週刊株式アウトルック - SMBC日興証券

2016 年 5 月 27 日号
週刊株式アウトルック
来週の見通しと投資ポイント
CONTENTS
1. 日本株式 .................................................................................. 1
2. 注目テーマ① EU 離脱是非を問う英国国民投票まで 1 ヵ月 .......... 2
3. 注目テーマ② OPEC 総会が来週開催 ........................................ 3
4. ドル円相場 ................................................................................ 4
5. 米国株式 .................................................................................. 4
6. 投資部門別売買動向 ................................................................. 5
7. 個人投資家の買付動向 .............................................................. 6
8. 週間個別銘柄騰落状況(東証 1 部) ............................................ 6
9. テクニカル分析 .......................................................................... 7
10. 来週・再来週の主なスケジュール ................................................. 8
投資情報部
2016 年 5 月 27 日(金)
週刊株式アウトルック
1.日本株式
横山 敦史
【日経平均の推移と来週の見通し】
20,000
(円)
(兆円)
<来週の予想レンジ:16,000~17,400円>
12
11
75日移動平均(左軸)
19,000
10
18,000
9
17,400円
8
17,000
7
6
16,000
日経平均(左軸)
16,000円
25日移動平均(左軸)
5
15,000
4
3
14,000
2
13,000
1
東証一部売買代金(右軸)
12,000
1/4
2016年
1/25
2/15
3/4
3/25
4/14
5/10
5/30
0
6/17(月/日)
注:予想はSMBC日興証券
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
重要スケジュールが目白押し

来週は通常国会が会期末を迎える中、OPEC(石油輸出国機構)総会、週末の米雇用統計の発表など重要
スケジュールが目白押しとなる。その結果次第では為替や原油相場の居所が変動する可能性があろう。

日本株については、決算発表に伴う下方修正リスクが一巡したことにより、大きく下振れする可能性は低いと
考えるが、薄商いの状態が続いており、急激な投資環境の変化には注意すべき局面と言えよう。
消費増税の結論が明らかになる可能性

6月1日に安倍首相が消費増税実施の是非について会見を行うと一部で報じられている。消費増税の有無
に加え、第二次補正予算の規模については4月以降の相場の材料でもあり、マーケットの注目度は高い。

弊社では消費増税は先送りされるとみており、それが表明されれば不透明感の払拭などから株価の押し上
げ要因になると考える。
原油相場の行方を探る

足元の株式相場が底堅い背景の1つとして堅調な原油相場が挙げられる。その原油価格の行方を考える上
では、6月2日のOPEC総会における関係者の発言と、それを受けた投機筋の動向に着目したい。

足元では偶発的な要因も含む需給バランスの改善を背景に、原油価格は上昇。ただ、原油増産凍結を巡る
主要産油国の議論は平行性を辿っており、関係者の発言次第ではいったん上値が重くなる場面もあろう。
1
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 5 月 27 日(金)
週刊株式アウトルック
EU離脱是非を問う英国国民投票まで1ヵ月
2.注目テーマ①
図表1. Brexitに関する世論調査の推移 (年初来)
母良田 剛

6月23日にEU離脱の是非を問う国民投票が英国
で実施される。各種の世論調査では、残留派と離
脱派が拮抗していたが、足元では残留派の優勢が
強まっている(図表1)。また、英国では頻繁に行わ
れるブックメーカー(賭け屋)の倍率も残留の可能
性が高いことを示唆している。

一方で、証 券会社 各社 による投資家 調査では、
“Brexit(英国のEU離脱)”が「足元で最も大きなリ
スク」に挙げられており、その割合は投票を控えて
高まりつつある。これは、Brexitは英国経済のみな
らず、ユーロ圏経済全体への信頼度の低下につな
がりかねないため。

したがって市場関係者は、離脱の可能性は低いだ
ろうと考えているものの、万が一に備えて見切り発
車的な投資行動はとっていないと推測される。晴れ
てEU残留となった場合には、1年近く軟調であった
ポンドやユーロ、英国株には反転のチャンスがあろ
う(図表2)。

欧州でビジネスを展開している主な日本企業には、
自動車、電気機器、精密機器関連など(図表3)。
当然のことながら、これらの企業の業績は円高・ユ
ーロ安の悪影響を受け、株価のパフォーマンスも冴
えないケースが多い。新年度の会社計画も総じて
保守的。しかし経験則では、こうした銘柄は新年度
の業績予想発表で悪材料出尽くしとなり、春先まで
弱含んだ株価は底打ちし、夏に向けて上昇に転じ
る傾向がある。

英国国民投票前の6月15~16日には日銀金融政策
決定会合が予定されていることにも留意が必要。
追加緩和が決まった場合には、この会合を機に円
安・ユーロ高に転じる可能性もあろう。

Brexitのリスクは考慮しつつも、出遅れ外需系銘柄
への逆張り投資のタイミングは近づきつつあるとい
えよう。
50
(%)
45
40
35
30
25
20
15
10
残留
5
離脱
未定
0
1/28
2/11
2/25
3/10
3/24
4/7
4/21
5/5 (月/日)
出所: Financial Times HPよりSMBC日興証券作成
図表2. ユーロ円の推移 (2年)
150
(円/ユーロ)
145
140
135
130
125
ユーロ円
移動平均 (25日)
移動平均 (75日)
120
14/2
14/5
14/8
14/11
15/2
15/5
15/8
15/11
16/2
16/5
(年/月)
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
図表3. ユーロ円と株価の相関が高い主な銘柄
コード
7261
7832
銘柄略称
マツダ
バンナムHD
第一三共
株価(円)
(5/26)
1,783.5
円/ユーロと
時価総額
欧州売上高
(億円)
相対株価の
比率(%)
(5/26)
相関係数
10,699
0.83
20.2
2,694.0
5,981
0.79
5.7
2,598.0
1,464.0
18,420
5,026
0.79
0.58
9.3
15.7
4568
6473
ジェイテクト
7951
ヤマハ
3,300.0
6,509
0.57
18.6
7272
ヤマハ 発
1,854.0
6,487
0.57
12.5
6752
パナソニック
ソニー
968.4
23,755
0.52
9.5
3,072.0
38,785
0.51
23.5
644.0
938.0
10,736
6,987
0.46
0.43
14.4
23.9
6758
6723
7752
ルネサス
リコー
4901
富士フイルム
4,406.0
22,674
0.27
11.6
7974
任天堂
15,870.0
22,483
0.27
28.1
7733
オリンパス
TDK
4,480.0
15,352
0.26
25.5
6762
6,170.0
7,996
0.24
13.5
7203
トヨタ
5,596.0
186,794
0.18
9.4
5333
ガイシ
2,360.0
7,730
0.13
24.5
注: TOPIXをユニバースに、(1)時価総額5,000億円以上、(2)相対株価
(対TOPIX)と円/ユーロの相関係数が0.1以上、(3)欧州売上高比率
が5%以上、の条件でスクリーニング。相関係数は2005年以降の日次
データを用いて計測。欧州売上高比率はデータの取得が可能な本
決算期。データは5月11日時点
出所:QUICK よりSMBC日興証券作成
2
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 5 月 27 日(金)
週刊株式アウトルック
3.注目テーマ②
OPEC総会が来週開催
図表1. 投機筋によるWTI先物ポジションの推移
500,000
(枚)
(ドル/バレル)
母良田 剛

6月2日にOPEC(石油輸出国機構)総会が開催さ
れる。

5月23日時点でのブルームバーグ調査によると、生
産目標の設定を予想しているのは市場関係者27
人中1人に過ぎず、増産凍結合意への期待は高ま
っていない。

一方で、市場関係者は今後も原油市場の堅調な
推移を予想する向きが多い。足元で証券会社各社
は2016~17年の原油価格の見通しを上方修正しつ
つある。高コスト地域での減産、あるいは一部産油
国での生産障害など、主に供給面の伸び悩みが
上方修正の理由。

投機筋による先物の持ち高は1年10ヵ月ぶりの高
水準にまで増加している(図表1)。テクニカル面で
は、一目均衡表(週足)の雲を上に抜けそうな気配
である(図表2)。

原油価格上昇の恩恵を受ける主な銘柄を図表3に
掲載する。

ただし、原油関連株に限らず、世界の株式市場全
体にポジティブな影響を与えることのほうが重要と
いえよう。

80~100ドル/バレルなどへ急激に上昇しない限り、
当面は「原油価格の上昇=リスクオン」との評価と
なり、米国株中心に原油価格上昇を好感しよう。

また、オイルマネーを資産運用の原資としている産
油国からの株式売り圧力が低下する。

原油価格が上昇せずとも50ドル前後で安定すれば、
株式市場にはプラス要因であろう。
120
110
450,000
100
400,000
90
80
350,000
70
300,000
買い残高 ― 売り残高
250,000
60
50
原油ポジション
40
WTI原油先物価格
200,000
30
150,000
20
13/5
13/11
14/5
14/11
15/5
15/11
(年/月)
出所:BloombergよりSMBC日興証券作成
図表2. WTI原油先物 一目均衡表(週足3年)
(ドル/バレル)
120
一目均衡表とは、時間・値幅などを組み合わせたテクニカル
手法で転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2、遅行
線は株価のトレンドを表したり、抵抗帯となりやすい。
先行スパン1と先行スパン2に挟まれた領域のことを“雲”と
いい、抵抗線や支持線となりやすい。
110
100
90
80
70
60
50
40
30
転換線(9週)
20
13/5
13/9
14/2
基準線(26週)
14/6
先行スパン1
14/11
15/4
先行スパン2
15/8
遅行スパン
16/1
16/5
16/10
(年/月)
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
図表3. 主な原油関連銘柄
コード
銘柄略称
株価(円)
5/26終値
今期会社予想の
原油価格前提
1605
国際帝石
1662
石油資源
2,396.0 原油CIF45ドル
852.8 原油ブレント45ドル
1963
日 揮
1,676.0
5012
東ゼネ石
1,035.0 原油ドバイ40ドル
5017
富士石油
384.0 原油ドバイ40ドル
5019
出光興産
2,293.0 原油ドバイ45ドル
5020
J X
-
430.0 原油ドバイ40ドル
6366
千代建
8031
三井物
1,293.0 原油JCC45ドル
793.0
-
8058
三菱商
1,902.5 原油ドバイ37ドル
注: CIF:運賃・保険料込価格、JCC:日本へ輸入される月間の加重平均
入着価格
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
3
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 5 月 27 日(金)
週刊株式アウトルック
4.ドル円相場
龍 翔太
【ドル円相場の推移と来週の見通し】
(円/ドル)
122
<来週の予想レンジ:108.50~111.50円>

この1週間は、良好な米経済指標や英EU
離脱懸念の後退等がドルを押し上げた一
方、G7サミット等を前に上値を追う展開と
はならなかった。

来週は重要な米経済指標の発表が相次ぐ
が、目先最大の注目は今夜のイエレン
FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演。
従来のハト派姿勢を弱める可能性があり、
その場合はドルの下支え要因となろう。

ただ、ドルの上値は引き続き一目均衡表の
「雲」に抑えられている状況。週末(6月3
日)に米国で雇用統計の発表を控えて
徐々に様子見姿勢が強まることが見込ま
れ、引き続き108.50~111.50円でのレンジ
推移と予想。
120
118
116
114
111.50円
112
110
108
108.50円
106
104
1/1
1/22
2016年
2/12
3/4
3/25
4/15
5/6
5/27
(月/日)
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
5.米国株式
河田 剛
【S&P50012ヵ月先予想PERの推移】

足元の米国株は強い経済指標に対して、
利上げ懸念からネガティブな反応をするの
ではなく、ポジティブに反応する地合いと
なっている。このため、株式市場は徐々に
次回の利上げを織り込みつつあると考えら
れる。

一方、S&P500の12ヵ月先予想PERは5月
25日終値時点で16.8倍となっており、リー
マンショック後の上限の17.4倍(2015年3月
2日)に接近しつつある。このため、バリエ
ーション面では割安感が薄れている。

イエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長
の講演(5月27日)、5月雇用統計(6月3日)
などの注目イベントを控えていることもあ
り、目先の株価は上値が重い動きとなろう。
(倍)
18
16
14
12
10
8
04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年)
注:予想はIBES集計
出所: DatastreamよりSMBC日興証券作成
4
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 5 月 27 日(金)
週刊株式アウトルック
6.投資部門別売買動向
石田 卓也
5月第3週の投資部門別売買動向(現物・先物)

海外投資家は813億円と先物を中心に3週ぶりの買い越し。

個人は▲1,689億円と2週連続の売り越し。

信託銀行は▲51億円と3週ぶりの売り越し。現物では買いが入っているが、先物で売っている。

事業法人は1,297億円と4週連続の買い越し。自社株買いが活発になってきている様子。
【日経平均株価と主な投資部門別売買動向(現物・先物合計)の推移】
30,000
(円)
(億円)
25,000
事業法人(左軸)
20,000
信託銀行(左軸)
21,000
海外投資家(左軸)
日経平均株価(右軸)
15,000
22,000
20,000
個人(左軸)
19,000
10,000
18,000
5,000
0
17,000
▲ 5,000
16,000
▲ 10,000
15,000
▲ 15,000
14,000
▲ 20,000
11/21
2015年
12/26
1/30
2016年
3/5
4/9
5/14 (月/日)
注: 売買動向は2015年11月第3週から2016年5月第3週まで、株価は2016年5月26日までのデータ。現物は二市場一・二部等。先物は日経225、
225mini、TOPIX先物、ミニTOPIX、JPX日経400の合計
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
5
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2016 年 5 月 27 日(金)
週刊株式アウトルック
7.個人投資家の買付動向
菊池 祐一
【買付代金上位10銘柄(5/20~5/26、銘柄コード順)】
コード
銘柄名
市場
業種
5/26終値
(円)
5/19終値
(円)
騰落率
(%)

先行き不透明感からブル型、ベア型の日
経平均連動ETFがともにランクイン。
1357
日経ダブ
東証
ETF
3,005.0
2,957.0
-1.6
1570
日経レバ
東証
ETF
11,190.0
11,360.0
1.5

薬品株の個別物色は継続中。
4528
小野薬
東証1部
医薬品
5,152.0
4,861.0
-5.6

1ドル=110円台を回復したことから、輸出
関連株も物色された。
4565
そーせい
マザーズ
医薬品
19,200.0
19,960.0
4.0

マザーズ
医薬品
4,355.0
4,790.0
10.0
5/24に 熊 本 地 震 の 影 響 で未 公 表 だ った
17/3期業績予想を発表したソニー(6758)
は、営業利益が前期比2%増と、増益確保
を好感され買いを集めた模様。

農業ベンチャーと新会社設立、アリババへ
の米SEC調査報道等で乱高下激しいソフト
バンクG(9984)も注目された。
4589 アキュセラ
6758
ソニー
東証1部
電気機器
2,882.5
3,072.0
6.6
6981
村田製
東証1部
電気機器
12,470.0
11,900.0
-4.6
7203
トヨタ
東証1部
輸送用機器
5,494.0
5,596.0
1.9
8316
三井住友
東証1部
銀行業
3,449.0
3,453.0
0.1
9984
ソフトバンクG
東証1部 情報・通信業
5,993.0
5,975.0
-0.3
注: 弊社のリテール部門での国内上場銘柄の買付手口を集計。ただし、取引所外
取引およびブロックトレードのみデータから除外して集計
出所:SMBC日興証券作成
8.週間個別銘柄騰落状況(東証1部)
髙山 裕介
【値上がり率上位10銘柄(5/20~5/26)】
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
コード
銘柄名
8518
2395
7312
3655
4514
6958
6274
7744
7818
2296
アジア投資
新日科学
タカタ
ブレインP
あすか薬
日本CMK
新 川
ノーリツ鋼機
トランザクショ
伊藤米久
業種
証券商品先物
サービス
輸送用機器
情報・通信
医薬品
電気機器
機械
精密機器
その他製品
食料品
5/ 19 終値
(円)
257.0
559.0
349.0
859.0
1,646.0
389.0
440.0
672.0
720.0
847.0
5/26 終値
値上がり率
(%)
(円)
359.0
39.7
768.0
37.4
458.0
31.2
1,061.0
23.5
1,992.0
21.0
468.0
20.3
529.0
20.2
807.0
20.1
860.0
19.4
992.0
17.1
【値下がり率上位10銘柄(5/20~5/26)】
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
コード
銘柄名
6298
3076
4779
4346
7780
6788
7248
4971
7600
6641
ワイエイシイ
あいHD
ソフトブレーン
ネクシィーズG
メニコン
日本トリム
カルソカンセ
メック
日本MDM
日新電
業種
機械
卸売
情報・通信
サービス
精密機器
電気機器
輸送用機器
化学
卸売
電気機器
5/ 19 終値
(円)
1,215.0
3,105.0
245.0
2,183.0
3,610.0
7,470.0
884.0
880.0
846.0
1,461.0
5/26 終値
値下がり率
(%)
(円)
971.0
-20.1
2,510.0
-19.2
208.0
-15.1
1,865.0
-14.6
3,150.0
-12.7
6,540.0
-12.4
788.0
-10.9
785.0
-10.8
758.0
-10.4
1,316.0
-9.9
注: 対象は東証1部銘柄
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
6
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

日経平均は5/20~26の間、0.8%上昇。

アジア投資(8518):
出資先企業がAI専用チップを開発すると
の報道を好感。

ノーリツ鋼機(7744):
今期の黒字転換計画に加え、子会社が心
臓再生医療で治験を開始したことを好感。

伊藤米久(2296):
信用売り残が多く、買い戻し増加の思惑。

日本トリム(6788):
決算発表後の急騰の反動で利益確定の
売り圧力。

カルソニックカンセイ(7248):
日産が保有する同社株を全て売却すると
報道されたことを嫌気。
2016 年 5 月 27 日(金)
週刊株式アウトルック
9.テクニカル分析
石田 卓也
【ドル円一目均衡表(日足)】
【東証1部価格帯別売買動向】

ドル円相場は三角持ち合いが収斂に向かってお
り、一目均衡表の雲が薄い6月初めにかけ動きが
出やすいタイミングとなろう。

ドル円相場との相関が高い日本株市場も動意付く
可能性があろう。
(円)
125

(円)
需給をみると、日経平均17,000円の手前では売
買代金が積み上がっており、フシ目を抜けるに
は商いを伴った上昇が必要であろう。
(兆円)
0
20
40
60
80
21,000
一目均衡表とは、時間・値幅などを組み合わせたテクニカ
ル手法で転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2、
価格帯別累積東証一部売
買代金(左・上軸)
20,000
遅行線は株価のトレンドを表したり、抵抗帯となりやすい。
先行スパン1と先行スパン2に挟まれた領域のことを“雲”
といい、抵抗線や支持線となりやすい。
120
19,000
115
18,000
17,000
110
16,000
日経平均株価
(左・下軸)
※売買代金は日経平均終値500円
ごとに合計
105
転換線(9日)
基準線(26日)
先行スパン2
遅行スパン
15,000
先行スパン1
14,000
100
1/1
2016年
1/29
2/26
3/25
4/22
5/20
15/8
6/17
(月/日)
15/9 15/10 15/11 15/12 16/1
16/2 16/3
16/4 16/5
(年/月)
注: データは、ドル円は5月27日 8時時点。価格帯別売買動向は5月26日まで
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
【日本株市場関連データ(5/26時点)】
指数
日経平均株価
5/26
前週末比 前週末比
(%)
(円)
終値(円)
16,772.46
36.11
0.22
25日移動平均
16,729.80
75日移動平均
16,549.94
200日移動平均
17,921.54
0.25
移動平均
乖離率
指数
TOPIX
5/26
前週末比 前週末比
(%)
終値(円,pt) (円,pt)
1,342.87
-0.53
-0.04
JPX日経400
12,114.06
-22.11
-0.18
1.34
東証2部指数
4,356.87
14.63
0.34
-6.41
東証マザーズ指数
1,088.10
7.28
0.67
売買高(東証1部、万株、①)
176,943
日経JASDAQ平均
2,517.96
1.72
0.07
25日移動平均
214,375
東証REIT指数
1,887.01
-6.35
-0.34
売買代金(東証1部、億円、②)
18,343
東証1部予想配当利回り(%)
25日移動平均
21,761
東証1部予想PER(倍)
売買単価(円、②/①)
1036.71
2.13
15.07
1.15
東証1部PBR(倍)
 各指数ともに前週末からの動きが少ない。薄商いが 東証REIT指数予想分配金利回り(%)
[単位:%]
【テクニカル指標】
続く中、上振れも下振れもキッカケ待ちとなってい
101.22
騰落レシオ(東証1部、25日)
る。
サイコロジカル(TOPIX)
 東証REIT指数の予想分配金利回りは3.33%と依然
ストキャスティクス(TOPIX)
として相対的に魅力的な水準にある。
RSI(TOPIX)
3.33
判定
―
50.00
―
54.80
―
68.98
―
注:予想は東証1部配当利回り及び東証1部予想PERは日経予想、東証REIT指数予想分配金利回りはQUICK予想。配当・分配金利回りは加重平均。
テクニカル指標は一般的に、騰落レシオ:120%以上が買われ過ぎ、70%以下が売られ過ぎ、サイコロジカル:75%以上が買われ過ぎ、25%以下が売
られ過ぎ、ストキャスティクス:75%以上が買われ過ぎ、25%以下が売られ過ぎ、RSI:75%以上が買われ過ぎ25%以下が売られ過ぎと判断される
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
7
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 5 月 27 日(金)
週刊株式アウトルック
10.来週・再来週の主なスケジュール

龍 翔太
来週は、国内では一億総活躍プランなどが決定される他、通常国会会期末を迎える。安倍首相が国会会期
末までに消費増税延期を決断する可能性があり注目。海外では米雇用統計をはじめ重要指標が発表される
予定。
【来週の主なスケジュール】
発表日
国・ 地域
5月 30日 (月 )
日本
米国
ユーロ圏
日本
5月 31日 (火 )
米国
ユーロ圏
-
日本
米国
6月 1日 (水 )
ユーロ圏
英国
中国
豪州
インドネシア
ブラジル
-
-
米国
6月 2日 (木 )
ユーロ圏
豪州
ブラジル
日本
6月 3日 (金 )
-
5月
-
4月
4月
4月
4月
3月
4月
4月
4月
5月
5月
4月
4月
5月
-
-
-
-
1-3月期
1-3月期
5月
5月
5月
-
5月
5月
5月
5月
1-3月期
5月
1-3月期
-
-
5月
-
-
4月
4月
4月
4月
トルコ
-
4月
4月
5月
5月
5月
5月
4月
5月
5月
日本
-
米国
ユーロ圏
6月 4日 (土 )
6月 5日 (日 )
4月
小売業販売額(前年比)
米国市場休場(メモリアルデー)
経済信頼感指数
「 一億総活躍プラン」 「 新成長戦略」 「 骨太の方針」 閣議決定
家計調査-実質消費支出(前年比)
失業率
有効求人倍率
鉱工業生産指数( 前月比、速報)
S&P/ケース シ ラー住宅価格指数( 主要2 0 都市ベース、 前年比)
個人所得(前月比)
個人支出(前月比)
PCEコア ・ デフレータ
( 食品・ エ ネルギ ーを除く 個人消費デフレータ、 前年比)
シカゴ購買部協会景況指数
コンファレンス ボード消費者信頼感指数
失業率
マネーサプライM3(前年比)
消費者物価指数( 速報、 前年比)
OECD(経済協力開発機構)フォーラム(~6月1日、パリ)
野党が内閣不信任決議案を国会へ提出(?)
通常国会会期末
安倍首相記者会見
設備投資( 法人企業統計、ソフトウエ ア 含む、 前年比)
設備投資( 法人企業統計、ソフトウエ ア 除く 、 前年比)
新車販売台数(除く軽自動車、前年比)
ISM製 造 業 景 況 指 数
自動車販売台数(年換算)
地区連銀経済報告( ベージ ュ ブッ ク)
製造業PMI(確報、前回値は速報値)
製造業PMI
製造業 PMI
非製造業PMI
実質 GDP( 前期比)
消費者物価指数(前年比)
実質 GDP( 前期比)
世界経済フォーラム東アジア会議(クアラルンプール、~2日)
OPEC( 石油輸出国機構) 総会
ADP雇用統計( 前月比)
政策金利
ECB( 欧州中央銀行) 理事会
小売売上高(前月比)
貿易収支
鉱工業生産(前月比)
毎月勤労統計-現金給与総額(前年比、速報)
アジア安全保障会議(~5日、シンガポール)
製造業受注(前月比)
貿易収支
ISM非製造業景況指数(総合)
非農業部門雇用者数( 前月比)
民間部門雇用者数( 前月比)
失業率
小売売上高(前月比)
サービス業PMI(確報、前回値は速報値)
消費者物価指数(前年比)
沖縄県議選投開票
市場予想 前月・ 前期・ 前年
▲1.0%
-
-
104.4
-
103.9
-
-
-
-
-
-
0.4%
0.7%
-
▲5.3%
3.2%
1.30倍
3.8%
5.38%
0.4%
0.1%
1.6%
1.6%
51.5
96.2
10.2%
5.0%
▲0.1%
50.4
94.2
10.2%
5.0%
▲0.2%
-
-
-
-
-
-
-
50.7
1,720万台
-
-
-
-
8.5%
8.9%
7.2%
50.8
1,732万台
-
51.5
-
51.5
49.2
50.1
53.5
0.6%
3.60%
▲1.5%
-
50.0
-
-
-
-
-
-
18.0万 人
0.00%
-
-
15.6万 人
0.00%
-
-
0.4%
-
- ▲21.63億豪ドル
1.4%
-
1.5%
-
-
-
0.6%
1.5%
▲440億ドル
▲404億ドル
55.5
55.7
16.5万 人
16.0万 人
15.9万 人
17.1万 人
4.9%
5.0%
0.2%
▲0.5%
53.1
53.1
6.57%
-
-
注:発表日は現地時間。市場予想と実績は2016年5月26日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります
出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成
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本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
-
2016 年 5 月 27 日(金)
週刊株式アウトルック

再来週は、国内では1-3月期実質GDP(2次速報)や経常収支などが発表される予定。

海外では、イエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長の講演やカリフォルニア州などで米大統領予備選が行
われる。7日の予備選でクリントン氏の獲得代議員数が過半数に達し、民主党の代表を獲得する見込みのた
め注目されよう。
【再来週の主なスケジュール】
発表日
国・ 地域
6月 6日 (月 )
米国
中国
ロシア
日本
6月 7日 (火 )
米国
ユーロ圏
独
英国
豪州
インド
フィリピン
日本
6月 8日 (水 )
中国
南ア
ブラジル
日本
独
6月 9日 (木 )
中国
NZ
韓国
メキシコ
日本
中国
6月 10日 (金 )
インド
トルコ
6月 11日 (土 )
-
6月 12日 (日 )
中国
市場予想 前月・ 前期・ 前年
-
-
5月
4月
4月
-
1-3月期
4月
5月
-
-
-
5月
1-3月期
4月
5月
5月
-
5月
5月
5月
1-3月期
5月
-
4月
4月
4月
4月
5月
-
-
5月
-
5月
5月
4月
1-3月期
4月
-
1-5月
5月
5月
イエ レン FRB( 連邦準備制度理事会) 議長が講演
米中戦略経済対話(~7日、日程未定)
消費者物価指数(前年比、発表日未定、~7日)
景気一致CI指数(速報)
景気先行 CI指数( 速報)
米大統領選、カリフォルニア州などで予備選
実質 GDP(前期比、 改定値、 前期値は速報値 )
鉱工業生産(前月比)
ハリファックス住宅価格指数(前月比)
政策金利
政策金利 (レポレート)
(リバースレポレート)
消費者物価指数(前年比)
実質 GDP(前期比年率、 2次速報、 前回値は1 次速報 )
経常収支( 季調済)
景気ウォッチャー調査-現状判断DI
景気ウォッ チャー調査- 先行き判断DI
翁長沖縄県知事訪米(10日間で4都市訪問)
貿易収支
輸出( 前年比)
輸入( 前年比)
実質GDP(前期比年率)
IPCA(拡大消費者物価指数、前年比)
政策金利
機械受注( 船舶・ 電力除く 民需、 前月比)
貿易収支
輸出(前月比)
輸入(前月比)
消費者物価指数( 前年比)
政策金利
政策金利
消費者物価指数(前年比)
株価指数先物・オプションの特別清算指数算出(SQ)
マネーサプライM2(前年比、発表日未定、~15日)
新規銀行融資( 発表日未定、 ~ 15日)
鉱工業生産(前年比)
実質GDP(前年比)
経常収支
第25回EBRD(欧州復興開発銀行)年次総会(~12日、トルコ・イスタンブール)
固定資産投資( 都市部、 年初来、 前年比)
鉱工業生産( 前年比)
小売売上高( 前年比)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1.75%
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2.00%
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
7.3%
111.1
99.3
-
0.5%
▲1.3%
▲0.8%
1.75%
6.50%
6.00%
1.1%
1.7%
18,936億 円
43.5
45.5
-
455.6億 ド ル
▲1.8%
▲10.9%
0.6%
9.28%
14.25%
5.5%
262億ユーロ
1.9%
▲2.3%
2.3%
2.25%
1.50%
2.5%
-
12.8%
5,556億 元
0.1%
5.7%
▲36.8億ドル
-
10.5%
6.0%
10.1%
注:発表日は現地時間。市場予想と実績は2016年5月26日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります
出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成
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申込手数料、最大 4.5%の換金手数料又は信託財産留保額、間接的費用として、最大年率 5.61%の信託報酬(又は運用管理費用)及
びその他の費用等)をお支払いいただきます。債券、株式等を募集、売出し等又は相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお
支払いいただきます(債券の場合、購入対価に別途、経過利息をお支払いいただく場合があります。)。また、外貨建ての商品の場合、
円貨と外貨を交換、又は異なる外貨間での交換をする際には外国為替市場の動向に応じて弊社が決定した為替レートによるものとしま
す。上記手数料等のうち、消費税が課せられるものについては、消費税分を含む料率又は金額を記載しております。
リスク等について
各商品等には株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等及び有価証券の発行者等の信用状況(財
務・経営状況を含む。)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)、又は元
本を超過する損失を生ずるおそれ(元本超過損リスク)があります。
なお、信用取引又はデリバティブ取引等(以下「デリバティブ取引等」といいます。)を行う場合は、デリバティブ取引等の額が当該デリバ
ティブ取引等についてお客様の差入れた委託保証金又は証拠金の額(以下「委託保証金等の額」といいます。)を上回る場合があると共
に、対象となる有価証券の価格又は指標等の変動により損失の額がお客様の差入れた委託保証金等の額を上回るおそれ(元本超過
損リスク)があります。
また、店頭デリバティブ取引については、弊社が表示する金融商品の売付けの価格と買付けの価格に差がある場合があります。
上記の手数料等及びリスク等は商品毎に異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書又はお客様向け資料等をよ
くお読みください。なお、目論見書等のお問い合わせは弊社各部店までお願いいたします。
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(2015/04/09 版)