第13課 日本語と漢字 一、「限る」 【意味と用法】 Ⅰ.動詞 ①「名に限る」 限定する。 希望者は女子に限る。 応募作品は原稿用紙400枚以内に限る。 お支払いは現金に限る。 ②「名に限り、~」 「~だけ」の意味。 11時までにいらっしゃったお客さまに限り、 80円のコーヒーを50円で差し上げます。 来週の日曜日に限り、午前中休みます。 ③「名に限って、~」 「~だけはほかと違って」の意味。 ハイキングに行こうという日に限って雨が 降る。私はいつも運が悪いなあ。 急いでいる時に限って、タクシーがつかま らない。 ③「名に限らず、~」 「~だけでなく、ほかの場 合も」の意味。 若い人に限らず、かなりの年の人でもお しゃれしています。 男性に限らず、女性もハイテク企業に進出 している。 ④「…とは限らない」 「…とは決まっていない」の 意味。 金持ちが必ずしも幸福とは限らない。 警察官だからといってみな勇敢だとは限ら ない。 ⑤「…に限る」 「…が一番だ」という意味。 一日の仕事を終えた後は、冷えたビール に限る。 自分が悪いと思ったら、素直に謝るに限る。 Ⅱ.名詞 ① 「限りがある(ない)」 「限度・限界がある(ない)」という意味を表す。 資源には限りがある。無駄遣いしてはいけ ない。 欲を言えば、限りがない。 ② 「名詞の・動詞連体形+限り」 「最高限度・極限まで」「すべて」の意味。 慣用表現が多い。 力の限り戦ったのだから、負けても悔いは ない。 戦後この辺りは見渡す限り焼け野原だっ た。 ③ 「名詞+限り」 時間・回数・空間を表す名詞に付いて、そ れが限度であることを表す。 彼女は今年限りで定年退職することになっ ている。 今の話はこの場限りで忘れてください。 ④ 「動詞連体形+限り(では)」 「見る・聞く・調べる」などの認識を表す動詞につく。 「自分の知識・経験の範囲内で判断すれば」という 意味を表す。 私の知っている限りでは、この町にトモダという 人は住んでいない。 この植物は、私が今まで調べた限りでは、まだ 日本では発見されていないようだ。 ⑤「名詞である・動詞連体形+限り」 「~の状態が続く間は」という意味を表す。 プロである限り、その大会への出場資格 はない。 この建物は許可がない限り、見学できませ ん。 二、「際」 【意味】 「ちょうどその時」という意味。 【用法と用例】 ①「名の・動詞連体形+際(には)」 今度お伺いする際、忘れずに必ず持って 行きます。 ③「名詞・動詞基本形+に際して」 お別れに際して一言ご挨拶を申し上げま す。 この調査を始めるに際しては、関係者の 了解をとらなければならない。 三、「 … を異にする」 【意味】 別にする、異なっているという意味。 【用例】 性格を異にする。 出口と入り口を異にする。 この問題に関して、あの人と私は判断を異 にしている。 四、接尾語「 立て」 【意味と用例】 ①車に付ける牛馬の数や船の櫓の数などに付け て、それだけの数で成り立っていることを表す。 2頭立ての馬車 ②作品・項目・種類などの数を受けて、一度にいく つも行うという意味を表す。 あの映画館は3本立てで500円だそうです。 五、接尾語「 ばる」 Ⅰ.動詞「張る」 ①自動詞 木の根は地中に深く張っている。(=伸び広が る) 寒い朝は、庭の池に氷が張る。(=凍る) ほしい品だが、値が張って買えない。(=値段が 高い) ②他動詞 風呂場にタイルを張る。(=くっつける) テントを張って、キャンプをする。(=広げ る) ミンクのコートを買うなんて、見栄を張るに もほどがある。(=外から見た目をよくす る) Ⅱ.接尾語「張る」 【接続】 「体言・動詞連用形+ばる」 【意味と用例】 ①膨らんだ状態にある様を表す。/郵軟、皇軟 【出張る】 (自) 普通より余分に外へ出る。/突出 やせてあごが出張る。 【角張る】 (自) a.角が突き出ている。/有稜角 角張った岩山を登る。 b.ものの言い方などが滑らかでない様子。/生硬 そんな角張った言い方をしなくてもいいじゃないか。 ②固い状態やマイナス状態が全体に行き渡って いる様子を表す/燕幣堰吶議彜蓑。 【骨ばる】(自)骨が多く出てごつごつしている。 /露出骨头 骨張った体つき 【意地張る】(自)思ったことをどうしても通そう とする。/固执己见 あまり意地張ると人に嫌われる。 ③精一杯そのことに打ち込んでいる様子/燕幣憧 凋議、鶏窟議劔徨。 【気張る】(自) a.意気込んで張り切る。/发奋,振作起来 試験の時はあまり気張らないほうがいいよ。 b.気前よく金を出す。/花钱大方 祖父はだいぶ気張ってお年玉をくれた。 【頑張る】(自)/拼命努力 彼は夜遅くまで頑張って勉強している。 六、慣用句 1、「頭が上がらない」 引け目があったり、相手の力が強かったり して、自分が小さくなっていなければならな い様子。 借金があるので、頭が上がらない。 2、「顔を立てる」「顔が立つ」 「顔を立てる」 面目が立つようにする。 ⇔「顔をつぶす」 そんなに反対しないで、少しは私の顔を立 ててくれないか。 「顔が立つ」 面目が立つ。 ⇔「顔がつぶれる」 彼はよく働くので、紹介した私の顔が立ち ます。 3、「大目玉を食う」 ひどく叱られること。 いたずらが過ぎて、父から大目玉を食う。 4、「鼻の先で人をあしらう」 相手の言葉に、ろくに返事もせずに冷淡に あつかう。 わからないところを教えてもらったが、鼻の 先であしらわれてしまった。
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