PDFで読む - 日興アセットマネジメント

楽読
(ラクヨミ)
2016年6月15日
Vol.
1,112
運用効率の改善が、
リターン獲得の確率を高めるのか?
資産運用においては、値動きの異なる資産や銘柄に分散投資することによって、リスク低減効果に加え、運
用効率の改善も期待できます。
運用効率を比較する際には、負担したリスクに対する超過リターンの割合であるシャープレシオが一般的に
用いられます。これは、一定期間(3年や5年など)の超過リターン(平均リターン-無リスク資産のリターン)
を、同期間のリスク(標準偏差)で除したものです。そのため、数値が大きいほど小さいリスクでリターンを獲
得したことになり、運用効率が高いことになります。先進国の株式と債券への分散投資を例にすると、過去5
年で平均リターンが最も高かったのは株式100%の場合でしたが、シャープレシオが最も高かったのは、株
式20%と債券80%で組み合わせた場合となりました(左図)。このことは、平均リターンが高い資産配分が、
運用も効率的という訳ではないことを表しています。
また、一定の前提をおいて年率リターンがマイナスになる確率を計算すると、平均リターンが同じであっても、
シャープレシオが高くなるほど、ポートフォリオのリターンがマイナスになる確率が低下する傾向がみられま
した(右図)。これは、運用効率が上がるほど、リターンがプラスとなる確率が高まることを示唆しています。
現実の金融市場では、リーマン・ショックのように、過去のデータでは予測できない極端な事象が発生し、短
期的に、大幅な価格変動が発生することがあります。また、将来のリターンが過去のリターンと同じようにな
る訳でもありません。しかし、中長期的には、リターンは平均リターンに収束する傾向にあり、分散投資する
ことで運用効率が改善し、その結果、プラスのリターン獲得の確率を高めることが期待できます。なお、こう
したことを踏まえると、複数の資産に分散投資するバランス型ファンドなどを活用し、中長期的に投資するこ
とで、安定したリターンの獲得が期待できると考えられます。
年率リターンがマイナスになる確率
シャープレシオと平均リターン(円ベース)
(2011年5月末~2016年5月末)
確率
※無リスク資産のリターンは0%で計算
0.92
シャープレシオが最も高かった
のは、株式20%、債券80%で
組み合わせた場合
0.90
0.88
0.86
18%
16%
14%
債券50%
株式50%
債券100%
株式100%
12%
0.84
10%
0.82
8%
シャープレシオ(左軸)
0.80
0.78
6%
平均リターン(右軸)
先進国の株式と債券で構成されたポートフォリオ
0.76
20%
40%
60%
80%
100%
40%
運用効率が改善すると、年
間でリターンがマイナスにな
る確率が低下する傾向に
30%
20%
10%
4%
2%
0%
※平均リターン5%、無リスク資産のリターンは0%で計算
50%
*正規分布を前提に計算
0%
0.1 0.3 0.5 0.7 0.9 1.1 1.3 1.5 1.7 1.9
株式組入比率
先進国株式:MSCI-KOKUSAIインデックス(配当込、円ベース)
先進国債券:シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)
シャープレシオ
シャープレシオ=超過リターン(平均リターン-無リスク資産のリターン)÷リスク
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
※上記は過去および理論的なものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資
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