BPM ビジネスプロセスの分析設計技法 専修大学 ネットワーク情報学部 小林 隆 [email protected] http://www.ne.senshu-u.ac.jp/~thn0674/ All AllRights RightsReserved, Reserved,Copyright Copyright©©2010, 2009, Takashi TakashiKobayashi Kobayashi BPM 11 目次 BPM 1 ビジネスプロセス 2 ビジネスプロセスモデリング 3 ビジネスプロセス設計技法 4 ビジネスプロセス設計の実習 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 2 目次 BPM 1 ビジネスプロセス All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 3 アマゾンとは BPM • 本社所在地: ワシントン州シ アトル • 創業: 1994年7月 (日本上陸 は2000年11月) • 社長:Jeffrey P. Bezos • 従業員:約24,300名 • 売上げ:245億ドル、純利益:9 億ドル • 商品点数:2,000万点以上、書 籍は330万点、電子書籍は46 万点 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 4 アマゾンのビジネスモデル 書籍点数(万点) 350 300 250 200 150 100 50 0 BPM 売場面積(m2) 80000 70000 60000 50000 40000 30000 20000 10000 0 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 5 アマゾンのビジネスモデル BPM 売上 ロングテールで儲ける 商品 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 6 商品検索BPM エンジン カスタマー レビュー レコメンデーショ ン エンジン All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 7 アマゾンの物流センター BPM • 所在地:千葉県市川市、八代市、大阪府堺市 • 敷地面積:62,000㎡, 34,000㎡, 68,000㎡ All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 8 アマゾンのビジネスモデル BPM アマゾン 商品検索 出版社 カスタマー レビュー マイページ 顧客 レコメン デーション メール マガジン 宅配業者 物流管理 決済 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 金融機関 9 ビジネスプロセスとは BPM 外部関係者と連携しながら、様々なビジネス イベントに対して、ビジネス目標を達成する最善 のレスポンスを返すために実行される活動系 列。 ビジネス目標 イベント 連携 顧客 レスポンス 連携 サプライヤー 活動系列 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 10 ビジネスプロセスとは BPM 会社の業務 プロセス パートナー イベント プロセス イベント レスポンス 顧客 パートナー レスポンス プロセス プロセス 会社の業務をユーザにとって 意味のある単位に分ける。 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi パートナー 11 ビジネスプロセスムーブメント BPM 1985 1990 1995 2000 2005 Value Chain BPR BPI BP M SOA Workflow 部門内 人間系作業の連携 ERP アプリケーションの連携 EAI 部門間 異種アプリケーション統合 BPR: Business Process Reengineering BPI: Business Process Improvement BPM: Business Process Management SOA: Service Oriented Architecture ERP: Enterprise Resource Planning EAI: Enterprise Application Integration Web Service 企業間のアプリケーション統合 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 企業間 12 目次 BPM 2 ビジネスプロセスモデリング All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 13 ビジネスプロセスのモデリング BPM 目標指向モデリング 経営者の立場で考える 目標 目標 目標 目標 相互作用モデリング 顧客/パートナーの立場で考える ビジネスプロセス 活動 イベント 活動系列モデリング 活動 レスポンス 顧客/パートナー 目標 活動 現場の立場で考える 活動 活動 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 14 モデリングの目的 BPM 目標指向 モデリング 相互作用 モデリング 活動系列 モデリング 経営目標を展開 してプロセス目 標を求める。 プロセス目標を 達成するための 改善策を考え る。 改善策を実行可 能な具体的手順 にまとめる。 目標 役割 イベント 入出力情報 活動系列 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 15 目標指向モデリング BPM 目標 目標 目標 目標 目標 プロセス • ビジネスプロセス改善の目標を明らかにする。 • 経営者の立場で考える上流工程設計。 • 経営学と問題分析論に基づく。 戦略マップ(BSC) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 16 目標展開 BPM 目標 因果関係構造(上位目標は下位目標により達成される) 順方向展開 「その目標を どうやって 達成するのか」 (具体化) 逆方向展開 サブ目標 サブ目標 サブ目標 サブ目標 サブ目標 サブ目標 「その目標は 何を 達成するのか」 (抽象化) サブ目標 目標を達成する活動へのマッピング 活動1 活動2 活動4 活動3 活動5 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 17 目標展開 BPM ネイティブ並みの英語力をつける Listening力をつける Speaking力をつける Reading力をつける 英会話に慣れる 早い英語に慣れる 発音に慣れる 英語放送を聴く 語彙を増やす 外人の友人を作る Listening教材を聴く 文法力をつける 文法講座をとる 英字新聞を読む All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 18 戦略マップ BPM 企業価値の改善 収益性向上 目 標 プ ロ セ ス 生産性向上 新製品・新サービス で革新をおこす 顧客価値の向上 原価構造の改善 資産の有効活用 新規顧客 既存顧客 製品単位あたり原価 資産効率 顧客満足向上 Product(製品) Price(価格) Place(流通) Promotion(プロモ) 製品、サービス、品 質、デザイン、ブランド 等 価格、割引、支払条件、 信用取引 等 チャネル、輸送、流通 範囲、立地、品揃え、 在庫 等 販売促進、広告、ダイ レクトマーケティング 等 業務管理プロセス 顧客管理プロセス イノベーションプロセス 顧客に製品を生産し提供 (調達、生産、配送) 顧客との関係を確立し維持 (顧客の選別、獲得、維持) 製品や顧客関係を新たに構築 (R&D、設計、開発) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 19 寿司屋の戦略マップ BPM 行列のできる寿司屋にする 収入を増やす 顧客数を増やす 目 標 支出を減らす 客単価を上げる 原料費を節約 人材を有効活用 顧客満足を高める Product Price Place Promotion 気の利いたつまみ リーゾナブルな価格 顧客を驚かす品揃 見やすいメニュー おいしい酒 清潔な店舗 新鮮なネタ 落ち着いた雰囲気 旨いシャリ 楽しい会話 プ ロ セ ス ネタ開発 接客 仕入・仕込 (イノベーション) (顧客/業務管理) (業務管理) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 20 相互作用モデリング BPM イベント レスポンス プロセス 顧客/パートナー • 外部イベントに対するレスポンスを明らかにする。 • 顧客/パートナーの立場で考える中流工程設計。 • システム論に基づく。 ユースケース(UML)、CNモデル、ユースケースイベントモデル All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 21 ユースケース図 BPM 業務 支援 アクター プロセス プロセス 主 アクター 支援 アクター プロセス プロセス 支援 アクター All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 22 CN(Commitment Network)モデル 準備 依頼者が実行者に 業務を提示する 顧客 要求 交渉 代案提示 依頼者と実行者が 実行条件に同意する 満足 BPM 実行者 同意 受入拒否 合意 依頼者が業務の成果を 受入れ評価する 実行 実行者が業務を実行し 完了を通知する 完了報告 : 状態 : 業務イベント All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 23 ユースケースイベントモデル BPM 要求 準備 交渉 支援 アクター プロセス プロセス 主 アクター 満 足 同 意 支援 アクター プロセス プロセス 支援 アクター 合意 実行 完了 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 24 Amazonのユースケースイベントモデル BPM サイト訪問 オンライン メルマガ 満 足 マイページ 商品検索 カスタマー レビュー レコメン デーション MKT SL ASV SC 出版社 ボランティア ユーザー ショッピング カート 注 文 受注手続き 顧客 クレーム処理 決済 物流管理 アウト ソーシング 宅配業者 送り状 商品追跡 オンライン 決済 金融機関 購入履歴管理 送り状送付 Amazon All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 25 活動系列モデリング BPM プロセス 活動 活動 活動 活動 活動 • ビジネスプロセス仕様を内部活動の実行手順として明 らかにする。 • 現場の立場で考える下流工程設計。 • 品質管理、離散系理論、計算理論に基づく。 アクティビティ図(UML)、BPEL(OASIS)、BPMN(BPMI) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 26 アクティビティ図 BPM スイムレーン 組織1 組織2 組織3 アクティビティ アクティビティ オブジェクト フォーク 分岐 アクティビティ アクティビティ アクティビティ アクティビティ ジョイン マージ アクティビティ :制御フロー :オブジェクトフロー All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 27 注文処理のアクティビティ図 販売 BPM 会計 物流 商品の展示 決定? Yes No 決済 注文 出荷 出荷通知 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 配送 28 モデリングアプローチの変遷 BPM 1980 1990 2000 TQC BPR BPM 業務効率 顧客満足 経営目標 活動系列モデリング アクティビティ図、IDEF、データフ ロー 相互作用モデリング ユースケース、CNモデル 目標指向モデリング 拡張UML、戦略マップ All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 29 モデリングアプローチとモデリング要素 モデリング要素 活動系列 Activity sequence BPM モデリングアプローチ 活動系列 相互作用 目標指向 ◎ 入出力 Input/Output ◎ 役割 Role ◎ 業務イベント Business event ◎ 目標 Goal ◎ All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 30 モデリング技法の分類 モデリングアプローチ モデル 種別 活動系列 状態 遷移 相互作用 目標指向 問題分析図(ロジックツリー) 戦略マップ(BSC) ソリューションス図(ロジックツ ゴール図 (拡張UML ) リー) 因果 関係 入出力 BPM IDEF DFD ユーエケースイベント図 ユースケース図(UML) コンテキスト図 DFD アクティビティ図(UML) フローチャート ARIS(IDS Scheer) BPEL(OASIS) BPMN(OMG) ユースケースイベント図 CNモデル 状態遷移図/表 WS-CDL(W3C) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 31 BPMN(Business Process Modeling Notation) BPM • 視覚的なフローチャート形式の言語 • BPMの非営利団体BPMI(Business Process Management Initiative)にて、IBMが中心になって 2004年に開発 • BPMNで記述されたプロセス仕様はBPELにマッピン グされる • 理論的裏づけはペトリネット All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 32 BPMNの事例 BPM [排他OR] Task-B b Task-A c Task-C XOR-Split Task-E XOR-Merge d Task-D All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 33 BPMNの事例 BPM [AND] Task-B Task-A Task-C Fork Task-E Join Task-D All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 34 BPEL(Business Process Execution Language) BPM • XML(eXtended Makeup Language)をベースとした Webサービス用のビジネスプロセス実行言語 • eビジネスの非営利団体OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standard)に てIBM、Microsoft、BEAの3社が中心になって2004 年に開発 • 理論的裏づけは、ペトリネット(C. A. Petri)とπ計算理 論(R. Milner) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 35 BPELの事例 BPM [排他OR] <sequence> <empty name=“Task-A” /> <switch name=“XOR-gateway-split”> <case condition=“b”> <empty name=“Task-B”> </case> <case condition=“c”> <empty name=“Task-C”> </case> <otherwise> <empty name=“Task-D”> </otherwise > </switch> <empty name=“Task-E” /> </sequence> All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 36 BPELの事例 BPM [AND] <sequence> <empty name=“Task-A” /> <flow> <empty name=“Task-B”> <empty name=“Task-C”> <empty name=“Task-D”> </flow> <empty name=“Task-E” /> </sequence> All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 37 BPM標準の系図 ビジネスプロセス記述言語 BPM ビジネスプロセス実行言語 BPMN XLANG (BPMI 2004) (MS 2001) BPMN BPEL (OMG 2006) 自動変換 (OASIS 2004) UML WSFL (OMG 1997) (IBM 2001) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 38 モデリング技法の特徴 BPM モデリング 要素 アクティビティ図 BPEL BPMN ユースケース イベント図 ユースケース図 (UML) CNモデル ゴール図 (拡張UML) 戦略マップ (BSC) 活動系列 ○ × × × × × 入出力 × ○ ○ × × × 役割 × ○ ○ △ × × 業務 イベント × ○ × ○ × × 目標 × × × × ○ ○ All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 39 目次 BPM 3 ビジネスプロセス設計技法 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 40 ビジネスプロセスデザインの手順 BPM Step 1 目標展開 Step 2 プロセス改善 Step 3 プロセス記述 経営目標を展開 してプロセス目 標を求める。 プロセス目標を 達成するための 改善策を考える。 改善策を実行可 能な具体的手順 にまとめる。 目標 役割 イベント 入出力 活動系列 41 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 41 ビジネスプロセスデザインの手順 BPM Step 1 目標展開 Step 2 プロセス改善 Step 3 プロセス記述 経営目標を展開 してプロセス目 標を求める。 プロセス目標を 達成するための 改善策を考える。 改善策を実行可 能な具体的手順 にまとめる。 戦略マップ ユースケースイベント図 +問題分析図 +ソリューション図 +改善パターン アクティビティ図 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 42 問題解決(業務改善)の方法 BPM Step1 目標展開 ①目標設定 ③問題 原因 ④解決 分析 策考案 問題点 ⑤改善ビジネス プロセス の設計 (新しい業務手順 +情報システム) ②現行ビジネス Step2 業務改善 プロセス の調査 Step3 要求記述 (既存の業務手順 +情報システム) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 43 Step1: 目標展開 BPM 企業価値の改善 収益性向上 目 標 生産性向上 新製品・新サービス で革新をおこす 顧客価値の向上 原価構造の改善 資産の有効活用 新規顧客 既存顧客 製品単位あたり原価 資産効率 顧客満足向上 Product(製品) Price(価格) 製品、サービス、品質、 価格、割引、支払条件、 信用取引 等 デザイン、ブランド 等 プ ロ セ ス Place(流通) Promotion(プロモ) チャネル、輸送、流通 範囲、立地、品揃え、 在庫 等 販売促進、広告、ダイ レクトマーケティング 等 業務管理プロセス 顧客管理プロセス イノベーションプロセス 顧客に製品を生産し提供 (調達、生産、配送) 顧客との関係を確立し維持 (顧客の選別、獲得、維持) 製品や顧客関係を新たに構築 (R&D、設計、開発) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 44 寿司屋の戦略マップ BPM 行列のできる寿司屋にする 収入を増やす 顧客数を増やす 目 標 支出を減らす 客単価を上げる 原料費を節約 人材を有効活用 顧客満足を高める Product Price Place Promotion 気の利いたつまみ リーゾナブルな価格 顧客を驚かす品揃 見やすいメニュー おいしい酒 清潔な店舗 新鮮なネタ 落ち着いた雰囲気 旨いシャリ 楽しい会話 プ ロ セ ス ネタ開発 接客 仕入・仕込 (イノベーション) (顧客/業務管理) (業務管理) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 45 Step2: プロセス改善 BPM プロセス目標を達成するための改善策を考える。 現行プロセスの ユースケースイベント図 新プロセスの ユースケースイベント図 問題解決 要求 要求 Supporter Supporter Process Process Process Process Supporter Process Plan Nego 満 足 See 同 意 Do Customer Process Supporter Process Plan Nego 満 足 See 同 意 Do Customer Process Supporter Process Supporter Process Process Supporter 完了 Performer 問題分析図 + ソリューション図 + 改善パターン All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi Process Supporter 完了 Performer 46 現行プロセスのユースケースイベント図 食料品卸 BPM 魚市場 来店 仕入れ 飲み物注文 宣伝 仕込み 料理注文 注 文 決 定 Plan Nego 満 足 See Do 顧客 調理 会計 料理提供 飲み物提供 食事終了 寿司屋 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 47 問題分析図(原因の究明) BPM 1. 目標達成を阻止する問題点をリストアップする。 2. 問題点の因果関係を調べて根本的原因を究明する。 WHY? WHY? 原因A-1 問題点A WHY? 原因A-1-1 原因A-1-1-1 原因A-1-2 原因A-2 原因B-1 問題点B 原因B-1-1 原因B-1-1-1 原因B-1-2-1 原因B-2 問題点C 原因C-1 MECE MECE 原因C-1-1 原因C-1-1-1 原因C-1-2 原因C-1-2-1 MECE MECE MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 48 問題分析図(解決課題の設定) BPM 根本的原因の反意語を解決課題として設定する。 例.○○が不足→○○を充実、△△が多すぎ→○○を削減 WHY? WHY? 原因A-1 問題点A WHY? 原因A-1-1 反意語 原因A-1-1-1 原因A-1-2 解決課題2 原因A-2 原因B-1 問題点B 解決課題3 原因B-1-1 原因B-1-1-1 原因B-1-2-1 原因C-1 MECE MECE 解決課題4 解決課題5 原因B-2 問題点C 解決課題1 解決課題5 原因C-1-1 原因C-1-1-1 解決課題7 原因C-1-2 原因C-1-2-1 解決課題8 MECE MECE MECE MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 49 現行プロセスの問題分析 BPM <問題点> <原因> <解決課題> 酒や肴の注文、会計な どに時間がとられる 担当する業務が多すぎ る 注文、会計業務を第三 者へ委託 注文、会計業務の修得 は難しい 注文、会計業務を整理、 単純化 店員の新規採用は避 けたい アルバイト、パートの活 用 酒の選択には専門的 な知識が必要 料理や酒の値段が多 様で会計が難しい 曜日や時間帯により客 の入りが大きく変化 能力のある店員は見 つかりにくい All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 50 ソリューション図(解決策の考案) BPM 解決課題を達成するアイデアを段階的に具体化する。 例.雨に濡れたくない。どうしよう。 HOW? 解決課題1 HOW? 解決策1-1 解決策1-1-1 解決策1-1-2 解決課題2 解決課題3 解決課題4 MECE 解決策2-1 解決策2-1-1 解決策2-2 解決策2-2-1 解決策3-1 解決策3-1-1 解決策3-1-2 解決策4-1 解決策4-2 MECE MECE MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 51 ソリューション図(解決策の評価) BPM 解決策を客観的に評価して実行案を選択する。 例.成果、コスト、緊急度、リスクなどを評価項目とする。 HOW? 解決課題1 解決課題2 解決課題3 解決課題4 MECE HOW? 評 価 成果 コスト 解決策1-1-1 ○ △ ○ ○ 解決策1-1-2 △ × △ △ 解決策2-1 解決策2-1-1 ○ △ ○ △ 解決策2-2 解決策2-2-1 △ △ △ △ 解決策3-1-1 △ × × ○ 解決策3-1-2 ○ ○ ○ ○ ○ 解決策4-1 ○ ○ △ △ ○ 解決策4-2 △ △ △ × 解決策1-1 解決策3-1 MECE 緊急 リスク 結論 ○ ○ MECE MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 52 接客プロセスの改善策 <解決課題> BPM <ソリューション> 注文、会計業務を第三者へ委託 オーダエントリシステムの導入 注文、会計業務を整理、単純化 ソムリエシステムの導入 アルバイト、パートの活用 アルバイト店員の採用 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 53 新プロセスのユースケースイベント図 食料品卸 BPM 魚市場 来店 ソムリエ システム 仕入れ 飲み物注文 宣伝 仕込み 料理注文 注 文 決 定 Plan Nego 満 足 オーダエント リシステム See Do 顧客 調理 会計 料理提供 飲み物提供 食事終了 寿司屋 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 54 ①改善パターン(タスク構造) BPM 1. イベントの変更 「ユーザの心の中に入り込む」 – ユーザの仕事や生活において、どのようなタイミングで ビジネスイベントが発生するのかを考える。 2. フェーズの変更 「ビジネスとサービスとの狭間」 – 準備→実行:実績に基づく作業実行(受注生産) – 交渉→実行:サービス作業の有償化(企画・分析) – 実行→合意:リピート作業の生成(保守・拡張) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 55 ②改善パターン(役割) 高 プロセス 改革 アウト ソーシング 投資 プ ロ セ ス の 複 雑 さ BPM 新製品開発 取引締結 配送 生産管理 申請審査 販売管理 在庫管理 プロセス 改善 自動化 低 低 プロセスの重要さ All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 高 56 ③改善パターン(コミュニケーション) BPM 1. 業務範囲の変更 ① フロントの拡大:顧客に近づく 顧客の業務に入り込んで、より密接に連携する ② バックの縮小:パートナーに任せる パートナーとより密接に連携した上で、権限を委譲する 2. インタフェースの変更 顧客、パートナーとの密接な連携を促進 – バッチ → リアルタイム – 伝達 → 対話・共有 – 単独メディア → マルチメディア All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 57 Step3: プロセス記述 BPM 改善策を実行可能な具体的手順にまとめる。 生産管理 生産部門 生産部門 サブプロセス 生産計画 販売部門 生産部門 メインプロセス 需要予測 販売部門 販売部門 サブプロセス 生産計画 生産部門 生産部門 サブプロセス All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 58 プロセスの保守性と再利用性 BPM メインプロセス サブプロセス 定義 オリジナルの依頼者と実行者の 直接的な相互作用 第三者に委託する間接的なやり とり 範囲 顧客または取引先と企業との対 面プロセス 部門間または部門内の内部プロ セス 特徴 •経営目標に直結したビジネスモ •メインプロセスを構成するサービ デルを示す ス要素を示す •業務の論理的手順であり実装 •ビジネス環境が変化しても要求 に依存しない されるサービスは変わらない •ビジネス環境の変化に伴い頻繁 •ビジネス環境の変化に伴い実装 にロジックが変わる 方法が変わる 保守性 ロジックが頻繁に変わることを前 提に、可視性と変更容易性を実 現する 抽象化、疎結合性、結束性など の技術により、サービスの柔軟 性を向上する 再利用性 業種、業務、目標を限定してビジ 共通サービスを抽出して標準化 ネスプロセスパターンを作る する All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 59 寿司屋の接客メインプロセス 顧客 板前・女将 BPM アルバイト 寿司屋に食事に行くことを決定 顧客を出迎え 飲み物オーダ受付 食べ物オーダ受付 受注処理 調理 飲み物準備 食べ物提供 飲み物提供 中間サービス 会計 見送り 満足して帰る All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 60 飲み物オーダ受付サブプロセス BPM 本日のおすすめドリンク OK NG 常連客か? お気に入りのドリンク OK NG 料理オーダに基づくおすすめドリンク OK NG 発注 オーダ履歴に基づくおすすめドリンク All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 61 おわりに BPM 1. ビジネスプロセスモデル⊃ワークフローモデル • • BPMには上流工程から下流工程までレベルがある。 世の中で取り上げられているのは主に下流工程モデル。 2. 経営の焦点はビジネスプロセスの上流 • • 環境に合ったビジネスモデルを早く構築することが課題。 下流はモジュール化しておいて適宜組み合わせる。 3. 上流工程モデルは未開拓 • • ビジネスプロセス改革/改善(BPR)はアドホック的。 BPRノウハウの知識ベース化(パターンライブラリ)が有 力な方向性。 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 62 参考文献 BPM <ビジネスプロセスモデリング全般> • 小林隆: ビジネスプロセスモデリングと設計, コロナ社 (2005) • マイケル・ハーベイ: 詳細ビジネスプロセスモデリング, オライ リー・ジャパン (2006) • 飯島淳一, 戸田保一編: ビジネスプロセスモデリング, 日科技 連 (2000) <ビジネスプロセス改善> • ピーター・S・パンディ, ロバート・P・ノイマン, ローランド・R・カバ ナー: シックスシグマ・ウエイ, 日本経済新聞社 (2000) • Paul Harmon: Business Process Change - A Manager's Guide to Improving, Redesigning and Automating Processes, Morgan Kaufmann Pub (2002) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 63 参考文献 BPM <要求分析> • スザンヌ・ロバートソン, ジェームズ・ロバートソン: 要件プロセ ス完全修得法, 三元社 (2002) <UML> • マーチン・ファウラー: UMLモデリングのエッセンス 第3版, 翔 泳社 (2005) • アリスター・コーバーン: ユースケース実践ガイド―効果的な ユースケースの書き方, 翔泳社 (2001) <バランススコアカード> • ロバート・S. キャプラン, デビッド・P. ノートン: 戦略マップ, ラン ダムハウス講談社 (2006) All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 64 目次 BPM 4 ビジネスプロセス設計の実習 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 65 実習の手順 BPM 1. 問題文をよく読んでください。 2. 「目標展開」を行い、プロセス目標を設定してください。 3. 「プロセス改善」を行ってください。 3.1 現行ビジネスプロセスのユースケースイベント図を作成して ください。時間や工数の定量値も記入してください。 3.2 問題分析図を作成して、根本的な原因を究明してください。 3.3 ソリューション図を作成して、解決策を考案してください。 3.4 解決策に基づいて、新ビジネスプロセスのユースケースイ ベント図を作成してください。 4. 「プロセス記述」を行ってください。 4.1 ビジネスプロセスのアクティビティ図を作成してください。 4.2 ビジネスプロセスの改善案を考案してください。 5. 目標が達成されたことを確認してください。 All Rights Reserved, Copyright © 2010, Takashi Kobayashi 66
© Copyright 2024 ExpyDoc