林業労働災害防止普及啓発パンフレット(PDF 約378KB)

「林業労働災害ゼロ」を目指して
~「もしかして」いつも心に危険予知~
(平成28年度
林材業労働安全標語)
前期林業労働災害防止キャンペーン(6月1日~7月31日)
平成 27 年 熊本県の林業労働災害の概要
●林業の労働災害発生件数(熊本労働局 H28.2.9 発表)
H27 年
死傷者数
うち死亡
57
1
H26 年
死傷者数
うち死亡
42
3
H25 年
死傷者数
うち死亡
63
2
●H27 年 災害発生事例
60 代 男性【負傷】
60 代 男性【負傷】
50 代 男性【死亡】
スギ林の皆伐作業中、枯損
木(直径 14 ㎝・長さ 12m)
の伐採を行っていたところ、
枯損木の上から 3m のところ
から折れて落下した。被災者
は異常に気づき上を見上げて
いたため、落下部分が左顔面
に激突して負傷した。
山林の斜面で樹高約 20m
のヒノキ林の間伐作業中、作
業者 A が伐った木がかかり木
となり、かかった木を中段切
りしたところ、15m 離れたと
ころにいた作業者 B のほうに
倒れ背中に激突した。
(全身9
ヵ所の骨折)
集材車(積載荷重 10t)で
伐木を運搬中、斜度約 43 度
の作業道から集材車とともに
約 15m 転落し、車外に投げ
出された。
労働災害の多くは、基本事項が遵守されていなかったり、ちょっとした不注意により発生して
います。林業は重篤な労働災害が発生しやすい就労環境のため、作業を行うときは常に安全に配
慮することが必要です。
【雇用主の皆さまへ】
もしも労働災害が発生したら…
◆所轄労働基準監督署への「労働者死傷病報告」の提出が義務付けられています。
◆最寄りの県広域本部又は地域振興局の林務課に情報提供をお願いします。
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林業の労働災害は、他産業と比べて発生率が極めて高い状況にあります。
・死亡災害発生率:全産業の 43.1 倍(建設業の 10.5 倍) *H22 死亡年十万人率
・死傷災害発生率:全産業の 13.6 倍(建設業の 5.8 倍) *H22 死傷年千人率
特に伐木作業・1人作業・重機作業で「重篤度の高い労働災害」が多く発生!
◆伐木作業:従来から対策が行われているにもかかわらず、伐木作業で繰り返し重篤な災害が
発生している。
⇒基本ルールを遵守して、類似災害を防止する。
◆1人作業:1人での作業はミスやエラーを誘発しやすく、災害発生時の対応も難しい。
⇒2人以上で作業に入る。ただし、近接作業はしないこと。
◆機械作業:作業環境の悪い現場での重機作業は、作業計画や点検等の不備が重篤な災害に直
結する。
⇒車両系林業機械の特別教育の受講や、機械作業計画所の作成、日常点検等をしっかり
行う。
(安衛法により義務化)
「蜂」や「マダニ」に注意
夏場の作業は蜂刺されやマダニが媒介する感染症に注意が必要です。アシナガバチは 7~8 月、
スズメバチは 7~10 月、マダニは春から秋にかけて活動が活発化するため、安全対策を整えま
しょう。
【蜂に刺されないためには】
・白色系の作業着と蜂防護手袋、防蜂網を着用する
・整髪料や香水の使用は控える
・巣に近づいたり、刺激したりしない
・蜂が近づいてきたら、姿勢を低くして静かに後退する
【もしも刺されたら】
刺された現場から離れ、
毒吸引器で毒を吸い出す
患部をきれいな水で冷やし、
抗ヒスタミン軟膏を塗る
発疹、咳、めまいなどの症状が
出たら、すぐに医療機関へ
蜂さされの恐れのある場所で作業させる場合は、あらかじめ作業者にアレルギー検査(又は診察)
を受けさせ、重篤なアレルギー反応を起こす可能性のある者には、アドレナリン自己注射器を携
帯させる必要があります。
(災防規程より)
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【マダニに咬まれないためには】
・肌の露出を避け、衣服はそで締まり、すそ締まりの良いものを着用する
・DEET を含む防虫スプレーを使用する
・帰宅後、すぐに入浴して服を着替える
【もしも咬まれたら】
・基本的には自分で取ったりせず、皮膚科医師により取り除いてもらう
・数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が現れた場合は医療機関へ
熱中症予防のために
熱中症は気温などの環境条件だけでなく、体調や暑さに対する慣れなどが影響して起こります。
気温がそれほど高くない日でも、湿度が高い・風が弱い日や、体が熱さに慣れていないときは特
に注意が必要です。
【熱中症の症状と応急措置】
症状
応急
措置
重症度Ⅰ
めまい・顔のほてり
筋肉のこむら返り
大量に汗が出る
重症度Ⅱ
体の倦怠感
吐き気・嘔吐
頭痛
涼しい場所へ移動する
水分・塩分の補給
涼しい場所へ移動する
水分・塩分の補給
足を高く上げて寝かせる
重症度Ⅲ
体温が高い
意識がない・返答がおかしい
まっすぐ歩けない
自分で水分補給ができない
すぐに救急隊を要請する
水や氷等で体を冷やす
【予防するには】
・十分な睡眠をとり、体調を整える
・日よけ布の使用等で直射日光を避ける
・こまめに水分を摂取するとともに、汗をたくさんかいたら塩分補給をする
・日陰を利用して適度に休息をとる
熊本県農林水産部森林局林業振興課 林業担い手・特産振興班
TEL:096-333-2444 FAX:096-381-8710