複素関数論 第 5 回小テスト解答例 担当: 南 問. z ̸= 0 (z ∈ C) とするとき、2 つの関数 ( ) log z 2 , 2 log z が等しいかどうかを調べたい。以下の問いに順に答えよ。 (1) z = reiθ (r, θ ∈ R) とおくとき、z 2 を極形式で表せ。 z2 = r2e2iθ ( ) (2) log z 2 を r と θ を用い、実部と虚部に分けて記せ。log の多価性に注意し、実対数関数は Log で記すこと。 ( ) ( ) log z 2 = log r2 e2iθ ( ) = Log r2 + i(2θ + 2mπ) = 2 Log r + i(2θ + 2mπ) (m ∈ Z) (3) 2 log z を r と θ を用い、実部と虚部に分けて記せ。(2) と同様 log の多価性に注意し、実対数 関数は Log で記すこと。 ( ) 2 log z = 2 log reiθ = 2[Log r + i(θ + 2nπ)] = 2 Log r + i(2θ + 4nπ) (n ∈ Z) ( ) (4) log z 2 と 2 log z は log の多価性を考慮して等しいか否か。等しくない場合には、取りうる 値の集合について包含関係を示すなどして、具体的に何がどう等しくないか答えよ。 ( ) log z 2 の虚部は 2π の整数倍の違いを含む多価関数なのに対し、2 log z の虚部は 4π の整数倍の { ( )} 違いである。したがって {2 log z} は log z 2 の真部分集合、すなわち { ( 2 )} log z ⊋ {2 log z} ( ) である。例えば log z 2 は 2 Log r + i(2θ + 2π) という値を取ることができるが、2 log z はでき ない。
© Copyright 2025 ExpyDoc