八 木 操 小川短歌会 狼の祖を持つ犬らがそのつどの「チャイム 」に合はせて競ひてほゆる きそ わが里は基地近くして硝子戸を揺らす轟音会話をも絶す 大 平 勇 次 幡 谷 啓 子 中 根 良 子 石 田 はる江 根 本 智恵子 ふる里の庭に水仙咲く頃と植えにし母の夢に顕ちくる 神わざと言うべしものの五、六分にて水晶体を入れ代えらるる 特攻隊散りてまた咲くさくら花戦ひし後何が残れる 春を待つ桜裸木の上空を浮雲ふたつ流されて行く 美野里短歌クラブ 栗畑に落葉を燃やす農夫いて煙れる道を行く初詣で 霜白き路地に沿いつつ二月はや咲く水仙に気力湧きくる くもの巣に枯葉一枚ゆれている冬木明るき道を行きたり 松 島 夏 江 岩 崎 健次郎 奥 村 と き 白根澤 清 香 すさ 春いちばん吹きたつ空のにごりつつ芽吹きを待てる野山荒べり 長 島 陽 子 玉里短歌会 明け六つの鐘より早く日は昇り芽ぶかんとする枝光照らす 小川俳句会 この里のこの風が好き山ざくら 祝われて春の日和む米寿かな 花まつり義経恋しの舞の袖 タンポポと小声で言いて過ぎにけり こ 娘の里へ何年ぶりの花見かな みづうみ俳句会 夫病みて心細さよ花の冷え 置いてあるだけで安らぐ春炬燵 富士をせに満開桜潮写す 孫元気入学式の晴れ姿 花咲けば来る母の忌に蓬餅 みのり俳句会 ほほえみはくずさずなりし古雛 彼岸くる川の水嵩増してきし 煌々と灯して初荷の苺摘む 孫娘嫁ぎし先は梅の里 初蝶や庭の小花にたはむれゐ 欅の会 廃校の記念樹桜幹太き 花祭引き立て役の曇り空 ほろ酔ひの坂道防ぐ藪椿 花吹雪ぽつんと建ちし疎開の碑 大桜えんぴつ一本ころげおり 齋 藤 かつみ 鶴 町 文 男 くるみ俳句会 日向夏レモン一滴ママレード 花曇り薄紅色の四季の丘 屋根瓦よりころげ落つ鳥の恋 盃に夢を浮かべて花を待つ 春雨にぬれていきおひ増す庭木 共に住む家族の笑いの中にいて夫亡き部屋の広さ寂しき 者 上 野 和 子 小松庄治右衛門 正 木 敦 子 高見沢 こ う 亡き母の着物姿の目にうかぶ朝夕真白き割烹着つけ 田代湖を一人巡りて持ち帰る朱色の落葉膳に広げぬ 齢 ルバー銀の卵となりてそやさる 高 山歩きの楽しき写真を壁にかけ朝夕にする柔軟体操 寄 稿 団塊の金の卵は今シ 写真にはいかに幸せに見ゆるともさまざまあらむさまざまの人 こ ぶ し 玉里俳句会 水張田眩し蓮植え待つばかり ホームラン打球を押せる春の風 傘をさし見るも風情の桜花 大輪の兆しみなぎる牡丹の芽 青空へ光り返せり花辛夷 柏 崎 尚 子 河原井 美 代 田 山 一 男 国 友 信 子 関 久 子 長 島 久美子 茅 場 久 子 内 田 と み 三 村 れい子 榎 本 喜代子 島 田 草 心 白根澤 清 香 関 本 国 子 立 原 千 代 宇津野 岩 子 網 代 奈津江 岡 島 進 矢 口 冨 久 塚 田 忠 男 木 村 小夜子 金 山 ちか子 信 田 菊 女 島 田 篁 村 城垣内 眭 子 杉 山 照 子 野 口 初 江 亀 井 幸 子 矢 口 友 子 清 水 昭 子 斉 藤 富 子 平成 28 年5月 12 日 広報おみたま 27
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