0.イントロダクション

イントロダクション
講義の目的
• ミクロ経済学に出てくる基本的な概念を理解
する
• ミクロ経済学の教科書は、だいたい同じ内容
• 基本的な用語やその意味
• 式や図で表される部分のほうが基本的で、解
釈が、お話
モデルについて
• 講義の内容は、ミクロ経済学モデル・・式や図
• モデル化しないで現実が認識できるかは、よく
わからない
• 物理学のモデルほど、直接応用するのは、難
しい
• しかし、モデル分析の結果を無視した政策は、
失敗する。
– 例・・家賃や食料価格の規制は、借家不足や食料
危機を招く
• 60年代ごろまでのモデルは、現実の雛形、70
年代以後は、メカニズムの明確化を目的とす
傾向
財(good)について
• 物の一番一般的な表現が財(good)
• 商品(commodity)
– 資本論や価値の理論は、商品
• (生産)要素
– 土地や労働(作られたものでないもの)
• 中間生産物(作られたもの)
– 両方をあわせて投入
• 生産物、製品 (product)
– 作られたもの
財(good)について(続き)
•
•
•
•
普通、生産や消費は、時間当たりのフロー
特定時点にあるのがストック
時点が違う財は、違う財
条件付の財
市場と部分均衡分析
価格
供給曲線
需要曲線
数量
特定の財市場の需要と供給
• 市場(Market) ・・・値段がついて、売り買いさ
れるところ
• 河豚の需要は、所得や鱈の価格に依存
• 結局、すべてがすべてに依存
• すべての市場を同時に考えるのが一般均衡
分析
• 一つの市場だけを取るのが部分均衡分析(需
要と供給の図)
• 一般均衡的な考え方ができるかどうかが、経
済的に考えられるかどうかの指標
限界概念
• 限界○○(marginal ..)が至るところに出てくる
• 少し変化すること
• ジェボンズは、finalを用いたがマーシャルが
marginalという表現を用いた
• marginは端(例 余白)で普通の英語では、
marginalは重要ではない。
• 経済学では「限界」(margin) が決定的に重要
限界概念(続き)
• 数学的には限界○○は、 ○○の微分
– 例 費用 C(x): x 生産量⇒限界費用 C’(x)
– 生産量を一単位増やしたとき、費用がどれだ増え
るか
– 単位は、微小をもちいる
• 同じ意味で「限界的に」や「限界的な」が用い
られる
– 「ガソリン価格をリットルあたり150円から、限界
的にあげても、お客は、ほどんど減らない」
– ガソリン価格は、1円か2円だけ変化する。
偏微分
• 経済学では、二変数以上の関数が自然に出
てくる
– 例 小麦とバターからパンを作る
– パンの生産量F(x,y): x 小麦の投入 y バターの
投入
• 片方を一定にしてもう片方を変化させたのが
偏微分
F  x, y 
– 小麦の投入を限界的に変化
– y を定数とした微分
  xy 
y
x
  xy 
x
y
x
  xy  x 
 y 1
x
限界概念と偏微分
• 微分や偏微分を使うと多くの問題は、考えな
くてもできる。
• しかし、簡単な問題は、限界概念が感覚的に
わかるのが好ましい。
• 世の中には、限界概念がわからないので、
誤った考え方をすることが多い。
• 限界概念を用いて考えることができるかどう
かも、経済学を勉強しているかどうかの一つ
の指標
講義の構成
•
•
•
•
•
講義は、毎回、だいたい、同じ
最初は三つの一般均衡的な例
基本的概念を最初に説明する
最初に重要なことを集めたい
真ん中が部分均衡で、後半は、一般均衡
講義の構成
•
•
•
•
•
•
•
•
•
1.ロビンソン・クルーソー経済
2.純粋交換経済
3.比較優位と生産効率
4.需要と供給
5.費用と供給
6.不完全競争
7.家計の理論
8.企業の理論
9.市場均衡と厚生
• (A)簡単な一般均衡モデル・・価格の役割に
焦点
– 1.ロビンソン・クルーソー経済
– 2.純粋交換経済
– 3.比較優位と生産効率
• (B)部分均衡・・需要と供給の図、その背景、応
用
– 4.需要と供給
– 5.費用と供給
– 6.不完全競争
• この章のみが完全競争でない場合を扱う
• (C)一般均衡・・各パートと全体
– 7.家計の理論
– 8.企業の理論
– 9.市場均衡と厚生
• 講義ノートとプレゼンテーションは、
http://tmizuno.hp.infoseek.co.jp/ にある。