シンポジウム8 アミロイドーシスと腎:診断と治療の進歩 6月19日 09:00〜11:15 Room 1 (パシフィコ横浜会議センター 1階 メインホール) 司会 高市 憲明 司会 (虎の門病院腎センター) 西 慎一 司会 (神戸大学腎臓内科) S-8-6 アミロイドアンギオパチーの病態と治療の展望 演者 植田 光晴 (熊本大学神経内科) 井上 泰輝 (熊本大学神経内科) 山下 太郎 (熊本大学神経内科) 安東 由喜雄 (熊本大学神経内科) アミロイドアンギオパチーは,特に脳血管のアミロイド沈着により生じる病態である脳アミロイ ドアンギオパチー(CAA)が有名である.CAAのアミロイドを構成する前駆蛋白質はAβである 場合が最も多いが,他にも遺伝性CAAで,トランスサイレチン(TTR),シスタチンC,ゲルソ リンなどがアミロイドの前駆蛋白質となることが知られている.孤発性に生じるAβ型CAAは加齢 とともに増加し,アルツハイマー病と併発する場合も多い.CAAに関連する病態としては,アミ ロイド沈着により血管壁の変性が生じ脳出血を生じる症例が多いが,アミロイド沈着による血管 炎を生じる場合もある.我々は,CAA症例の脳血管壁をレーザーマイクロダイセクション法で分 取し質量分析法で解析することで,アミロイド沈着を生じた脳血管壁で変化する分子群を同定し た.本症の病態との関連について考察する.TTR遺伝子変異が原因で生じる遺伝性ATTRアミロ イドーシスは末梢神経障害や心障害を呈する場合が多いが,遺伝子変異型によって重度の脳血管 や髄膜のアミロイドーシスを生じる.ATTR Tyr114Cysは九州に大きな患者集積のある遺伝性ア ミロイドーシスであるが,重度のCAAを呈することが特徴的である.本アミロイドーシスの臨床 症候や剖検所見を含めた病態について概説する.加えて,厚労省政策研究班が中心となり現在実 施しているアミロイドーシスに関する全国疫学調査の現状についても報告する. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org)
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