銀及びその化合物
検出されないこと
水銀が 0.0005 以下、かつアル
キル水銀が検出されないこと
50 以 下 (遊離 シアンとし て )
15 以下
検出されないこと
水銀が 0.0005 以下、かつアル
キル水銀が検出されないこと
セレン及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
鉛及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
砒素及びその化合物
0.01 以下
150 以下
0.01 以下
ふっ素及びその化合物
0.8 以下
4,000 以下
0.8 以下
ほう素及びその化合物
1 以下
4,000 以下
1 以下
シマジン
0.003 以下
-
0.003 以下
チウラム
0.006 以下
-
0.006 以下
0.02 以下
-
0.02 以下
チオベンカルブ
PCB
検出されないこと
-
検出されないこと
有機りん化合物
検出されないこと
-
検出されないこと
-5-