一般演題口演 急性腎不全(基礎)3 6月19日 14:00〜15:00 Room 7 (パシフィコ横浜会議センター 4階 416+417) 司会 上條 祐司 司会 (信州大学腎臓内科) O-329 尿細管障害におけるRAGE分子種の機能的役割 演者 宮川 太郎 (金沢大学附属病院腎臓内科) 相良 明宏 (金沢大学附属病院腎臓内科) 篠崎 康之 (金沢大学附属病院腎臓内科) 北島 信治 (金沢大学附属病院腎臓内科) 遠山 直志 (金沢大学附属病院腎臓内科) 原 章規 (金沢大学附属病院腎臓内科) 岩田 恭宜 (金沢大学附属病院腎臓内科) 坂井 宣彦 (金沢大学附属病院腎臓内科) 清水 美保 (金沢大学附属病院腎臓内科) 古市 賢吾 (金沢大学附属病院腎臓内科) 山本 靖彦 (金沢大学医薬保健研究域医学系血管分子生物学) 和田 隆志 (金沢大学附属病院腎臓内科) 【背景】炎症に関わるパターン認識受容体RAGE(receptor for advanced glycation end-produ cts)にはシグナル伝達を生じる従来からの膜型に加え,デコイとして働く可溶型(sRAGE/esR AGE)がある.本研究では,腎尿細管障害におけるRAGE分子種の機能的役割を検討した.【方 法】雄性RAGE欠損マウス(Ager-/)に一側腎動静脈の虚血再灌流(50分間,37.0℃)を施行し,2と7日目の腎尿細管障害,線維 化およびマクロファージ浸潤を評価した.また,マウス腎近位尿細管(mProx24)細胞を低酸素 下で培養し,RAGE分子種の遺伝子発現と,培地中へのsRAGE添加の有無による細胞障害と増殖 能を調べた.【結果】Ager-/群は対照群に比べ,マクロファージ浸潤,尿細管障害,線維化が増悪していた.低酸素曝露でm Prox24細胞の内在性可溶型RAGE(esRAGE)遺伝子発現は低下し,向炎症性のHMGB1,TNF-α の遺伝子発現は上昇した.そこにsRAGEを添加すると細胞生存能は保持され,HMGB1,TNFαの上昇は抑制された.【結論】Ager-/の腎虚血再灌流による尿細管障害の増悪はsRAGE/esRAGEの欠損により生じた可能性が考えられ る.現在,低酸素によるesRAGE減少機序とともに腎尿細管のsRAGE/esRAGEの機能解明を行っ ている. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org)
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