otsu2927_thesisreview

別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号
乙 第 2927 号
論文審査担当者
氏 名
主査
佐々木
康綱
副査
後閑
武彦
教授
副査
泉﨑
雅彦
教授
藤居
直和
教授
(論文審査の要旨)
局所限局型の頭頸部癌に対する治療戦略は、機能を温存しつつ治療効果を上げるこ
とであり、放射線化学療法は、標準治療の選択肢の一つとして汎用されている。こ
の際併用される化学療法レジメンは、Cisplatin と Fluorouracil が世界的な標準
治療である。本研究では、頭頸部癌患者に対してわが国で開発された、Cisplatin
と Fluorouracil のそれぞれの誘導体である、Nedaplatin と S1(テガフール・ギメ
ラシル・オテラシルカリウムの合剤)の併用レジメンと放射線を併用し、その安全
性と有効性を後方視的に解析したものである。本放射線化学療法を施行した 100 名
のⅡ期-Ⅳ期の頭頸部癌患者(咽頭癌、喉頭癌、舌・喉頭癌、上顎癌および原発不
明癌患者)に対する臨床効果としては、完全寛解率 88%、 3 年疾患特異的生存率
93%と極めて優れた成績が報告された。また、有害事象としては、Grade4 の血液
毒性を 4 名に認めたものの、非血液毒性も含めて管理可能であった。
本研究は、後ろ向きの解析ではあるものの、わが国独自の化学療法薬を組み合わせ
ることにより簡便で優れた臨床効果を期待させる独創的な研究であり、高い学術的
価値を有し、学位論文に相当すると判断した。今後本療法の有用性を確立するため
に、第Ⅲ相試験の実施が必須と思われる。
論文題名: 頭頸部癌に対する S-1, Nedaplatin / 放射線同時併用療法の安全性に関する検討
(Clinical study of S-1, nedaplatin / concurrent chemoradiotherapy for head and neck cancer)
掲載雑誌名:頭頸部癌
39 巻,4 号,484-489 頁、2013 年
(主査が記載、500 字以内)