P23 四季の歌[ PDF: 341.0KB]

根 本 智恵子
小川短歌会
散歩道も緑となりて梅雨間近むらさき濃ゆき紫陽花の咲く
あ じ さ ゐ
放射線棟へ続く地下廊点る灯のしらしらと人の影を生まざる
岩 崎 健次郎
八 木 操
石 田 はる江
幡 谷 啓 子
永 作 喜代子
ぼーたん
か ほ
夕立に屋敷の雨水U字溝を溢れて霞浦と北浦へ流る
牡丹の咲き極まれる真昼時崩ほれ散らす白き花びら
九十歳の友の便りは治らざる病持てるに弱音記さず
美野里短歌クラブ
弁財天まつる祠の岸に建つ遠州池は水ゆたかなり
ほこら
滝めぐる秋保の旅に石段を息子とのぼる手を引かれつつ
齋 藤 かつみ
松 島 夏 江
碇 谷 き え
奥 村 と き
永 井 房 子
体調をくずして臥せる老いの身は哀しからずや心まで病む
さんけい
雨止みし散歩の道に風吹きて桜の花の散りはじめたり
腰曲げし媼新茶を入れくれき参詣終えて寄りし茶店に
石名坂海見わたせる友の家習い初めとう篠笛聞こゆ
玉里短歌会
同窓会風邪ひき行けずバックより小分けにしたる乳液もどす
石 川 章
野 口 初 江
高 田 久 子
平 野 ふ さ
遠 藤 黎 子
予報士が雪と告げたる北海道五月の朝を吹雪が包む
目に沁みる若葉の五月今日こそとこたつ片付く身も清々し
病院の待ち合い室に聞こえ来る土地の訛に心和みぬ
寄 稿
親子ほど年の離れた君だけど最後の日まで尽くしてくれた
小川俳句会
鎌田川瀨音ゆかしき初蛍
け さ
読経に僧の汗ばむ袈裟衣
さまざまの鳥のなき声夏の空
夜の秋や母の形見の日記帳
万葉の詩の筑波嶺秋の色
みづうみ俳句会
教室の日除になりてゴーヤかな
たくま
逞しき部活の孫の日焼け顔
遠蛙聞きつ夜更けに辞書を引く
夏空へ雲のらくがき飛行雲
おさなごの微笑む顔や合歓の花
みのり俳句会
面影は少年のまま利休梅
すべり落つ流れに似たり藤の花
やはらかき風抜けてゆく青葉道
かの人のことば美わし白上布
紫陽花や昨日より濃き色となる
欅の会
どうしても絵には出せない茄子の色
ダヴィンチ展額に微かな春の塵
向日葵や無口となりし夕ごころ
いろいろなことを巡らす男梅雨
七月を靴あたらしく街に入る
くるみ俳句会
牛小屋の低き庇や花南瓜
草引いてまた草を引く畑仕事
夏は来ぬ歌声高し園児バス
階段を登れば古墳夏小立
山門をくぐり寄せ来る蓮の風
玉里俳句会
列なして茅の輪くぐりの森深し
湖近き一村蓮の花ざかり
子鴉の声のしきりに朝曇り
山百合に足止められし散歩道
水を分く舳先夏川下りけり 柏 崎 尚 子
河原井 美 代
国 友 信 子
関 久 子
田 山 一 男
長 島 昭
長 島 久美子
茅 場 久 子
三 村 れい子
内 田 と み
佐 藤 清 子
島 田 草 心
白根澤 清 香
関 本 国 子
立 原 千 代
岡 島 進
矢 口 冨 久
塚 田 忠 男
阿久津 強
木 村 小夜子
島 田 篁 村
杉 山 照 子
福 島 邦 誉
堀 内 いづみ
松 崎 淑 子
斉 藤 富 子
大 石 康 子
鶴 町 文 男
長谷川 光 男
正 木 敦 子
平成 28 年 8 月 10 日 広報おみたま
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