8 −3 公社債投資信託の税金 (平成27年12月末まで) 公社債投資信託の税制は、国内債券の 渡について解説します。 税制と同様に平成28年1月1日以後に改正 平成28年1月1日以後の期中分配金、解 が行われます。本章では、平成27年12月 約・償還、譲渡については7-2を参照して 31日までの期中分配金、解約・償還、譲 下さい。 期中分配金への課税(平成27年12月末までの分配金) 公社債投資信託(注1)の期中分配金は 「利 す。つまり、所得税15.315%の源泉徴収と 子所得」 に区分され、公社債等の利子と同 住民税5%の特別徴収のみで課税関係が 様に20.315%の源泉分離課税が適用されま 終了し、 総合課税の対象にはなりません。 ● 投資信託と税金 譲渡損益への課税(買取請求) (平成27年12月末までの譲渡) 公社債投資信託を買取請求により換金 されます。これは、投資家から受益権を した場合に生じた譲渡益には課税されま 買い取った証券会社等が公社債投資信託 せん。これは、公社債の譲渡益が原則と を解約する際に、証券会社等に対して値 して非課税であることと同様です。ただ 上がり分に20.315%の源泉税が課される し、公社債投資信託の買取請求時には、 からです。したがって、解約でも買取請 証券会社等が負担することになる税相当 求でも最終的な手取額は等しくなりま 額等(特別控除額)が基準価額から控除 す。 公社債投資信託とマル優 公社債投資信託は、マル優の対象になりますか? 税5%)の源泉分離課税の対象となっ 解約・償還差益への課税(平成27年12月末までの解約・償還) 課税制度(マル優)とは、 ていますが、マル優の対象者は、他 一定の障害者等の方につき、預金や の債券や預金と合わせて元本350万 債券(国債、地方債、社債)などの 円を限度に収益分配金が非課税とな 公社債投資信託を中途解約する場合や 償還損が生じた場合は、その金額はなか 元本350万円までの利子等に対する ります(178ページも参照)。なお、 償還を迎えた場合には、解約価額 ったものとみなされ、 税務上考慮されません。 税金を非課税とする制度をいいます。 平成20年1月以降は、振替制度によ を控除した金額が 公社債投資信託では解約の際に手数料 公社債投資信託の収益分配金は一 りペーパーレス化されたものが対象 解約差益または償還差益となり、課税の (および当該手数料にかかる消費税等)が 律20.315%(所得税15.315%・住民 となっています。 また (注2) は償還価額から元本 (注3) 対象となります。 徴収される場合があります。このような これら償還差益および解約差益は、期 場合でも、 一律20.315%(所得税15.315%・ 中分配金と同じものと考えられるため、 「利 住民税5%)の源泉分離課税の対象とな 子所得」 に区分され、 20.315% (所得税15.315 るのは、手数料(および当該手数料にか %・住民税5%)の源泉分離課税の対象と かる消費税等)を控除する前の値上がり なります。これに対して、解約損または 益(解約価額と元本との差額)の部分です。 投資信託 少額預金の利子所得等の非 MMF・中期国債ファンド、MRFと税金(平成27年12月末まで) MMF・中期国債ファンド、MRFは日々決算型ファンドと呼ばれ、毎日決算 を行って収益を全額分配する追加型公社債投資信託です。MMF・中期国債フ ァンド、MRFの収益分配金は「利子所得」として扱われます。したがって、 ほかの公社債投資信託と同様に、収益分配金に対して一律20.315% (所得税 15.315%・住民税5%) の源泉分離課税となっています。 マル優適格者はマル優を利用することもできます。 (注1)以下では、断りがない限り、国内におい て設定された公募の公社債投資信託のこ とをさします。 (注2)信託財産留保額が徴収される場合は、基 準価額から信託財産留保額を差し引いた 金額となります。 (注3)追加型公社債投資信託(中期国債ファン 190 14税金読本_p181-195_08.indd 190-191 ド、MMF 、MRFなどを除く)について は、平成14年4月以降に投資信託約款 の変更がなされたものから個別元本方式 に変更されています。これにより、決算 日の基準価額が1万円を下回った場合で も購入が可能となっています。 191 14.6.30 10:05:19 AM
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