P23 四季の歌[ PDF: 577.4KB]

小川短歌会
永 作 喜代子
かが
病む膝を癒えさせ給へ屈まりて地蔵のみ足を丹念に撫づ
い
誰が建てし小町川辺に御堂の建ちて春の浅きに鴬の鳴く
中 根 良 子
根 本 智恵子
八 木 操
石 田 はる江
わが住める茨城弁はぶっきらぼう方言荒く喧嘩のごとし
国分尼寺めぐれば広き芝中に老木二本の桜がふぶく
満開の桜に母の笑みを見る逝きて十年あの頃のまま
とび
かがやきて綿雲流れゆく空に舞う鳶のいて立春となる
浜 尾 と く
美野里短歌クラブ
庭先の野菜採る朝竹やぶにうぐいす鳴くをしばし聞きおり
平 野 ふ さ
奥 村 と き
岩 崎 徳次郎
宇都宮 和 子
碇 谷 き え
みずうみ
庭いちめん水仙の咲く友の家笑顔絶やさぬ夫婦訪ねり
めぐ
かがやける空と 湖 区切りいる霞ヶ浦大橋車に渡る
とき
季早く春の花々並びいる花木センター見つつ廻りき
雨あがり芝生のなかの草引けばすらすら根本やわらに抜ける
玉里短歌会
広げたるそばの実つつく雀二羽食害無しと思い見つめる
藤
石 川 章
齋
野 口 初 江
かつみ
石 橋 吉 生
遠 藤 黎 子
雪入りの里に咲きたつ山桜亜麻色の若葉やわく添いいて
ネモフィラの花に溶け込み動かずに草を引く人絵の中のごと
ほとほとと聞こゆるごとく桜ちり車道おおいて花びら流る
寄 稿
日暮れどき群れを離れて飛ぶ鳥は人に馴染めぬ我が身に似てる
お詫びと訂正
広報おみたま5月号、四季の歌玉里短歌会1首目に誤記があり
ましたので、お詫びして訂正します。
誤→明け六つの鐘より早く日は昇り芽ぶかんとする枝光照らす
正→明け六つの鐘より早く日は昇り芽ぶかんとする枝先照らす
小川俳句会
大空を狭しと霞浦の鯉のぼり
梅雨空や筑波二峰も雲の中
雨音を聞きつゝひとり春炬燵
大空へ切断されし松の花
しょうぶ
湧きました物言う風呂の菖蒲風呂
みづうみ俳句会
又一戸去りて故郷夏は来ぬ
薫風やそぞろ歩きの至福かな
水青く湖上に白く帆引船
新学期希望にみちた子らの顔
雨上る光がはしる蜘蛛の糸
みのり俳句会
どの道を選ぶも花は満開に
小流れの畦道犬を伴ないて
春光は東窓より来てをりぬ
大木を我がもの顔に囀れり
枝垂花くぐり行く人皆やさし
欅の会
置き薬待ち遠しいな紙風船
う ま い
沖ぐもり熟睡のあとの百千鳥
うつむいている間に花は葉となりぬ
葉桜の話し相手は風ばかり
銅像の眼鏡きれいに青葉風
くるみ俳句会
休耕田何事有りし行々子
揚げ雲雀声聞こゆれど見えざりき
漣と風の寄せ来る代田かな
輪の中のガマ口上や若葉風
若竹の音なく皮を脱ぎにけり
た
た
き
玉里俳句会
湖岸へとぬける近道茨いばら
筑波嶺に夕陽沈みて雉子の声
もう一度食べたし母のよもぎ餅
桐咲くや広き三和土の予約宿
遠蛙耳を澄ませて長湯せり 河原井 美 代
田 山 一 男
国 友 信 子
関 久 子
柏 崎 尚 子
長 島 昭
長 島 久美子
内 田 と み
三 村 れい子
榎 本 喜代子
木名瀬 やゑ子
坂 光 子
佐 藤 清 子
島 田 草 心
白根澤 清 香
戸 田 すみ子
阿久津 強
井 坂 あ さ
網 代 奈津江
木 村 小夜子
福 島 邦 誉
堀 内 いづみ
松 崎 淑 子
安 彦 昭 子
荒 井 栗 山
大 石 康 子
鶴 町 文 男
長谷川 光 男
栁 たま江
正 木 敦 子
平成 28 年 6 月 9 日 広報おみたま
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