都市環境工学特講

都市環境工学特講
担当教員名
堤行彦
授業科目区分
専門科目
配当年次
1・2年
履修区分
選択
授業の到達目標及びテーマ
○到達目標
水を中心とした21世紀の都市インフラのあり方とグローバルな水戦略について幅広く議論できる
能力を養う。水をテーマに幅広い議論を行うことで探究力・創造力の向上を図る。
○テーマ
水に関する都市インフラ施設の現状、課題を中心にグローバルな視点も含め幅広い基礎知識を
ベースに、21世紀の水関連インフラを持続可能にするためには今後どうあるべきかについて、減災
対策、下水再生利用など新しい都市水システムの考え方、技術の進歩も具体的に示しながら講義と
議論を行う。
この日は、下水再生利用の海外事例やその技術
「ユニットの中には、このモジュールが詰まっ
としてのMBR(膜分離活性汚泥法)、RO膜(逆
ています」実物の膜やモジュールを使っての講
浸透膜)技術・設計事例について。中東やカリ
義です。セラミックの膜は熱処理によって滅菌
フォルニアなど降雨量の少ない地域では、海水
ができるので、ジュースの濃縮など食品産業で
淡水化や下水再生水利用が検討されています。
も応用されています。膜ろ過法には、用いる膜
日本でも沖縄と福岡に大規模な海水淡水化施設
の種類、形状、材質、設置方法、通水方式、ろ
がありますが、海水は塩濃度が高いため処理に
過方法にそれぞれいくつかの種類があり、その
は大きな圧をかける必要があり、河川水利用の
組み合わせ方は様々です。メーカーはどんな設
数十倍ものコストがかかります。対して、下水
計にするか各社それぞれ工夫して競争していま
の塩濃度は海水よりも低くコストは海水利用の
す。
半分以下で済みますが、人々の抵抗感の払拭が
課題です。
(2016年6月取材)