P27 四季の歌[ PDF: 431.2KB]

八 木 操
小川短歌会
狼の祖を持つ犬らがそのつどの「チャイム 」に合はせて競ひてほゆる
きそ
わが里は基地近くして硝子戸を揺らす轟音会話をも絶す
大 平 勇 次
幡 谷 啓 子
中 根 良 子
石 田 はる江
根 本 智恵子
ふる里の庭に水仙咲く頃と植えにし母の夢に顕ちくる
神わざと言うべしものの五、六分にて水晶体を入れ代えらるる
特攻隊散りてまた咲くさくら花戦ひし後何が残れる
春を待つ桜裸木の上空を浮雲ふたつ流されて行く
美野里短歌クラブ
栗畑に落葉を燃やす農夫いて煙れる道を行く初詣で
霜白き路地に沿いつつ二月はや咲く水仙に気力湧きくる
くもの巣に枯葉一枚ゆれている冬木明るき道を行きたり
松 島 夏 江
岩 崎 健次郎
奥 村 と き
白根澤 清 香
すさ
春いちばん吹きたつ空のにごりつつ芽吹きを待てる野山荒べり
長 島 陽 子
玉里短歌会
明け六つの鐘より早く日は昇り芽ぶかんとする枝光照らす
小川俳句会
この里のこの風が好き山ざくら
祝われて春の日和む米寿かな
花まつり義経恋しの舞の袖
タンポポと小声で言いて過ぎにけり
こ
娘の里へ何年ぶりの花見かな
みづうみ俳句会
夫病みて心細さよ花の冷え
置いてあるだけで安らぐ春炬燵
富士をせに満開桜潮写す
孫元気入学式の晴れ姿
花咲けば来る母の忌に蓬餅
みのり俳句会
ほほえみはくずさずなりし古雛
彼岸くる川の水嵩増してきし
煌々と灯して初荷の苺摘む
孫娘嫁ぎし先は梅の里
初蝶や庭の小花にたはむれゐ
欅の会
廃校の記念樹桜幹太き
花祭引き立て役の曇り空
ほろ酔ひの坂道防ぐ藪椿
花吹雪ぽつんと建ちし疎開の碑
大桜えんぴつ一本ころげおり
齋 藤 かつみ
鶴 町 文 男
くるみ俳句会
日向夏レモン一滴ママレード
花曇り薄紅色の四季の丘
屋根瓦よりころげ落つ鳥の恋
盃に夢を浮かべて花を待つ
春雨にぬれていきおひ増す庭木
共に住む家族の笑いの中にいて夫亡き部屋の広さ寂しき
者
上 野 和 子
小松庄治右衛門
正 木 敦 子
高見沢 こ う
亡き母の着物姿の目にうかぶ朝夕真白き割烹着つけ
田代湖を一人巡りて持ち帰る朱色の落葉膳に広げぬ
齢
ルバー銀の卵となりてそやさる
高
山歩きの楽しき写真を壁にかけ朝夕にする柔軟体操
寄 稿
団塊の金の卵は今シ
写真にはいかに幸せに見ゆるともさまざまあらむさまざまの人
こ ぶ し
玉里俳句会
水張田眩し蓮植え待つばかり
ホームラン打球を押せる春の風
傘をさし見るも風情の桜花
大輪の兆しみなぎる牡丹の芽
青空へ光り返せり花辛夷
柏 崎 尚 子
河原井 美 代
田 山 一 男
国 友 信 子
関 久 子
長 島 久美子
茅 場 久 子
内 田 と み
三 村 れい子
榎 本 喜代子
島 田 草 心
白根澤 清 香
関 本 国 子
立 原 千 代
宇津野 岩 子
網 代 奈津江
岡 島 進
矢 口 冨 久
塚 田 忠 男
木 村 小夜子
金 山 ちか子
信 田 菊 女
島 田 篁 村
城垣内 眭 子
杉 山 照 子
野 口 初 江
亀 井 幸 子
矢 口 友 子
清 水 昭 子
斉 藤 富 子
平成 28 年5月 12 日 広報おみたま
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