墨田区保健所 保健予防課 感染症係 電話 03-5608-6191(直通) FAX03-5608-6507 平成 28 年 6 月号 ● 感染症・予防接種のおしらせ ■ 都内で流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、感染性胃腸炎の報告が増えています。 ■ 流行性角結膜炎について 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)について 流行性耳下腺炎とは、耳下腺などの唾液腺が急に腫れることを特徴とする感染症で、 一般には「おたふくかぜ」として知られています。3∼6 歳の小児に多い感染症ですが、 他の年齢や成人でも感染します。春から夏にかけて多く発生しており、今後注意が必 要です。墨田区内でも、保育園や学校から報告がありました。 1 原因と感染経路 病原体はムンプスウイルスです。感染経路には、患者の咳やくしゃみに含まれるウ イルスを吸い込むことによる感染(飛まつ感染)と、ウイルスが付着した手で口や鼻 に触れることによる感染(接触感染)があります。 2 症状 潜伏期間は 2∼3 週間程度で、突然の発熱、両側、あるいは片側の耳の下(耳下腺) の腫れと痛みが起こります。2∼3 日で腫れがピークとなり、顎の下にも広がることが あります。通常 1 ∼2 週間で軽快します。まれに無菌性髄膜炎、 難聴、 精巣炎など の合併症を起こすことがあり、成人が感染すると症状が重くなる傾向があります。 また、感染しても症状が現れない不顕性感染が 30%程度あるとされています。 3 治療 特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。 4 予防のポイント ワクチンにより感染を予防することがあります。現在、任意予防接種として 1 歳以 上で接種することができます。2 回接種するとより高い予防効果が得られます。 5 学校保健安全法の登校の基準 耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後 5 日を経過し、かつ全身状態が良 好になるまで出席停止となっています。 流行性角結膜炎について 流行性角結膜炎はアデノウイルスによる眼の感染症です。このウイルスはとても感染力 がつよく、昔から俗に「はやり目」と呼ばれています。発症はどの季節でも起こりますが、 夏に多い傾向があります。また、年齢による発症の差はあまりなく、どの年齢でも起こり ます。 1 原因と感染経路 原因は主にアデノウイルス 8、19、37 型です。ウイルスが付着した手で眼に触れるこ と、ウイルスで汚染されたタオルや洗面器などに触れること、消毒が適切にされていない プールの水などで感染します。人が濃密に接触する機会の多い家庭内や学校、職場で流行 的発症がみられます。 2 症状 潜伏期間は1∼2週間程度で、結膜の充血、まぶたの浮腫、めやに、涙、眼痛などを呈 します。片眼性であることが多いのですが両眼性の場合もあります。また、耳の前のリン パ節の腫れ、圧痛を伴うこともあります。 3 治療 有効な薬剤はありませんが、対症療法的に、抗炎症剤の点眼と、細菌の混合感染に対す る予防と治療のために抗生剤の点眼を行うことがあります。約 2 週間は症状が持続します が、その後自然に改善していきます。 4 予防のポイント 有効なワクチンはありません。 アデノウイルスはとても感染力がつよいので、感染を広げないために次の点に注意しま しょう。 眼をさわったらすぐに石鹸と流水で手洗いをしましょう。 家族内で、タオル、枕、その他眼やにや涙で汚れそうな物の共用は避けるようにし ましょう。 5 学校保健安全法の登校の基準 眼の症状が軽減してからも感染力の残る場合があり、医師において感染の恐れがないと 認められるまで出席停止となります。なお、このウイルスは便中に1か月程度排泄される こともまれではないので、登校(園)を再開しても、手洗いを励行しましょう。 本お知らせは、東京都感染症情報センター(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/)の情報及び東 京都健康安全研究センターが集計を行った 「東京都感染症発生動向調査週報」 (http://survey.tokyo-eiken.go.jp/epidinfo/)を基に作成しています。 2
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