ディジタルでアート

社会と情報
テレビ学習メモ
第5回
情報を活用する
[アナログからディジタルへ]
ディジタルでアート
社会と情報監修・講師
田邊則彦
アナログからディジタルへと情報の処理のしかたが大きく変わりました。画像
の世界もすっかりディジタルへと移りましたが、ディジタル画像の仕組みを理解
し、その特徴を生かした表現について理解を深めていきましょう。ディジタル化
の手順を学び、写真の編集や加工に挑戦してみましょう。ディジタル画像技術を
使った3D プリンターでの新しい表現も紹介します。
学習前に
調べておこう
画素、解像度、標本化、量子化、符号化 ディジタル画像
⃝画像のディジタルの手順も音声の場合と同じく、「連続(アナログ)情報を離散的データ化
しディジタルで表現する」ために標本化 → 量子化 → 符号化というプロセスを踏む。
⃝ディジタル化された情報はコンピュータで扱えるようになり、多くの利点が生じる。
▼
・文字や音、画像など、質の異なった情報を統合できる
◦コンピュータを用いて加工・処理が容易になる
・ネットワークを用いて伝送できる
・伝送や複製による劣化が少ない
⃝画像の標本化
・音声は時間的経過を分割して標本化するのに対し、画像は平面上の連続情報を格子状に分
割して標本化する。
・標本化された格子状の離散的データがディジタル画像の最小単位となり、「画素」又は
「ピクセル」と呼ぶ。
⃝量子化
・色の情報は、画素(ピクセル)1つ1つに対して、明るさや色を指定する数値を割り当て
る。これを量子化といい、近似のカラー値を設定する。
・何段階に色を分けて表現するかを「階調」という。階調の数値が大きいほど、色や明るさ
の変化を滑らかに表現できる。
・カラー画像では、光の3原色のRGBをそれぞれ16階調で表現した場合。色数は16の3乗
の4096色、256階調ならば、256の3乗で約1677万色となる。
・音声のディジタル化と同じように、画像も「量子化する際の誤差」が生じる。しかし階調
を十分細かく設定することで、その弊害をほとんど排除することができる。
⃝符号化
・量子化した数値を2進法で表すことを符号化という。
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5 ディジタルでアート
写真アレンジのワザ
⃝デジカメや携帯で撮ったディジタル写真は、コンピュータで加工・編集することができる。
・画像の切り抜き
・傾き調整
・シャープ・エンボス(浮き出し)などの加工
・赤目補正
・明るさ・コントラストの調整
など、暗いところで撮影した写真やブレてしまった写真をよりきれいに見せるための編集
や、文字の焼き入れや特殊効果など写真を楽しむための加工などが可能。
ディジタルが表現を変える
⃝画像をディジタルで表現する技術はいろいろなところで応用されている。
⃝プリンターといえば、コンピュータで作成した文書や写真などを2次元(2D)の平面であ
る用紙にインクを塗布して印刷する周辺機器だが、3次元(3D)の立体の造形物を作成す
る3Dプリンターは、ものづくりの現場で注目を集めている。
⃝3Dプリンターでは、3D-CAD(computer aided design)や3D-CG(computer
▼
graphics)のデータを元に、材料を一層ずつ積層していき造形物を製作する。立体を輪切
りにして重ねていくシンプルな仕組みである。
⃝2Dのプリンターはインクを使用するが、3Dプリンターは一般的にプラスチックを使用し、
溶かしたプラスチックを固めながら印刷する方式などが開発されている。
⃝コンピュータで3Dの形状を作ることができれば、アクセサリー、スマートフォンのケー
ス、プラモデルの部品など、自分が欲しいものを自分で作ることができる。3Dの形状を作
るにはある程度の技術を必要とするが、スマートフォンのケースのような単純な形状であれ
ば、そう難しい作業ではない。
自分で撮影した写真にフィルターをかけたり合成したりしてみよう。
複数の写真を組み合わせたコラージュ作品の制作にも挑戦してみよう。
写真に写る不要なモノを自然な形で削除
ぼかし機能をつかって、写真に動きを加える
手ぶれの軽減
写真のレタッチ(加工・修正)と修復
画像のゆがみとノイズの修正
切り抜き、回転、角度補正
スマートフォンやタブレットでも手軽に写真の編集・加工ができるアプリを見つけてみよ
う。
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