に、笑顔を見せる古寺貞之さ ん。来場者への想いは、場内 の清掃や緑保全を行う保存会 ➊ ● 食べるの?」 「カワニナって何?」など、ホタルに関する質問がたくさん飛び交った。 初 夏になるとカワセミが 訪れるこぶしの里。昼 間は多様な虫が生息 し、 様 々 な 植 物 が 生 い 茂 る な ど、 散策や自然観察にはぴったりな場 所。しかし夜になると、美しいホ タ ル の 光 が 舞 う 華 や か な『 舞 台 』 へと変貌します。 「 昔 は 家 に 入 り こ ん で き た ホ タ ルを、蚊帳に入れて観賞していた んです」と生まれ育った竹間沢の 思い出を話す、竹間沢ほたる育成 )さん。し ました」という古寺さん。今では、 頭近く舞う日もあるこぶしの里 「 そ れ で も 私 に と っ て、 年 ぶ りの再会。子どものころの思い出 飛ばなかったそうです。 のホタルですが、最初は数頭しか 50 会会長の古寺貞之( 年代を境に、消え かし、故郷を照らしていたホタル の光は、昭和 竹間沢の子どもたちにとって、こぶしの里はザリガニ釣り ができる遊び場所。 自然の中で遊べる環境が町内にもある。 平成 年から地元の竹間沢小学 校の4年生の児童に、毎年ホタル られるようになりました。 は、未来を担う子どもたちに向け 焼 き 付 い て い ま す 」。 や が て 想 い の光が照らす光景は、今でも目に 小さな光でしたが、故郷をホタル がよみがえってきました。とても 40 てしまいました。 ホタルの光、再び ―愛する竹間沢に もう一度ホタルの光を― 同じ志を持つ地域の皆さんが集 まり、平成 年に「竹間沢ほたる 育成会」が誕生しました。ホタル 観賞ができる全国各所を巡り、ど のようにしたら、自然の中でホタ ルが飛ぶのか研究を重ねました。 「 ホ タ ル の 幼 虫 が 食 べ る カ ワ ニ ナという貝は、きれいな水でない 故郷を愛し、 故郷を照らす。 故郷をホタルの光が照らしていた少年時代。その 光を今に伝える活動をしている竹間沢ほたる育成 会会長の古寺貞之さんにお話しを伺いました。 ➎コップに小分けにされたホタル の幼虫。「ホタルは卵や幼虫、さな ぎの時も光るんですよ」と古寺さ んが児童に説明。幼虫はてんとう 虫の幼虫を大きくしたような形を している。➏幼虫を手のひらに乗 せる児童。 「ぷにぷにして可愛いね」 と優しい声を幼虫にかける。 71 と育ちません。そこで、こぶしの 竹間沢ほたる育成会 ➏ ● ➎ ● 40 14 里の環境整備をすることから始め 見つめながら話しました。■ ちを、昔を懐かしむような表情で ザリガニ釣りに熱中する子どもた 水遊びをする姿を見たいです」と して、こどもの川で子どもたちが の里やこどもの川をもっと綺麗に まって川に入れませんが、こぶし 域 を 盛 り 上 げ た い。 今 は 泥 が 溜 いました。もっと竹間沢という地 「昔はこの川で魚釣り大会をして 視線の先にあったのは、こぶし の里の脇を流れる『こどもの川』。 ました。 ています」と続け、視線を落とし 幼虫放流で芽生えることを期待し 守ろうと思う気持ちが、ホタルの 愛し、ずっとホタルが舞う自然を す。そうならないように、故郷を なかったら愕然となると思いま 帰ろうとなったとき、自然も緑も 出が蘇るでしょう。そして故郷に 里がある町で暮らし、遊んだ思い 来ます。そのとき、ホタルが舞う が大人になったら故郷を想う日が て い ま す 」 と 話 し、「 子 ど も た ち う機会で知ってもらえればと思っ 場所があることを、幼虫放流とい ホタルが舞う自然と緑に囲まれた た ち が 暮 ら す 三 芳 町 竹 間 沢 に は、 大好きだから。子どもたちに自分 のは、自然豊かな故郷、竹間沢が ろの思い出を再現したいと思った る 活 動 を 開 始。「 私 が 子 ど も の こ の幼虫をこぶしの里の沢に放流す 18 ➋ ● ➌ ● ➍ ● 竹 間沢小学校の児童たちにホタルの生態について説明する古寺さん。児童からは「幼虫は何を 地域を盛り上げ こどもの川で川遊びをする 子どもたちの姿を見たい。 への活動につながっています。 6 MIYOSHI MIYOSHI 7 ➊ホタルの幼虫が入った紙コップを恐る恐る手にする児童たち。 ➋幼虫放流前、児童にどうやって成虫になるのか、餌は何かな どを説明。➌また会う約束をし、沢に幼虫を放つ。➍昭和 30 年 代の田んぼが広がる竹間沢。ホタルが無数に飛んでいた時代を 懐かしみながら、丁寧に説明する古寺さん。 (写真)こぶしの里の新緑を背
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