2016 年度 推薦入試【11 月 21 日 文学部言語表現学科 国語基礎学力型】 〔一〕 問1 1 けた 2 かんよう 3 いしん 4 きょうせい 年来 2 習熟 3 性分 4 控 問2 1 問3 平均週二冊の本を読んでいる 問4 だから、外 問5 ア 問7 劣位 問8 イ 問6 私はネイテ 〔二〕 問1 統制 1 問2 動機 問5 知り合いと 2 問3 呈 エ 問6 問4 オ 既存の人間関係 問7 イ 問8 エ 問9 例 2015 年 2 月に神奈川県川崎市で中学校一年生の男子が刺殺される痛ましい事件が起こった。17 歳 と 18 歳との少年三人が殺人容疑でほどなく逮捕されたが、犯人が特定されるまでの間、インターネット 上では加害者探しが盛んであった。このとき、事件には無関係であるにも関わらず、加害者と疑われた 複数の個人の氏名や肖像がインターネット上に拡散された。匿名で発信される情報を鵜呑みにしてしま う愚かさを自覚しつつも、興味本位でこうした情報に惹かれてしまうことは、誰しも否定し難いかもし れない。 「火のないところに煙は立たず」とばかり、何かしらやましいところがあればこそ、そうした情報が 伝達されてしまうのだ。そう思い込んで、この手の空疎なうわさ話や悪質なデマを、額面通りに信じて しまう友人が私の周囲にも居た。自分たちに直接は関係がないものの、同世代が関与しているので、私 たちの周囲でも起こりうる出来事かもしれない。そう思った私は、友人の思い込みを正そうとした。こ れほど大きな事件でなくとも、周囲で日常的に発生する小さなすれ違いや誤解に起因するうわさ話を、 真偽を吟味もしないで額面通りに受け取って欲しくはなかったからだ。 そもそもは小さなうわさ話が、twitter や LINE を通じて急速に増幅されて、いつの間にか、とんでも なく大きく膨れ上がってしまうことが、今日ではしばしばある。それら SNS における人間関係のトラブ ルから自殺に追い込まれる事例さえ報道されている。 「人の噂も 75 日」という諺はもう真実を表わさない。デジタル情報は半永久的に残るのだ。誤解や思 い込みもいったん流通したら消しようがないかもしれない。だから、明らかな誤解や間違いがあれば、 できるだけ早い段階で修正する必要がある。相手の面子を立てることだけに終始していては、結果的に 自他に大きな不利益をもたらしかねない。私たちはそういう時代に生きているのである。(795 字)
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