「林業労働災害ゼロ」を目指して ~あなどるな慣れと過信に潜むワナ~ (平成27年度 林材業労働安全標語) 後期林業労働災害防止キャンペーン(10月1日~11月30日) 平成 27 年上半期 熊本県の林業労働災害の概要 ●林業の労働災害発生状況≪6 月末累計≫(熊本労働局 H27.7.8 発表) H27 年 死傷者数 うち死亡 31 0 H26 年 死傷者数 うち死亡 22 0 H25 年 死傷者数 うち死亡 20 1 ●H27 年 災害発生事例(林業振興課まとめ) 50 代 男性 ヒノキ林分で間伐作業中、伐倒木 (H:20m DBH:24cm)がかかり木に なり、その処理のため斜面下方でつるを 外したところ、伐倒木が被災者の方に落 ちて激突した。左脚腓骨骨折により全治 2 カ月。 40 代 男性 スギ(H:25m DBH:50cm)を伐倒 した際、雑木(H:5m DBH:20cm)に のしかかるように倒れ、雑木が弓なりに なった。スギの枝払いの妨げとなったた め、雑木の根元を伐ったところ雑木が跳 ね、チェーンソーが押されて左膝上にあ たり、長さ 20 ㎝、深さ 5cm 程を切創。 今年 6 月末時点では、死亡災害は発生していませんが、休業 4 日以上の死傷災害は昨年や一 昨年の同時期と比べて 10 件前後増えています。死亡災害につながりかねない状況で発生してい る災害もありますので、作業の基本を守って安全な作業を心がけてください!! 【事業主の皆さまへ】 もしも労働災害が発生したら… ◆所轄労働基準監督署への「労働者死傷病報告」の提出が義務付けられています。 ◆最寄りの県広域本部又は地域振興局の林務課に情報提供をお願いします。 林業労働災害の特徴 林業における災害の発生率は他業種に比べて極めて高い状況です ・死亡災害発生率(H22 死亡年十万人率) :全産業の 43.1 倍 建設業の 10.5 倍 ・死傷災害発生率(H22 死傷年千人率) :全産業の 13.6 倍 建設業の 5.8 倍 特に伐木作業・1 人作業・重機作業で「重篤度の高い労働災害」が多く発生! ◆伐木作業:従来から危険とわかっていて対策が行われているにもかかわらず、伐木作業で繰 り返し重篤な災害が発生 基本ルールを遵守して、同種・類似災害を防止しましょう ◆1 人作業:1人での作業はミスやエラーを誘発しやすく、災害発生時の対応も難しい 2人以上で作業に入りましょう(ただし近接作業は×) ◆機械作業:作業環境の悪い現場での重機作業では、作業計画や点検等の不備が重篤な災害に 直結する 車両系林業機械の特別教育受講や機械作業計画書の作成、日常点検等をしっかり行 いましょう(H26 年度の法改正によって義務化されています) 1人ひとりが主役になって安全作業を実行することが「安全確保の第一歩」! かかり木の処理は安全な方法で! かかり木処理は、労働災害につながりやすい危険な作業の一つです。かかり木にならないよう に注意するとともに、かかり木になってしまった場合は安全な方法で処理を行ってください。 ●かかり木の予防 ◇伐倒方向の選定は慎重に つるがらみ・枝がらみの状態、枝張り・ 重心・樹冠の状態を見極めて伐倒方向 を決めること ◇受け口・追い口を正しく作り、つるが きちんと機能するように伐倒する ●かかり木の処理方法 高さは受け口の 高さの 2/3 程度 角度は 30~45 度 深 さ は 伐根 直 径 の 1/4 以上 倒すときは クサビを使う 会合線を一致 させる ◇処理は速やかに行う すぐに処理できない場合は、ロープ等を 張ってそばに人が立ち入らないようにする 基本は幅が平行に なるように ◇処理の方法 小径木(胸高直径20㎝未満) は棒や木回し等で外す。 元口を回すときは自分のほう に回さないこと。 中大径木は、牽引具とワイヤーロープを使って外したり、 トラクタや林内作業者の利用等、離れた場所からの作業を 心がける。 禁止行為!! ◆かかられている木の伐倒 ◆かかっている木の元玉切り ◆かかっている木の肩担ぎ ◆他の立木のあびせ倒し ◆かかっている木の枝切り ◆かかっている木の元玉切り 近年、熊本県でも 禁止行為による 死亡災害が発生 しています!! 安全は服装から 林業作業では、万が一エラーが起こった際に被害を最 小限にとどめるためにも、服装や保護具を正しく着用す ることが重要になります。 ◆保護帽・保護網・保護眼鏡等 物の飛来・落下または墜落の恐れがある作業では、保 護帽(ヘルメット)を常時着用する。また、チェーン ソーや刈払機を使用するときは、保護網や保護眼鏡を つける。 ◆チェーンソー作業用防護衣 チェーンソーを使うときは、チェーンソー作業用防護 衣(防護ズボン(チャップス)、防護防振手袋、防護靴 等)を着用する。 熊本県農林水産部森林局林業振興課 林業担い手育成班 (TEL:096-333-2444 FAX:096-381-8710) (耳栓)
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