ビジネスプロセスのモデリングと設計テキスト

BPM
ビジネスプロセスの分析設計技法
専修大学 ネットワーク情報学部 小林 隆
[email protected]
http://www.ne.senshu-u.ac.jp/~thn0674/
All
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Reserved,Copyright
Copyright©©2010,
2009, Takashi
TakashiKobayashi
Kobayashi
BPM
11
目次
BPM
1 ビジネスプロセス
2 ビジネスプロセスモデリング
3 ビジネスプロセス設計技法
4 ビジネスプロセス設計の実習
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2
目次
BPM
1 ビジネスプロセス
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3
アマゾンとは
BPM
• 本社所在地: ワシントン州シ
アトル
• 創業: 1994年7月 (日本上陸
は2000年11月)
• 社長:Jeffrey P. Bezos
• 従業員:約24,300名
• 売上げ:245億ドル、純利益:9
億ドル
• 商品点数:2,000万点以上、書
籍は330万点、電子書籍は46
万点
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4
アマゾンのビジネスモデル
書籍点数(万点)
350
300
250
200
150
100
50
0
BPM
売場面積(m2)
80000
70000
60000
50000
40000
30000
20000
10000
0
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5
アマゾンのビジネスモデル
BPM
売上
ロングテールで儲ける
商品
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6
商品検索BPM
エンジン
カスタマー
レビュー
レコメンデーショ
ン
エンジン
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7
アマゾンの物流センター
BPM
• 所在地:千葉県市川市、八代市、大阪府堺市
• 敷地面積:62,000㎡, 34,000㎡, 68,000㎡
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8
アマゾンのビジネスモデル
BPM
アマゾン
商品検索
出版社
カスタマー
レビュー
マイページ
顧客
レコメン
デーション
メール
マガジン
宅配業者
物流管理
決済
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金融機関
9
ビジネスプロセスとは
BPM
外部関係者と連携しながら、様々なビジネス
イベントに対して、ビジネス目標を達成する最善
のレスポンスを返すために実行される活動系
列。
ビジネス目標
イベント
連携
顧客
レスポンス
連携
サプライヤー
活動系列
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10
ビジネスプロセスとは
BPM
会社の業務
プロセス
パートナー
イベント
プロセス
イベント
レスポンス
顧客
パートナー
レスポンス
プロセス
プロセス
会社の業務をユーザにとって
意味のある単位に分ける。
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パートナー
11
ビジネスプロセスムーブメント
BPM
1985
1990
1995
2000
2005
Value Chain
BPR
BPI
BP
M
SOA
Workflow
部門内
人間系作業の連携
ERP
アプリケーションの連携
EAI
部門間
異種アプリケーション統合
BPR: Business Process Reengineering
BPI: Business Process Improvement
BPM: Business Process Management
SOA: Service Oriented Architecture
ERP: Enterprise Resource Planning
EAI: Enterprise Application Integration
Web Service
企業間のアプリケーション統合
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企業間
12
目次
BPM
2 ビジネスプロセスモデリング
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13
ビジネスプロセスのモデリング
BPM
目標指向モデリング
経営者の立場で考える
目標
目標
目標
目標
相互作用モデリング
顧客/パートナーの立場で考える
ビジネスプロセス
活動
イベント
活動系列モデリング
活動
レスポンス
顧客/パートナー
目標
活動
現場の立場で考える
活動
活動
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14
モデリングの目的
BPM
目標指向
モデリング
相互作用
モデリング
活動系列
モデリング
経営目標を展開
してプロセス目
標を求める。
プロセス目標を
達成するための
改善策を考え
る。
改善策を実行可
能な具体的手順
にまとめる。
目標
役割
イベント
入出力情報
活動系列
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15
目標指向モデリング
BPM
目標
目標
目標
目標
目標
プロセス
• ビジネスプロセス改善の目標を明らかにする。
• 経営者の立場で考える上流工程設計。
• 経営学と問題分析論に基づく。
戦略マップ(BSC)
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16
目標展開
BPM
目標
因果関係構造(上位目標は下位目標により達成される)
順方向展開
「その目標を
どうやって
達成するのか」
(具体化)
逆方向展開
サブ目標
サブ目標
サブ目標
サブ目標
サブ目標
サブ目標
「その目標は
何を
達成するのか」
(抽象化)
サブ目標
目標を達成する活動へのマッピング
活動1
活動2
活動4
活動3
活動5
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17
目標展開
BPM
ネイティブ並みの英語力をつける
Listening力をつける
Speaking力をつける
Reading力をつける
英会話に慣れる
早い英語に慣れる
発音に慣れる
英語放送を聴く
語彙を増やす
外人の友人を作る
Listening教材を聴く
文法力をつける
文法講座をとる
英字新聞を読む
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18
戦略マップ
BPM
企業価値の改善
収益性向上
目
標
プ
ロ
セ
ス
生産性向上
新製品・新サービス
で革新をおこす
顧客価値の向上
原価構造の改善
資産の有効活用
新規顧客
既存顧客
製品単位あたり原価
資産効率
顧客満足向上
Product(製品)
Price(価格)
Place(流通)
Promotion(プロモ)
製品、サービス、品
質、デザイン、ブランド
等
価格、割引、支払条件、
信用取引 等
チャネル、輸送、流通
範囲、立地、品揃え、
在庫 等
販売促進、広告、ダイ
レクトマーケティング 等
業務管理プロセス
顧客管理プロセス
イノベーションプロセス
顧客に製品を生産し提供
(調達、生産、配送)
顧客との関係を確立し維持
(顧客の選別、獲得、維持)
製品や顧客関係を新たに構築
(R&D、設計、開発)
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19
寿司屋の戦略マップ
BPM
行列のできる寿司屋にする
収入を増やす
顧客数を増やす
目
標
支出を減らす
客単価を上げる
原料費を節約
人材を有効活用
顧客満足を高める
Product
Price
Place
Promotion
気の利いたつまみ
リーゾナブルな価格
顧客を驚かす品揃
見やすいメニュー
おいしい酒
清潔な店舗
新鮮なネタ
落ち着いた雰囲気
旨いシャリ
楽しい会話
プ
ロ
セ
ス
ネタ開発
接客
仕入・仕込
(イノベーション)
(顧客/業務管理)
(業務管理)
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20
相互作用モデリング
BPM
イベント
レスポンス
プロセス
顧客/パートナー
• 外部イベントに対するレスポンスを明らかにする。
• 顧客/パートナーの立場で考える中流工程設計。
• システム論に基づく。
ユースケース(UML)、CNモデル、ユースケースイベントモデル
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21
ユースケース図
BPM
業務
支援
アクター
プロセス
プロセス
主
アクター
支援
アクター
プロセス
プロセス
支援
アクター
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22
CN(Commitment Network)モデル
準備
依頼者が実行者に
業務を提示する
顧客
要求
交渉
代案提示
依頼者と実行者が
実行条件に同意する
満足
BPM
実行者
同意
受入拒否
合意
依頼者が業務の成果を
受入れ評価する
実行
実行者が業務を実行し
完了を通知する
完了報告
: 状態
: 業務イベント
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23
ユースケースイベントモデル
BPM
要求
準備
交渉
支援
アクター
プロセス
プロセス
主
アクター 満
足
同
意
支援
アクター
プロセス
プロセス
支援
アクター
合意
実行
完了
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24
Amazonのユースケースイベントモデル
BPM
サイト訪問
オンライン
メルマガ
満
足
マイページ
商品検索
カスタマー
レビュー
レコメン
デーション
MKT
SL
ASV
SC
出版社
ボランティア
ユーザー
ショッピング
カート
注
文
受注手続き
顧客
クレーム処理
決済
物流管理
アウト
ソーシング
宅配業者
送り状
商品追跡
オンライン
決済
金融機関
購入履歴管理
送り状送付
Amazon
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25
活動系列モデリング
BPM
プロセス
活動
活動
活動
活動
活動
• ビジネスプロセス仕様を内部活動の実行手順として明
らかにする。
• 現場の立場で考える下流工程設計。
• 品質管理、離散系理論、計算理論に基づく。
アクティビティ図(UML)、BPEL(OASIS)、BPMN(BPMI)
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26
アクティビティ図
BPM
スイムレーン
組織1
組織2
組織3
アクティビティ
アクティビティ
オブジェクト
フォーク
分岐
アクティビティ
アクティビティ
アクティビティ
アクティビティ
ジョイン
マージ
アクティビティ
:制御フロー
:オブジェクトフロー
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27
注文処理のアクティビティ図
販売
BPM
会計
物流
商品の展示
決定?
Yes
No
決済
注文
出荷
出荷通知
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配送
28
モデリングアプローチの変遷
BPM
1980
1990
2000
TQC
BPR
BPM
業務効率
顧客満足
経営目標
活動系列モデリング
アクティビティ図、IDEF、データフ
ロー
相互作用モデリング
ユースケース、CNモデル
目標指向モデリング
拡張UML、戦略マップ
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29
モデリングアプローチとモデリング要素
モデリング要素
活動系列
Activity
sequence
BPM
モデリングアプローチ
活動系列
相互作用
目標指向
◎
入出力
Input/Output
◎
役割
Role
◎
業務イベント
Business event
◎
目標
Goal
◎
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30
モデリング技法の分類
モデリングアプローチ
モデル
種別
活動系列
状態
遷移
相互作用
目標指向
問題分析図(ロジックツリー) 戦略マップ(BSC)
ソリューションス図(ロジックツ ゴール図 (拡張UML )
リー)
因果
関係
入出力
BPM
IDEF
DFD
ユーエケースイベント図
ユースケース図(UML)
コンテキスト図
DFD
アクティビティ図(UML)
フローチャート
ARIS(IDS Scheer)
BPEL(OASIS)
BPMN(OMG)
ユースケースイベント図
CNモデル
状態遷移図/表
WS-CDL(W3C)
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31
BPMN(Business Process Modeling Notation)
BPM
• 視覚的なフローチャート形式の言語
• BPMの非営利団体BPMI(Business Process
Management Initiative)にて、IBMが中心になって
2004年に開発
• BPMNで記述されたプロセス仕様はBPELにマッピン
グされる
• 理論的裏づけはペトリネット
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32
BPMNの事例
BPM
[排他OR]
Task-B
b
Task-A
c
Task-C
XOR-Split
Task-E
XOR-Merge
d
Task-D
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33
BPMNの事例
BPM
[AND]
Task-B
Task-A
Task-C
Fork
Task-E
Join
Task-D
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34
BPEL(Business Process Execution Language)
BPM
• XML(eXtended Makeup Language)をベースとした
Webサービス用のビジネスプロセス実行言語
• eビジネスの非営利団体OASIS(Organization for the
Advancement of Structured Information Standard)に
てIBM、Microsoft、BEAの3社が中心になって2004
年に開発
• 理論的裏づけは、ペトリネット(C. A. Petri)とπ計算理
論(R. Milner)
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35
BPELの事例
BPM
[排他OR]
<sequence>
<empty name=“Task-A” />
<switch name=“XOR-gateway-split”>
<case condition=“b”>
<empty name=“Task-B”>
</case>
<case condition=“c”>
<empty name=“Task-C”>
</case>
<otherwise>
<empty name=“Task-D”>
</otherwise >
</switch>
<empty name=“Task-E” />
</sequence>
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36
BPELの事例
BPM
[AND]
<sequence>
<empty name=“Task-A” />
<flow>
<empty name=“Task-B”>
<empty name=“Task-C”>
<empty name=“Task-D”>
</flow>
<empty name=“Task-E” />
</sequence>
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37
BPM標準の系図
ビジネスプロセス記述言語
BPM
ビジネスプロセス実行言語
BPMN
XLANG
(BPMI 2004)
(MS 2001)
BPMN
BPEL
(OMG 2006) 自動変換 (OASIS 2004)
UML
WSFL
(OMG 1997)
(IBM 2001)
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38
モデリング技法の特徴
BPM
モデリング
要素
アクティビティ図
BPEL
BPMN
ユースケース
イベント図
ユースケース図
(UML)
CNモデル
ゴール図
(拡張UML)
戦略マップ
(BSC)
活動系列
○
×
×
×
×
×
入出力
×
○
○
×
×
×
役割
×
○
○
△
×
×
業務
イベント
×
○
×
○
×
×
目標
×
×
×
×
○
○
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39
目次
BPM
3 ビジネスプロセス設計技法
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40
ビジネスプロセスデザインの手順
BPM
Step 1
目標展開
Step 2
プロセス改善
Step 3
プロセス記述
経営目標を展開
してプロセス目
標を求める。
プロセス目標を
達成するための
改善策を考える。
改善策を実行可
能な具体的手順
にまとめる。
目標
役割
イベント
入出力
活動系列
41
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41
ビジネスプロセスデザインの手順
BPM
Step 1
目標展開
Step 2
プロセス改善
Step 3
プロセス記述
経営目標を展開
してプロセス目
標を求める。
プロセス目標を
達成するための
改善策を考える。
改善策を実行可
能な具体的手順
にまとめる。
戦略マップ
ユースケースイベント図
+問題分析図
+ソリューション図
+改善パターン
アクティビティ図
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42
問題解決(業務改善)の方法
BPM
Step1 目標展開
①目標設定
③問題 原因 ④解決
分析
策考案
問題点
⑤改善ビジネス
プロセス
の設計
(新しい業務手順
+情報システム)
②現行ビジネス Step2 業務改善
プロセス
の調査
Step3 要求記述
(既存の業務手順
+情報システム)
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43
Step1: 目標展開
BPM
企業価値の改善
収益性向上
目
標
生産性向上
新製品・新サービス
で革新をおこす
顧客価値の向上
原価構造の改善
資産の有効活用
新規顧客
既存顧客
製品単位あたり原価
資産効率
顧客満足向上
Product(製品)
Price(価格)
製品、サービス、品質、 価格、割引、支払条件、
信用取引 等
デザイン、ブランド 等
プ
ロ
セ
ス
Place(流通)
Promotion(プロモ)
チャネル、輸送、流通
範囲、立地、品揃え、
在庫 等
販売促進、広告、ダイ
レクトマーケティング 等
業務管理プロセス
顧客管理プロセス
イノベーションプロセス
顧客に製品を生産し提供
(調達、生産、配送)
顧客との関係を確立し維持
(顧客の選別、獲得、維持)
製品や顧客関係を新たに構築
(R&D、設計、開発)
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44
寿司屋の戦略マップ
BPM
行列のできる寿司屋にする
収入を増やす
顧客数を増やす
目
標
支出を減らす
客単価を上げる
原料費を節約
人材を有効活用
顧客満足を高める
Product
Price
Place
Promotion
気の利いたつまみ
リーゾナブルな価格
顧客を驚かす品揃
見やすいメニュー
おいしい酒
清潔な店舗
新鮮なネタ
落ち着いた雰囲気
旨いシャリ
楽しい会話
プ
ロ
セ
ス
ネタ開発
接客
仕入・仕込
(イノベーション)
(顧客/業務管理)
(業務管理)
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45
Step2: プロセス改善
BPM
プロセス目標を達成するための改善策を考える。
現行プロセスの
ユースケースイベント図
新プロセスの
ユースケースイベント図
問題解決
要求
要求
Supporter
Supporter
Process
Process
Process
Process
Supporter
Process
Plan Nego
満
足
See
同
意
Do
Customer
Process
Supporter
Process
Plan Nego
満
足
See
同
意
Do
Customer
Process
Supporter
Process
Supporter
Process
Process
Supporter
完了
Performer
問題分析図
+
ソリューション図
+
改善パターン
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Process
Supporter
完了
Performer
46
現行プロセスのユースケースイベント図
食料品卸
BPM
魚市場
来店
仕入れ
飲み物注文
宣伝
仕込み
料理注文
注
文
決
定
Plan Nego
満
足
See
Do
顧客
調理
会計
料理提供
飲み物提供
食事終了
寿司屋
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47
問題分析図(原因の究明)
BPM
1. 目標達成を阻止する問題点をリストアップする。
2. 問題点の因果関係を調べて根本的原因を究明する。
WHY?
WHY?
原因A-1
問題点A
WHY?
原因A-1-1
原因A-1-1-1
原因A-1-2
原因A-2
原因B-1
問題点B
原因B-1-1
原因B-1-1-1
原因B-1-2-1
原因B-2
問題点C
原因C-1
MECE
MECE
原因C-1-1
原因C-1-1-1
原因C-1-2
原因C-1-2-1
MECE
MECE
MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive
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48
問題分析図(解決課題の設定)
BPM
根本的原因の反意語を解決課題として設定する。
例.○○が不足→○○を充実、△△が多すぎ→○○を削減
WHY?
WHY?
原因A-1
問題点A
WHY?
原因A-1-1
反意語
原因A-1-1-1
原因A-1-2
解決課題2
原因A-2
原因B-1
問題点B
解決課題3
原因B-1-1
原因B-1-1-1
原因B-1-2-1
原因C-1
MECE
MECE
解決課題4
解決課題5
原因B-2
問題点C
解決課題1
解決課題5
原因C-1-1
原因C-1-1-1
解決課題7
原因C-1-2
原因C-1-2-1
解決課題8
MECE
MECE
MECE
MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive
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49
現行プロセスの問題分析
BPM
<問題点>
<原因>
<解決課題>
酒や肴の注文、会計な
どに時間がとられる
担当する業務が多すぎ
る
注文、会計業務を第三
者へ委託
注文、会計業務の修得
は難しい
注文、会計業務を整理、
単純化
店員の新規採用は避
けたい
アルバイト、パートの活
用
酒の選択には専門的
な知識が必要
料理や酒の値段が多
様で会計が難しい
曜日や時間帯により客
の入りが大きく変化
能力のある店員は見
つかりにくい
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50
ソリューション図(解決策の考案)
BPM
解決課題を達成するアイデアを段階的に具体化する。
例.雨に濡れたくない。どうしよう。
HOW?
解決課題1
HOW?
解決策1-1
解決策1-1-1
解決策1-1-2
解決課題2
解決課題3
解決課題4
MECE
解決策2-1
解決策2-1-1
解決策2-2
解決策2-2-1
解決策3-1
解決策3-1-1
解決策3-1-2
解決策4-1
解決策4-2
MECE
MECE
MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive
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51
ソリューション図(解決策の評価)
BPM
解決策を客観的に評価して実行案を選択する。
例.成果、コスト、緊急度、リスクなどを評価項目とする。
HOW?
解決課題1
解決課題2
解決課題3
解決課題4
MECE
HOW?
評 価
成果
コスト
解決策1-1-1
○
△
○
○
解決策1-1-2
△
×
△
△
解決策2-1
解決策2-1-1
○
△
○
△
解決策2-2
解決策2-2-1
△
△
△
△
解決策3-1-1
△
×
×
○
解決策3-1-2
○
○
○
○
○
解決策4-1
○
○
△
△
○
解決策4-2
△
△
△
×
解決策1-1
解決策3-1
MECE
緊急 リスク 結論
○
○
MECE
MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive
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52
接客プロセスの改善策
<解決課題>
BPM
<ソリューション>
注文、会計業務を第三者へ委託
オーダエントリシステムの導入
注文、会計業務を整理、単純化
ソムリエシステムの導入
アルバイト、パートの活用
アルバイト店員の採用
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53
新プロセスのユースケースイベント図
食料品卸
BPM
魚市場
来店
ソムリエ
システム
仕入れ
飲み物注文
宣伝
仕込み
料理注文
注
文
決
定
Plan Nego
満
足
オーダエント
リシステム
See
Do
顧客
調理
会計
料理提供
飲み物提供
食事終了
寿司屋
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54
①改善パターン(タスク構造)
BPM
1. イベントの変更
「ユーザの心の中に入り込む」
– ユーザの仕事や生活において、どのようなタイミングで
ビジネスイベントが発生するのかを考える。
2. フェーズの変更
「ビジネスとサービスとの狭間」
– 準備→実行:実績に基づく作業実行(受注生産)
– 交渉→実行:サービス作業の有償化(企画・分析)
– 実行→合意:リピート作業の生成(保守・拡張)
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55
②改善パターン(役割)
高
プロセス
改革
アウト
ソーシング
投資
プ
ロ
セ
ス
の
複
雑
さ
BPM
新製品開発
取引締結
配送
生産管理
申請審査
販売管理
在庫管理
プロセス
改善
自動化
低
低
プロセスの重要さ
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高
56
③改善パターン(コミュニケーション)
BPM
1. 業務範囲の変更
① フロントの拡大:顧客に近づく
顧客の業務に入り込んで、より密接に連携する
② バックの縮小:パートナーに任せる
パートナーとより密接に連携した上で、権限を委譲する
2. インタフェースの変更
顧客、パートナーとの密接な連携を促進
– バッチ → リアルタイム
– 伝達 → 対話・共有
– 単独メディア → マルチメディア
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57
Step3: プロセス記述
BPM
改善策を実行可能な具体的手順にまとめる。
生産管理
生産部門
生産部門
サブプロセス
生産計画
販売部門
生産部門
メインプロセス
需要予測
販売部門
販売部門
サブプロセス
生産計画
生産部門
生産部門
サブプロセス
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58
プロセスの保守性と再利用性
BPM
メインプロセス
サブプロセス
定義
オリジナルの依頼者と実行者の
直接的な相互作用
第三者に委託する間接的なやり
とり
範囲
顧客または取引先と企業との対
面プロセス
部門間または部門内の内部プロ
セス
特徴
•経営目標に直結したビジネスモ •メインプロセスを構成するサービ
デルを示す
ス要素を示す
•業務の論理的手順であり実装
•ビジネス環境が変化しても要求
に依存しない
されるサービスは変わらない
•ビジネス環境の変化に伴い頻繁 •ビジネス環境の変化に伴い実装
にロジックが変わる
方法が変わる
保守性
ロジックが頻繁に変わることを前
提に、可視性と変更容易性を実
現する
抽象化、疎結合性、結束性など
の技術により、サービスの柔軟
性を向上する
再利用性 業種、業務、目標を限定してビジ 共通サービスを抽出して標準化
ネスプロセスパターンを作る
する
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寿司屋の接客メインプロセス
顧客
板前・女将
BPM
アルバイト
寿司屋に食事に行くことを決定
顧客を出迎え
飲み物オーダ受付
食べ物オーダ受付
受注処理
調理
飲み物準備
食べ物提供
飲み物提供
中間サービス
会計
見送り
満足して帰る
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飲み物オーダ受付サブプロセス
BPM
本日のおすすめドリンク
OK
NG
常連客か?
お気に入りのドリンク
OK
NG
料理オーダに基づくおすすめドリンク
OK
NG
発注
オーダ履歴に基づくおすすめドリンク
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61
おわりに
BPM
1. ビジネスプロセスモデル⊃ワークフローモデル
•
•
BPMには上流工程から下流工程までレベルがある。
世の中で取り上げられているのは主に下流工程モデル。
2. 経営の焦点はビジネスプロセスの上流
•
•
環境に合ったビジネスモデルを早く構築することが課題。
下流はモジュール化しておいて適宜組み合わせる。
3. 上流工程モデルは未開拓
•
•
ビジネスプロセス改革/改善(BPR)はアドホック的。
BPRノウハウの知識ベース化(パターンライブラリ)が有
力な方向性。
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参考文献
BPM
<ビジネスプロセスモデリング全般>
• 小林隆: ビジネスプロセスモデリングと設計, コロナ社 (2005)
• マイケル・ハーベイ: 詳細ビジネスプロセスモデリング, オライ
リー・ジャパン (2006)
• 飯島淳一, 戸田保一編: ビジネスプロセスモデリング, 日科技
連 (2000)
<ビジネスプロセス改善>
• ピーター・S・パンディ, ロバート・P・ノイマン, ローランド・R・カバ
ナー: シックスシグマ・ウエイ, 日本経済新聞社 (2000)
• Paul Harmon: Business Process Change - A Manager's
Guide to Improving, Redesigning and Automating Processes,
Morgan Kaufmann Pub (2002)
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参考文献
BPM
<要求分析>
• スザンヌ・ロバートソン, ジェームズ・ロバートソン: 要件プロセ
ス完全修得法, 三元社 (2002)
<UML>
• マーチン・ファウラー: UMLモデリングのエッセンス 第3版, 翔
泳社 (2005)
• アリスター・コーバーン: ユースケース実践ガイド―効果的な
ユースケースの書き方, 翔泳社 (2001)
<バランススコアカード>
• ロバート・S. キャプラン, デビッド・P. ノートン: 戦略マップ, ラン
ダムハウス講談社 (2006)
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目次
BPM
4 ビジネスプロセス設計の実習
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実習の手順
BPM
1. 問題文をよく読んでください。
2. 「目標展開」を行い、プロセス目標を設定してください。
3. 「プロセス改善」を行ってください。
3.1 現行ビジネスプロセスのユースケースイベント図を作成して
ください。時間や工数の定量値も記入してください。
3.2 問題分析図を作成して、根本的な原因を究明してください。
3.3 ソリューション図を作成して、解決策を考案してください。
3.4 解決策に基づいて、新ビジネスプロセスのユースケースイ
ベント図を作成してください。
4. 「プロセス記述」を行ってください。
4.1 ビジネスプロセスのアクティビティ図を作成してください。
4.2 ビジネスプロセスの改善案を考案してください。
5. 目標が達成されたことを確認してください。
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