P21 四季の歌[ PDF: 462.7KB]

小川短歌会
幡 谷 啓 子
せな
母を看取りし濃ゆき日月を解かれたれば心に背にせまる虚しさ
かさ
打ちつづく疎林の根本にふかふかと嵩む落葉に身を埋めたし
八 木 操
石 田 はる江
永 作 喜代子
沼 田 敏 子
あけび
亡き夫の愛でにし通草の十年経て古木に熟せり実の五つほど
平林寺の双樹ゆかりの高野槙五百年経しが空に聳ゆる
八十の半ばとなりてソックスもズボンも腰を掛けねば履けず
大 平 勇 次
美野里短歌クラブ
もうすぐになくなる築地魚河岸を茂助だんごを食べながら行く
白根澤 清 香
浜 尾 と く
山 口 和 代
岩 崎 健次郎
秋早くコキアの紅く色づきて華やぐ庭に今朝も降り佇つ
朝早く姪の電話に起されて今日が始まる秋空晴れて
ひとり身の淋しさ癒すスマートホンはなさずなじむ秋の夜長に
雲ひとつなく澄みわたる今朝の空草におく露日にきらめけり
友と語る楽しみもまずは健康があらばと祈る我が初詣
遠 藤 黎 子
玉里短歌会
筑波嶺のふもとに求めし吟醸酒友と飲みたりいろり囲みて
高見沢 こ う
石 橋 吉 生
鶴 町 文 男
平 野 ふ さ
正月は家族で行くとの子の電話聞きて五千円札二枚用意す
初春の朝露かがやく草群に水仙一輪花をつけたり
「神棚の一夜飾りは禁忌ぞ」の伝え守りて元旦迎う
石 川 章
寄稿
君遣すビーズで編みしストラップ宝石よりも温かく光る
つま
新年の挨拶交わす幸わせと言葉つまらせ病の夫と
藤 田 久 子
上 野 和 子
物忘れ責めつ責められ夫とわれそれでもやっぱりあなたが恋しい
よわい
な
小川俳句会
藍染の衣被し聳り初筑波
新年のテレビに笑え涙して
霜ふんで老の足跡歩幅なし
初暦光かがやく十二枚
初あかり齢重ねて九十五
みづうみ俳句会
色薄き庭を点して実千両
成人式孫一番の晴れ姿
書初や大きな文字に夢たくす
ろう梅や陽をあびながら色香る
日の出待つ明けの深空初烏
みのり俳句会
七つの子群にゐるかや寒鴉
葉牡丹の鉢植ゑやっと出来上り
一言に風の向き変ふ萩の花
色極む満天星紅葉続く道
えさもらふ鴨のたちまち群なせり
欅の会
お年玉意外な事に兄貴から
生きるだけ生きて秋の日ロスタイム
ねんねこのことりと眠る重さかな
石段を息はずませて初詣
筑波山恋瀬川とて寒日和
くるみ俳句会
め
賀状にも一句添へたる句友かな
日溜りにこぼれて弾む寒雀
凛として寒夕やけの筑波かな
年明けに息をととのえ初歩き
田舎家に笑ひ声満つ明けの春
玉里俳句会
初春や今日も前向き一万歩
ざわめきが祈りに変わる初日の出
昭和なら九十一年年迎ふ
七草の緑に引かれお代りす
女正月ひと日話してまだ尽きず
河原井 美 代
国 友 信 子
関 久 子
柏 崎 尚 子
田 山 一 男
長 島 久美子
茅 場 久 子
内 田 と み
三 村 れい子
榎 本 喜代子
関 本 国 子
立 原 千 代
滑 川 きぬゑ
宇津野 岩 子
木名瀬 やゑ子
岡 島 進
矢 口 冨 久
網 代 奈津江
塚 田 忠 男
木 村 小夜子
安 彦 昭 子
荒 井 栗 山
小 原 エ ミ
金 山 ちか子
信 田 菊 江
長谷川 光 男
栁 たま江
正 木 敦 子
田 山 森 俊
野 口 初 江
平成 28 年2月 10 日 広報おみたま
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