2016年6月

2016年7月12日
(No.2,505)
〈マーケットレポートNo.4,901〉
主要国・地域のリート市場の最近の動向(2016年6月)
欧州を除き底堅い推移が続こう
グローバル市場は続伸
為替は大幅なマイナスに作用
(ポイント)
130
120
■6月のグローバル・リート市場は、現地通貨ベースでは
月間+4.3%の上昇となりました。英国のEU(欧州 110
連合)離脱選択がサプライズとなり、欧州市場は英
100
国を中心に下落しました。ただし金融市場の混乱は
早期に回復し、その他の国・地域ではむしろ長期金 90
利の低下がリート市場の支援材料となり上昇しました。 80
■為替は円が安全資産として買われ、主要国の通貨
に対して、急激な円高が進行しました。この結果、円
ベースでのグローバル・リート市場は▲2.6%の下落と
なりました。
15/6
北米
アジア
欧州
オセアニア
15/8
15/10
15/12
16/2
16/4
16/6
(年/月)
(注)データはGPRグローバル・ハイ・インカム・リート・インデックス
(現地通貨ベース)。期間は2015年6月末~2016年6月末。
2015年6月末を100として指数化。
(出所)GPR社のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
欧州は大幅に下落
【各国・地域の騰落率(6月)(円ベース)】 国・地域
北米、オセアニア、アジアは堅調
■各地域を現地通貨ベースで見ると、月間で欧州が
▲6.4%と下落しましたが、北米は+8.6%、オセア
ニアは+3.4%、アジアは+3.3%の上昇となりました。
■北米の好調は、英国のEU離脱のマイナス影響が限
定的との見方が大勢な中、米国の年内の追加利上
げ見通しが後退し、長期金利が低下したことが背景
です。欧州は、今後の経済成長への懸念や不動産
市況の悪化に対する観測から、投資家のリスク回避
の姿勢が強まりました。
【地域別インデックスの推移(現地通貨ベース)】
グローバル
北米
米国
カナダ
欧州
ベルギー
オランダ
フランス
英国
月間騰落率
▲2.6%
+0.5%
+0.8%
▲1.1%
▲16.1%
▲10.8%
▲17.0%
▲10.5%
▲23.8%
国・地域
オセアニア
豪州
アジア
シンガポール
日本
香港
月間騰落率
▲1.7%
▲1.7%
+0.6%
+0.2%
▲0.6%
+4.3%
(注)データは、GPRグローバル・ハイ・インカム・リート・インデックス(円ベース)。
(注)データはGPRグローバル・ハイ・インカム・リート・インデックス(円ベース)。
(出所)GPR社のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
欧州を除き低金利、不動産市場の好調がリートをサポートへ
■主要中央銀行の緩和的な金融政策が引き続きグ ■オセアニアに関しては追加利下げ観測が根強く、ア
ローバル・リート市場をサポートしており、欧州を除き、 ジアに関してもマクロ環境は厳しいものの、長期金
利の低下からリート市場への投資家の関心は継続
市場は堅調な推移が見込まれます。米国では利上
する見通しです。欧州は英国のEU離脱選択による
げが想定されますが、世界的な景気の先行き不透
政治・経済の不透明感から、英国を中心に安定感
明感から利上げペースは緩慢と予想されます。
に欠ける展開が続く可能性があると思われます。
2016年7月11日 米国の雇用統計(2016年6月) 雇用は増加の勢いを回復
2016年6月21日 「景気拡大は長期化」する見込み(米国)
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