午後健診の有用性 中性脂肪と画像を用いて 医療法人新虎の門会 新浦安虎の門クリニック 大前由美 沼本美由紀 堀内純 永山健二 大前利道 水嶋裕美 斉藤智 滑田梨沙 村山利恵子 目的 ◆特定健診のスタートで、より多くの人たちに 健診を受診してもらうために 午後健診を 導入した。 ◆午前検査と午後検査において、 中性脂肪のデータ変化と検査画像(胃透視、 腹部エコー検査)の差異について比較検討 した。 対象 ◆ 2007年7月から2008年6月までの1年間。 ・今回午後健診、前回午前健診を受けている受検者。 ●中性脂肪: ・上記期間中に健診を行った受検者・・・・161名(A群) ・同日に午前と午後の値を調べたボランティア職員 ・・・・・13名(B群) ・ ●胃透視: ・上記期間中、今回午後健診、前回午前健診・・・30例 ●腹部エコー検査: ・上記期間中、今回午後健診、前回午前健診・・・2例 方法 ①<中性脂肪> A群 B群 2007年7月から2008 年6月までの1年間。 前年度分 同日TG 午前採血 (AM) 午後健診を受け、前回午 TG 前健診を受けている受検 07年7月~0 同日TG 者をA群。 午後採血 8年6月 T (PM) G 検査前日までの生活条件 人数 161名 13名 が同じ 男性 93名 4名 ・午前のTG ・午後のTGを調べる。 女性 68名 9名 当院有志職員13名B群。 年齢幅 26歳~8 24歳~6 8歳 0歳 ※朝食は指定されたもの 方法 ②<中性脂肪> <指定内容> A群の内容 ・朝7時までに ①朝食は指定した食事。 ・6枚切り食パン1枚 ②午後1時来院 ・ジャムあるいはマーガリン ③血液検査を行う。・・TG(PM) ・水、お茶200ccまで (食後6時間後) ※A群の午前中性脂肪は前年度の結果です B群の内容 ①早朝出勤、朝7時までに ・血液検査を済ませる。・・TG(AM) ・指定した食事を摂る。 ②その後、通常勤務を行う。 ③食後6時間後(午後1時)に採血・・・TG(PM) 方法 ③<中性脂肪> A群の変化率の平均を算出 午前のTGを「1」として、午後TGの変化率を出し、 平均値を算出。 A群の変化率の平均を検討する B群の変化率平均を算出 B群の変化率平均を参考にして。 A群の変化率を考える。 成績 ① <中性脂肪 A群> 平均 分散 標準偏差 相関係数 t検定 p値 F値 午前TG 午後TG 103.463 3132.363 55.968 107.981 3520.220 59.331 0.760 0.778 0.437 1.124 成績 ② <中性脂肪 A群> 350 PM 300 250 200 150 100 50 0 0 50 100 150 200 250 300 AM 成績 ③ <中性脂肪 A群> ●A群:変化率の範囲は、 0,486 ~ 2,366 変化率の平均=1,070 7%上昇 ●A群の平均変化率が大きくなったため、 同日に午前と午後のTGを調べたB群で確認をする。 成績 B群 a b c d e f g h i l k l m ④ <中性脂肪 B群> 午前TG 61 46 26 59 51 82 67 61 55 36 45 40 50 午後TG 65 49 29 65 66 118 50 58 50 38 39 43 25 変化率 1.066 1.065 1.115 1.102 1.294 1.439 0.746 0.951 0.909 1.056 0.867 1.075 0.500 成績 ⑤ <中性脂肪 B群> 120 100 午前TG 80 午後TG 60 40 20 0 a b c d e f g h i l k l m 成績 ⑥ <中性脂肪 B群> ●A群:変化率の範囲は、 0.486 ~ 2.366 ○B群:変化率の範囲は、 0.500 ~ 1.439 ▲A群:変化率の平均= 1,070 △B群:変化率の平均= 1.014 Bで平均変化率は小さくなった。 A群も同日なら、小さくなる可能性はある。 方法 <上部消化管造影> バリウム濃度は 210w/v % 発泡剤 4.5g 禁忌がない限りブスコパン使用 撮影を含め、検査方法は 午前と午後同じ内容。 成績 ① <上部消化管造影> 全胃透視件数 午 後 読影良好件数 健 診 読影不良件数 78 件 77 件 1 件 成績 ② <上部消化管造影> ~午前・午後の比較~ 成績 ③ <上部消化管造影> ~午前・午後の比較~ 方法 <腹部超音波検査> スキャンニング方法は、 超音波検査法フォーラムが推奨する方法でおこなう。 成績 <腹部超音波> 午 全腹部エコー件数 17 件 後 膵尾部描出良好 15 件 健 診 膵尾部描出不良件数 2 件 腹部超音波検査 まとめ 午後健診で 中性脂肪値の異常 を指摘し、指導にもっていくことは 可能と思われる。 胃透視・腹部超音波も、方法の工 夫と受診者の協力で診断可能な 画像が得られる。
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