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ノバルティス ファーマ株式会社
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東京都港区虎ノ門1丁目23番1号
虎ノ門ヒルズ森タワー
http://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2016年6月2日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2016年5月21日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳
(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。
英語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。
ノバルティスのLCZ696、製造承認後1年以内に米国と欧州の
両心不全ガイドラインでClassⅠ推奨を得る
•
米国のガイドラインは、ACE 阻害薬または ARB に代わり、LCZ696 を HFrEF の
標準治療として推奨し、軽度から中等度の症状がある患者さんには、LCZ696 への
切り替えを呼びかけている 1
•
欧州心臓病学会(ESC)による改訂版ガイドラインは、PARADIGM-HF 試験で検
討した集団と同様の患者さんについては ACE 阻害薬または ARB を LCZ696 に変
更するよう推奨 2
•
両ガイドラインでは、LCZ696 が患者さんの心血管死または心不全による入院のリ
スクを有意に減少させるというベネフィットを強調
2016年5月21日、スイス・バーゼル発 –米国では米国心臓病学会(ACC)、米国心臓病
協会(AHA)、および米国心不全学会(HFSA)が、欧州では欧州心臓病学会(ESC)が
同時に発表した改訂版臨床診療ガイドラインで、LCZ696が最も強力な推奨を意味する
Class Iの推奨を得ました。
今回の改訂により米国では、ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
に替わり、LCZ696がβ遮断薬およびアルドステロン拮抗薬と併用で左室駆出率の低下した
心不全(HFrEF)の標準治療とされました。また、本ガイドラインによると、軽度から中
等度の症状があるHFrEF患者さんでは、ACE阻害薬またはARBからLCZ696への切り替え
を呼びかけています。
ノバルティス ファーマのグローバル開発部門責任者兼チーフメディカルオフィサーであ
るヴァサント・ナラシンハン(Vas Narasimhan)は次のように述べています。「米国の心
臓病関連学会の強力、迅速かつ広範囲な推奨により、HFrEF患者さんへの標準治療の見直
しが迫られています。心不全患者さんは、生活の質(QOL)が低下し、入院または死亡の
リスクが高い状態にあることが知られており、今回の改訂版ガイドラインは、患者さんが
最も効果的な治療を受けられるよう強く呼びかけるものです」
欧州では、ESC心不全ガイドラインで、PARADIGM-HF試験の組み入れ基準を満たす
HFrEF患者さんに対してACE阻害薬またはARBからLCZ696に切り替えるよう推奨してい
ます。米国、欧州の両ガイドライン委員会は、今回、これまでに実施された中で最大規模
の心不全試験であるPARADIGM-HFのエビデンスを元に検討しました。本試験では、
HFrEF患者さんにおいて心血管死および心不全による入院がLCZ696により有意に減少し
たことが示されています3。
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心不全とは、生命を脅かす消耗性の病態で、世界で6千万人以上が罹患し4、65歳以上の入
院の主な原因となっています5,6。心不全患者さんの約半数がHFrEF患者です7。左室駆出率
の低下とは、心臓が十分な力で収縮できないために送り出す血液が減少することを意味し
ています8。心不全は、医療経済学的に大きなかつ増加している負担となっており、世界経
済に対する現在のコストは毎年1,080億ドルにのぼっています5,9。
なお、このたびノバルティスは、心不全疾患領域で過去最大となるグローバル臨床プログ
ラム「FortiHFy」について発表しました。「FortiHFy」は、40以上の実施中または計画中
の臨床試験で構成されており、LCZ696による症状軽減、有効性、QOL改善、実臨床に基
づくエビデンスについての数々の更なるデータを創出し、心不全についての理解を深めら
れるようデザインされています。
LCZ696について
LCZ696は1日2回投与する薬剤で、機能不全に陥った心臓の負荷を軽減します。LCZ696
は、心臓に対する防御的な神経ホルモン機構(NPシステム、ナトリウム利尿ペプチドシス
テム)を促進すると同時に、過剰に活性化したレニン・アンジオテンシン・アルドステロ
ン系(RAAS)による有害な影響を抑制することで作用します10。他の心不全治療薬は、過
剰に活性化したRAASによる有害な影響を抑制するにとどまります11。LCZ696は、新規化
合物であるネプリライシン阻害薬サクビトリル、およびアンジオテンシン受容体拮抗薬
(ARB)であるバルサルタンを含有しています10。
欧州では、LCZ696は、左室駆出率が低下した症候性慢性心不全の成人患者さんを適応と
しています。米国では、LCZ696は、収縮不全を伴う心不全(NYHAクラスII~IV)の患
者さんの治療を適応としています。LCZ696は、エナラプリルと比較して心血管死と心不
全による入院リスクを減少させ、全死亡リスクを低下させることも示されています。
LCZ696は通常、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはARBに替えて、他の心
不全治療薬と併用投与します。
なお、現在日本では日本人の慢性心不全患者さんを対象としたLCZ696の第III相臨床試験
を実施中です。
PARADIGM-HFについて
PARADIGM-HF試験は、8,442人のHFrEF患者さんを対象に、LCZ696の有効性および安
全性をエナラプリル(広く臨床的な検討が行われているACE阻害薬)と比較検討した無作
為化、二重盲検、第III相試験です。組み入れられた患者さんは、NYHA心機能分類クラス
II-IVの典型的なHFrEF患者さんでした。PARADIGM-HF試験は、LCZ696がエナラプリル
と比較して心血管死を15%以上抑制できるかを検討するようデザインされました。最適な
治療が行われている患者さんに、LCZ696またはエナラプリルが追加投与されました。主
要評価項目は、心血管死および心不全による入院からなる複合エンドポイントの初回発現
までの時間で、これまでに実施された心不全の試験では最大規模の試験です。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その
内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに
より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、
ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
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ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼
科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅
広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2015年の売上高は494
億米ドル、研究開発費は89億米ドル(減損・償却費用を除くと87億米ドル)でした。スイ
ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約118,000人の社員を擁しており、世界180
カ国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.novartis.com
参考文献
1.
2.
https://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=2524644
2016 ESC Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure. European Heart
Journal. doi:10.1093/eurheartj/ehw128
3. McMurray JJV et al. Angiotensin-Neprilysin Inhibition versus Enalapril in Heart Failure, N Engl J Med
2014.
4. Global Burden of Disease Study 2013 Collaborators. Global, regional, and national incidence, prevalence,
and years lived with disability for 301 acute and chronic diseases and injuries in 188 countries, 1990–2013:
a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013, Lancet 2015.
5. Mozaffarian D, Benjamin EJ, Go AS, et al. Heart Disease and Stroke Statistics—2016 Update: A report
from the American Heart Association. Circulation. 2015; 132:000-000. doi:
10.1161/CIR.0000000000000350.
6. Wier LM, Pfuntner A, Maeda J, et al. HCUP facts and figures: statistics on hospital-based care in the United
States, 2009. Rockville, MD: Agency for Healthcare Research and Quality, 2011.
7. Owan TE, Hodge DO, Herges RM, et al. Trends in prevalence and outcome of heart failure with preserved
ejection fraction. N Engl J Med. 2006;355:251–259.
8. Ejection Fraction Heart Failure Measurement. American Heart Association
Website.http://www.heart.org/HEARTORG/Conditions/HeartFailure/SymptomsDiagnosisofHeartFailure/Ej
ection-Fraction-Heart-Failure-Measurement_UCM_306339_Article.jsp. Published March 24, 2015.
Accessed March 10, 2016.
9. Heidenreich PA, Albert NM, Allen LA, et al. Forecasting the impact of heart failure in the United States: a
policy statement from the American Heart Association. Circ Heart Fail. 2013;6:606-619.
10. LCZ696 Prescribing Information.
11. Yancy CW, Jessup M, Bozkurt B, et al. 2013 ACCF/AHA guideline for the management of heart failure: A
report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association task force on
practice guidelines. Circulation. 2013;128:e240-e327.
以上
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