復習 畳み込み 標本化定理 量子化 情報通信と符号化 韓 承鎬 電気通信大学 第八回目 1 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 周期方形波のスペクトル 信号の周期性と離散特性 インパルス信号 方形波信号のスペクトル 周期信号の場合: (T = K τ ) K ↗ ⇒ スペクトルの間隔 が狭くなる 1 τ −T − τ 2 0 τ 2 T K ↗ ⇒|yn | ↘ ( ) 包絡線は sinc nπ K に従って 変化 t (nπ (n + 1)π] の中に K 本, ω = 2nπ τ で0 1 0.8 0.6 非周期の場合: 0.4 0.2 F (ω) = sinc 0 −0.2 −4pi −3pi −2pi −pi 0 pi 2pi 3pi ( ωτ ) 2 4pi ω = ± n2π τ , n = 1, 2, · · · の時に 0 2 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 周期方形波のスペクトル 信号の周期性と離散特性 インパルス信号 非周期連続信号(時間) X(f ) x(t) 1 τ Sa (πf τ ) − τ 2 0 τ 2 t ··· − 2 1 0 − τ τ 1 τ 2 τ ··· f 対応関係 非周期 ⇔ 連続 連続 ⇔ 非周期 3 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 周期方形波のスペクトル 信号の周期性と離散特性 インパルス信号 周期連続信号(時間) x(t) 1 τ f0 = −T − τ 2 0 τ 2 T t 1 T 0 f 対応関係 周期 ⇔ 離散 連続 ⇔ 非周期 4 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 周期方形波のスペクトル 信号の周期性と離散特性 インパルス信号 非周期離散信号(時間) x(nTs ) Ts 0 t fs = 1 Ts 対応関係 非周期 ⇔ 連続 離散 ⇔ 周期 5 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 周期方形波のスペクトル 信号の周期性と離散特性 インパルス信号 周期離散時間信号(時間) x(nTs ) 1 τ Ts f0 = − −T τ 2 0 τ 2 1 T t T fs = 1 Ts 対応関係 周期 ⇔ 離散 離散 ⇔ 周期 6 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 周期方形波のスペクトル 信号の周期性と離散特性 インパルス信号 インパルス信号の性質 積分は 1 ∫ ∞ δ(t)dt = 1 −∞ 積分区間が 0 を含まないと 0 { ∫ τ 1; τ > 0 δ(t)dt = u(τ ) = 0; τ < 0 −∞ インパルス信号が非ゼロの値をとる時の f (x) ∫ ∞ ∫ ∞ f (t)δ(t)dt = f (0) ⇒ f (t)δ(t − t1 )dt = f (t1 ) −∞ −∞ スペクトルは均等に広がる F (ω) = 1, − ∞ < ω < ∞ 7 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 周期方形波のスペクトル 信号の周期性と離散特性 インパルス信号 周期インパルス信号のスペクトル x(t) 1 τ f0 = −T − 0 τ 2 τ 2 T 1 T 0 t f τ → ∞ とすると、周期インパルス信号のスペクトルが求まる S(f ) s(t) 1 0 t Ts 0 fs = 1 Ts f 8 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 電気回路での応用例 定義と類似演算 演算の図 性質 電気回路での応用例 x(t) h(t) 0 0 t t 線形システムのインパルス応答 入力信号 目的 信号 x(t) が入力された時の出力を求めたい 9 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 電気回路での応用例 定義と類似演算 演算の図 性質 出力の求め方 1 t= ∑∞ i=0 (ρ + i∆),0 ≤ ρ < ∆ x(t) ∆ x(t) = x(i∆) ∞ ∑ x(ρ + i∆) ··· x(i∆)∆ i=0 2 x(i∆) を用いて,x(ρ + i∆) を近似 x(ρ + i∆) ≈ x(i∆), 0 ∆ · · · i∆ ··· t 3 0≤ρ<∆ i∆ から ρ + i∆ までの入力信号の 強度は x(i∆)∆ 10 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 4 電気回路での応用例 定義と類似演算 演算の図 性質 信号 x(t) の時刻 i∆ ≤ t < ρ + i∆ での入力に起因する出力 x(i∆)h(t − i∆)∆ 5 x(t) の入力に起因する出力 r (t) ≈ ∞ ∑ x(i∆)h(t − i∆)∆ i=0 6 ∆ → 0 と極限を取れば r (t) = 7 lim ∆→0 ∞ ∑ x(i∆)h(t − i∆)∆ i=0 τ = i∆ とすると,dτ = ∆ となり ∫ ∞ r (t) = x(τ )h(t − τ )dτ 0 11 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 電気回路での応用例 定義と類似演算 演算の図 性質 畳み込み演算の一般式 t < 0 の場合、h(t) = 0 とすると r (t) := ∫ x(t) ∗ h(t) ∞ = x(τ )h(t − τ )dτ −∞ 畳み込みに類似した演算 多項式の乗算 (ax 2 + bx + c)(αx 2 + βx + γ) 確率変数の和 X , Y ∼ 二項分布、X + Y はどんな分布? 12 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 電気回路での応用例 定義と類似演算 演算の図 性質 畳み込み演算の操作 h(t) x(t) 0 0 t t (a) (b) x(τ ) h(t − τ ) h(−τ ) 0 τ t (c) x(t) の信号は t 軸と同じ形で τ 軸に持ってくる 13 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 電気回路での応用例 定義と類似演算 演算の図 性質 畳み込み演算の操作 h(t) x(t) 0 0 t t (a) (b) x(τ ) h(t − τ ) h(−τ ) 0 τ t (c) h(t) の信号は縦軸を中心に左右反転させて τ 軸に反映させる 13 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 電気回路での応用例 定義と類似演算 演算の図 性質 畳み込み演算の操作 h(t) x(t) 0 0 t t (a) (b) x(τ ) h(t − τ ) h(−τ ) 0 τ t (c) r (t) を求める時に,h(τ ) のゼロ点を x(τ ) のゼロ点より t 離れたと 13 / 24 ころにおく 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 電気回路での応用例 定義と類似演算 演算の図 性質 畳み込み演算の操作 h(t) x(t) 0 0 t t (a) (b) x(τ ) h(t − τ ) h(−τ ) 0 τ t (c) 以上の操作で二つの信号が重なっている部分の面積を求める 13 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 電気回路での応用例 定義と類似演算 演算の図 性質 畳み込みの性質 交換則:x1 (t) ∗ x2 (t) = x2 (t) ∗ x1 (t) 分配則:x1 (t) ∗ [x2 (t) + x3 (t)] = x1 (t) ∗ x2 (t) + x1 (t)x3 (t) 結合則:[x1 (t) ∗ x2 (t)] ∗ x3 (t) = x1 (t) ∗ [x2 (t) ∗ x3 (t)] インパルス信号との畳み込み:x(t) ∗ δ(t) = x(t) 畳み込み信号のフーリエ変換 信号 r (t) = x(t) ∗ h(t) に対して,R(ω) := F [r (t)] とすると R(ω) = X (ω)H(ω) が成り立つ.ただし,X (ω) := F [x(t)], H(ω) := F [h(t)] である. 14 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 標本化定理 証明 標本化定理 Theorem 標本化定理情報信号 x(t) の帯域を B とすると,時間間隔 1 Ts ≤ 2B で抽出した標本から情報信号を完全に復元できる. 15 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 標本化定理 証明 標本化定理の証明 時間領域 周波数領域 X(f ) x(t) 仮定 x(t) は周期 Ts のインパルス信号 によって離散化 0 0 t (a) 情報信号 f B 標本化された信号 r (t) = x(t)s(t) S(f ) s(t) 時間領域の積 ⇕ 周波数領域の畳み込み 0 0 t Ts (b) 周期インパルス信号 fs = 1 Ts f 16 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 標本化定理 証明 r(t) = x(t)s(t) 時間領域 0 t 周波数領域 R(f ) = X(f ) ∗ S(f ) fs = 0 B 1 Ts f fs ≥ 2B ならば,周波数領域で X (f ) が混ざらない 17 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 標本化定理 証明 信号の復元 周波数領域 1 フィルター R(f ) X(f ) = R(f )P (f ) { 0 f fs x(t) = r(t) ∗ p(t) 時間領域 0 P(f ) = 1; f ≤ fs 0; f > fs 情報信号の復元 X (f ) = R(f )P(f ) t 時間領域の積 ⇕ 周波数領域の畳み込み 18 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 量子化 線形量子化 線形量子化器の量子化ビット数と雑音の関係 必要性 サンプリングした信号 x(nTs ) ∈ R は,実数の値を取るので, ディジタル方式で送信することができない R が非可算集合なので、x(nTs ) を可算集合 X の内にある要 素 xn ∈ X に変換する必要がある. xn の確率分布によっては X は必ずしも有限の要素を持つ必 要がないが,ここでは信号空間が |X | < ∞ となる有限集合 と仮定 19 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 量子化 線形量子化 線形量子化器の量子化ビット数と雑音の関係 量子化と量子化雑音 Definition 量子化標本化された信号 x(nTs ) から有限集合内の xn への変換 Definition 量子化雑音量子化関数 Q(x) を用いて,xn ≈ Q(x(nTs )), xn ∈ X , の信号に変換した場合 qn = x(nTs ) − xn 量子化関数の最適化 x(nTs )∼PX (x) とおくと、Q̂(x) := arg minQ(x) σ 2 。ただし、 ∫ 2 ∞ σ := −∞ [x − Q(x)]2 PX (x)dx 20 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 量子化 線形量子化 線形量子化器の量子化ビット数と雑音の関係 線形量子化 Definition 線形量子化標本化された信号 x(nTs ) から有限集合内の xn への 変換 Definition 量子化雑音有限集合 X 内の要素を等間隔に配置して量子化する方 法を線形量子化と呼び,最小の間隔を量子化ステップ幅と呼ぶ. ∆= min x,x ′ ∈X ,x̸=x ′ {|x − x ′ |} 小数点以下を四捨五入する関数 round(x) を用いると (x ) ∆ Q(x) := round ∆ 21 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 量子化 線形量子化 線形量子化器の量子化ビット数と雑音の関係 線形量子化器の入出力特性 xn 3∆ 2∆ ∆ x(nTs ) −5∆/2 −3∆/2−∆/2 ∆/2 3∆/2 5∆/2 −∆ −2∆ −3∆ 22 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 量子化 線形量子化 線形量子化器の量子化ビット数と雑音の関係 線形量子化雑音 線形量子化の量子化雑音は ∆/2 を超えない 量子化ステップ ∆ が十分小さく,量子化レベル N = |X | は 十分大きいと仮定 定義により N−1 ∑ ∫ xn +∆/2 σ2 = PX (x)(x − xn )2 dx n=0 xn −∆/2 ∆ は十分に小さいため,区間 [xn − ∆/2 xn + ∆/2] で PX (x) は P(xn ) と同じであるとみなす 線形量子化雑音 ∫ ∆/2 N−1 N−1 ∑ ∆2 ∆2 ∑ PX (xn )∆ = σ2 = PX (xn ) y 2 dy = 12 12 −∆/2 n=0 n=0 23 / 24 復習 畳み込み 標本化定理 量子化 量子化 線形量子化 線形量子化器の量子化ビット数と雑音の関係 線形量子化器の量子化ビット数と雑音の関係 量子化レベルは N = 2M 最大値と ∆ の関係 ∆ = 2 max{|x(nTs )|}/2M 標本値 x(nTs ) の取りうる値を [−2M−1 ∆ 2M−1 ∆] で一様分布 であると仮定 信号の電力 ∫ 2M−1 ∆ 1 22M ∆2 x 2 dx = M 12 2 ∆ −2M−1 ∆ 量子化器の信号対雑音比 E {x(nTs )2 } = 22M ≈ 6M[dB] σ2 量子化ビットが 1 ビット増えると信号対雑音比は 6dB 改善 S/N = 24 / 24
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