大津市中小企業振興計画 概要版

大津市中小企業振興計画 概要版
平成28年4月
大
津
市
1
.はじめに
目的
◯本市の産業振興や中小企業振興に関する方針やその内容を検討し、地域経済における
中小企業が果たす役割を鑑み、特に市内の中小企業振興に焦点を絞った計画の策定に
着手し、中小企業振興の目標・基本方針と戦略・重点施策を「大津市中小企業振興計
画」として取りまとめます。
◯本計画は、将来にわたって本市の持続可能な発展を実現するために大津市の中小企業
の振興を図るものであり、この計画の実行に併せて運営する「中小企業振興に関する
円卓会議」において支援体制のあり方などについても検討を進めるものです。
◯なお、本計画で策定する中小企業振興や中小企業者に対する支援は、小規模事業者も
その対象とすることとし、事業者の規模や実情に応じて必要な取り組みや支援等に取
り組むものです。
計画期間
◯10 年後の大津市のあるべき姿を将来像として掲げ、この将来像を実現するために平成
28 年4月から5ヵ年の間に取り組むべき内容をまとめたものです。
2
.中小企業振興の課題
外的要因
【機会】
【脅威】
全国的に中小企業振興に係る 将来的な成長機会が乏しくな
政策が強化されている
る恐れがある
【強み】
恵まれた交通環境を
活かした外需型製造
業と、増加する市民
を対象とした多様な
商業・サービス業が
集積している
内
的
要 【弱み】
因
大都市圏に近く、資
源も豊富にあるた
め、危機感が薄い
Ⅰ【強み×機会】
強みと機会を組み合わせた
課題解決
Ⅱ【強み×脅威】
強みと脅威を組み合わせた
課題解決
経営環境の変化にも
対応できるたくましい
経営者が育つ環境づくり
多様な産業立地を強化する
新たな事業者の創業や
転入の促進
【全体】総合的な課題解決
中小企業振興による
持続可能な地域社会づくり
Ⅲ【弱み×機会】
弱みと機会を組み合わせた
課題解決
Ⅳ【弱み×脅威】
弱みと脅威を組み合わせた
課題解決
特色を活かした
成功モデルの創出
&成功体験の共有
国や県の制度を活用し、
支援機関とも連携した
きめ細かな支援
3
.将来像と基本理念
将来像
中小企業が築く産業創造都市
おおつ
~魅力と活力を創造・伝承し、
次の時代を担う人材が活躍するまち~
◯本市の中小企業を取り巻く社会経済環境は依然として停滞状態が続いており、こうし
た状況から脱却し、魅力と活力ある地域づくりを目指すためには従来の経営環境の整
備を中心とした施策・事業だけでなく、これまでの発想や概念にとらわれない施策に
柔軟な姿勢で取組むことが求められています。
○本市はこれまで琵琶湖の豊かな水と緑といった自然と、水運による農業や工業の発展
といった恵みを享受してきました。また、琵琶湖と比良比叡の山並み、歴史と伝統あ
るまち並みが織り成す景観や歴史文化の中で育ち、琵琶湖を身近に感じながら触れ合
ってきました。また、本市では先人が培ってきた様々な技術や知恵、ネットワーク、
地域を愛する風土等の貴重な地域資源が継承され、地域に根付く事業者がそうした資
源等を活用しながら、時代の変化に対応し、地域の経済を支え、大津の発展に力を尽
くしてきました。これからも地域を支える事業者がこれらの優れた地域資源を積極的
に活用することは大変重要です。
○地域に多様な産業が集積している特性を今後さらに伸ばすことは、魅力と活力あふれ
る地域づくりを進めるためには不可欠です。本市の産業の多様性という特性を活かし
ながら、様々な分野間のマッチングやコーディネート等、これまでにない新たな視点
で市内の中小企業への支援に取組み、経営者のリーダーシップ能力の向上や経営者間
の交流を促進することにより、新たなサービスや産業を生み出し、地域の持続的な発
展を目指すことが重要です。
○他市と比較しても恵まれた企業立地環境にある本市において集積する中小企業は、こ
れまでも地域コミュニティの形成や防犯・防災などの面で地域に根ざした活動に取り
組まれており、こうした意味ではまちづくりの重要な主体であるといえます。地域の
中小企業は地域経済の担い手に留まらず、地域社会全体を支える担い手として成長す
ることへの期待が高まっております。
基本理念
○地域を支える人材を育む「ひとづくり」と経営者が活躍できる環境を整える「まちづ
くり」に取り組みます。
○全ての市民がより一層いきいきと働き、暮らし、活動することができる快適で魅力あ
る生活空間を形成し、本市がさらに成長するために必要な活力を創造します。
4
.基本方針と施策
【基本方針1】
自ら考え行動する「経営者」の育成と支援
◯自社の経営状況や事業環境を常に把握し、経営目標を常に意識するとともに、それら
の実現に向けて行動に移し、地域の発展に貢献されるような人材が本市から輩出され
るように積極的に施策を推進します。
①多様な経営者の意識変
化を促す教育と交流の
場の提供
②経営者の意識変化から
行動喚起へのシフト
③自ら考え行動する中小
企業者の苗床づくり
【基本方針2】 小さくても魅力ある事業者が活躍できる環境整備
◯小さくても魅力ある事業者の「ひとづくり」を応援する環境整備を進めます。
①農業や福祉、商店
街など、地域の担
い手となる多様
な分野の中小企
業者の連携・支援
②中小企業を
支える従業
員の育成支
援
③中小企業の
技術・ノウ
ハウの円滑
な事業承継
の支援
④適切な資金
援助が得ら
れる制度整
備
⑤中小企業者
に対する雇
用面での支
援
【基本方針3】 中小企業の創業・転入につながる施策・事業の展開
◯本市が中小企業を中心として地域経済社会の活性化を目指すため、産業の多様性や恵
まれた立地環境等の強みを出来る限り生かし、新たな事業者の創業や転入を促進する
ことで、大津市ならではの産業立地を実現し、地域産業の基盤強化を図ります。
①大津に強みのある業種
の集積促進
②大津ならではの起業家
の発掘と育成
③空き店舗(オフィス)を
活用した創業・転入環境
の整備
【基本方針4】
中小企業の競争力を高める戦略的施策の推進
◯市内の優良企業を発掘し、国内外で活躍できる中小企業の成長支援を実施します。
①新たな販路を開拓し、国
内や海外でも幅広く通
用する新規事業を創出
するための大学・研究機
関との連携
②競争力のある研究開発
や販路開拓の促進
③海外等の展示会出展・商
談会開催による新規顧
客の開拓
【基本方針5】地域経済活性化と都市格向上のための中小企業振興施策の推進
◯経済のグローバル化が進展する中、地域経済の振興に取り組むためには、他自治体や
関係機関との協働・連携が不可欠です。また、一方で、地域の特性を生かしながら、
本市の独自性を生み出すための差別化を図り、まちの魅力や都市格の向上に努めま
す。
①大津市内産業のブラン
②大津の魅力を市内外へ
ド化
伝える情報発信の強化
5
.重点プロジェクト
◯「新たな価値を創造する人材を輩出する取り組み」
「大津の地域資源と特性を活かした
取り組み」
「発信力のある取り組み」
「費用対効果の高い取り組み」
「時代の要請に合っ
た取り組み」の5つの視点から重点プロジェクトを選定します。
重
点
プロジェクト1
学びと交流を
促す「経営塾」
の開設・強化
重
点
プロジェクト3
地域課題解決
につながるコ
ミュニティビ
ジネスの育成
重
点
プロジェクト5
クリエイティ
ブ産業や研究
開発型企業の
集積促進
重
点
プロジェクト7
市内在住の企
業OB・OG
や学識経験者
等とのネット
ワーク構築
重
点
プロジェクト9
大津市内産業
ブランド化の
ための戦略策
定
重
点
プロジェクト2
自社の信用力
を高める取組
支援
重
点
プロジェクト4
後継者不足の
解決を目指し
た「後継ぎ育
成塾」の開講
重
点
プロジェクト6
女性・若者の起
業家発掘及び
ライフスタイ
ルを活かした
ビジネス育成
重
点
プロジェクト8
国内外の展示
会出展及びフ
ォローアップ
に係る一連の
支援
重
点
プロジェクト 10
トップセール
スによる大津
ブランド商
品・サービス
のPR
6
.推進体制
大津市中小企業振興に関する
円卓会議の設置及び運営
◯「大津市中小企業振興に関する円卓会
議」を設立し、産業創造の方向性や本市
の中小企業の支援施策、地域活性化のた
めに取り組むべき施策等を検討します。
計画の見直しと検証
◯計画の内容や取り組み状況については、
毎年円卓会議で検討・検証し、事業の具
体化や重点化についても見直します。
円卓会議
(関係機関・団体が参加/立上時は市が事務局)
地域ビジネス支援センターの設置
◯地域ビジネス支援室の機能拡充を目指
し、専門的な支援組織である「(仮称)
大津市地域ビジネス支援センター」設立
について、設置の要否や設置主体、必要
な機能・役割等について、
「大津市中小企
業振興に関する円卓会議」において検討
します。
経
済
団
体
産
業
支
援
機
関
大
学
・
研
究
機
関
金
融
機
関
大
津
市
支
援
セ
ン
タ
ー
国
・
県
機
関