7.口頭審理 それではこれより口頭審理を始めます。 私は仲裁人の田中です。 皆さんから見て左側が鈴木仲裁人、右側が佐藤仲裁人です。 ひとつよろしくお願いします。 ではまず申立人さんから 今回仲裁を申し立てた趣旨を簡単にお話しいただけますか? 7.口頭審理 うちは船会社をやっていて こちらのオペレーターさんに うちの船を定期傭船に出してるんですが この間雨が降ったために荷役ができなかった時間を オフハイヤーにするって言われたんですよ。 7.口頭審理 なるほど。 それで契約書の オフハイヤー条項は どうなっているんですか? 雨で荷役ができないような 時間については 何も書いてないんです。 7.口頭審理 では次に被申立人さん どうして契約にないのに オフハイヤーと したのですか? それはじゃなぁ、船主が 雨で荷役のできない間に メインエンジンやクレーンを 修理しとったからじゃよ。 7.口頭審理 申立人さんは 修理をしていたんですか? いやぁ~、どうせ 荷役はできないと思って 前からちょっと調子の 悪かったところを少し・・・。 7.口頭審理 修理はどのくらい かかったんですか? エンジンは雨の間中 ずっと修理してましたが クレーンはほんの 2時間くらいですかねぇ。 7.口頭審理 何か立証できるものは ありますか? わしが会社の者に 今すぐFAXで 書面を送らせよう。 7.口頭審理 なるほど。 これによると クレーンの修理に 2時間かかっていますね。 ほれみたことか。 メインエンジンなんか 雨の間ずーっと修理 しとったんじゃぞ! 7.口頭審理 そうですか。 事情はよくわかりました。 他に特になければこれで審理を終わります。 判断書は1ヵ月以内に出すことにします。 よろしくお願いします。
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