小川短歌会 幡 谷 啓 子 せな 母を看取りし濃ゆき日月を解かれたれば心に背にせまる虚しさ かさ 打ちつづく疎林の根本にふかふかと嵩む落葉に身を埋めたし 八 木 操 石 田 はる江 永 作 喜代子 沼 田 敏 子 あけび 亡き夫の愛でにし通草の十年経て古木に熟せり実の五つほど 平林寺の双樹ゆかりの高野槙五百年経しが空に聳ゆる 八十の半ばとなりてソックスもズボンも腰を掛けねば履けず 大 平 勇 次 美野里短歌クラブ もうすぐになくなる築地魚河岸を茂助だんごを食べながら行く 白根澤 清 香 浜 尾 と く 山 口 和 代 岩 崎 健次郎 秋早くコキアの紅く色づきて華やぐ庭に今朝も降り佇つ 朝早く姪の電話に起されて今日が始まる秋空晴れて ひとり身の淋しさ癒すスマートホンはなさずなじむ秋の夜長に 雲ひとつなく澄みわたる今朝の空草におく露日にきらめけり 友と語る楽しみもまずは健康があらばと祈る我が初詣 遠 藤 黎 子 玉里短歌会 筑波嶺のふもとに求めし吟醸酒友と飲みたりいろり囲みて 高見沢 こ う 石 橋 吉 生 鶴 町 文 男 平 野 ふ さ 正月は家族で行くとの子の電話聞きて五千円札二枚用意す 初春の朝露かがやく草群に水仙一輪花をつけたり 「神棚の一夜飾りは禁忌ぞ」の伝え守りて元旦迎う 石 川 章 寄稿 君遣すビーズで編みしストラップ宝石よりも温かく光る つま 新年の挨拶交わす幸わせと言葉つまらせ病の夫と 藤 田 久 子 上 野 和 子 物忘れ責めつ責められ夫とわれそれでもやっぱりあなたが恋しい よわい な 小川俳句会 藍染の衣被し聳り初筑波 新年のテレビに笑え涙して 霜ふんで老の足跡歩幅なし 初暦光かがやく十二枚 初あかり齢重ねて九十五 みづうみ俳句会 色薄き庭を点して実千両 成人式孫一番の晴れ姿 書初や大きな文字に夢たくす ろう梅や陽をあびながら色香る 日の出待つ明けの深空初烏 みのり俳句会 七つの子群にゐるかや寒鴉 葉牡丹の鉢植ゑやっと出来上り 一言に風の向き変ふ萩の花 色極む満天星紅葉続く道 えさもらふ鴨のたちまち群なせり 欅の会 お年玉意外な事に兄貴から 生きるだけ生きて秋の日ロスタイム ねんねこのことりと眠る重さかな 石段を息はずませて初詣 筑波山恋瀬川とて寒日和 くるみ俳句会 め 賀状にも一句添へたる句友かな 日溜りにこぼれて弾む寒雀 凛として寒夕やけの筑波かな 年明けに息をととのえ初歩き 田舎家に笑ひ声満つ明けの春 玉里俳句会 初春や今日も前向き一万歩 ざわめきが祈りに変わる初日の出 昭和なら九十一年年迎ふ 七草の緑に引かれお代りす 女正月ひと日話してまだ尽きず 河原井 美 代 国 友 信 子 関 久 子 柏 崎 尚 子 田 山 一 男 長 島 久美子 茅 場 久 子 内 田 と み 三 村 れい子 榎 本 喜代子 関 本 国 子 立 原 千 代 滑 川 きぬゑ 宇津野 岩 子 木名瀬 やゑ子 岡 島 進 矢 口 冨 久 網 代 奈津江 塚 田 忠 男 木 村 小夜子 安 彦 昭 子 荒 井 栗 山 小 原 エ ミ 金 山 ちか子 信 田 菊 江 長谷川 光 男 栁 たま江 正 木 敦 子 田 山 森 俊 野 口 初 江 平成 28 年2月 10 日 広報おみたま 21
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