大自然と人々が融合し、「新たな力」が 躍動するまち えびの ごあいさつ

ごあいさつ
大自然と人々が融合し、
「新たな力」が
躍動するまち えびの
-南九州の交流拠点都市を目指して-
えびの市は、昭和45年の市政施行以来、4次にわたる総合計画を策定し、その時々の時
代潮流や市民ニーズを踏まえながらまちづくりを進めてまいりました。この間、少子高齢化
の進行や地球規模での環境問題の顕在化、世界的な経済変動、高度情報化など、地域社会を
取り巻く環境は大きく変化してきております。さらに、口蹄疫の発生や新燃岳の火山活動、
東日本大震災など、人々の安心・安全な生活を大きく揺るがす災害が発生し、行政の迅速か
つ的確な対応が強く求められております。
このような中、これまでのまちづくりで培われてきた成果をさらに発展させるとともに、
本市に息づく人々の営みや大自然、歴史・文化などを未来へと守り育て、住みよいまちとし
て輝き続けていくための未来設計図として、
「第5次えびの市総合計画」を策定いたしました。
本計画では、
『大自然と人々が融合し、
「新たな力」が躍動するまち えびの』を将来像に
掲げたところです。
「えびの市自治基本条例」の趣旨を踏まえ、市民や事業者の方々と共に
手をたずさえながら協働によるまちづくりを進めていくことで、一体感と絆が深まり、さま
ざまな「新たな力」が誘発され、活性化の原動力になることを期待しております。また、南
九州を見据えた視点を持つことにより、これまでにないさまざまな可能性を引き出し、個性
や魅力として対外的に発信することによって、交流人口の拡大や定住に繋げていくことを目
指しております。
これからの社会情勢は、これまでにない変化を見せながら、市政や市民生活にさまざまな
影響を及ぼすことが予想されますが、将来像をしっかりと見据え、躍動するまちを目指して
まいりますので、市民の皆様のなお一層のご理解とご協力をお願いいたします。
最後になりましたが、本計画の策定にあたりご尽力いただきました総合開発審議会委員の
皆様をはじめ、市議会議員の皆様並びに多くの市民の皆様に対しまして心からお礼を申し上
げます。
平成24年3月
えびの市長 村 岡 隆 明 目 次
総 論
第1章 はじめに…………………………………………………………………………………… 2
第1節 計画策定の趣旨……………………………………………………………………………… 2
第2節 総合計画の役割……………………………………………………………………………… 2
第3節 計画の構成と期間…………………………………………………………………………… 3
1 計画の構成……………………………………………………………………………………… 3
2 計画の期間……………………………………………………………………………………… 4
第2章 えびの市を取り巻く社会状況と課題………………………………………… 5
1 人口減少と少子高齢化への対応……………………………………………………………… 5
2 地方分権への対応と市民参画・協働の拡大………………………………………………… 6
3 豊かな自然環境の保全………………………………………………………………………… 7
4 産業の活性化と雇用状況への対応…………………………………………………………… 8
5 安心・安全のまちづくり……………………………………………………………………… 9
6 教育ニーズの高まりと明日を担う人づくり……………………………………………… 10
7 価値観及びライフスタイルの多様化……………………………………………………… 12
基本構想
第1章 まちづくりの目標……………………………………………………………………
14
第1節 えびの市の将来像………………………………………………………………………… 14
1 第5次総合計画における将来都市像……………………………………………………… 15
2 人口…………………………………………………………………………………………… 16
第2節 えびの市将来像を目指すための基本目標……………………………………………… 17
第2章 施策の大綱………………………………………………………………………………
19
1 新たな活力を生む“産業づくり”………………………………………………………… 19
2 志と郷土愛を持つ“人づくり”…………………………………………………………… 19
3 誰もが元気“健康のまちづくり”………………………………………………………… 20
4 みんなのかおが見える“協働と福祉のまちづくり”……………………………………… 20
5 自然と調和した住みよい“生活環境づくり”…………………………………………… 21
基本計画
第1章 新たな活力を生む“産業づくり”… ………………………………………
27
第1節 地域資源を生かした産業の振興………………………………………………………… 28
基本施策1:農業の振興………………………………………………………………………… 28
基本施策2:畜産の振興………………………………………………………………………… 30
基本施策3:林業の振興………………………………………………………………………… 32
基本施策4:商工業の振興……………………………………………………………………… 34
基本施策5:企業誘致施策の推進……………………………………………………………… 36
基本施策6:観光の振興………………………………………………………………………… 38
第2節 まちの活力につながる環境づくり……………………………………………………… 42
基本施策1:計画的な土地利用の推進………………………………………………………… 42
基本施策2:道路の整備………………………………………………………………………… 44
基本施策3:地域情報化の推進………………………………………………………………… 46
基本施策4:基地対策の推進…………………………………………………………………… 48
第2章 志と郷土愛を持つ“人づくり”………………………………………………
51
第1節 郷土を担う人材の育成…………………………………………………………………… 52
基本施策1:学校教育の充実…………………………………………………………………… 52
基本施策2:青少年の健全育成………………………………………………………………… 54
基本施策3:生涯学習の促進…………………………………………………………………… 56
基本施策4:スポーツの振興…………………………………………………………………… 58
基本施策5:人権意識の高揚…………………………………………………………………… 60
第2節 郷土文化の継承と新しい文化の創造…………………………………………………… 62
基本施策1:文化芸術活動の促進……………………………………………………………… 62
基本施策2:国際交流の充実…………………………………………………………………… 64
第3章 誰もが元気“健康のまちづくり”… ………………………………………
67
第1節 健康の保持・増進………………………………………………………………………… 68
基本施策1:健康づくりの推進………………………………………………………………… 68
基本施策2:地域医療体制の整備……………………………………………………………… 70
第4章 みんなのかおが見える“協働と福祉のまちづくり”………………
73
第1節 住民参加・協働のまちづくり促進……………………………………………………… 74
基本施策1:市民協働によるまちづくり……………………………………………………… 74
基本施策2:市民参画による行政の推進……………………………………………………… 76
基本施策3:男女共同参画の推進……………………………………………………………… 78
基本施策4:情報共有化の推進………………………………………………………………… 80
第2節 かおの見える福祉の充実………………………………………………………………… 82
基本施策1:地域福祉の推進…………………………………………………………………… 82
基本施策2:子育てしやすい環境づくり……………………………………………………… 84
基本施策3:高齢者が安心して暮らせる環境づくり………………………………………… 86
基本施策4:障害のある人が安心して暮らせる環境づくり………………………………… 88
第3節 安心して暮らせるまちづくり…………………………………………………………… 90
基本施策1:日常生活における安全の確保…………………………………………………… 90
基本施策2:防災対策の見直し・強化………………………………………………………… 92
基本施策3:社会保障の確保…………………………………………………………………… 94
第5章 自然と調和した住みよい“生活環境づくり”… …………………………
97
第1節 調和のとれた美しい景観の保全………………………………………………………… 98
基本施策1:自然環境の保全…………………………………………………………………… 98
基本施策2:景観形成の推進………………………………………………………………… 100
基本施策3:河川汚濁処理対策の推進……………………………………………………… 102
基本施策4:資源循環型社会の推進………………………………………………………… 104
第2節 住みよい生活環境の確保……………………………………………………………… 106
基本施策1:安全でおいしい水の安定的な供給の確保…………………………………… 106
基本施策2:市民の憩いの場の整備………………………………………………………… 108
基本施策3:住宅対策の推進………………………………………………………………… 110
基本施策4:公共交通手段の確保…………………………………………………………… 112
計画の実現に向けて……………………………………………………………………………
115
基本施策1:計画的な行政運営……………………………………………………………… 116
基本施策2:行財政改革の推進……………………………………………………………… 118
基本施策3:広域行政の推進………………………………………………………………… 121
資料編……………………………………………………………………………………………
123
第5次えびの市総合計画 概要
【市の将来像】
大自然と人々が融合し、
「新たな力」が躍動するまち
えびの
新たな
志と
誰もが元気
活力を生む
郷土愛を持つ
“健康の
“産業づくり” “人づくり”
自然と調和
かおが見える
した住みよい
“協働と福祉の
まちづくり” まちづくり”
6.教育ニーズの高まりと明日を担う人づくり
づくり”
住みよい生活環境の確保
5.安心・安全のまちづくり
えびの市民憲章
“生活環境
調和のとれた美しい景観の保全
4.産業の活性化と雇用状況への対応
安心して暮らせるまちづくり
3.豊かな自然環境の保全
かおの見える福祉の充実
2.地方分権への対応と市民参画・協働の拡大
市民参加・協働のまちづくり促進
1.人口減少と少子高齢化への対応
健康の保持・増進
郷土文化の継承と新しい文化の創造
郷土を担う人材の育成
まちの活力につながる環境づくり
地域資源を生かした産業の振興
えびの市を取り巻く社会状況と課題
7.価値観及びライフスタイルの多様化
みんなの
(昭和 48 年 6 月 18 日制定)
○自然を守り 緑豊かなまちをつくりましょう
○健康で明るいまちをつくりましょう
○た がいにたすけあい 楽しいまちをつくりま
しょう
○教養を高め 文化のまちをつくりましょう
○みんなで栄える 住みよいまちをつくりましょう
第5次えびの市総合計画
総 論
総 論
第5次えびの市総合計画 第1章 はじめに
第1節 計画策定の趣旨
本市では、1972 年に総合計画を策定して以来、時代の潮流や市民ニーズを踏まえ、計画を改訂し、
豊かな自然と先人達が培ってきた歴史・文化・伝統を大切にしながらまちづくりを進めてきました。
2002 年度には「人と自然が“ほっとな”えびの -活力・ぬくもり・癒しのまち-」を将来像と
する第4次えびの市総合長期計画を策定し、生きがいと豊かさが実感できるまちを目指し、これま
で各種諸施策を実施してきたところです。
しかしこの間、全国的に少子高齢化が進行するとともに、アメリカのサブプライムローン※問題
に端を発した世界的な経済変動や都市と地方の格差拡大、高度情報化のさらなる進展など、社会を
取り巻く環境は大きく変化しています。さらに近年、口蹄疫の発生や新燃岳の火山活動、東日本大
震災をはじめ、九州新幹線の全線開通など、これまでの価値観や生活様式、立地面における位置づ
けを大きく転換させる出来事が起こっています。このような時代の流れに対し、行政の迅速かつ的
確な対応が強く求められる状況になっています。
一方、国においては地方分権改革が進められ、自治体自らの判断と責任のもと、自主的かつ自律
的な行財政運営が求められるようになりました。そこで、住民自治の基本原則を定める「えびの市
自治基本条例」
(平成 22 年えびの市条例第1号)を制定するとともに、行財政改革などの取組を
推進し、市民との協働によるまちづくりを進めているところです。
このような現状や課題を踏まえ、10 年後のえびの市のあるべき姿(将来像)を考え、その実現
に向け、市民とともにまちづくりを進めていくための総合的な指針として、第5次えびの市総合計
画を策定します。
第2節 総合計画の役割
総合計画は、えびの市の長期的なまちづくりの基本となる目標と、その目標を達成するための取
組である施策、事業を総合的・体系的にとりまとめたもので、市民と行政がまちづくりに対する課
題や目標を共有するものです。また、
「えびの市自治基本条例」第 15 条に基づき、市政運営を計
画的に進めるための総合的な指針として策定するものです。
※サブプライムローン:過去にローンやクレジットカードなどの延滞履歴がある、銀行口座を持たないなどの理由
で、ローンを貸しても延滞する可能性が高い顧客層へのローンを指す。アメリカにおいて
問題となったのは信用力の低い低所得者向けの住宅ローン。
2
第5次えびの市総合計画 第3節 計画の構成と期間
総 論
1 計画の構成
本計画は、
「基本構想」と「基本計画」及び別に定める「実施計画」から構成されています。
「基本構想」は、2012 年度から 2021 年度を計画期間として、本市の目指す将来像を設定し、
これを実現するためのまちづくりの目標及び施策の大綱を示すものです。
「基本計画」は、
基本構想に掲げた将来像及び分野別のまちづくり目標の実現を図るために、
個々
の施策を体系的・具体的に明らかにするもので、個別の計画、事業などはすべてこの基本計画に
即して進めることとなります。
「実施計画」は、基本計画で示した施策に基づき、主要な事業を具体的に示すものであり、各
年度の事業実施の指針として、毎年度必要な点検・見直しを行いながら策定するものです。
■ 計画の構成
“基本構想”
まちの目指す将来像とそれを実現するための
基本方針を明らかにする
まちづくりの基本的な方針
基本構想を受けて分野ごとに施策の体系と
内容を明らかにする
“基本計画”
“実施計画”
基本計画であげられた施策を具体化し、
毎年度の事業計画を明らかにする
3
総 論
第5次えびの市総合計画 2 計画の期間
本計画の目標年次は、
「基本構想」については 10 年後の 2021 年度とします。
「基本計画」につ
いては、社会情勢の変化などを勘案し、中間年度である 2016 年度において必要に応じ見直しを
図ります。「実施計画」については、3か年を1期とし、毎年度必要な点検・見直しを行いなが
ら策定します。
■ 計画の構成
2012
(平成 24 年度)
実施計画
2021
(平成 33 年度)
10 年間
基本構想
基本計画
2016
(平成 28 年度)
前期基本計画5年間
後期基本計画5年間
実施計画(3年間)
4
【全国的な動向】
日本の総人口は、2010 年に約 1 億 2805 万 7 千人(平成 22 年国勢調査)と、これまでの調
査と比較して過去最低の人口増加となり、人口減少の到来が目前に迫っています。出生率について
も 2005 年に 1.26 まで低下し、その後も低水準で推移しており、今後の見通しによると、日本の
総人口は 2055 年には約 9,193 万人になると見込まれています。さらに、総人口に占める高齢者
の割合は、2005 年には 20%程度であったものが、2055 年には 39.4%まで上昇すると見込まれ、
今後、人口減少及び高齢化は、地方に限らず、大都市においても進むものと予測されています。
【本市の状況と課題】
本 市 で は、1985 年 の 28,034 人 を 一 つ の 頂 点 と し、 以 降、 人 口 減 少 が 続 き 2010 年 で は
21,606 人となっています。また、1975 年以降の 30 年間で高齢化率は 30%を超え、高齢化も
急速に進んでいます。特に本市では 10 歳代、20 歳代、40 歳代の減少率が大きくなっており、都
市機能を維持する観点からも、20 歳代、40 歳代の若い世代や働き盛り世代の流出を抑制していく
ことが求められます。
しかし、今後も少子高齢化が続くことが予測されるため、子育て支援、保育・学校教育環境の充
実や高齢者が安心して本市に住み続けられる高齢者福祉施策の展開が課題となります。また、耕作
放棄地の増加や農業従事者の減少問題、地域コミュニティの抱える課題など、農業・農村を基盤と
する本市においては、これらの問題を別個のものとするのではなく一連のものとして対応していく
ことが重要となります。
さらに、2007 年頃から団塊の世代が退職期を迎えており、地域活動等を担う人材の増加が見込
まれます。地域全体の活性化を図るために、これらの方々が今まで培ってきた様々な技能や経験を、
新たな産業(第6次産業※)等の創出につなげるなど、地域の貴重な資源として生かすことも重要
となります。
※第6次産業:農業が農産物を生産するだけでなく、それを加工し販売するところまでを視野に入れた事業展開を
することにより、農業者が多くの利益にかかわる仕組みをつくろうという考え方。
第1次産業×第2次産業×第3次産業=第6次産業になること。
5
総 論
1 人口減少と少子高齢化への対応
第5次えびの市総合計画 第2章 えびの市を取り巻く社会状況と課題
総 論
第5次えびの市総合計画 2 地方分権への対応と市民参画・協働の拡大
【全国的な動向】
2000 年に地方分権一括法が施行され、本格的な地方分権時代がはじまりました。しかし、国に
よる関与・義務付けの廃止や、国から地方自治体への権限移譲、税財源の移譲などが十分に進んで
いないといった課題が見られたことから、2006 年に「地方分権改革推進法」が成立しました。そ
して 2011 年4月、地方自治体の自主性を強化し、自由度の拡大を図るため、義務付け・枠付けの
見直しと条例制定権の拡大を軸とした「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図る
ための関係法律の整備に関する法律」が成立し、これまで以上に地方自治体及び地域住民が、自ら
の判断と責任のもと、まちづくりを進められるようになり、地方公共団体を取り巻く枠組みが大き
く変わろうとしています。
このような流れを受け、全国的に住民自治の充実や協働のまちづくりが唱えられており、従来行
政が担ってきた範囲にとどまらず、幅広い「公」の役割を、ボランティア、企業など多様な主体が
担いつつあります。また、住民自治基本条例の制定など、住民自治の充実を図る動きが活発化して
おり、地方分権の進展とあわせ、市政やまちづくりへの市民の参画機会は拡大する傾向にあります。
【本市の状況と課題】
本市では、2010 年4月に「えびの市自治基本条例」が施行され、市政やまちづくりへ市民の参
画を促していくとともに、市民、議会、行政それぞれの役割が明確化されました。また、本市では
すでに、「自治公民館」による地域づくり活動をはじめ、ぷらいど 21 助成事業などを通じて、市
民との協働のまちづくりを進めています。今後も引き続き、市民や地域が持つ力を活用した活動を
推進し、地域の課題は住民自らが解決する住民自治の向上を図ることが必要となります。
また、自主・自立的な行財政運営を図るため、各種行財政改革を推進し、財政の健全化と財政運
営を進めてきました。しかし、高齢化及び人口減少は今後も続くことが予測されるため、これらへ
の対策も含め、選択と集中による施策を展開するため、引き続き財政基盤の強化に取り組むことが
必要となります。
6
【全国的な動向】
大量生産、大量消費、大量廃棄という社会経済システムの中で、大気や土壌、緑地など自然環境
全体にわたって人の活動を起因とする環境破壊が進んでいます。また、近年、世界中で多くの自然
災害が発生しており、地球温暖化による気候変動が原因の一つと指摘され、国際的な枠組みにより
対策が進められています。
一方、「エコ」の言葉に代表されるように、エコブームの到来により、近年、省資源や環境保全
に関する意識が高まりを見せています。企業においては、CSR※の観点から環境保全への取組や
環境負荷に配慮した商品開発がなされるとともに、個人や家庭でもリサイクルや省資源・省エネル
ギーの取組が広まりつつあります。今後も、この動きは加速していくことが予想されます。
【本市の状況と課題】
本市は、総面積の約 70%を林野が占め、市内の大部分は自然が広がり、田園が残る地域となっ
ています。特に市の南部は霧島錦江湾国立公園が連なり、近年は「自然の多様性とそれを育む火山
活動」をテーマに霧島ジオパークとして日本ジオパークネットワークに登録されています。
このような状況を背景に、2004 年度には「えびの市環境基本条例(平成 16 年えびの市条例第
18 号)」の制定、そして 2005 年度には「えびの市地域省エネルギービジョン」
、さらに、2008
年度から 2017 年度までを計画期間とする「えびの市環境基本計画」が策定され、市民、事業者、
市行政のそれぞれが役割分担のもと相互に協力した取組の展開が図られています。しかし、環境保
全については、市民一人ひとりの意識と行動変容を促していくことが必要であり、小中学校からの
環境教育や市民への継続的な啓発活動が基本となります。また、単に国際的な責務という側面だけ
でなく、本市においては自然景観や田園景観の保全、さらには農業などの産業にもかかわることか
ら、これらを考慮した取組も重要となります。
※CSR:Corporate Social Responsibility の略で、企業の社会的責任を意味する言葉。
7
総 論
第5次えびの市総合計画 3 豊かな自然環境の保全
総 論
第5次えびの市総合計画 4 産業の活性化と雇用状況への対応
【全国的な動向】
日本の経済・雇用状況については、1990 年代以降の長引く景気後退の中で、企業経営の安定化
のため、従業員数の削減や正規雇用からパートタイム労働などの非正規雇用への転換が進められて
きました。2000 年以降、経済のグローバル化※が急速に進むとともに、東アジア各地域の急速な
経済成長と産業構造の高度化の中で、東アジアを中心とした生産ネットワークの構築や経済連携の
動きが活発化しています。しかし一方で、それに伴う企業間競争の激化や安価な海外生産物との競
争により、国内産業の構造転換・強化をはじめ、労働環境の悪化への対応などが課題になっています。
さらに、2008 年8月、アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機に伴う
景気後退は、国内産業及び雇用に大きな影響を与えています。このような動向の中、ヒト、モノ、
カネ、情報が大都市圏に集中する一極集中型の社会経済構造が進み、地方経済の縮小が大きな問題
ともなっています。
【本市の状況と課題】
本市の就業者数については、一貫して減少傾向が続いています。産業別に見ると、本市の基幹産
業である「第1次産業」については、1975 年の 8,083 人から 2005 年は 2,954 人と就業者数は
大きく減少しており、逆に「第3次産業」については増加しています。
「第2次産業」については、
1990 年を境に就業者数が減少に転じています。
各産業の状況について見ると、農業産出額については、2004 年の約 166 億円を境に減少に転じ、
2006 年には約 158 億円となっています。また、製造品出荷額等の推移を見ると、2007 年の約
159 億円を境に出荷額は減少に転じていますが、事業所総数は増加し、2008 年には 44 箇所となっ
ています。商業年間商品販売額の推移を見ると、商店数は減少傾向であるにもかかわらず、販売額
は増加傾向となっており、2004 年の約 289 億円から 2006 年は約 335 億円となっています。
今後も、本市の就業人口は減少する傾向にあり、産業活力を維持していくには、生産品及び商品
の高付加価値化、販売網の拡大などにより、1事業所当たり、または1従業員当たりの生産性を高
めていくことが必要となります。そのためには、各産業や事業所のニーズに応じた労働力を確保で
きるよう、マッチング※などの仕組みを整えるとともに、教育環境の充実など、地元雇用が実現で
きる体制づくりも必要となります。また、経済状況の悪化や男女共同参画の推進により、働きなが
ら子育てを行う家庭も増えている中、仕事と家庭の両立を図る観点から、子育て支援の充実や事業
者側の取組も課題となっています。
※グローバル化:政治・経済、文化など、様々な側面において、従来の国家・地域の垣根を越え、地球規模で資本
や情報のやり取りが行われること。
※マッチング:種類の異なったものを組み合わせること。
8
近年、集中豪雨や地震など突発的な災害に対する防災面、不審者対策や薬物乱用防止などの防犯
面だけでなく、高齢者や子どもの交通事故防止、食の安全や振り込め詐欺などの消費者被害、また、
虐待防止やドメスティックバイオレンス※の防止といった人権・権利擁護の観点など、様々な面か
ら安心・安全に関する問題が取り上げられています。さらに、
「無縁社会※」という新たな問題に見
られるように、個人情報保護法によるプライバシー保護の厳格化や家族や社会とのコミュニケー
ションの希薄化、終身雇用制度の崩壊などの要因が重なり合い、社会から孤立している人々が急速
に増加しており、地域コミュニティの重要性、必要性が大きくなっています。
このような中、国や地方自治体では、地域防災計画の策定が進められるとともに、地域住民によ
る自主防災組織の立ち上げが進むなど、住民レベルによる防災への取組が展開されています。また、
防災を皮切りに、地域における主体的な防犯活動や虐待防止ネットワークの構築などの対応が進め
られています。さらに、2009 年9月には消費者庁が創設され、消費者問題に対し総合的な対策を
講じる体制が整えられました。
【本市の状況と課題】
本市の交通安全及び犯罪の状況については、
「交通事故死傷者数」
「刑法犯認知件数」ともに減少
しており、今後も引き続き、交通安全が保たれた犯罪の少ない状態を維持していくことが課題であ
り、啓発や対策を進めていくことが必要となります。
また、本市は、2008 年に「えびの市地域防災計画書」の見直しを図り、災害時要援護者対策や
防災体制の強化を進めてきました。さらに、2011 年1月に火山活動を再開した新燃岳や同年3月
に発生した東日本大震災により、市民の災害への関心は高まりつつあり、この機会を捉え住民主体
による防災体制を見直すなど、地域の福祉力により安心・安全を高めていくことも重要となります。
一方、安心を確保する観点からも医療の果たす役割は重要となります。市民アンケート調査から
も今後の定住への否定意見として「病院などの医療施設が充実していない」が高くなっており、地
域医療の中核となる「えびの市立病院」の医療提供体制の維持は重要な課題となります。
※ドメスティックバイオレンス:女性、子ども、高齢者、障害のある人など、家庭内弱者への継続的な身体的・心
理的・性的虐待をいう。また、恋人同士など、親しい関係における行為も指す。
※無縁社会:家族、地域、会社とのつながりが薄れ、孤立する人が増えている社会のこと。
9
総 論
【全国的な動向】
第5次えびの市総合計画 5 安心・安全のまちづくり
総 論
第5次えびの市総合計画 6 教育ニーズの高まりと明日を担う人づくり
【全国的な動向】
高度情報化社会の進展に伴うグローバル化や絶えまない技術革新など、めまぐるしく変化する社
会経済状況の中では、様々な課題を解決していく力が必要となっており、子どもの頃から一人ひと
りの「生きる力」を育む教育の重要性が増しています。
しかし、子どもの学力や規範意識、地域や家庭の教育力の低下等がマスメディアを通じて指摘さ
れており、教育への関心が高まっています。
国では、確かな学力を確立するための授業数の増加や、豊かな心・健やかな体を育てるための道
徳教育・体育などの充実を図るため、新学習指導要領が 2011 年4月から全小学校で施行されて
います(中学校は 2012 年4月から施行)
。一方で、学校へ過剰な要求を行う保護者の問題など、
新たな問題が教育現場では生じており、学校への負担が増しています。
【本市の状況と課題】
本市の児童生徒数については、少子化の影響を受け「小学校」
「中学校」
「高等学校」ともに児童・
生徒数は年々減少しています。本市では、一貫教育を柱に「えびの市学校教育五つの挑戦」を実践
しながら、21 世紀を担う創造性豊かな意欲ある人づくり、個性とやすらぎのある地域づくり、さ
らに地域に根ざした特色ある学校づくりを推進しています。その中で、すべての小・中学校におい
て6・3・3制の 12 年間を見通した系統性・一貫性のある教育を推進すべく、2010 年3月に「え
びの市一貫教育推進の手引き」を作成し、取組を進めています。また 2005 年度から学校2学期
制を導入し、学習時間を確保することによって基礎学力の定着、体験的な学習や問題解決的な学習
などを推進しています。
教育の関連において、公民館・文化施設、体育施設などが整備され、生涯学習・文化活動・スポー
ツの振興が図られています。特に本市では、
「人づくりが地域づくりである」という観点から各自
治公民館での学習奨励事業を展開するとともに、2006 年には3つの総合型地域スポーツクラブを
設立し、協働によるスポーツ振興を進めています。
近年、社会経済状況の変化により、産業面・福祉面・コミュニティやまちづくり、人権など、様々
な場面において教育の果たす役割は大きくなっています。そのため、学校教育においては今後も継
続的にたくましい体、豊かな心、優れた知性を備え、郷土に対する誇りと柔軟な国際感覚にあふれ、
新たな時代を担っていく気概を持ち、心身ともに調和のとれた人間の育成を進めていくことが重要
となります。また、一貫教育をより充実させるには、未就学児がスムーズに学校教育へと移行でき
るよう体制を整えることも課題であり、さらに、教職員の意識改革・資質向上を図る必要があります。
10
生涯スポーツを行えるよう環境整備に努めることが必要となります。特に「地域の子どもを地域で
人権教育・啓発の推進については、平成23年度に「人権に関する市民意識調査」を実施してい
ます。この調査結果を基に「えびの市人権教育・啓発推進方針」を平成24年度に作成し、
「あら
ゆる機会に、あらゆる場で」の学習と啓発を進めるとともに、関係機関との連携を強め、今なお存
在する様々な人権問題に対処し、差別意識の解消に努める必要があります。
11
総 論
育てる」ことと「親育て教育」のあり方が今後さらに求められています。
第5次えびの市総合計画 さらに、生涯学習・生涯スポーツについては、
「いつでも、誰でも」を基本に、市民が生涯学習・
総 論
第5次えびの市総合計画 7 価値観及びライフスタイルの多様化
【全国的な動向】
物の豊かさよりも心の豊かさを求めるほうへと国民意識が高まる今日、余暇活動についても、家
族や友人との団らん、健康づくり、学習活動、趣味活動、旅行など生活の質を高める活動が多くなっ
ています。それに伴い、趣味活動などを通じた知縁によるネットワークが広がりつつあります。
一方、携帯電話やインターネットの普及など、近年の情報通信技術の発達は、生活の利便性や産
業の生産性の向上とともに、人と人のつながり方など、生活に大きな変化を与えています。特に、
インターネットの利用拡大に伴い、情報の検索やネット上の交流などが一般的となっています。ま
た、雇用労働環境の変化に伴い、多様な労働形態が認められつつある中、人々の生活の時間帯も多
様化しています。さらに、介護や子育て支援などのために親と子どもの世帯が、できるだけ近距離
に居住する「近居」の動きや、複数の生活拠点を都市部と農山漁村に同時に持つ「二地域居住※」
の動きも見られます。これらのことは、地域活動や行政運営だけでなく、消費を支える小売業など、
様々な分野に影響を与えています。
【本市の状況と課題】
本市の家計の状況については近年、
「消費支出」のうち、
「食料」
「その他の消費支出」の占める
割合が減少しているのに対し、
「交通・通信」については大きく増加しています。また、本市の
1千世帯当たり主要耐久財の所有数量及び普及率については「携帯電話」や「パソコン」の普及率
がここ 10 年間で急激に増加しています。これらの耐久財については、持つものと持たざるものと
の間に情報格差などを引き起こす要因ともなるため、情報提供の手段については注意が必要となり
ます。
全国的に余暇活動へのニーズが高まる中、本市では市民の生きがいや自己を高めるための機会と
して生涯学習やスポーツの振興を図るとともに、京町温泉の活性化やスポーツ合宿の誘致など、交
流人口の拡大についても取組を推進しています。健康への志向も高まる中、これらの取組を連携さ
せ、多様な機会を提供できるようにすることも必要となります。
一方、本市の就業状況については、これまで主流であった農林業などの第1次産業から、サービ
ス業である第3次産業へと就業構造が大きく変化しています。併せて、就業形態なども多様化して
おり、これらのことを考慮した行政サービスの提供が求められます。
※二地域居住:国土交通省で提唱されたライフスタイルの一つで、「都市住民が定期的・反復的に、農山漁村等の
同一地域に滞在する」ことを指す。
12
第5次えびの市総合計画
基本構想
基本構想
第5次えびの市総合計画 第1章 まちづくりの目標
第1節 えびの市の将来像
本市は緑豊かな自然と、先人の培ってきた貴重な歴史、文化、伝統を受け継ぎながら市政施行以
来標榜してきた「田園観光都市」を継承しつつ、魅力的な「住みたいまち」を目指してきました。
さらに、えびの市民憲章は、このまちづくりに対する市民共有の基本的な姿勢を示したものであ
り、いつの時代にあっても変わらない普遍的な目標として根づいています。
えびの市民憲章(昭和 48 年6月 18 日制定)
○自然を守り 緑豊かなまちをつくりましょう
○健康で明るいまちをつくりましょう
○たがいにたすけあい 楽しいまちをつくりましょう
○教養を高め 文化のまちをつくりましょう
○みんなで栄える 住みよいまちをつくりましょう
第4次総合長期計画では、えびの市の将来像を「人と自然が“ほっとな”
えびの -活力・ぬ
くもり・癒しのまち-」と定め、えびの高原、矢岳高原、川内川などの豊かな自然や交通の要衝と
しての立地面の優位性を生かし、本市に住む人が、働き、学び、自然や歴史・文化を守り育て、憩
い楽しみ、生きがいと豊かさを感じ、住んで本当にいいと実感できるまち、さらに、本市を訪れる人々
が、豊かな自然、あたたかい心にふれることのできるまちの実現に向けた各種施策の展開を行うと
いうものでした。
今回の第5次総合計画においては、これまでの本市におけるまちづくりや市民憲章、
「えびの市
自治基本条例」に盛り込まれた基本理念を踏まえつつ、本市まちづくりの大きな課題である人口減
少とそれに伴う活力の減退に対応するためには、市民と行政が力を合わせ、市外から多くの人やモ
ノを呼び込み、まちの活力へと転換していくことが大切です。そのためには、自然や農文化、整備
された交通基盤などの本市の特性を生かして、グローバルな視点に立った産業の振興や助け合い・
支え合う地域社会づくりに取り組み、活力とあたたかさのあるまちづくりを進めていく必要があり
ます。
14
州特有の「田の神文化」
、基幹産業たる農業など、これまで継承されてきた魅力ある資源を数多く
有しています。
同時に、本市は宮崎、鹿児島、熊本の県境にあり、九州縦貫自動車道により、南九州の各拠点都
市間や、福岡・北九州などの大都市圏を結ぶ交通の結節点として、人的・物的な交流拠点都市とな
る可能性を有しています。また、これら立地的な優位性は依然、企業立地において大きな魅力であ
るとともに、基幹産業である農業の振興とあわせ雇用創出や流入人口の増加の可能性を大いに秘め
ています。さらに、近隣市町との連携を図りながら地域の特性を有効に活用することで、新たな魅
力を発信していくことも期待されます。
しかし、人口減少や高齢化の進行、社会経済状況の変化などを背景に、本市においてもまちの活
力が減退しつつあります。特に、若者を中心とした人口流出は、これからのまちづくりにおいて大
きな問題となっています。
一方、これからのまちづくりは、地域が自主性を持つとともに地域間の連携も重要性を増してお
り、地域の特性を生かしながら様々な課題に対応していくことが求められ、地域の自治力を高めて
いくことが必要となっています。
幸い、本市においては農村社会を基盤とした住民同士の絆やコミュニティが今も育まれています。
また、市民アンケート調査からは、6割の市民が何らかのかたちでまちづくりに参加したいと回答
しています。この思いと地域の絆を、まちづくりへとつなぐことで市民と行政との協働によるまち
づくりが一層進展していくことが期待されます。
本計画では、これらの可能性の実現に向けて、本市の有するすべての魅力を最大限に引き出しな
がら、人々の結集と創造によって「新たな力」を生み出すとともに、市民が、豊かな自然環境・田
園景観に抱かれた中で育ち、学び、働き、生きることに喜びを感じ、お互いを敬い、家族・地域の
絆を大切にし、心の豊かさや幸せを感じられるまちを目指し、次代を見据えてえびの市の将来像を
次のように定めます。
大自然と人々が融合し、「新たな力」が躍動するまち えびの
-南九州の交流拠点都市を目指して-
15
基本構想
本市には、霧島連山をはじめとする豊かな自然や温泉、そして「田の神さあ」に代表される南九
第5次えびの市総合計画 1 第5次総合計画における将来都市像
基本構想
第5次えびの市総合計画 2 人口
本市の総人口は、1985 年(国勢調査)時の 28,034 人を境に減少し続けています。全国的に人
口減少が進む中、本市の総人口についても 20 歳代・40 歳代の市外流出が拡大しており、人口減少、
少子高齢化が今後も一層進むものと予測されます。
このような傾向が今後も続くものとして現在の傾向から推計すると、基本構想の目標年度となる
2021 年には、約 17,900 人となり、この状況に対処したまちづくりが必要となります。
今後、本総合計画に掲げる施策を推進することにより、都市基盤の整備、教育・文化環境や福祉の
充実、安心・安全な生活環境の確保、産業の振興など魅力あるまちづくりに努めることによって、
若者の市外流出の抑制、定住・交流人口の確保を図りながら、人口減少を最大限抑制することを目
標とします。また、併せてえびの市を「住みよい」と回答する市民割合の増加を目指します。
■ 総人口の推計値
※点線が自然体の推計値 資料:2010 年まで国勢調査(2013 年以降は推計値)
■(参考)えびの市を「住みよい」と感じている市民の割合
資料:第5次えびの市総合計画策定のためのアンケート調査より
16
南九州の交流拠点都市を目指して-』を将来都市像とするまちづくりを進めるため、この計画にお
ける基本目標を以下に定め、各種施策の推進を図ります。
基本目標
1 新たな活力を生む“産業づくり” 【産業の振興・都市基盤の整備】
2 志と郷土愛を持つ“人づくり” 【教育・文化・スポーツの振興】
3 誰もが元気“健康のまちづくり” 【保健・医療の充実】
4 みんなのかおが見える“協働と福祉のまちづくり”【住民自治・福祉の充実】
5 自然と調和した住みよい“生活環境づくり” 【自然環境の保全・生活環境の整備】
基本目標1 新たな活力を生む“産業づくり”
本市は、基幹産業の農業を中心に、企業誘致にも力を入れながら産業の振興を図ってきました。
今後も地域の自立と活性化を目指すうえでまちの活力となる産業の振興は、より重要性を増してい
ます。
そのため、本市の豊かな自然や培われてきた産業、文化、また、これまで整備されてきた社会基
盤を含めたあらゆる地域資源をまちの活力として最大限に発揮することで、訪れる人々にも活力を
感じてもらえるいきいきとしたまちを目指します。
基本目標2 志と郷土愛を持つ“人づくり”
「人づくりが地域づくりである」本市はこの観点を大切に、教育・学習・文化・スポーツなどの
基盤を整備してきました。様々な価値観や情報が氾濫し、日々変化していく社会の中、今後もこの
観点を貫いていくことが大切であり、郷土を大切にする心、お互いの人権を尊重する心を、心の軸
として持ち、21 世紀を担う創造性豊かな意欲ある人づくりを目指します。また、市民が郷土の文
化やお互いに学び合うことを通じて、高め合うことができるまちを目指します。
17
基本構想
本市では、本計画で掲げた『大自然と人々が融合し、
「新たな力」が躍動するまち えびの -
第5次えびの市総合計画 第2節 えびの市将来像を目指すための基本目標
基本構想
第5次えびの市総合計画 基本目標3 誰もが元気“健康のまちづくり”
健康はすべての活動の根幹となるものです。本市は市民が健やかに生活できるよう、健康づくり
や医療などの基盤を整備してきました。高齢化が一層進む中、誰もが健康に暮らし続けられるまち
づくりは重要なキーワードとなります。
そのため、市民一人ひとりが健康への配慮を通じて心と体の健康づくりに取り組み、いつまでも
健康でいきいきと暮らすことができるまちを目指します。
基本目標4 みんなのかおが見える“協働と福祉のまちづくり”
本市ではいち早く進む少子・高齢化に対応するため、市民との協働のまちづくり、福祉のまちづ
くりを進めてきました。しかし、少子・高齢化という社会形態の中、地域には福祉をはじめ様々な
課題が山積しています。そのため、市民一人ひとりが地域課題について考え、相互に協力しながら
その解決に向けて取り組むとともに、地域の中でともに支え合い・助け合い、絆を深めながら安心
して暮らすことができるまちを目指します。
基本目標5 自然と調和した住みよい“生活環境づくり”
面積の約7割を山林が占め、川内川上流に位置する本市は、この豊かな自然と調和を図りながら、
住宅をはじめとした生活環境の整備を進めてきました。このような環境を、他にはないえびのの魅
力としてまちづくりに生かしていくことが大切です。
そのため、本市の豊かな自然環境を守り育て、訪れる人々にえびのの豊かな自然・景観がかもし
出す潤いや安らぎを感じてもらい、訪れて良かったと思われるまちを目指します。また、自然との
調和が保たれた住みよい生活環境の中で安らぎのある生活を送ることができるまちを目指します。
18
1 新たな活力を生む“産業づくり”
(1)地域資源を生かした産業の振興
本市の豊かな地域資源を生かし、第6次産業への取組や生産物の高付加価値化、販路の拡大な
ど産業のブランド化を図るとともに、えびのの産業を担い、切り開く人材の養成・確保への支援
や事業者の安定的な経営への支援など、地域資源を基盤とした産業の振興を図ります。また、本
市の自然や地理的・地勢的な条件に適した起業や企業立地の促進を図るとともに、これらの優位
な条件を生かし、霧島ジオパークや鉄道観光※などの新たな魅力を磨き、交流人口の拡大を図り
ます。
(2)まちの活力につながる環境づくり
本市の活力となる地域資源を最大限に発揮できるよう、計画的な土地利用を推進します。また、
市民活動及びまちの経済活動が円滑に行えるよう、交通・情報通信などのインフラ※整備を推進
します。
2 志と郷土愛を持つ“人づくり”
(1)郷土を担う人材の育成
未来を担う子どもたちが、郷土に対する誇りと柔軟な国際感覚にあふれ、新たな時代を担って
いく熱意を持ち、心身ともに健やかで、個性ある人材となるよう、教育の充実を図ります。
また、市民のだれもがいつでも学べ、スポーツに親しめる生涯学習・生涯スポーツ環境づくり
に取り組み、地域の教育力の向上に努めるとともに、一人ひとりの人権を尊重する人権意識の高
揚を図ります。
※鉄道観光:ここでは、歴史的・文化的に価値ある鉄道資源(駅舎等の施設や列車)を通じて、地域において鉄道
が果たした役割や地域の歴史にふれることを目的とした観光をいう。
※インフラ:「インフラストラクチャー」の略。社会的経済基盤と社会的生産基盤とを形成するものの総称で、道
路・港湾・河川・鉄道・通信情報施設・公園などが含まれる。
19
基本構想
第5次えびの市総合計画 第2章 施策の大綱
基本構想
第5次えびの市総合計画 (2)郷土文化の継承と新しい文化の創造
市民が文化・芸術活動に親しみ、まちへの愛着をさらに高められるよう、まちの歴史・文化の
保存・継承に努めるとともに、文化・芸術活動の促進を図ります。また、国際交流を進めるまち
としての側面を生かし、えびのらしい文化の創出に努めます。
3 誰もが元気“健康のまちづくり”
(1)健康の保持・増進
市民の健康を確保するため、保健事業だけでなく生涯学習・生涯スポーツなどとも連携し、市
民の主体的な健康づくり活動を促進するとともに、地域医療体制の充実を図ります。
4 みんなのかおが見える“協働と福祉のまちづくり”
(1)市民参加・協働のまちづくり促進
地域の課題は地域に暮らす住民同士の連携により解決できるよう、コミュニティの強化及び住
民自治の推進を図ります。また、市民が様々なまちづくり活動や社会活動、さらには市政に参画
できるよう、男女共同参画の推進や広報・公聴活動の充実、情報公開に努めます。
(2)かおの見える福祉の充実
住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、地域福祉における支え合いや助け合いによるま
ちづくりを進めるとともに、子どもや子育て家庭をはじめ高齢者、障害のある人などへの各種福
祉サービスや日常生活への支援などを、地域ぐるみにより提供する体制の構築と充実を図ります。
20
市民生活の安心・安全を確保するため、自分自身や家族等でできることは行う「自助」
、地域
分担・連携のもと、災害対策及び消防・救急体制の整備・充実をはじめ、交通安全対策や防犯体
制の強化を図ります。
5 自然と調和した住みよい“生活環境づくり”
(1)調和のとれた美しい景観の保全
長年にわたって守られてきた山、川、田園など、えびのを象徴する自然や景観を残し、将来へ
とつなぐため、山や川などの保全や景観の保全・形成に努めていきます。また、ごみの減量化や
リサイクル、自然エネルギーの導入などのエコ対策を推進し、生態系及び地球環境を大切にする
取組を進めます。
(2)住みよい生活環境の確保
安全でおいしい水の安定的な供給の確保をはじめ、憩いとレクリエーションの場となる公園緑
地などの維持・整備、公共交通体系の整備・構築、住宅対策など、子どもから高齢者まで、市民
が安心して快適に暮らせるよう、必要となる生活環境の整備を推進します。
21
基本構想
による協力や助け合いによる「共助」
、行政による公的な支援となる「公助」による適切な役割
第5次えびの市総合計画 (3)安心して暮らせるまちづくり
基本構想
第5次えびの市総合計画 22
基本構想
第5次えびの市総合計画 23
第5次えびの市総合計画
基本計画
第1章
新たな活力を生む“産業づくり
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 第1節 地域資源を生かした産業の振興
基本施策1:農業の振興
施策目標-目指す姿-
○農業経営者の育成と確保が進み、遊休地の活用や生産基盤の整備がなされています。
○消費者が安心できる農産物が生産され、市民だけでなく、市外からの購入客も増えています。
○6次産業化や高付加価値化、販路拡大など農産物のブランド化が進み、安定した農業経営
が行われています。
現状と課題
○農業は本市の基幹産業であり、稲作を中心に畜産・野菜・花きを組み合わせた複合型の
農業が主軸となっています。また生産形態は、安全面に配慮した有機減農薬生産が主流
となりつつあります。しかし、農業経営者の高齢化、担い手不足、兼業化は急速に進ん
でおり、耕作放棄地の増加に伴う農地利用率の低下、土地の分散による生産性の低下な
どの問題が生じています。
○本市では、担い手対策推進事業や土地改良事業、中山間地域活性化事業などを通じて農
業経営者の育成や農業生産基盤の整備、
集落営農の推進などに取り組んでいます。しかし、
国では、TPP締結に向けた動きも進められており、この動向にも対応するため、経営
感覚を持った農業経営者の育成及び集落営農組織の育成・大規模化を図ることが必要と
なっています。
○一方本市では、農産物・農業加工品の研究・生産といった6次産業化による高付加価値
型農業が推進されはじめています。今後、この取組を軌道に乗せるとともに、販路の開拓・
拡大やブランドイメージ※の構築を進めていくことが必要となります。
目標指標(数値目標)
指標名
認定農家数
単位
現状値(H 22 年度)
経営体
目標値(H 28 年度)
321
340
新規就農者数
人
2
5
集落協定面積
㎡
750,328
787,000
※ブランドイメージ:ブランドを価値あるブランドとするには、ブランドの認知とともに、消費者の記憶に価
値あるものとして残ることが必要となる。ブランドイメージとは、ある商品銘柄に対し
て社会や消費者が抱いている印象を指す。
28
○「農地は集落で、 農業は担い手で守る」体制整備を促進するため、集落営農組織及び農協などと
連携し、優れた経営能力を持つ認定農業者や新規就農者、後継者の育成・確保を図るとともに、
集落営農組織の育成を支援します。
○効率的な営農の基盤となる農業用機械などの整備や中山間地域の環境整備を支援します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①新規就農総合支援事業 ②担い手対策推進事業 ③担い手育成事業
④中山間地域等直接支払事業 ⑤グリーンツーリズム推進事業
施策2: 農業生産基盤の整備
○基盤整備を推進するとともに、農地の保全をはじめ、老朽化している農道や用排水路、水利施設
など農業設備の機能維持・機能回復を支援します。
○鳥獣などによる農地・農作物への被害防止対策を推進します。
○農作業の効率化、畑作物の高品位安定化及び品質向上を図り、畑作農業の生産性向上と畑作経営
の安定を目的に西諸畑地かんがい事業を推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①土地改良施設維持管理適正化事業 ②市土地改良区合同事務所補助金事業
③有害鳥獣被害総合対策事業 ④農地・水保全管理事業 ⑤県営畑地帯総合整備事業 ⑥シカ捕獲促進事業
施策3: 農産物のブランド化推進
○安心・安全でおいしい農産物の生産を基本に、農協や関係機関等と連携し、ブランドイメージの
構築や物産館を活用した地産地消など販路開拓の促進に向けた取組を推進します。
○生産から加工、販売を一元的に行う6次産業化に向け、関係機関・団体、民間企業等と連携し取
組を進めます。
○生産技術の高度化を支援し、農産物等の高品質化を図ります。また、バイオマス※など環境にや
さしい農業の普及・啓発に取り組みます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①物産館建設事業 ②バイオマスタウン構想事業 ③みやざき農業振興資金利子助成事業
④農業近代化資金利子補給補助事業 ⑤園芸産地強化対策事業 ⑥環境保全型農業直接支援対策事業 ⑦産地収益力向上対策事業
※バイオマス:再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの。(家畜排せつ物、稲わら、間伐材など)
29
基本計画 第1章
施策1: 農業経営者の育成及び農業経営基盤の整備強化
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:畜産の振興
施策目標-目指す姿-
○口蹄疫等による被害からの復興を果たし、生産力が回復しています。
○自給飼料生産受託組織等が充実され、飼料自給率の向上と経営コストの低減等により、安
定した畜産経営が行われています。
○家畜の防疫対策が着実になされ、消費者に安心して供給できる畜産物が生産されています。
現状と課題
○本市の畜産は、農業粗生産額の7割以上を占める重要な産業ですが、飼料価格の高止ま
りや枝肉価格の低迷により厳しい状況が続いています。生産構造については、高齢化に
よる従事者の減少とそれに伴う飼養戸数の減少、さらには自由貿易の激化による飼養規
模の大型化・専業化が進展しています。特に高齢化等による離農が進む中、農作業分業
化や労働力の確保など、畜産業を継続できる体制・環境づくりが課題となっています。
○本市では、畜産振興会補助金事業や優良牛貸付家畜事業、自給飼料生産対策事業などを
通じて、畜産農家の経営安定化を支援し生産力の確保を図っています。今後も引き続き、
生産力の向上・確保に向けた支援を進めるとともに、安定的な販路を確保するため畜産
物の高品質化を進め、ブランドとして確立していくことが課題となります。
○本市では近年、口蹄疫や鳥インフルエンザ、BSEなどの海外悪性伝染病により、生産
から流通・消費まで大きな被害を受けています。安心・安全な畜産物を供給するために
も防疫対策が重要な課題となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度)
肉用牛の粗生産額
千円
10,050,596
10,400,000
酪農の粗生産額
千円
471,330
480,000
中小家畜(豚・鶏)の粗生産額
千円
4,715,116
5,000,000
30
目標値(H 28 年度)
○県や農協をはじめとする関係機関と連携し、各種の補助事業を活用し、担い手の育成支援や生産
物の改良と質の向上を図ります。
○口蹄疫等の海外悪性伝染病リスクを低減し、安心安全な畜産物の生産を図るため、質の高い自給
飼料を確保できるよう支援します。
○畜産経営の安定化を図るため、優良家畜の保留や導入を支援し畜産物の高品質化を促進するとと
もに、畜産物の販路開拓及び消費拡大に取り組みブランド化を進めます。
○飼養規模拡大や高齢化の進展による飼料生産に係る労働力不足に対応するため、飼料生産受託組
織を育成し、労働力の軽減など飼料生産作業の効率化・低コスト化を促進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①畜産振興会補助金事業 ②優良牛貸付家畜事業 ③優良牛保留対策事業
④肉用牛肥育経営緊急支援対策事業 ⑤自給飼料生産対策事業 ⑥中小家畜農家経営緊急支援事業
施策2: 家畜防疫対策の徹底と畜産環境対策の強化
○県や農協をはじめとする関係機関と連携し、口蹄疫等の防疫対策の徹底を図ります。
○「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」を遵守し、衛生面に配慮された飼
育環境づくりと、堆肥の活用推進など資源循環型の畜産経営を推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①家畜防疫対策事業 ②家畜伝染病侵入防止対策事業 ③オーエスキー病清浄化対策事業
④畜産環境整備事業
31
基本計画 第1章
施策1: 安心・安全な畜産物の生産と畜産経営基盤の強化
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 基本施策3:林業の振興
施策目標-目指す姿-
○林業従事者の育成が進み、造林・保育・間伐等の森林管理が計画的になされ、森林が保全
されています。
○林道や作業道などが整備され、効率的・近代的な施業が行われるとともに、タケノコなど
林産物の生産が拡大されています。
現状と課題
○本市の森林面積は市域の7割弱を占め、豊富な森林資源を有しています。しかし、木材
価格の長期低迷により林業所得は伸び悩んでいます。また、林業従事者の減少や高齢化
の進行、さらには不在村者を起因とした放置林の問題など、様々な問題が生じています。
○本市では、森林の持つ多面的な機能を生かせるよう、森林整備地域の活動支援や市有林
の管理事業などを行うとともに、作業道の整備や林道の維持・管理、林業従事者の福利
厚生面への支援を通じて、安定的に森林施業が行えるような就労環境を整えています。
今後も引き続き森林の持つ公益的機能を維持するなど、
「えびの市森林整備計画」に基づ
いた適正な森林管理体制の確保や緑化活動の推進を図るとともに、再生可能なエネルギー
として木質資源の利活用やタケノコなどの林産物生産を促進し、林業経営の安定化を支
援することも課題となります。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
未整備林の面積
ha
森林ボランティア活動人数
林道など路網の開設延長
現状値(H 22 年度)
人
m/年
32
目標値(H 28 年度)
2,000
1,200
172
250
1,758
2,000
○森林の公益的機能と良質な木材を確保するために、欠かすことのできない造林・保育・間伐など
の計画的な整備を、森林組合及び林業事業体と連携し進めます。
○森林施業の集約化、合理化及び施業委託の促進を図るとともに、森林組合及び林業事業体との連
携による後継者の育成に取り組み、林業生産体制の維持・確保に努めます。
○作業の効率化や生産性を高めるため、林道等の整備や高性能林業機械の導入を進めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①森林整備事業 ②森林整備加速化・林業再生事業 ③林業担い手育成事業
④森林整備地域活動支援事業 ⑤林道網総合整備事業
施策2: 林業経営の安定化
○タケノコなど付加価値の高い林産物の生産を促進するとともに、品質の向上と販路の拡大に取り
組み、経営の安定化を図ります。
○有害鳥獣対策に取り組むとともに、シカ皮等の有効利用に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①特用林産物生産対策事業 ②シカ捕獲促進事業(再掲)
33
基本計画 第1章
施策1: 林業従事者の育成及び林業生産体制の確保
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 基本施策4:商工業の振興
施策目標-目指す姿-
○高齢となっても市民が買い物に困ることがない環境となっています。
○市内企業が、経営基盤を強化し、独自の企画・開発・技術・販売に取り組み、活性化しています。
○多様な産業分野が連携し、えびのの資源を活用した商品の開発・販売が進められています。
○ワーク・ライフ・バランス※の考え方が浸透するとともに、安全かつ快適な就労環境が形成
されています。
現状と課題
○本市の商業については、高齢化や過疎化を背景に後継者不足による店舗の閉店が相次いで
おり、空き店舗の増加とそれに伴う買い物への利便性の低下が問題となっています。特
に、高齢化が進む本市においては、消費者にとって身近な商店の減少による影響は大きく、
買い物難民などの問題が生じています。そのため、市民生活に密着した身近な商業の形
成を進めることが必要となっています。
○進出企業を含めた既存企業については、九州縦貫自動車道等の交通的利便性と南九州の中
心に位置するという立地を生かした経済活動が行われています。本市では、商工会と連
携しながら、経営相談や融資貸付などの経営支援、後継者の育成を行っていますが、定
住促進の観点からも商工業の振興は課題となっており、進出企業については地元への定
着に向けた支援の充実が求められます。また、中小企業については、資金や経営面など
における支援が必要となっています。
○本市では関係機関と連携し、子育てや介護をしながら働き続けられるよう、仕事と家庭
を両立しやすい職場環境づくりなどを推進していますが、近年の社会経済状況の変化を
踏まえ、さらなる労働環境の改善・充実が求められています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
商工会会員数
名
640
670
中小企業融資貸付金実行件数
件
39
70
物産振興イベント参加業者数(延べ)
事業者
75
100
※ワーク・ライフ・バランス:国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たす
とともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生
の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できることをいう。
34
○商工会と連携し、後継者及び優秀な経営者の育成を支援するとともに、経営相談や融資制度の運
用などを通じて市内商工業者の経営安定化を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①商工会補助金事業 ②中小企業大学校受講補助金事業 ③中小企業融資貸付金事業
施策2: 商業活動の活性化
○商工会や地元商店等と連携し、買い物難民等への対応を図るとともに、市民にとって地域に密着
した魅力ある商業となるよう、商業者の育成とネットワーク化を支援します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①商工会補助金事業 ( 再掲 )
施策3: えびのならではの産業の振興
○えびの市物産振興協会や商工会などの関係機関と連携し、優良特産品の開発と普及を推進します。
また、特産品の販路拡大及びブランドの確立を図るため、物産館の建設や市内外に向けたPR活
動に取り組みます。
○バイオマスを活用することによって自然環境に配慮した新たな産業の創出に取り組んでいきます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①物産館建設事業 ( 再掲 ) ②物産振興協会補助事業 ③バイオマスタウン構想事業 ( 再掲 )
施策4: 勤労者福祉の充実
○勤労者の福利厚生の充実を図るため、企業訪問等を通じて各種支援制度のPRや支援制度の適切
な運用を図ります。
○多様化するライフスタイルに合わせ、仕事と生活の調和が図られるよう、育児・介護のための休
業制度などについて普及啓発に取り組み、労働環境の改善を促進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①林業巡回特殊健康診断補助金事業
35
基本計画 第1章
施策1: 中小企業の経営基盤の強化
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 基本施策5:企業誘致施策の推進
施策目標-目指す姿-
○市内外からの企業立地が成功し、若者の市外流出が減ってきています。
○新規創業により新たな雇用が生まれています。
現状と課題
○本市には現在、市の指定企業が19社(うち17社が製造業)となっており、うち従業
員10人以上の指定企業が11社、50人以上が3社、100人以上が3社となってい
ます。
○基幹産業が農業の本市では、新たな雇用創出に関しては企業誘致に依存せざるを得ない
のが現状となっています。そのため本市では、市のホームページなどを通じて企業誘致
候補地に関する情報提供をはじめ、平成22年度には企業立地ガイドを作成し、本市の
持つ優位性をPRしています。
○企業誘致についてはリーマンショック以降の経済状況を背景に、厳しい状況が続いている
ことから、より専門的に取り組むための体制づくりが課題となっています。同時に、地
域特性や地域資源を生かした多様な起業を促進させていくことも産業の振興を図る上で
は必要なこととなります。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
誘致企業数及び既存企業の事業拡大により
増設された件数(目標年度までの累計)
企業誘致に関しての出張・企業訪問・相談数
異業種交流会開催回数
目標値(H 28 年度)
社
2
10
回
83
100
1
2
回/年
36
現状値(H 22 年度)
施策1: 企業立地の促進
○企業誘致戦略本部を中心に、市内の工場適地を調査するとともに、企業訪問や企業立地ガイドの
配布によるPR、市のホームページ等を通じた情報発信を行います。
○県や県の東京・大阪・福岡事務所、各地の企業誘致アドバイザー等と連携し、積極的な企業情報
の収集と受け入れ体制の整備、また、各種助成・融資制度による支援を行い、企業立地を促進し
ます。
○都 市計画マスタープラン作成による工業用途地域の確保を推進するとともに、新たなオーダー
メード方式※を構築し、企業立地の促進を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①企業誘致対策事業
施策2: 起業の支援
○商工会と連携し、起業家や経営者の育成を支援するとともに、新規事業や創業への融資制度及び
補助制度、企業用地等の情報提供を通じて支援します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①企業誘致対策事業(再掲)
②商工会補助金事業 ( 再掲 )
※オーダーメード方式:英語のorderとmadeを組み合わせた和製英語であり、注文によってつくることを意味する
言葉。ここでは、企業の要望に応じて立地場所を選定するとともに、造成工事までを行う
方式を指す。
37
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 基本施策6:観光の振興
施策目標-目指す姿-
○温泉や自然景観などの資源が活用され、観光客でにぎわうまちとなっています。
○えびのを満喫できる多様な観光プラン・メニューがあります。
○まちぐるみで観光客を受け入れる体制が整っています。
現状と課題
○本市には、霧島ジオパークの核心地であるえびの高原(霧島錦江湾国立公園)をはじめ、
京町温泉や南九州特有の「田の神文化」など、多様な観光資源があります。
○本市の代表的観光地である京町温泉については、他市町村でも温泉開発が進んだことによ
り、観光資源としての優位性・希少性が低下し、観光客の減少につながっています。そ
のため、地域の活力を向上させつつ、観光地としての再生・活性化を図ることが課題となっ
ています。一方、えびの高原については、霧島ジオパークなど広域連携による優位性を
生かした取組の展開が必要となっています。
○多様な観光資源がある中、それらを結び付け、えびのの観光イメージを拡張することが、
本市の観光振興において重要な課題となっています。併せて、接遇の改善を柱とした観
光人材の醸成、観光資源の有効な活用や設備の整備、ニーズに対応した観光プラン・メ
ニューの開発など、受け入れ体制の整備・充実を図ることも課題となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
京町温泉の入込客数
スポーツ合宿の団体数
観光協会イベント開催回数
単位
人
団体
回
38
現状値(H 22 年度)
目標値(H 28 年度)
311,600
350,000
10
20
3
6
施策1: 温泉地の活性化
○京町温泉のイメージアップにつなげるため、昔ながらの景観が残る街並みなどを生かした“昭和
の温泉郷”づくりと、人情と真心でのもてなしを前面に出した観光施策を推進し、新たな観光客
の開拓とリピーターの増加を図ります。
○「宮崎県最古」と称される吉田温泉の潜在的な可能性を引き出すために、棚田などの景観整備や
人づくりなどを含めて、長期的な整備を行い、矢岳高原とのつながりを深める事業の実施を推進
します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①京町温泉活性化プラン
②京町温泉夏祭実行委員会補助金事業
③スポーツ観光推進協議会補助金事業
施策2: 着地型観光の推進
○観光協会をはじめ、農協や商工会など、地域の関係機関・団体、民間企業と連携し、えびのの自
然や歴史・文化、産業などの資源を生かした体験型の観光プログラムやルートの開発を進めると
ともに、えびの高原を核として盆地の多様な資源を結び付ける観光ツアーやメニューの販売・P
Rに取り組みます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①えびの市観光協会補助金事業 ②観光ルート整備事業 ③観光PR広告事業
④グリーンツーリズム推進事業(再掲) ⑤郷土の森整備事業
施策3: 観光誘客の推進
○パンフレット等の紙媒体だけでなく、ホームページやマスメディア、さらには携帯端末などを活
用した各種PR・宣伝活動を推進するとともに、スポーツや食などを活用したイベントの実施な
ど、えびのへの来訪を促す多様な機会の提供と内容の充実を図ります。
○環霧島会議や西諸圏域と連携し、広域的な誘客活動の展開に取り組みます。
○情報発信にかかわる諸機能を物産館に集約し、えびの市観光審議会への諮問を通して新しい戦略
も取り入れ、費用対効果にあった有効な情報の発信拠点として位置付けます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①物産館建設事業(再掲) ②京町温泉夏祭実行委員会補助金事業(再掲)
③観光PR広告事業(再掲) ④スポーツ観光推進協議会補助金事業(再掲)
39
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 施策4: 受け入れ体制の整備
○観光客に対する現地での情報インフラの充実を図るため、ホームページの充実やボランティアガ
イド・観光ボランティアの育成を進めます。
○老朽化の著しい観光資源や施設・設備などの計画的な整備を推進するとともに、市内の周遊性を
高めるため、わかりやすい標識や案内板の整備、さらには観光マップの作成を進めます。
○観光協会の強化や関連機関・団体間のネットワーク化を支援し、観光振興体制の充実を図ります。
○えびの市の食材を用い、かつ化学的な食品添加物なども使用しないことを基本とした「安全で健
康な“えびの料理”
」を開発するために研究し、えびの市内の飲食店や宿泊施設でのメニューに
ついてゆるやかな認定を行います。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①えびの市観光協会補助金事業(再掲)
②観光施設整備事業 ③白鳥温泉下湯バリアフリー化事業
④矢岳高原ベルトンオートキャンプ場バンガロー整備事業
40
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 第2節 まちの活力につながる環境づくり
基本施策1:計画的な土地利用の推進
施策目標-目指す姿-
○計画に基づく適正な土地利用がなされ、まちの発展に寄与しています。
○市街地と自然とが調和され、美しい景観が残るまちとなっています。
現状と課題
○本市の土地の状況を見ると、総面積に対する林野面積は約70%、田畑面積は約14%、
宅地面積は約3.
4%となっており、市内の大部分は自然が広がり、田園が残る地域となっ
ています。都市部においては、都市計画法上の用途地域が指定されていますが、指定用
途どおりの土地利用が進んでいない地域があります。
○本市の土地利用については、産業の振興に寄与しつつも、乱開発やスプロール化※を抑制
し、自然との調和や景観が保たれた土地利用が重要となっており、計画的かつ秩序ある
土地利用及び有効利用が図られるよう誘導することが課題となります。
○土地の実態を明らかにする地籍調査についても事業の意義など、市民の理解を得ながら、
計画的な推進を図っていく必要があります。
目標指標(数値目標)
指標名
地籍調査進捗率
単位
%
現状値(H 22 年度)
49.6
目標値(H 28 年度)
55.0
※スプロール化:都市が無秩序に郊外へと拡大していくこと。計画的な市街地が形成されず、虫食い的に宅地
開発が進んで行く様子を指す。
42
○本市における土地利用や都市計画に関する基本方針を示した「都市計画マスタープラン」を策定
し、プランに基づく適正な土地利用を推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①都市計画マスタープランの作成
②地籍調査事業
施策2: 遊休地の有効活用
○市の発展及び財政の健全化に寄与するよう、市が保有する遊休地について貸付や売却など、管理
と活用を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①市有財産管理事業
43
基本計画 第1章
施策1: 計画に基づく土地利用の推進
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:道路の整備
施策目標-目指す姿-
○幹線道路の維持・整備がなされ、快適な交通アクセスが確保されています。
○市民生活に身近な道路が整備され、緊急車両や歩行者が安全に移動できるようになってい
ます。
現状と課題
○本市の道路網については、九州自動車道と国道3路線、主要地方道3路線、一般県道8
路線を幹線道として、市道967路線が交差して形成されています。
○本市では、高速道路へのアクセス道路として、国道・県道の整備を進める一方、市民に身
近な生活道路である市道整備についても計画的に推進しており、改良率は国道86.
4%、
県道73.
2%、市道73.
0%となっています。
○県道や市道などについては依然として改良率が低く、引き続き整備を推進することが必
要となっています。
○橋梁の中には建設後、数十年が経過しているものもあり、老朽化への対策が課題となっ
ています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
社会資本整備総合交付金事業進捗率
%
15.0
100.0
過疎対策事業進捗率
%
40.0
70.0
橋梁修繕計画策定数
本
0
312
44
現状値(H 22 年度)
目標値(H 28 年度)
施策1: 幹線道路の整備
○市内幹線道路網の骨格を形成する国道や主要県道の整備促進を図ります。
○都市計画道路の適宜見直しやえびの中央線など重要な幹線市道の計画的な整備を進めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①県道改良事業
②社会資本整備総合交付金事業
施策2: 生活道路の整備
○市民生活に身近な市道は、計画的に拡幅などの改良工事を進めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①過疎対策事業
②辺地対策事業
③社会資本整備総合交付金事業(再掲)
施策3: 道路・橋梁の維持管理
○安全に道路を利用できるよう、道路の維持管理・補修を計画的に進めるとともに、道路の補修・
改良に併せバリアフリー化を進めます。
○橋梁の維持と長寿命化を図るため、市内全橋梁の点検を行うとともに、修繕計画を策定し、計画
的に修繕・整備を進めます。
○関係機関と連携し、ガードレールやカーブミラー、信号機等の道路施設・交通安全施設の補修や
整備を進めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①道路維持事業 ②橋梁維持事業 ③橋梁点検・修繕計画策定委託事業
④防護柵等設置事業
45
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 基本施策3:地域情報化の推進
施策目標-目指す姿-
○市民が情報通信技術の恩恵を最大限に享受できるようになっています。
現状と課題
○本市では、住民サービスの向上や事務の効率化を図るため、行政事務の電算処理化等を
進めてきました。しかし、情報処理技術・通信技術の進展は著しく、情報システムの導入、
システムの再構築の際には、外部データセンター※の利用や共同利用など費用対効果に配
慮した最適化の視点が必要となっています。
○情報通信技術が日々進歩する中、本市においてもインターネットの普及が進んでいます
が、高齢者の多い本市においては、情報格差が広がる危険性を有しています。そのため、
市民生活の利便性向上に寄与できるようパソコン講習会などを行い、情報格差の是正に
努めることが課題となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
パソコン講習会参加者数
単位
人
現状値(H 22 年度)
112
目標値(H 28 年度)
200
※外部データセンター:顧客のサーバ(コンピュータネットワークにおいて、自身の持っている機能やデータ
を提供するコンピュータのこと。)を預かり、インターネットへの接続回線や保守・
運用サービスなどを提供する施設。「インターネットデータセンター」とも呼ばれ
る。
46
施策1: 情報システムの最適化
○市民が情報通信技術の恩恵を最大限に享受することができるよう、情報システムの適宜更新・整
備を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①住民情報システムの更新事業
施策2: 地域情報化の推進
○市 政や住民サービスに関する重要な情報取得の窓口である市ホームページの内容充実を図りま
す。
○市民が情報通信技術を利用し、快適な生活を送ることができるよう、教育機関や市民ボランティ
アと連携し、パソコン教室等、情報通信に関する学習機会の提供を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①市ホームページ運用事業
②パソコン講習会事業
47
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 基本施策4:基地対策の推進
施策目標-目指す姿-
○えびの駐屯地の存続が図られています。
○防衛施設周辺の生活環境の保全が図られています。
現状と課題
○本市には、陸上自衛隊えびの駐屯地をはじめ、霧島演習場や市街地戦闘訓練施設、海上
自衛隊えびの送信所(VLF)などの防衛施設が存在するとともに、自衛隊入隊者の対
人口比も高く、自衛隊とは非常に深い関係にあります。
○国の進める新中期防衛力整備計画では、陸上自衛隊員数の削減が計画されており、えび
の駐屯地への影響も懸念されます。本市のみならず西諸地域に多大な影響を及ぼすこと
が予想されるため、えびの駐屯地の存続、増員・増強のための取組や国内唯一の超長波
送信施設である海上自衛隊えびの送信所の交付金対象施設としての指定に向けた取組も
併せて継続していくことが課題となります。
○一方、霧島演習場などの施設使用時における市民生活への影響もあり、防衛施設の安定
的使用と住民生活との共存を図ることも引き続き必要となります。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度)
目標値(H 28 年度)
防衛省等への要望活動回数
回/年
4
6
市民参加型の自衛隊との交流事業
回/年
2
4
48
施策1: 基地との共存
○えびの駐屯地と市民との交流を充実し、自衛隊への理解を深めます。
○国や関係機関と連携し、防衛施設周辺の生活環境の整備等の促進を図ります。
○市民生活に影響を与えないように自衛隊演習時等の正確な情報の収集と市民への情報提供に努め
ます。
○基地交付金制度等の財政援助措置の充実を関係機関に要請します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①えびの自衛隊後援会補助金事業 ②防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する調査事業
③大規模な演習等に関する関係機関との調整
④補助交付金の指定・増額・拡大等のための関係機関への要請
施策2: えびの駐屯地の存続・増強活動の推進
○西諸地域の各自治体をはじめ各団体で構成されている第24普通科連隊・えびの駐屯地存続期成
同盟会の活動充実を図り、えびの駐屯地の存続、増員・増強活動を推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①えびの駐屯地上部組織及び関係機関への継続的な要望
49
基本計画 第1章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
第2章
志と郷土愛を持つ“人づくり”
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 第1節 郷土を担う人材の育成
基本施策1:学校教育の充実
施策目標-目指す姿-
○幼稚園、保育園をはじめ、小・中・高校では子どもたち一人ひとりに応じた教育が行われ
ています。
○児童・生徒が将来を見据え、意欲的に学習に取り組むことができる教育内容が提供されて
います。
○子どもたちが人や郷土を大切にする優しさと心の強さを備え、心身ともにたくましく育っ
ています。
○安心して就学でき、安全に教育を受けることができる環境が整っています。
現状と課題
○本市の子どもの数については、少子化の影響により減少し続けており、これを受けて小
学校・中学校・高等学校の児童・生徒数についても減少傾向にあります。
○人口減少、少子高齢化が進む本市では、次代の担い手である子どもたちが、確かな学力
を有し、社会の急速な変化に対応できる生きる力を身につけることは、本市の活性化を
図る観点からも重要な課題となります。
○近 年、小1プロブレム※や中1ギャップ※といった成長の節目における教育環境の変化に
より、授業などへのつまずきを抱える子どもたちの問題が指摘されており、各ライフス
テージにおいて教育の円滑な移行を図ることも課題となっています。
○学校施設の耐震化や教育設備の充実など、子どもたちが安心・安全に学べる環境を確保
することも必要となります。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度)
目標値(H 28 年度)
中学校3年生英検3級以上取得率
%
0(H 23 年度 50.0)
児童・生徒の一貫教育満足度
%
79.9
100.0
学校施設耐震化率
%
83.3
100.0
70.0
※小1プロブレム:小学校に入学したばかりの小学校1年生が集団行動が取れない、授業中に座っていられない、
話を聞かないなどの状態が数か月継続する状態。
※中1ギャップ :小学生から中学1年生になったとたん、学習や生活の変化になじめずに不登校となったり、 いじめが急増するという現象。
52
施策1: 幼児教育の充実
○幼稚園、保育園に通う子どもたちが、えびのの子どもとして可能な限り同じ教育内容を受けるこ
とができるよう、教育内容の標準化を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①幼稚園就園奨励費補助事業 ②就学前ことばの教室事業 ③幼保小連携・接続推進事業
施策2: えびの市一貫教育の推進
○すぐれた知性を育成し、徹底した学力向上を図るため、一人ひとりの能力や個性に応じた教育を
はじめ、基礎・基本の確実な定着を図る教育と、自ら学び、考え、表現する力を重視した教育の
展開を図ります。
○豊かな心を育み、地域に貢献する人材の育成を図るため、人権・同和教育や奉仕活動・体験活動
を通じた道徳教育の充実、さらには、いじめ・不登校・非行等の問題行動対策として、生徒指導
などの充実を図ります。
○たくましい体を育むため、生涯にわたって運動に親しむ資質の育成及び健康・安全教育、食育を
推進していきます。
○障害のある子どもなど、特別な支援を要する児童・生徒の教育の充実を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①小中一貫教育事業 ②適応指導教室事業 ③中学校部活動育成強化補助事業
④生活介助員配置事業
施策3: 教育環境の整備・充実
○学校施設の維持・補修や耐震化などを計画的に進めるとともに、適宜、教育内容の充実に向け、プー
ルや学校給食センターなどの施設及び設備の整備・充実を図ります。
○教育センターの活用や教職員研修の継続的な実施を通じて、教職員の資質・能力の向上を図ります。
○地域との連携による教育を展開するため、学校運営への保護者・市民の参画を促進するなど、開
かれた学校づくりを推進します。
○地域の子どもたちが安心して地域の学校で学び得る教育環境を守ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①学校施設耐震化事業 ②小・中学校プール改修事業 ③学校給食センター建設事業
④教育研修センター事業 ⑤学校教育活性化推進事業 ⑥学校運営協議会事業
⑦学校支援地域本部事業 ⑧飯野高等学校支援事業
53
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:青少年の健全育成
施策目標-目指す姿-
○家庭における子どもの教育が着実になされています。
○地域ぐるみによる見守りなど様々な活動が行われ、青少年が健全に育っています。
現状と課題
○少子化が進行する今日、健全な子どもの育成を目的とする家庭教育の重要性を保護者へ
啓発するとともに、核家族化により、子どもへの教育やしつけに不安を抱えている家庭
への対策も必要となっています。
○情報通信技術の発達により、インターネットや携帯端末が普及し、青少年が有害情報や
いじめ、犯罪などに遭遇する危険性が増しつつあります。そのため、インターネット等
に対する対策を強化していくことが必要となっています。
○非行の低年齢化・深刻化に対応するため、地域ぐるみにより青少年の健全育成を図る体
制づくりが必要となります。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
家庭教育学級参加者数(延べ)
人
2,234
2,800
世代間交流体験活動事業実施館
館
13
40
青少年健全育成啓発
回
2
10
54
施策1: 家庭の教育力の向上
○家庭教育の中では、特に幼児期における教育を重要と位置づけ、各種研修会や講演会、学習の場
の提供などの支援を行います。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①子育て講座事業
②家庭教育学級事業 ③親育て講座
施策2: 地域ぐるみによる青少年の育成
○地域内における世代間交流や青年層などの同世代同士が集まり活動する機会の提供を図り、社会
性を育んでいきます。
○ボランティアによる学校支援や青少年育成市民会議の活動促進など、地域ぐるみで子どもを育て
る環境整備を進めます。
○青少年育成市民会議や警察などの関係機関と連携し、有害図書の排除や携帯端末による被害の防
止に向けた啓発を実施します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①世代間交流体験活動事業 ②若者チャレンジイベント事業
③学校支援地域本部事業(再掲)
55
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 基本施策3:生涯学習の促進
施策目標-目指す姿-
○市民がライフステージ※に応じて生涯学び教養を高めています。
○多くの市民が図書館などの社会教育施設を、生涯学習の場として活用しています。
○地域ごとに学びの場が提供され、市民が気軽に学習できる環境となっています。
現状と課題
○高齢化が進行する本市では、高齢期になっても生きがいを持って暮らし続けられること
が重要となっており、生涯学習体制の充実が課題となっています。
○本市では、市民の身近な生涯学習の拠点として自治公民館が整備され、各地域における
生涯学習の推進が図られているとともに、その重要性はさらに増しています。
○高齢化が進む中、市民の身近な生涯学習の拠点となっている自治公民館については、そ
の重要性が増しています。
○市民図書館については、生涯学習における重要な拠点として、多様化・高度化する市民ニー
ズに対応した図書の充実等が必要となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
生涯学習講座の開講数
市民図書館利用者数
出前講座開催数
単位
現状値(H 22 年度)
講座
人
講座
目標値(H 28 年度)
5
7
23,257
25,600
48
70
※ライフステージ:人間の一生における幼年期・児童期・青年期・壮年期・老年期などのそれぞれの段階。
56
施策1: 学びへの支援体制の充実
○学びたい人が学びたいときに学べるよう、各種広報媒体を活用し、生涯学習に関する情報提供や
相談支援を行います。
○市民の学習ニーズに応じた生涯学習講座や市民大学などを開催し、生涯学習機会の充実を図ります。
○市民の多様な学びを支援するため、各種社会教育団体や自主学習グループ等の活動の活性化を図
ります。
○生涯学習を推進する指導者の育成を支援するとともに、市民が主催する学習講座の推進を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①生涯学習講座
②出前講座
③生涯学習振興大会
④市民大学
⑤地域学園
⑥子ども会インリーダー研修会
⑦市民提案型学習補助金 ⑧生涯学習人材バンク事業
施策2: 身近に学べる環境づくり
○市民の身近な学習の拠点として、自治公民館のバリアフリー化を推進するとともに、学習活動の
活性化など活動内容の充実を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①自治公民館活動奨励事業
施策3: 社会教育施設の充実
○図書館については、市民の学習要求に応えられるよう、図書資料の収集やレファレンスサービス※
など図書館サービスの充実を図ります。
○文化センター等において、市民が教養を深める場、学習の場として利用できるよう、講座や研修会、
施設環境の充実に取り組みます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①図書館管理運営事業
②文化センター運営事業
※レファレンスサービス:図書館利用者が学習・研究・調査を目的として必要な情報・資料などを求めた際に、図
書館員が情報そのものあるいはそのために必要とされる資料を検索・提供・回答するこ
とによってこれを助けること。
57
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 基本施策4:スポーツの振興
施策目標-目指す姿-
○年齢を問わず、幅広い年齢層の市民が、身近に様々なスポーツに親しめる環境が整備され
ています。
○公式スポーツが行える環境が整備され、競技スポーツやスポーツ合宿が盛んに行われてい
ます。
現状と課題
○本市では、健康増進や余暇の有効活用を目的としてスポーツ活動が年々盛んになってい
ます。しかし、その活動は中高年層が中心となっていることから、スポーツ人口の拡大
に向け若年層を含めた幅広い年齢層がスポーツに親しめる環境づくりが必要となってい
ます。
○スポーツ活動の拠点となる施設については、中学校区ごとに地区体育館の整備が完了し
ているものの、大規模な各種スポーツ大会や公式スポーツが十分に行える環境ではなく、
スポーツ振興にあたっての課題となっています。
○本市では、身近な地域でスポーツ活動が行えるよう、市民の主体的な運営のもと総合型
地域スポーツクラブが3箇所設立されています。市民の地域スポーツの拠点として、多
様なスポーツ活動が行える機会を提供できることが求められます。
○近年、マスメディアを通じて各種競技スポーツへの関心も高まっており、競技力を高め
られるよう、指導者の確保や育成が課題となります。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度)
目標値(H 28 年度)
スポーツ大会等開催数
回
21
28
総合型地域スポーツクラブ加入数
人
760
2,100
体育施設の使用人数
人
150,000
165,000
58
施策1: 生涯スポーツの推進
○子どもから高齢者まで幅広い年齢層の市民が、多種多様なスポーツに親しめるよう、体育協会加
盟団体や総合型地域スポーツクラブ、民間企業等と連携し、スポーツや運動する機会の提供を図
ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①高齢者スポーツ大会 ②市民スポーツ大会 ③体育協会運営補助金事業
施策2: 地域スポーツの推進
○身近な地域で市民がスポーツに親しめるよう、総合型地域スポーツクラブの充実に向けた支援を
行います。
○市民が身近な地域で安全にスポーツが行えるよう、市民体育館や地区体育館をはじめとする各種
社会体育施設の維持・管理に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①保健体育推進事業
②体育施設管理事業
施策3: 競技スポーツ・スポーツ交流の推進
○各種競技における競技人口の拡大と競技力の向上を図るため、関係機関と連携し、選手や指導者
の育成、確保を図ります。
○本市の社会体育施設や温泉などの健康・スポーツ資源を生かし、スポーツ観光やスポーツ合宿の
誘致を図るとともに、施設や環境整備など受け入れ体制づくりに取り組みます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①体育施設管理事業(再掲)
59
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 基本施策5:人権意識の高揚
施策目標-目指す姿-
○市民一人ひとりがお互いの人権を尊重し、互いに支え合いながら、共に健やかに安心して
暮らせるまちとなっています。
○あらゆる場を通じて、人権・同和問題に関する学習や啓発活動が行われています。
現状と課題
○人権の尊重は地方自治の根幹でもあるため、市民一人ひとりの人権意識の確立・向上に
向けた啓発活動及び学習機会の提供を継続していくことが必要となります。
○本市では、市民の人権に関する相談をはじめ、人権週間期間中における事業所訪問や広
報紙による広報活動、啓発チラシ及びグッズの配布など啓発活動を行っています。今後
も差別意識の解消に向け、関係機関と連携し市民の人権感覚を育んでいくとともに、人
権侵害への支援対策を推進していくことが課題となります。
○人権問題については、同和問題をはじめ、女性、子ども、高齢者、障がいのある人等に
関する様々な人権問題が存在しています。また、
近年では、
急激な社会変化に伴いインター
ネット等による人権侵害など、新たに対応しなければならない課題も発生しており、人
権に関する様々な状況の変化が見受けられます。このため、あらゆる場を通じて広く市
民への教育・啓発活動を実施する必要があります。
○本市では、平成13年に「部落差別撤廃・人権擁護都市」宣言を議会決議し、同和問題
の解決に向け、積極的な取組を行ってきましたが、今なお差別意識の解消がなされてい
ません。このため、人権教育及び啓発をさらに積極的に推進し、市民一人ひとりの理解
と認識を深め、差別意識の解消を図ることが課題となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
人権学習講座回数
回
9
20
人権セミナー参加者数
人
191
220
人権を考える市民のつどい参加者数
人
500
500
60
施策1: 人権啓発・教育の推進
○人権擁護委員やえびの市人権同和問題啓発推進協議会などの関係機関と連携し、人権週間を活用
した啓発活動や人権を考える市民のつどいの開催など、各種啓発事業を推進します。
○市民一人ひとりが人権に関する学習ができるよう、学校教育や生涯学習と連携した多様な学習機
会の提供に努めます。
○積極的な啓発活動により、同和問題の理解と認識を深め、市民一人ひとりの問題として人権意識
の高揚及び差別意識の解消を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①人権擁護対策事業 ②人権同和対策事業 ③人権問題学習講座
施策2: 人権侵害に対する支援の推進
○あらゆる人権侵害に対し、問題の早期解決を図るため、人権擁護委員及び特設人権相談所につい
て周知するとともに、関係機関や団体との連携を強化し、人権問題に関する相談支援の充実に努
めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①人権擁護対策事業(再掲)
61
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 第2節 郷土文化の継承と新しい文化の創造
基本施策1:文化芸術活動の促進
施策目標-目指す姿-
○えびのの歴史・文化遺産が継承、保存され、市民が郷土の伝統や文化に愛着を持っています。
○市内各地で、様々な文化・芸術活動が行われています。
○えびのの伝統文化と現代の文化が融合した、新しい文化が誕生しています。
現状と課題
○本市には「田の神さあ」に代表される古くからの伝統文化や文化資源が豊富にあり、人々
の暮らしの中に受け継がれています。
○郷土芸能については、過疎化に伴う後継者不足により道具等の損傷なども相まって、そ
の保存・継承は厳しい状況となっています。さらに、各種文化財・歴史遺産等についても、
時代の経過と変化する社会情勢の中、遺失や風化により失われていく状況となっており、
文化財については適切に保護・保存できる体制整備が課題となっています。
○郷土の文化を保存・継承する観点からも、より多くの市民が地域の文化や多様な芸術に
ふれる機会を創出していくことが必要となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
市民発表事業参加人数
人
1,510
1,600
自主文化事業及び文化講座参加者数
人
1,577
2,400
歴史民俗資料館入館者数
人
8,049
8,853
62
施策1: 郷土文化及び文化財の保存・継承
○無形文化財となる郷土芸能については、後継者の確保・育成や、活動存続に必要な支援を行うと
ともに、発表機会の創出などを図り保護・継承に努めます。
○埋蔵文化財や史跡等の各種文化財については、広く市民に周知を図るとともに、適切に記録と保
護措置を行います。また、文化財保護に必要となる施設・設備等の維持に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①郷土芸能発表事業
②文化財保護管理事業 ③埋蔵文化財緊急調査事業
④歴史民俗資料館運営事業
施策2: 芸術・文化活動の推進
○文化センターなど、文化施設の一層の活用と市民参加による発表機会の拡充を図り、市民協働に
よる文化活動の活性化を図ります。
○文化センターや文化芸術活動団体などと連携を図り、市民が多様な文化・芸術活動にふれられる
機会を充実していきます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①自主文化事業 ②市民発表事業 ③市民提案型自主文化事業
④文化センター運営事業(再掲)
63
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:国際交流の充実
施策目標-目指す姿-
○国際交流への市民の関心が高まり、市民を主体とした異文化交流や人づくりが行われてい
ます。
現状と課題
○本市では、国際交流センターを中心に、海外との交流事業や英会話教室など、外国文化
にふれることができる機会の創出に取り組んでいます。
○国際交流センターについては平成18年度から指定管理者制度を導入し、民間のノウハ
ウを取り入れ、活用を図っています。
○本市の外国人の約80%は日章学園九州国際高等学校の留学生となっており、国際交流
センターにおける交流事業を通じて、市民との交流が進められています。しかし一方で、
姉妹都市であるアメリカ合衆国テキサス州ベルトン市との交流は滞っており、また、え
びの高原国際専門学校が平成22年度をもって休校となるなど、交流機会の減少が懸念
されます。
○国 際化社会の一層の進展に合わせ、市民が外国文化にふれる機会を創出するとともに、
市内に暮らす留学生や外国人、また、来訪する外国人などへの応対が可能な人材を育成
し受け入れ体制を充実させるなど、国際化社会への対応を推進していくことが必要となっ
ています。
目標指標(数値目標)
指標名
国際交流事業参加者数
単位
現状値(H 22 年度)
人
2,152
64
目標値(H 28 年度)
3,000
施策1: 国際交流の機会充実
○国際交流センターを中核に、異文化体験講座や国際理解のための学習会、留学生等との各種交流
事業を推進し、市民が外国文化にふれることができる機会の提供に努めます。
○民間事業者のノウハウを活用しながら国際交流センターにおける実施事業の充実を図ります。
○市民団体による国際交流の取組を支援し、国際交流事業を企画・実施する市民活動団体との連携
を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①国際交流センター管理業務委託事業
②異文化交流事業
65
基本計画 第2章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
第3章
誰もが元気“健康のまちづくり”
基本計画 第3章
第5次えびの市総合計画 第1節 健康の保持・増進
基本施策1:健康づくりの推進
施策目標-目指す姿-
○健康意識が高まり、市民全員が健康づくりに取り組んでいます。
○各地域において、市民主体による健康づくり活動が進められています。
○心身ともに健康な市民が増加しています。
現状と課題
○本市では、生活習慣病やがんの予防・早期発見・早期治療の観点から、特定健診をはじめ、
各種健康診査や各種がん検診を実施するとともに、保健センターを拠点に、保健師や栄
養士による相談支援を行っています。しかしながら、いずれの健(検)診も受診率が極
めて低いのが現状であり、今後は、疾患の予防や重篤化を抑えるためにも健(検)診が
重要であることを市民に意識してもらえるような取組が課題となっています。
○高齢化が進む中、健康に関する市民の関心は高まっています。しかし、健康づくりは市
民自らが行動を起こしていくことが必須であるため、継続的な啓発や健診機会の提供な
ど、市民が自主的に健康づくりに取り組めるよう支援することが必要です。
○健康づくりについては、幼少期からの取組が重要であり、母子保健及び学校保健との連
携により健康づくりを推進していくことが必要です。
○近年、自殺をはじめ、うつ病などの精神疾患が問題化する中、心の健康づくりについて
も推進体制を強化することが課題となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
出前講座・健康教育・健康づくり展参加者数
人
4,077
4,100
特定健康診査受診率
%
17.4
65.0
肺がん検診受診率
%
4.3
13.0
68
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
施策1: 健康づくり支援体制の充実
○「健康21日本えびの市計画」に基づき、関係機関と連携し、市民が積極的に心と体の健康づく
りに取り組めるよう支援していきます。
○市民が自主的に健康づくりに取り組めるよう、相談支援体制の充実を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①健康づくり推進事業 ②自殺対策事業
施策2: 各種健(検)診の推進
○ライフステージごとに健康づくりへの取組を促すとともに、生活習慣病やがんの予防と早期発見
を図るため、各種健(検)診の実施や、その重要性を啓発していきます。
○関係機関と連携し、受診後のフォロー体制を充実・強化します。
○未受診者への受診勧奨を推進するとともに、受診しやすい体制の構築に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①成人健(検)診事業 ②特定健康診査等事業
③後期高齢者健康診査事業
④妊婦健康診査事業 ⑤乳幼児健康診査等事業
⑥育児等健康支援事業
施策3: 感染症予防対策の推進
○子どもや高齢者が感染症にかかることを予防するため、検診及び予防接種を実施します。
○感染症や健康被害の発生時に迅速な対応ができるよう、保健所など関係機関と連携し、初動体制
の構築を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①各種予防接種事業
②結核検診事業
69
基本計画 第3章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第3章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:地域医療体制の整備
施策目標-目指す姿-
○市立病院を中心に、地域において安心して医療が受けられる体制になっています。
○夜間や休日の急病時の救急医療体制が整っています。
現状と課題
○本市には、病院3箇所、診療所15箇所、歯科診療所11箇所の医療施設がありますが、
開業医の高齢化などにより閉院が相次いでいます。また、本市地域医療の拠点である市
立病院においても、派遣元の各大学における医局員の減少により、医師不足が生じており、
診療機能が低下しています。
○近年、医師不足に併せ、コンビニ受診※など、不要不急な受診の増加が医療現場の疲弊を
招いており、地域医療体制を維持していくには、市民に対し正しい受診行動を促すこと
が課題となっています。
○本市では現在、設備の充実した他の医療機関との地域医療連携を図り、救急医療体制を
整えていますが、引き続き、西諸広域行政事務組合や医療機関等と連携し、充実を図る
ことが必要となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
市内医療関係施設数
(医師団・歯科医師団)
単位
現状値(H 22 年度)
箇所
29
目標値(H 28 年度)
29
※コンビニ受診:一般的に外来診療をしていない休日や夜間の時間帯に、救急外来を受診する緊急性のない 軽症患者の行動を意味する。
70
施策1: 地域医療体制の充実
○えびの市医師団・えびの市歯科医師団に対し、高度化・複雑化する医療技術に対応できるよう支
援を行います。
○市立病院における診療体制の維持に努めるとともに、地域の限られた医療資源を有効に活用する
ため、患者の症状に応じて他の医療機関との連携を図ります。また、医療・福祉・介護との連携
を推進し、市民が将来にわたり安心して医療が受けられる体制を整えていきます。
○市立病院の施設や設備の老朽化の問題がある中、良質な医療を提供できるよう、将来を見据えた
計画的な設備の整備・更新を進めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①医師確保対策事業
②医療機器更新整備事業
施策2: 救急医療体制の整備
○休日急患診療(在宅当番医制)を実施するえびの市医師団に対する支援を行います。
○軽度の救急患者の受け入れ体制を充実するため、西諸医療圏域内への休日夜間急患センターの整
備を県へ働きかけます。
○休日における小児科診療体制の充実を図ります。
○夜間や休日における医療機関への正しい受診行動を市民に啓発します。
○救急告示施設であるえびの市立病院の体制の充実を図るとともに、圏域内の他施設との連携を強
化します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①医師確保対策事業(再掲)
71
基本計画 第3章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
第4章
みんなのかおが見える“協働と福祉のまちづくり”
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 第1節 住民参加・協働のまちづくり促進
基本施策1:市民協働によるまちづくり
施策目標-目指す姿-
○「えびの市自治基本条例」がすべての市民に周知され、市民と行政が相互理解のもと、協
働によるまちづくりに取り組んでいます。
○「自分たちの地域は自分たちでつくる」住民自治の意識が向上し、地域住民の創意工夫に
よる活動が活発に行われています。
現状と課題
○本市では、平成22年4月に「えびの市自治基本条例」を施行し、市民と行政との協働
によるまちづくりを推進していくことを明確に位置づけています。
○これまでのまちづくりは、主に行政が主導することが多い状況にありましたが、地域ご
とに多様化する生活課題に対応するには、地域の課題を市民と行政がそれぞれの強みを
発揮し、協働により解決していくことが求められます。
○そのためには、市民と行政が互いに信頼関係を築くとともに、市民の主体的な取組を促
進し、自らの地域は自らが築いていく地域コミュニティづくりを実現していくことが必
要となります。
○しかし、本市の地域コミュニティについては、過疎化や生活様式の都市化により、その
機能が弱まりつつあり対策が求められています。また、市民活動団体やNPO法人等の
多様な団体による住民主体のまちづくり活動を促進していくことも必要となります。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
ぷらいど21助成事業活用団体会員数
人
603
800
地域づくり研修会等参加者数
人
433
500
74
現状値(H 22 年度)
目標値(H 28 年度)
施策1: 市民協働の推進
○これからのまちづくりについては、市民と行政がそれぞれに責任や役割を理解し、対等な立場で
協力しながら取り組んでいくことが必要です。そのため、子どもから高齢者まで幅広い年齢層に、
「えびの市自治基本条例」の趣旨や内容を周知・啓発するとともに、行政においても協働体制の
確立に積極的に取り組み、市全体で協働によるまちづくりの気運を高めていきます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①えびの市自治推進委員会事務
②えびの市自治基本条例啓発事務
施策2: 市民協働の仕組みの充実
○市民協働を推進するための体制の確立や仕組みづくりを進めるための計画を策定します。
○えびの市ぷらいど21助成事業やNPO法人の認証事務などを通じて、まちづくり活動組織の育
成や住民の主体的なまちづくり活動の促進を図ります。
○自治公民館活動を支援し、コミュニティ機能の回復を図ります。
○区長・自治公民館長をはじめ、地域内の各種団体など多様な住民が、地域の抱える課題の解決や
安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるため、地域が一体となった活動を行う新たな組織づ
くりを進めます。
○地域づくりを推進し、コミュニティ機能の回復などをより効果的なものとするため、地域の自治
組織である「区・分区」への加入促進対策に取り組みます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①市民協働推進基本計画策定事業 ②えびの市ぷらいど 21 助成事業
③地域コミュニティづくり推進事業 ④自治公民館連絡協議会運営補助金事業
⑤自治公民館地域活動モデル事業 ⑥特定非営利活動促進法に基づく事務
⑦区・分区加入促進対策
75
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:市民参画による行政の推進
施策目標-目指す姿-
○市政に対して、だれでも意見や提案を行える環境となっています。
○市民と行政がパートナーシップを築き、多くの市民の参画を得ながら市政運営が行われて
います。
現状と課題
○本市では、平成22年4月に「えびの市自治基本条例」を施行し、市政への市民参画を
促していくことを明確に位置づけています。また、
「えびの市自治基本条例」
第19条には、
市の責務として、施策の企画立案時に市民意見を把握し反映することが明確に位置づけ
られています。
○市政への市民参画の手段として、本市ではパブリックコメント※や市民提案制度の活用と
ともに、行政計画策定時における審議会・策定委員会を設置しています。引き続き「え
びの市自治基本条例」に基づき、市民参画を充実させていくことが求められます。
目標指標(数値目標)
指標名
市民提案制度実施数
単位
現状値(H 22 年度)
件
0
目標値(H 28 年度)
5
※パブリックコメント:市の基本的な政策や方針を定める計画を策定する時、また、市民の権利を制限したり
義務を課すような条例を定める時に、その案を広く市民等に公表し、寄せられた意見
等をその計画や条例に取り入れることを検討するとともに、寄せられた意見に対する
市の考え方と検討結果を類型化して公表する制度。
76
施策1: 広聴の充実
○パブリックコメント、市民アンケート、住民座談会、住民説明会などを実施するとともに、市ホー
ムページを通じた提言募集(市政への提言)など、様々な機会を通じ市民の意見や要望を把握し、
市政への反映に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①パブリックコメント制度実施事業
施策2: 市政への市民参画機会の充実
○パブリックコメント制度や市民提案制度をはじめ、各種審議会などの公募委員制度を推進し、市
民が市政に参画する機会を保障していきます。
○施策の実施面において多くの市民が参画できるよう市民提案制度の活用と充実を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①えびの市ぷらいど 21 助成事業(再掲)
②各種審議会等公募委員制度実施事業
77
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 基本施策3:男女共同参画の推進
施策目標-目指す姿-
○男女が、社会の対等な構成員として、参画する機会が確保されています。
○男女が互いの人権を尊重し、性別によって生き方が左右されないまちとなっています。
○性別にかかわらず個性と能力を発揮できるまちとなっています。
現状と課題
○価値観や社会構造の変化などを受け、女性の社会進出が進んでいます。一方で、固定的
な性別役割分担意識をはじめ、就労条件や市政・地域活動等における性差も依然として
残っています。さらに近年、ドメスティックバイオレンスやセクシャルハラスメント※な
ど女性に対する様々な形態の暴力が社会問題となっています。
○本市では、男女共同参画社会への理解と意識を高めるため、男女共同参画セミナーや男
女共同参画フォーラムの開催、広報紙等を活用した啓発を行っています。また、女性の
権利侵害や社会参画にかかる相談支援も実施しています。
○平成22年に「えびの市男女共同参画推進条例」が施行され、市は、男女共同参画社会
の形成に向けた施策を総合的かつ計画的に推進する責務を有しています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
男女共同参画フォーラム、
セミナー参加者数
現状値(H 22 年度)
人
220
目標値(H 28 年度)
400
※セクシャルハラスメント:「性的いやがらせ」ともいわれる。相手方の意に反した性的な性質の言動や行動 により、相手方に不快感を与える行為を指す。
78
施策1: 男女共同参画意識の啓発
○男女共同参画フォーラムや男女共同参画セミナー、出前講座、広報紙・情報紙などにより、市民
啓発に取り組みます。また、学校教育と連携し、子どものころから男女共同参画意識の醸成を図
ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①男女共同参画推進事業
施策2: 女性の社会参画の促進
○市政への女性の参画促進を図るとともに、仕事と家庭生活の両立ができる職場環境づくりを促進
します。
○女性のエンパワーメント※をはじめ、ドメスティックバイオレンスやセクシャルハラスメントに
代表される女性への権利侵害など、女性の社会参画にかかる相談支援を充実し、社会参画の促進
を図ります。
○労働条件や職場環境における性差の解消を図るため、関係機関と連携し、民間事業者への啓発を
行います。また、保育サービスをはじめとする子育て支援の充実を図り、女性の社会進出を促進
する環境づくりを進めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①女性相談事業
②男女共同参画啓発事業
施策3: 第2次男女共同参画基本計画の策定
○えびの市における男女共同参画政策を総合的・計画的に推進するため、えびの市男女共同参画基
本計画を見直し、市民・事業所・団体・行政等による一体的な取組の促進を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①第2次男女共同参画基本計画策定事業
※エンパワーメント:力をつけること。女性が政治・経済・社会・家庭など社会のあらゆる分野で、自分で意志決
定し、行動できる能力を身につけることが、男女共同参画社会の実現に重要であるという考
えかた。
79
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 基本施策4:情報共有化の推進
施策目標-目指す姿-
○すべての市民が、様々な媒体を通じて市政やまちづくりに関する情報を得ることができる
環境となっています。
○市が保有する情報が適切に管理・活用され、市民との情報共有が図られています。
現状と課題
○本市では、市民に広く市政や市内のまちづくり活動等を広報するため、
「広報えびの」の
発行や市の公式ホームページの運用を行っています。
○パブリックコメントや市民アンケート、住民説明会などを実施し、市民の声を市政運営
に生かしています。
○平成22年4月に施行された、
「えびの市自治基本条例」第12条には、市の責務として、
自治の実現に必要な市政情報の公開が明確に位置づけられており、広報活動の充実が課
題となります。
○情報技術の進展に伴い、情報のデータ化、ネットワーク化が進んでおり、情報セキュリティ
対策の充実とともに、
「えびの市情報公開条例」及び「えびの市個人情報保護条例」に基
づき、適切に情報の公開と保護を行うことも課題となります。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
市ホームページへのアクセス件数
件/年
現状値(H 22 年度)
123,000
80
目標値(H 28 年度)
150,000
施策1: 広報の充実
○市民にわかりやすい広報紙づくりに取り組むとともに、わかりやすい予算書の発行など、市民の
関心の高い市政情報の提供に努めます。
○インターネットや携帯端末の普及が進む中、市民が手軽に市政情報を取得できる窓口として、市
ホームページの更新・充実を図ります。
○より多くの市民に行政情報や地域情報を伝達できるよう、自治組織である「区・分区」への加入
促進を図るとともに、未加入世帯への行政情報伝達の方法について検討します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①広報えびの・ホームページ事業 ②行政事務連絡 ③区・分区加入促進対策(再掲)
施策2: 適切な情報管理と情報公開の推進
○全庁的な情報セキュリティ対策を実施し、市が所有する個人情報などの機密情報の漏えいを防止
します。
○ファイリングシステム※の適切な維持管理により文書管理の適正化を図り、行政文書の開示など、
えびの市情報公開条例に基づく情報公開等に、適切に対応します。
○個人情報保護条例の規定に基づき、個人情報を適正に取扱い、個人の権利と利益の保護を図ります。
○公文書公開請求による情報公開だけでなく、個人情報等の非公開情報以外の行政情報についても
積極的に公開・公表を行い、市民との情報共有化の推進を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①情報化推進事業
②ファイリングシステム維持管理
※ファイリングシステム:各種業務に必要な通信文書やその他諸資料を、後日参照する必要が生じた場合に、 速やかに検出し、利用できるよう系統的に整理し、保管・保存する制度。
81
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 第2節 かおの見える福祉の充実
基本施策1:地域福祉の推進
施策目標-目指す姿-
○身近な地域で市民同士が互いに助け合い、支え合う関係づくりができています。
○地域福祉推進のため、市民が互いに協力して福祉活動に取り組んでいます。
○地域福祉の基盤となる環境が整えられています。
現状と課題
○少子高齢化や核家族化、地域意識の希薄化により家族や地域で支え合う力が弱まりつつ
あります。本市では、
「えびの市地域福祉計画・えびの市地域福祉活動計画」を策定し、
増大する福祉ニーズに対応するため、地域福祉の推進を図っています。
○本市では、高齢化に伴いボランティア需要が大きなものとなっています。そのため、市
民の自主的な福祉活動への参加意識を高めながら、ボランティア活動の活性化を図るこ
とが課題となっています。
○地域福祉を担う人材も高齢化しており、人材の確保をはじめ、社会福祉協議会と連携し、
推進体制の充実を図ることが課題となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
地域福祉推進会議
ボランティア活動件数
ボランティア登録数
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
地区
4
4
1,340
1,500
団体
65
70
個人
84
110
件
82
○地域福祉推進会議などを通じて、地域の実情に合った支え合い、助け合い活動を積極的に進めて
いきます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①地域福祉活動補助事業
施策2: 地域福祉活動への支援
○社 会福祉協議会と連携し、ボランティアの養成及びボランティアセンター※ の機能強化を図り、
ボランティア活動を促進していきます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①ボランティアセンター運営事業
施策3: 地域福祉の基盤づくり
○地域福祉に対する市民意識の高揚を図るため、幅広い年齢層への啓発活動や福祉教育に取り組み
ます。
○地域福祉推進にあたっての中心的な役割を担う社会福祉協議会と連携し、地域福祉推進体制の充
実を図ります。
○民生委員・児童委員など、地域福祉を推進するにあたってリーダーとなる人材の確保・育成を図
ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①民生委員活動補助事業
※ボランティアセンター:ボランティア活動に関する相談や活動先の紹介、また、小中高校における福祉教育の支
援等、地域の福祉活動の拠点としての役割を果たす、社会福祉協議会に設置されている
機関のこと。
83
基本計画 第4章
施策1: 支え合い助け合う地域づくり
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:子育てしやすい環境づくり
施策目標-目指す姿-
○働きながらでも子どもを安心して預けることができる体制が確保されています。
○子育てにかかる負担が軽減され、安定した家庭の中で子どもが育つ環境となっています。
○子育てへの不安が解消され、保護者が自信を持って子育てを行っています。
現状と課題
○本市では、
「えびの市次世代育成支援行動計画」に基づき、通常保育や延長保育、一時保
育などの保育サービスをはじめ、子どもにかかる医療費の一部助成など、子育て家庭の
負担軽減を図るための施策を実施しています。
○社会経済状況の変化により、共働き家庭が増加しており、保育サービスや育児不安への
対応など、働きながらでも子育てができる環境づくりが求められています。
○同時に、子育てにかかる経済的な負担についても問題となっており、引き続き、子育て
家庭への経済的な支援を図ることが必要となっています。
○離婚等の増加により、ひとり親家庭の増加もみられ、自立支援を図るための取組の推進
が求められています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
保育所数
箇所
7
7
ファミリーサポートセンター※設置数
箇所
1
1
件
-
3
母子家庭自立支援助成件数
※ファミリーサポートセンター:地域において、子どもの預かり等の援助を行いたい者と援助を受けたい者か
らなる会員組織を運営するセンターで、育児や介護について助け合う事業を
指す。
84
○働きながら子育てができるよう、各種保育サービスの充実を図るとともに保育施設の環境整備を
支援します。また、子育てしやすい雇用環境について企業への啓発に努め、仕事と家庭の両立を
支援します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①通常保育事業 ②一時保育事業 ③延長保育事業
④ファミリーサポートセンター事業 ⑤放課後児童クラブ事業 ⑥保育施設整備等支援事業
施策2: 子育て家庭への自立支援の推進
○各種手当の支給や子ども医療費助成の実施などを通じて、子育てにかかる経済的な負担の軽減を
図ります。
○母子家庭や父子家庭など、ひとり親家庭の生活の安定を図るため、医療費の助成や生活資金の貸
付、就労支援などの自立支援に取り組みます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①子ども医療費助成事業
②ひとり親家庭医療費助成事業
③母子世帯生活つなぎ資金貸付金事業 ④母子家庭自立支援助成金事業
⑤母子寡婦父子福祉連絡協議会運営補助金事業
施策3: 育児・子育て不安等への対策の推進
○育児や子育てに対する不安の軽減を図るため、相談支援をはじめ、親子で参加する事業や子育て
中の親同士の交流事業など、関係各課と連携を図りながら取り組むとともに、子育てサークル等
への支援を行い、親同士の仲間づくりや子育て家庭への支援を行います。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①子育て支援センター事業 ②家庭相談員設置事業
85
基本計画 第4章
施策1: 子育てと仕事の両立支援の推進
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 基本施策3:高齢者が安心して暮らせる環境づくり
施策目標-目指す姿-
○高齢者が生きがいを持ち、健康を維持しながら活動しています。
○高齢者が可能な限り住み慣れた地域で居宅生活を継続できるよう、地域包括ケア体制が整
えられています。
○介護保険事業が健全に運営され需要に応じたサービスが提供されています。
現状と課題
○平成22年国勢調査における本市の高齢者数は7,
489人、高齢化率は34.
7%となっ
ています。本市では、高齢者が住み慣れた地域で健康でいきいきと、その人らしく自立
した生活が続けられるよう、
「えびの市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、
高齢者の生きがいづくりや介護予防、在宅福祉サービスの提供、介護保険事業の運営を
行っています。
○高齢化が進む中、高齢者の介護予防や高齢者クラブ、シルバー人材センター等による生
きがいづくり対策は重要なものとなっており、限られた予算の中で仕組みを見直しなが
ら内容の充実を図ることが課題となります。
○高齢者が住み慣れた地域で居宅生活を続けるには、医療・介護・予防・住まい・生活支
援が連携した地域包括ケア体制の構築が求められます。
○団塊の世代が高齢期を迎え、ますます高齢者が増加する中、介護保険事業の適正な運営
と需要に応じたサービスの提供基盤の整備が必要となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
高齢者クラブ支援団体数
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
団体
56
60
シルバー人材センター会員数
人
190
230
タクシー利用券利用枚数
枚
10,200
19,200
86
○生涯学習に関する講座や教室の開催、高齢者スポーツの促進、高齢者クラブ活動への支援、シル
バー人材センターとの連携などを通じて生きがいづくりの促進を図ります。
○高齢者が要支援・要介護状態にならないよう、健康づくりや閉じこもりの防止、介護予防事業の
推進を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①市長旗争奪各種スポーツ報償金事業
②高齢者クラブ活動費補助事業
③老人福祉センター運営事業
④高齢者生きがいと健康づくり事業
⑤地域支援事業 ( 介護予防事業含む )
⑥シルバー人材センターによる生きがいづくり事業
施策2: 地域包括ケア体制の構築
○高齢者が安心して居宅で生活することができるよう、住宅改造への助成や養護老人ホーム等の住
まいの提供、移動の支援などの在宅福祉サービスを提供していきます。
○支援を必要とする高齢者を地域で支えることができるよう、保健・予防・福祉・医療・介護・住
まいなどの関係機関・事業者等とのネットワークを強化し、総合的なケア体制の確立を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①高齢者住宅改造助成事業
②福祉タクシー料金助成事業
③敬老祝金報償金事業 ④老人福祉センター運営事業 ( 再掲 )
⑤老人ホーム入所者措置事業 ⑥地域支援事業 ( 再掲 )
施策3: 介護保険事業の適正な運営と充実
○「介護保険法」に基づき、3年ごとに介護保険事業計画を策定し、需要と供給のバランスを図り
ながら介護保険事業の適正な運営に努めます。
○介護保険事業計画に基づき、需要に応じた介護保険サービスの供給を確保できるよう、提供基盤
の整備・充実を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①介護給付事業
87
基本計画 第4章
施策1: 介護予防・生きがいづくりの推進
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 基本施策4:障害のある人が安心して暮らせる環境づくり
施策目標-目指す姿-
○障害のある人が様々な分野で社会参加を果たしています。
○障害のある人の地域生活を支える福祉サービスが充実しています。
現状と課題
○本市では、
「えびの市障害者計画」に基づき、
「一人ひとりが互いに尊重し合い、ほっとな
思いやりのあるまちにしましょう」を基本理念として障害者施策を展開しています。し
かし、高齢化とともに障害のある人の人数は増加傾向にあり、障害の程度も重度化が進
んでいます。
○障害のある人の地域生活を支えるため、本市では「障害者自立支援法」に基づき、介護
給付や訓練等給付、地域生活支援事業などの障害福祉サービスを提供しています。今後
もニーズに応じた障害福祉サービスを提供できるよう基盤整備を進めるとともに、平成
25年度からの新たな障害者福祉制度に基づく障害福祉サービスの提供体制を構築する
ことが課題となります。
○障害のあるなしによって分け隔てられることのない共生社会を実現していくことが求め
られており、就労や積極的な社会参加が可能な環境づくりが課題となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
施設入所者の地域生活への移行者数
人
1
6
福祉施設から一般就労への移行者数
人
0
1
障害者住宅改造費補助事業
件
0
5
88
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
施策1: 社会参加及び自立支援
○障害に関する知識や諸問題について啓発を行い、障害や障害のある人に対する市民の理解の促進
を図ります。
○障害者団体などによる自主的な活動への支援や地域住民との交流機会の充実を図り、障害のある
人が社会に参加する機会の拡充に努めます。
○重度障害者への日常生活用具の給付や医療費の助成を行うことにより、経済的な負担軽減を図り
ます。
○障害のある人の就労に向けた訓練の場の提供や相談支援など関係機関と連携を図りながら、就労
支援に取り組みます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①身体障害者福祉会運営補助事業 ②視覚障害者福祉会運営補助事業
③知的障害者児親の会運営補助事業 ④重度身体障害者日常生活用具給付事業
⑤重度心身障害者児医療費給付事業 ⑥障害者相談支援事業
施策2: 障害福祉サービスの充実
○障害のある人の居宅生活を支援するサービスや日中活動の場、住まいの場などを提供する介護給
付や訓練等給付、自立支援医療、地域生活支援事業など、
「障害者自立支援法」に基づく障害福
祉サービスの充実を図ります。
○新たな障害者福祉制度にかかる国の動向を注視し、新制度に基づく障害福祉サービスの円滑な提
供体制の構築を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①障害福祉サービス事業
施策3: 地域生活への支援
○障害のある人や保護者、介助者等からの相談をはじめ、虐待や権利擁護などに適切に対応できる
よう、関係機関と連携し、相談支援体制の充実に努めます。
○障害のある人が居宅や地域において生活できるよう、住宅改修への支援を行うとともに道路や公
共施設等のバリアフリー化を推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①障害者相談支援事業(再掲) ②成年後見制度利用支援事業
③障害者住宅改造補助事業 ④障害者福祉タクシー料金給付事業
89
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 第3節 安心して暮らせるまちづくり
基本施策1:日常生活における安全の確保
施策目標-目指す姿-
○市民が交通ルールを正しく理解し守るとともに、交通事故が起こりにくい環境づくりがな
され、事故の少ないまちとなっています。
○市民一人ひとりが防犯意識をもち、犯罪の少ないまちとなっています。
現状と課題
○本市の交通事故発生件数は平成22年で439件となっています。また、交通事故死傷
者数は減少傾向にありますが、自動車が日常の移動手段として欠かせない本市において、
交通事故対策は重要な課題となっています。
○高齢化に伴い、高齢者や障害のある人などのいわゆる交通弱者への対策も重要となって
おり、運転手を含め、交通安全意識の高揚を図るとともに、ミラーの設置など、交通事
故の発生しにくい環境整備を進めていくことが必要となっています。
○防犯活動については、えびの地区防犯協会と連携し、街頭キャンペーンや地域安全運動
を展開しています。犯罪のない安全なまちを目指し、今後も市民との協働による犯罪の
抑止活動を推進していくことが必要となります。
○近年、高齢者や若年層を狙った消費生活に関するトラブルが全国的に問題となっていま
す。また、手口も巧妙化しつつあることから、より一層、消費者問題への対策を推進し
ていくことが求められます。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
交通事故の発生件数
件
439(平成 22 年) 350(平成 28 年)
地域安全運動及び街頭キャンペーン実施回数
回
5
10
補助対象防犯灯設置件数
灯
970
1,000
90
施策1: 交通安全対策の推進
○交通安全に対する市民意識の高揚を図るため、広報紙や交通安全教育などによる啓発活動に取り
組みます。
○生活に身近な市道などにおいて交通の安全を確保する必要がある道路を中心に、ミラーの設置な
ど安全な交通環境の整備に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①えびの地区交通安全協会運営補助金
②交通安全対策事業
施策2: 防犯対策の推進
○えびの地区防犯協会や警察などの関係機関と連携し、地域ぐるみによる防犯活動を推進します。
○市民の夜間における歩行等の安全を確保するため、各地域で管理している防犯灯の維持・管理を
支援します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①地区防犯協会補助事業
②地域安全対策事業
施策3: 消費者問題への対策の推進
○悪徳商法や詐欺被害、訪問販売、電話勧誘販売などによる被害の未然防止を図るため、広報紙に
よる知識の普及啓発や情報の提供に努めます。
○消費者問題に関する消費生活相談や無料法律相談などを実施し、適切な相談・救済支援を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①消費者保護対策
②無料法律相談事業
91
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:防災対策の見直し・強化
施策目標-目指す姿-
○災害時に地域の住民が主体となった初動活動が行える、地域を中心とした防災体制が整っ
ています。
○情報伝達手段や避難路、避難所の整備、公共施設の耐震化、発災時における初動体制の整
備など、発災時を見据えた事前対策が十分になされています。
○発災時、迅速に消火や救助・救急が行える体制が整えられています。
現状と課題
○近年、口蹄疫の発生や新燃岳の火山活動の再開、さらには東日本大震災により、災害に
対する市民の関心が高まっており、地域ぐるみによる防災体制を充実させていくことが
急務となっています。
○これらの災害から平時における事前の対策が重要となっており、資材の備蓄や情報伝達
体制・避難路の整備、自主防災組織の育成、発災時の初動体制の整備など、災害予防対
策の充実が必要となります。
○本市では消防力の充実を図るため、消防団の育成を図るとともに、市内消防施設及び消
防水利の整備を行っていますが、高齢化により消防団員の確保が厳しくなっているほか、
山間地では消防水利等が不十分な地域もあり、消防力の維持・充実は継続的な課題となっ
ています。
○本市の救急業務については、広域消防で対応していますが、年々増加傾向にあり、体制
のさらなる強化が必要となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
新屋外子局設置箇所数
基
121
132
戸別受信機設置台数
台
162
300
消火栓総数
基
315
331
92
施策1: 地域防災力の向上
○平時より広報紙等を活用した啓発を行い、市民の防災意識の高揚を図ります。
○自主防災組織の育成及び活動への支援を行い、災害時に地域住民が互いに協力し、避難や救助な
どの初動活動が行える体制づくりを進めます。
○一人暮らし高齢者や障害のある人など、災害時の避難に支援を必要とする災害時要援護者への対
策を推進します。
○関係機関と連携し、災害時における留学生及び外国人の支援体制を整備します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①自主防災組織育成・強化事業
②災害時外国人支援事業
施策2: 災害予防対策の推進
○緊急災害情報や防災に関する情報を正確に市民に伝達できるよう、無線放送施設のデジタル化を
推進するとともに、難聴地域の解消に努めるなど市民への情報伝達体制の充実を図ります。
○大雨や暴風、地震、火山噴火、家畜伝染病などによる災害発生時に的確で迅速な初期活動が行え
るよう、資機材等の整備をはじめ、避難所や避難路・災害対策道路の整備、初動体制の整備・強
化などの事前対策を推進します。また、
応急対策終了後における被災者等への救援、
被災地の復旧・
復興などの事後対策についても円滑に実施できるよう努めます。
○治山・治水対策の推進や建築物の耐震化・不燃化を促進し、災害に強いまちづくりに取り組みます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①無線放送施設設置助成事業 ②社会資本整備総合交付金事業 ( 再掲 )
③河川維持事業
④治山事業 ( 県単集落防災事業、自然災害防止治山事業 )
施策3: 消防・救急体制の整備
○市民の生命・財産を守るため、消防車両の資機材や防火水槽、消火栓などの消防水利、既存の消
防施設の整備を計画的に進め、消防力の充実を図ります。併せて消防団の育成や活動の充実を図
ります。
○西諸広域行政事務組合と連携し、救急救命士の養成と高度救命処置用資機材の充実を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①消防団運営事業 ②消防施設事業 ③消防施設整備支弁金事業
93
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第4章
第5次えびの市総合計画 基本施策3:社会保障の確保
施策目標-目指す姿-
○すべての市民が健康で文化的な最低限度の生活を保障されています。
○国民健康保険などの各保険制度が適切に運営されています。
現状と課題
○長引く景気低迷や近年における社会経済状況の変化、さらには口蹄疫をはじめ、自然災
害による本市経済への影響を背景に、生活保護世帯も増加傾向にあり、制度の適切な運
用とともに、保護世帯の自立を促すことが課題となります。
○高齢化や慢性疾患者の増加、医学・医療技術の進歩、医療機関へのかかり方の問題など
の要因により、国民健康保険の医療費は年々増加する一方です。また、長引く景気低迷
により、低所得者層も増加しており、国民健康保険財政は厳しい状況が続いています。
○75歳以上の高齢者の医療費を国民全体で公平に支える制度として、平成20年4月か
ら県単位での後期高齢者医療制度が開始されましたが、依然として医療費の増加傾向は
続きその運営も厳しい状況にあります。
○国民年金制度についても、厳しい経済状況を背景に、保険料の未納者や保険への未加入
者が増加しており、国民健康保険と併せて、保険料未納者への対応と制度に対する理解
の促進を図ることが課題となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
国民健康保険税収納率
%
90.47
93.00
自立支援相談員数
人
1
1
94
○疾病の予防、早期発見・早期治療につなげるため各種健診事業を推進するとともに、適切に医療
を受診するよう意識啓発を図ります。
○保険税未納者への対策を推進し、国民健康保険の健全な財政運営に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①人間ドック補助事業 ②特定健康診査等事業 ( 再掲 )
③重複・頻回受診者への訪問指導事業 ④保険税未納者対策事業
施策2: 後期高齢者医療制度の健全運営
○疾病の予防、早期発見・早期治療につなげるため健康診査事業を推進します。
○保険料未納者への対策を推進します。
○宮崎県後期高齢者医療広域連合と連携し、制度の安定化を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①後期高齢者健康診査事業(再掲)
②保険料未納者対策事業
施策3: 低所得者福祉の充実
○健康で文化的な最低限度の生活を保障する生活保護制度の適正な運営に努めるとともに、生活困
難な市民の自立に向けた助言・指導を行います。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①自立生活相談事業 ②セーフティネット支援対策事業
95
基本計画 第4章
施策1: 国民健康保険制度の健全運営
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
第5章
自然と調和した住みよい“生活環境づくり”
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 第1節 調和のとれた美しい景観の保全
基本施策1:自然環境の保全
施策目標-目指す姿-
○市民や事業者の環境保全意識が高まり、自然環境の保全活動が行われています。
○山や河川など自然環境が保全されています。
現状と課題
○本市は、南に霧島錦江湾国立公園の主峰・韓国岳をはじめ、甑岳、白鳥山、飯盛山など
が連なってえびの高原を囲んでおり、また、北には九州山地の南端にある矢岳山、国見山、
鉄山などの連山があるなど、自然に恵まれた地域となっています。
○本市では、この豊かな自然環境を保全し、後世に引き継ぐため、平成16年度に「えび
の市環境基本条例」を制定するとともに、平成19年度に「えびの市環境基本計画」を
策定し、保全活動を推進しています。
○全国的に環境への意識が高まる中、地球温暖化防止対策を含めた地球規模での環境につ
いて、市民、事業者、行政が協働により省エネルギー対策や自然エネルギーの利活用な
ども視野に入れた環境保全活動に取り組んでいくことが求められています。
目標指標(数値目標)
指標名
河川水質検査箇所
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
箇所
7
98
7
施策1: 環境保全活動の推進
○学校や家庭、地域社会、会社など、様々な場における環境教育・環境学習を推進し、市民意識の
高揚と環境保全を実践できる人づくりを進めます。
○環境保全に関する市民・事業者・市の役割を示した「えびの市環境基本計画」に基づき、えびの
市環境審議会と連携し、施策や活動の点検と推進を図ります。
○河川の水質検査を継続して実施していきます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①河川水質検査
施策2: 自然環境の保護
○国や県と連携し、霧島錦江湾国立公園及び矢岳高原県立公園などの自然公園に生息する動植物の
保護に取り組みます。
○森林所有者や森林組合、林業事業体と連携し、森林環境の保全を図ります。
○市民・事業者・行政が協働し、森林の適正な保護活動を実施し、次世代に健全な森林を引き継ぎ
ます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①森林整備事業 ( 再掲 )
②森林づくり活動支援事業 ③みどりの少年団育成事業
99
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:景観形成の推進
施策目標-目指す姿-
○建築物や市街地が周辺環境との調和に配慮され、つくられています。
○街並みや景観などが美しいと感じるまちになっています。
現状と課題
○本市は、古くから農業のまちとして発展してきた背景があり、今なお、豊かな田園・農
村景観が継承されており、本市固有の財産となっています。
○平成22年4月に景観行政団体に移行したことにより、良好な景観形成を図るため、景
観法に基づき具体的な施策を推進していくことが求められています。
○景観形成については、市民との協働が必要不可欠ですが、長期的な取組により効果が表
れるため理解が得られにくく、推進体制の構築が課題となります。
目標指標(数値目標)
指標名
自然景観などが美しいと思う
市民の割合
単位
%
100
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
42.0
45.0
○本市が有する景観資源の魅力を周知・啓発し、景観の保全と形成に向けた市民意識の高揚を図り
ます。
○良好な景観整備を市民と協働により計画的・総合的に推進するため、景観形成に関する方針や基
準などを定めた景観計画の策定を行います。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①景観計画作成
施策2: 市街地の景観形成
○歴史や周辺環境と調和した魅力的な市街地を創出するため、京町地区の景観づくりや市道整備、
看板などの整備を推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①社会資本整備総合交付金事業(再掲)
101
基本計画 第5章
施策1: 良好な景観整備の普及・啓発
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 基本施策3:河川汚濁処理対策の推進
施策目標-目指す姿-
○市内の各家庭・台所で河川の汚濁を防ぐ取組が行われています。
○生活排水の対策が進み、河川への負荷が軽減されています。
現状と課題
○市街地や集落が拡散する本市では、下水道等の集合的処理施設を整備するのは維持管理
の面から、また財政状況からも難しい状況となっています。しかし、川内川の最上流部
に位置していることから、生活排水等による河川の水質汚濁を防止することは、社会的
な責務となっており対策の推進が求められます。
○本市では、平成3年度から浄化槽設置整備事業を開始し、平成22年度の生活排水処理
率は46.7%と着実に処理家庭の拡大を図っています。引き続き、合併処理浄化槽の整
備促進を図るとともに、浄化槽の適正な維持管理を設置者に啓発していくことが課題と
なります。
○事業系排水については、県や関係機関と連携し、水質汚濁防止法や県条例に基づいた対
策の実施を徹底していくことが必要となります。
目標指標(数値目標)
指標名
生活排水処理率
合併浄化槽補助設置基数
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
%
46.7
62.0
基/年
101
130
102
○各家庭から排出される台所、洗濯、風呂などの排水とし尿を併せて処理する合併処理浄化槽の設
置を支援し普及促進を図るとともに、設置者による適切な維持管理が行われるよう、保守点検・
清掃・法定検査の実施を促進します。
○排水による河川の汚濁を抑制するため、家庭での台所対策を周知・啓発し、市民の自主的な生活
排水対策の促進を図ります。
○県や関係機関、民間企業と連携し、水質汚濁防止法や県条例に基づいた対策の実施を徹底してい
きます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①浄化槽設置整備事業
103
基本計画 第5章
施策1: 生活排水への対策の推進
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 基本施策4:資源循環型社会の推進
施策目標-目指す姿-
○ごみ問題に対する意識が高まり、分別やリサイクル、減量化の取組が進み、ごみが減少し
ています。
○廃棄物の処理体制が整備され、廃棄物のリサイクルや焼却等の適正な処理が行われています。
現状と課題
○本市では、えびの市美化センターやえびの市環境センターにおいて、ごみやし尿などの
廃棄物の処理を行っています。しかし、施設の老朽化が進んでおり、機能の維持と安定
的な運営を確保していくことが課題となっています。
○本市では、資源循環型社会構築のため、4R※を推進し、ごみの分別排出の徹底や減量化、
リサイクル、不法投棄の防止啓発を行っています。引き続き、ごみの減量化やリサイク
ルを推進するため、市民意識を高め、行動へとつなげていくことが課題となります。一方、
廃棄物の不法投棄や野焼きについても依然減少しておらず、対策を講じる必要がありま
す。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
ごみ排出量「市民1人・1日あたり」
g
767
650
ごみのリサイクル率
%
15.6
18.0
ごみ不法投棄件数
件
134
100
※4R:廃棄物減量のキャッチフレーズとして使われる言葉。「リフューズ」(拒否)・リデュース(消費削
減)・リユース(再使用)・リサイクル(再生利用)をあわせて4Rという。また、「リフューズ」
の代わりに「リペア」(修理)を加えて4Rとする場合もある。
104
○市民及び事業者への啓発を通じ、さらなるごみの減量化を促進します。
○ごみの分別を徹底し、資源のリサイクルを推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①環境美化推進員報償事業 ②ごみ収集運搬業務事業 ③再商品化事業
施策2: 廃棄物処理施設の整備
○びの市美化センターをはじめ、えびの市一般廃棄物最終処分場、えびの市環境センターなどの各
処理施設の適正な維持管理と施設の延命化を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①し尿処理事業 ②最終処分場運営事業 ③美化センター運営事業
施策3: 不法投棄等への対策の推進
○廃棄物の不法投棄やごみのポイ捨てなどを防止するため、関係機関や市民、事業者と連携し、啓
発及び巡視活動を推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①不法投棄防止啓発事業
105
基本計画 第5章
施策1: ごみの減量化・リサイクルの推進
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 第2節 住みよい生活環境の確保
基本施策1:安全でおいしい水の安定的な供給の確保
施策目標-目指す姿-
○安全で安心して利用できる水道水が安定的に供給されています。
現状と課題
○本市の上水道は、昭和52年度から昭和55年度に巨額の事業費を投じ、拡張工事を行っ
たことにより、
現在、
市内のほぼ全域に給水を行っています。今後、
老朽化水道施設の整備・
更新・耐震化や高台にある低水圧地区及び水道未普及地区の解消対策を推進していくこ
とが必要となっています。
○本市の水源は現在、川内川上流標高648メートル地点から表流水を取水しているため、
施設の維持管理だけでなく、災害など非常時の復旧対応を考慮すると、第2水源の確保
が必要となっています。
○市内6箇所にある簡易水道については、地域住民の高齢化等の影響により地元での管理・
運営が困難になりつつあり、上水道への統合整備を進め、安定的な供給体制を確保して
いくことが課題となっています。また、人口の減少と連動し、水の需用や給水人口の減
少が進む本市では、水道事業の健全な運営を図ることも、水の安定的供給体制を確保し
ていく上で課題となります。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
水道普及率
%
78.8
89.5
水道法で定める水質基準適合検査結果
-
適合
適合
6
4
統合が必要な簡易水道組合数
組合数
106
施策1: 安全な水の供給
○安全に飲用できる水を安定して供給するため、災害に強い第2水源の確保を図るとともに、老朽
化した浄水場や送配水設備等の水道施設については、順次、耐震化を図りながら計画的な改修・
更新を進めます。
○簡易水道を上水道へ統合し、安心・安全な水道水の安定的供給体制を確保します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①第 2 水源築造事業
②老朽化水道施設整備事業 ③簡易水道統合整備事業
施策2: 安定した給水の確保
○給水区域内にある低水圧地区や水道未普及地区の解消に取り組みます。
○持続可能な水道事業経営を行うために、事務事業の効率化と経費縮減等を図り、健全な水道事業
の運営に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①低水圧地区及び水道未普及地区対策事業
107
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 基本施策2:市民の憩いの場の整備
施策目標-目指す姿-
○安心できる憩いの場として、自然を利用した公園が市民に活用されています。
現状と課題
○本市の都市計画区域内にある公園については、王子原運動公園、神社原運動公園、永山
運動公園、八幡丘公園が整備され、加えて、川内川河川敷に水辺の楽校事業による新た
な公園が整備されています。
○自然豊かな本市には、矢岳高原県立公園や霧島錦江湾国立公園などの自然公園も整備さ
れています。
○余暇活動や健康志向の高まりにより、スポーツや運動、健康づくりの場として、安心し
て利用できる公園の維持管理が必要となっています。また、住民の身近な憩いの場、交
流の場として、既存公園の遊具やトイレなどの設備整備を進める必要があります。
目標指標(数値目標)
指標名
運動公園利用者数
単位
人
108
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
64,612
75,000
施策1: 公園施設の維持整備
○子どもをはじめ、市民の身近な憩いの場として安全に利用できるよう、児童遊園の維持管理、遊
具等の整備に努めます。
○王子原運動公園、神社原運動公園、永山運動公園、八幡丘公園の維持管理に努めるとともに、国
や県と連携し、矢岳高原県立公園や霧島錦江湾国立公園の適切な管理を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①修繕・維持事業
109
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 基本施策3:住宅対策の推進
施策目標-目指す姿-
○空き家情報が市内外に提供され、空き家の減少や定住につながっています。
○住み慣れた居宅に、安心して住み続けることができています。
○市営住宅の建替えや住戸改善が図られ、定住促進や人口流出の防止につながっています。
現状と課題
○本市では、えびの市に居住し、または居住しようとする人で住宅に困窮している人に対
して、ホームページ等で空き家状況等を周知し、定住促進住宅や市営住宅の賃貸を行っ
ています。
○本市の住宅の約8割は持ち家であり、また、建築基準法が改正された昭和56年以前に
建築された住宅が半数以上を占めることから、地震への備えをはじめ、高齢化への対応
としてリフォームやバリアフリー化の需要が高まるとみられます。そのため、市民が安
心して住宅の整備・改造を行える環境整備が課題となります。
○市営住宅においては、狭小住宅が多く老朽化も進んでいるため、子育て世帯や高齢者の受
け入れが難しい状況となっています。さらに、小規模団地が散在していることから、建
替えに合わせた再編等の整備が必要となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
定住促進住宅入居戸数
戸
36
43
市営住宅戸数
戸
507
505
110
○市民による耐震診断の実施を促進するため、木造住宅の耐震診断及び耐震改修に対し補助を行い
ます。
○高齢者や障害のある人が不便なく在宅生活を継続できるよう、住まいのバリアフリー化を支援し
ます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①木造住宅耐震診断補助事業 ②木造住宅耐震診断アドバイザー派遣事業
③木造住宅耐震改修補助事業
施策2: 市営住宅の整備・再編
○老朽化の著しい市営住宅団地については、適正な規模に統廃合を行い、計画的に建替えを図ります。
○狭小で老朽化した市営住宅については、建替え・建設、住戸改善等を図り、若者世帯や高齢者、
障害のある人が安全に住むことができる住居として再整備します。
○危険防止のための外壁改修や設備の改修、経年劣化による補修等を計画的に進めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①公営住宅ストック総合改善事業
施策3: 定住対策の充実
○空き家バンク※登録件数の増加を図り、定住希望者のニーズに応じた住宅情報を提供できる体制
を整備します。
○都市部からの移住・定住希望者を開拓するため、関係機関と連携し、相談会の開催など都市部に
おけるPR事業の実施に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①空き家バンク運営事業 ②空き家バンク活用事業 ③移住・定住相談会事業
④定住促進住宅管理事業
※空き家バンク:えびの市に居住することを希望している方に、空き家・空き地情報の提供を行うもの。
111
基本計画 第5章
施策1: 世帯ニーズに応じた住宅改造の促進
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画 第5章
第5次えびの市総合計画 基本施策4:公共交通手段の確保
施策目標-目指す姿-
○子どもや高齢者、障害のある人など、移動手段の確保が困難な人が利用しやすい公共交通が
整っています。
○通勤、通学、通院、買い物などの日常生活の利便性や観光客にも配慮した地域交通体系が構
築されています。
現状と課題
○公共交通については、自動車の普及や人口の減少により、バス・鉄道ともに利用者が減
少し、運行が困難な状況となっています。
○本市では、交通手段を持たない市民の移動手段を確保するため、市内路線バスの運行支
援を行うとともに、高速バス停付近に駐車場を整備し、高速バス利用者の利便性向上を
図っています。
○今後も公共交通機関については、人口減少等の進行により、事業者の経営状況は悪化する
ことが予測される一方で、高齢化に伴い、交通手段を持たない市民が増加するため、公
共交通機関の維持確保は重要な課題となっています。
○通院や買い物など、超高齢社会に対応した地域公共交通体系の構築が求められています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
公共交通を利用しやすいと思う 市民の割合
%
112
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
12.5
25.0
○地域公共交通総合計画に基づき、既存の交通ネットワークを活用しながら、通勤や通学、通院、
買い物等の日常生活の利便性のほか、観光分野も考慮した交通体系の構築を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①地域公共交通確保維持改善事業
施策2: 路線バスの維持確保
○交通手段を持たない市民の移動手段を確保するため、路線バスの存続を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①生活交通路線運行費補助金事業 ②高速バス停駐車場管理事業
施策3: 在来線の維持・活用
○JR吉都線については関係自治体と連携し、交流人口の拡大と地域の活性化を図ります。
○JR肥薩線については、関係自治体と連携し、路線の存続と沿線地域の活性化を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①吉都線100周年記念事業 ②肥薩線を未来へつなぐ協議会事業
113
基本計画 第5章
施策1: 新たな地域公共交通体系の構築
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
計画の実現に向けて
基本計画
第5次えびの市総合計画 基本施策1:計画的な行政運営
施策目標-目指す姿-
計画の実現
にむけて
○各種計画や施策の整合性を保ちながら、計画的な行政運営が行われています。
○総合計画の進行管理が適正に図られています。
現状と課題
○総合計画は、今後10年間のまちづくりの指針として、市政運営の基本となる重要な計
画です。
○本市では総合計画に基づき、各政策分野・施策分野ごとに具体的な施策・事業の方向性
を定めた個別計画を策定し、まちづくりを進めています。また、毎年度、事務事業評価※
を行い、市の実施事業を検証し、予算編成や事業の見直しを図っています。
○まちづくりを進めるにあたっては、すべての行政計画が同じ目標を共有し、各個別計画
が連携しながら進められていくことが重要です。そのためには、各個別計画と総合計画
との整合を図るとともに、計画の進行管理を適正に行っていくことが必要となります。
目標指標(数値目標)
指標名
総合計画目標指標の達成度
単位
%
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
-
100.0
※事務事業評価:個別の事務事業の必要性や効果、効率性等を評価する仕組み。行政資源の有効配分や経営努
力の目標設定など具体的な改善、見直し等を行うための判断に資する情報を提供することな
どを目的にしている。
116
施策1: 計画的な行政運営の推進
○各種計画の整合や各課との調整を図るとともに、施策をより効果的・効率的なものにしていくた
い計画的な行政運営を進めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①実施計画による点検・見直し
②事務事業評価
施策2: 総合計画の進行管理
○事務事業評価と連動して成果重視の進行管理を行うとともに、総合計画に基づいた実施計画の点
検・見直しを行いながら適正に予算に反映させ、計画の着実な推進を図ります。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①実施計画による点検・見直し ( 再掲 )
②事務事業評価 ( 再掲 )
117
計画の実現
にむけて
め、事務事業評価を実施しながら外部有識者等の意見を取り入れ、市民に理解される公益性の高
基本計画
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画
第5次えびの市総合計画 基本施策2:行財政改革の推進
施策目標-目指す姿-
計画の実現
にむけて
○社会環境の変化に対応し、
「真の住民自治」を目指す市役所となっています。
○中長期的に持続可能な健全な財政運営が行われています。
現状と課題
○本市では、限られた人員・財源で効率的かつ効果的なサービスの提供や新たな行政課題
に対応していくため、昭和61年に「第1次えびの市行政改革大綱」を策定し、それ以降、
4次にわたって改革を行っています。また、平成23年6月には「行政刷新!真の住民
自治を目指して」を目指す市役所像に、
「第5次えびの市行政改革大綱」を策定し、不断
の行政改革に取り組んでいます。
○本市が今後も変化する社会情勢の中で、絶えず発展し続けるためには、地域の自主性と
自立性を高めるための改革が必要となっています。特に、住民に身近な行政を担う地方
公共団体では、これまでの依存と分配から、自立と創造の仕組みに転換していくことが
求められており、市民や外部の力を取り入れながら、行政改革を進めていくことが課題
となっています。
○本市の財政状況については、これまで財政改革推進計画を着実に推進した成果により、実
質公債費比率※、地方債残高などの財政指標において改善が見られます。しかし、財政構
造の弾力化をあらわす経常収支比率※は高水準で推移し、依然として財政の硬直化が進ん
でいます。
○自主財源が乏しい本市は、歳入の多くを地方交付税や国・県補助金に依存しており、また、
国は財政再建を大きな課題としていることから、歳入において大きな増収は望めません。
一方、歳出についても、少子高齢化の影響から、扶助費※の増大が見込まれます。このこ
とから、今後も厳しい財政運営が続くことが予想されるため、自主自立を目指し、将来
を見据えた安定的な財政運営を行うことが課題となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
単位
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
経常収支比率
%
91.4
99.2
自主財源比率
%
25.2
29.9
※実質公債費比率:公債費(借金の返済)が占める負担割合を表す指標。
※経常収支比率 :財政構造の弾力性を表す指標で、この比率が高いほど、自由に使えるお金が少ないことを示
している。
※扶 助 費 :社会保障制度の一環として支給される経費をいうもので、生活保護法や児童福祉法、老人福祉
法など、国の法律に基づいて支出するものと、地方自治体が住民福祉の増進を図るため、独
自の施策において支出するものとがある。
118
施策1: 市民との信頼を深め、満足される住民サービスの提供
○接客対応や窓口サービスの内容充実など、市民が利用しやすい窓口化を推進します。
○ITをツール※とした情報提供や、そのツールに慣れ親しむためのITを利用した行政サービス
を推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①窓口サービス向上の調査研究
施策2: 市民との情報共有と、協働による行政運営の推進
○市民のニーズや意見等の情報収集に努めるとともに、市民との情報共有を推進します。
○市民、NPO、事業者等が参画し、行政と協働のまちづくりを推進します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①諸事業における市民の意識調査 ②市民団体や NPO 等と連携した事業の調査研究
施策3: 市民と一体となった、健全で効率的な行政経営の推進
○歳入全体に占める市税などの割合が低いため、自主財源の確保を図ります。
○受益者負担の原則に基づき、受益者負担の適正化を図ります。
○サービスの向上を前提として、民間の専門的技術やノウハウを活用し、管理運営経費の低減を図
るため民間委託等を推進します。
○公益上の必要性や効果、また、官民の役割分担のあり方を検証しながら外郭団体等の自主・自立
化を推進します。
○予算計上や、予算執行にあたり常時、職員にコスト意識が働くよう改革を図ります。
○市民の理解と支持を得られるよう、説明責任を果たしながら給与制度の適正化に努めます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①市税等の徴収強化 ②行政評価を活用した、さらなる事業の見直し
※ツール:道具としてのはたらきをするもの。手段。
119
計画の実現
にむけて
○市民が目的に応じて安心で利用しやすいスペースの確保を図ります。
基本計画
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
基本計画
第5次えびの市総合計画 施策 4: 市民ニーズに対応できる、柔軟で機動的な組織機構の構築
○市民ニーズが多様化・高度化する中で時代に応じた組織機構や事務事業等の再編・整理、廃止・
統合を推進します。
○職員倫理意識の保持及び職員の能力や意欲の向上を図ります。
計画の実現
にむけて
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①継続的な組織機構の見直し ②人事管理の基礎となる評価制度の確立
③職員研修の充実
④職員の接遇改善
施策5: 将来を見据えた安定的な財政運営の確保
○社会情勢の変化や地方分権の進展に留意しながら、中期財政見通しを作成し、計画的な財政運営
に努めます。
○市の財政状況について、市民によりわかりやすく公表します。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①中期財政計画の継続的な作成 ②多角的な財政状況の公表
120
第5次えびの市総合計画 基本施策3:広域行政の推進
基本計画
施策目標-目指す姿-
れています。
現状と課題
○本市では、小林市、えびの市、高原町で構成する西諸広域行政事務組合において、消防・
救急に関する業務や葬祭センターの運営管理などを行っています。また、市・町境や県
境を越えて共通する課題や目標に向かって協働することにより、地域の活性化を図って
いくことを目的とした環霧島会議をはじめ、様々な政策分野で広域的な連携を図ってい
ます。
○国では、近年の社会経済情勢の変化や市町村合併の進展等の中で、中心市と周辺市町村
が協定により生活に必要な機能を確保し、人口の流出を防止する定住自立圏構想※の実現
を推進していく方針を打ち出しており、西諸圏域においても、既存の体制を維持しつつ、
新たな広域連携のあり方を検討することが必要となっています。
目標指標(数値目標)
指標名
市町村連携事業数
単位
事業
現状値(H 22 年度) 目標値(H 28 年度)
-
10
※定住自立圏構想:中心市と周辺市町村が協定を締結することで「定住自立圏」を形成し、中心市における圏域
全体の暮らしに必要な都市機能の集約的整備、周辺市町村における必要な生活機能の確保を
進め、互いに連携・協力することにより、圏域全体の活性化を図ることを目的としている。
121
計画の実現
にむけて
○様々な政策分野で広域的な連携がなされ、事務の効率化と公共サービスの維持・向上が図ら
基本計画
第5次えびの市総合計画 主要施策・主要事業
施策1: 西諸広域行政事務組合による事務の処理
○消防・救急に関する業務や葬祭センターの管理運営など、住民サービスの維持と事務の効率化を
計画の実現
にむけて
図るため、引き続き西諸広域行政事務組合による事務の共同処理を行います。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①西諸広域行政事務組合に関する業務
施策2: 多様な連携の推進
○環境や観光、防災、教育、交通体系、産業経済、歴史文化などに係る施策・事業の充実を図るため、
自治体間連携の強化・推進に取り組みます。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①環霧島会議事業
②九州南部「川と森」の県際交流推進会議事業
③霧島ジオパーク推進連絡協議会事業
施策3: 定住自立圏構想の検討
○中長期的に都市機能と生活機能の維持を図るとともに、事務の効率化を促進するため、定住自立
圏構想や新たな政策分野における市町村間連携事業※の検討を行います。
【前期計画期間に重点的に取り組む事業】
①西諸圏域定住自立圏構想推進事業 ②宮崎県市町村間連携推進事業
※市町村間連携事業:市町村間での事務の共同処理に伴う規模拡大効果により、行政経営の効率化を実現し、
行政コストの低減を図ることを目的に共同処理を行う事業。
122
第5次えびの市総合計画
資 料 編
資料編
第5次えびの市総合計画 策定経過
年 度
月 日
(平成 22 年)
7 月 15 日
平成 22 年度
事 項
第1回 えびの市総合計画策定会議
7 月 30 日
第1回 飯野高等学校生徒会とのワーキング
8 月 17 日
第2回 飯野高等学校生徒会とのワーキング
8 月 13 日
第3回 飯野高等学校生徒会とのワーキング
8 月 27 日
第3回 えびの市総合計画策定会議
9 月 10 日
第4回 飯野高等学校生徒会とのワーキング
9 月 15 日
第5回 飯野高等学校生徒会とのワーキング
9 月 16 日
第6回 飯野高等学校生徒会とのワーキング
9 月 27 日
第7回 飯野高等学校生徒会とのワーキング
10 月 4 日
公募型プロポーザル1次審査
10 月 20 日
公募型プロポーザル2次審査
10 月 26 日
第8回 飯野高等学校生徒会とのワーキング
11 月 22 日
市長とのトップヒアリング
12 月 9 日
飯野高等学校生徒会から意見書提出
12 月 24 日
市民アンケート発送
(平成 23 年)
1 月 11 日
企業ヒアリング(2社に実施)
1 月 12 日
企業ヒアリング(3社に実施)
1 月 13 日
企業ヒアリング(4社に実施)
2 月 15 日
職員スタートアップ研修(第1回 職員研修)
3 月 5 日
子ども会議(各中学校より男女1名づつの計8名)
3 月 14 日
市民アンケート調査結果報告
3 月 25 日
第3回 えびの市総合計画策定会議
124
平成 23 年度
月 日
事 項
6 月 20 日
第1回 地域別ワークショップ
6 月 21 日
第2回 職員研修
6 月 22 日
第2回 地域別ワークショップ
6 月 30 日
第3回 地域別ワークショップ
8 月 8 日
第1回 えびの塾
8 月 17 日
第2回 えびの塾
8 月 22 日
庁内各課ヒアリング①
8 月 23 日
第3回 えびの塾
庁内各課ヒアリング②
8 月 24 日
庁内各課ヒアリング③
8 月 30 日
第4回 えびの塾
9 月 6 日
第5回 えびの塾
9 月 22 日
第1回 庁内ワーキンググループ会議
11 月 17 日
第2回 庁内ワーキンググループ会議
(平成 24 年)
1 月 5 日
第4回 えびの市総合計画策定会議
1 月 11 日
第1回 えびの市総合開発審議会(諮問)
1 月 20 日
第2回 えびの市総合開発審議会
2 月 13 日
第3回 えびの市総合開発審議会
2 月 20 日
えびの市総合開発審議会より市長への答申
3 月 26 日
定例市議会において議決
125
資料編
第5次えびの市総合計画 年 度
資料編
第5次えびの市総合計画 諮問書
126
資料編
第5次えびの市総合計画 答申書
127
資料編
第5次えびの市総合計画 総合開発審議会条例
○えびの市総合開発審議会条例
(昭和45年9月29日えびの町条例第24号)
改正昭和45年12月1日条例第31号 平成16年12月28日条例第20号
(目的及び設置)
第1条 市の基本構想等について市長の諮問に応じ審議するため、地方自治法(昭和22年法律第67
号)第138条の4第3項の規定に基づき、総合開発審議会(以下「審議会」という。)を置く。
[地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項]
(組織)
第2条 審議会は委員15人以内で組織する。
(委員)
第3条 委員は、次に掲げる者のうちから、必要の都度市長が委嘱する。
(1) 学識経験を有する者 10人以内
(2) その他市長が必要と認める者 5人以内
2 委員は、当該諮問に係る審議が終了したときは、解任されるものとする。
(会長)
第4条 審議会に会長を置き、委員のうちから互選する。
2 会長は会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故がある場合は、会長があらかじめ指名した委員がその職務を代理する。
(会議)
第5条 審議会の会議は市長が招集し、会長が議長となる。
2 会議は委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
3 会議の議事は出席委員の過半数で決し、可否同数の場合は議長の決するところによる。
(幹事及び書記)
第6条 審議会に幹事及び書記各若干人を置き、市職員のうちから市長が任命する。
2 幹事は会長の指揮を受けて庶務を処理し、書記は上司の指揮を受けて庶務に従事する。
(委任)
第7条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は市長が定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(昭和45年12月1日条例第31号)
この条例は、昭和45年12月1日から施行する。
附 則(平成16年12月28日条例第20号)
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
128
第5次えびの市総合計画 総合開発審議会委員名簿
資料編
区 分
氏 名
お ぐ ら
ま
り
こ
1
えびの市社会教育委員
小 倉 真 里 子
2
えびの市民生委員児童委員協議会
上
3
えびの市商工会
白
4
えびの市観光協会
本
5
えびの市高齢者クラブ連合会
福
6
えびの青年会議所
大 平 落 泰 博
7
えびの市農業協同組合
新
8
えびの市地域婦人連絡協議会
濱
9
特定非営利活動法人えびの市国際交流協会
田
10
えびの市農業委員会
谷
11
えびの市区長会
木
12
えびの市自治公民館連絡協議会
前
13
えびの市PTA連絡協議会
田 久 見 慎 一 郎
14
一般公募
上
う え は ら
か
原 勝
し ら い し
ほ
昌
だ
英
い
丸 征
おおでらおとし
福 た
う
だ
田 ち
内 た
下 か
129
み
み
く
熊
い
し
ろ
か
つ
ゆ
き
克
幸
こ
子
お
夫
こ
子
う
朗
み
美
お
夫
りょういち
原 く
え
四
ま え は ら
た
り
英
口 し
く
の
紀
た に ぐ ち
き
俊
やすひろ
し ん ぷ く
ま
彦
ひ で と し
田 ふ く ま る
は
み
己
ま さ ひ こ
石 ん
つ
良
一
しんいちろう
ま
す
須 やす
康
資料編
第5次えびの市総合計画 総合計画策定要領
1 計画策定の趣旨
平成14年度を初年度として平成23年度を目標年次とする第4次総合長期計画が満了を迎え
ようとしている。
この間、基本構想について人口フレーム等一部を見直し、平成19年度から平成23年度を計
画期間とする後期基本計画を策定し、本市の将来像を実現するための6つの基本目標に基づき、
“ほっとな”人間関係、暮らしの創造に向け総合的な施策の展開に努めている。
計画策定に関しては、住民福祉の向上を図るため、住民最優先を原則とし、公の利益となる住
民参加の計画を策定するものである。
2 総合計画の性格と構成
(1)性格
本市の目標とする将来像を明らかにし、その実現のために必要な施策の大綱を設定するととも
に、施策展開にあたっての基本方向を示すものである。
また、総合計画は、本市の市政運営の基本となる指針を示した最上位の計画である。
(2)構成
第5次総合計画は、「基本構想」、「基本計画」、及び「実施計画」をもって構成する。
○基本構想
基本構想は、えびの市の将来像と市政運営の基本理念を明らかにし、これを実現するための施
策の大綱を定めるものであり、えびの市自治基本条例第15条に基づき計画的に推進する。
○基本計画
基本構想で定めたまちづくりの目標を実現するため、基本構想の施策の大綱に基づき、市政の
重要施策を体系的に明らかにし、基本構想の計画期間を5年ごとに前期と後期に分けて策定する
ものである。
○実施計画
基本構想及び基本計画に基づき具体的な事業について目標と事業費等を明らかにして、毎年度
の予算編成と事業実施の指針とするもので、本計画の実施にあたっては、財政状況等も考慮しな
がら柔軟に対応するものである。
3 目標年次
○基本構想 平成33年度:10年
○基本計画 平成28年度:5年
○実施計画 毎年
4 策定の推進体制
(1)策定作業は、策定会議規則に基づいて推進する。
(2)各専門部にワーキンググループを置き実務にあたる。
(3)策定の推進体制は、別表のとおりとする。
130
策定に関与する機構、その役割及び関係は次のとおりとする。
基本構想を地方自治法第2条第4項に基づき最終的に議決する機関であり、また基本計画につ
いても報告を受ける。
(2)総合開発審議会
市長から基本構想・基本計画(案)に対する諮問を受け、基本事項を審議し答申を行う。
(3)市民
市民座談会などを通して住民同士又は住民と行政が討議するなど、投書箱や市長への手紙、電
子メールなどの方法により自らの意見を明らかにする。
①市民座談会 ②市民意識調査 ③広報 ④広聴 ⑤市長への手紙 ⑥電子メール
(4)策定会議
総合計画策定会議規則に基づき、策定会議及び専門部会を設置する。
◆策定会議
総合計画に関する基本的事項を策定審議する。
◆専門部会
総合計画に必要な調査及び資料の収集並びに計画の検討を行う。
※専門部会の下部機関として、ワーキンググループを組織し、「基本構想・基本計画(案)」
を策定する。
(5)職員
資料提供、調書記入、職場討議などにより計画策定に関与する。また、幅広い市民の意見や提
案を計画に反映するため、事務局から依頼のあった課題について調査協力をするように努める。
(6)関係機関
策定に関する国、県及び公共的機関との連絡・調整を行う。
(7)策定事務局
企画課が事務局となり、策定業務がスムーズに進むよう全体的な進行管理を行い、上記組織と
の連絡調整を図る。また、広く市民の意見を計画づくりに反映できるよう必要と認める課題につ
いては各職員へ調査協力を依頼し、これらの積極的な情報提供に努める。
6 計画策定の基本方針
(1)住民への計画策定に関する情報提供を十分に行い、市民参画を積極的に図る。
(2)第4次総合長期計画に盛り込まれた施策の数値目標を点検し、すでに実現してきたもの・継
続するもの・新たに盛り込むものなど、社会経済情勢の変動や現状、課題、発展可能性等を十
分に分析する。
(3)市民と行政が共通の理念の下に進めていくため、目標として主要な指標等を提示することで
“市民にわかりやすい”計画を策定する。
7 策定の期間
この計画は、平成23年度中に策定するものとする。
8 策定のスケジュール
別表のとおり
131
資料編
(1)議会
第5次えびの市総合計画 5 策定の機構と役割
第5次えびの市総合計画
発行年月:平成24年3月
発 行:宮崎県えびの市
編 集:えびの市 企画課
〒889-4292 宮崎県えびの市大字栗下1292
TEL:0984-35-1111 FAX:0984-35-0401
HP:http://www.city.ebino.lg.jp
E-mail:[email protected]