2016年5月23日号(PDF/365KB)

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2016 年 5 月 23 日
豪州主要経済指標
経済指標・イベント
賃金指数(前年比)
今週の注目点
直近
前回
2.10%
2.20%
日付
経済指標・イベント
5 月 23 日 マークイット米国製造業 PMI
前回
市場予測
50.8
51
金融市場・原油・為替
指数等
2016年5月20日
2016年5月13日
前週比
2015年5月20日
前年比
S&P/ASX200 指数
5,351.31
5,328.99
+0.4%
5,610.30
-4.6%
S&P/ASX200 不動産投信
1,433.00
1,431.70
+0.1%
1,278.00
+12.1%
豪州 90 日バンクビル利回り
1.99
1.98
+1bps
2.14
-15bps
豪州債券 10 年物利回り
2.30
2.27
+3bps
2.97
-67bps
79.56
78.99
+0.57
95.56
-16.01
0.72
0.73
-0.00
0.79
-0.07
61.40
61.50
-0.1
65.30
-3.9
豪ドル円
豪ドル米ドル(セント)
豪ドル TWI
先週の主な話題
金融市場は先週、米国の金利引き上げにかかる懸念が再発しましたが、株式市場はなんとか上昇を保ちました。米国株と欧州株が 0.3%上昇
し、円安に支えられた日本株は 2%下落、中国株が 0.1%とわずかに上昇、豪州株はヘルスケアセクターとエネルギーセクターの寄与により
0.4%上昇しました。実際、年初来、豪州株は+1%の上昇となっており、米国株、欧州株、日本株、中国株等、他の株式市場を上回っています。
米連邦準備制度理事会(FRB)の来月の政策金利引き上げの可能性が高まり、債券利回りは全体的に上昇するとともに、米ドルを押し上げまし
た。米ドル高が豪ドルと金属価格への下押し圧力となる中、原油価格は上昇しました。
5 ヵ月間、市場の注目となっていたものの、実際の利上げは見送られていた米国において、米連邦準備制度理事会(FRB)による 6 月の利上げ
観測が浮上してきており、今夏の利上げの公算が高まっています。FRB の理事会議事録は、理事会直後に出された声明文よりも、さらにタカ派
に傾いており、ほとんどの FRB 参加理事は、FRB の 6 月 14-15 日の理事会は今後の経済指標が良好であるならば、政策金利引き上げは適
切であると見ているとの主要なコメントが出されました。ここ数週間に公表された経済指標を見ても、4-6 月期の GDP 成長率に上向く兆候がみ
られ、引き続き労働市場が堅調なこと、インフレ率が目標とする 2%の近づきつつあること等が支援材料となったとして実際の利上げが論じられ
るようになりました。非常に明らかなことは、6 月の理事会合は政策金利引き上げについて非常に重要な会合になると思われ、米国金融市場の
見通しがたった 1 週間前にほぼ 0%であったにもかかわらず、28%まで上昇していることからもわかります。
弊社の見方としては、6 月の金利引き上げは僅差の判断となるとみており、7 月か、あるいは 9 月の引き上げの可能性がより有望であると見て
おります: その理由としては、第 1 に、6 月の FRB 理事会の 1 週間後に英国の Brexit(EU 離脱問題)を問う国民投票が行われることから、理
事会メンバーはそれについて考慮すると示唆していること; 第 2 に、投票権を持つ理事会メンバーは、タカ派的となりがちな投票権を持たない理
事会メンバーを含んだ全理事会メンバーの見方よりも、もっと慎重であるように見えること; 最後に、FRB は再び改善し始めたばかりの最近の指
標をより精査するのに、もっと多くの時間を必要とすると思われること等からです。今の段階では、基本シナリオとして 7 月の引き上げを見込ん
でいます。
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より広範な視点で見れば、グローバルの成長が抑制されていることや、米ドル高となることで、コモディティ価格がまた下落するリスクを抱えてい
ること、中国元の下落、新興国における成長懸念、米国の経済成長に歯止めをかける要素は FRB がどの程度またどのくらいの速さで政策金利
の引き上げを行うかにかかっていることから、FRB の金利引き上げは非常に緩やかとなると見ていることに変更はありません。
豪州の選挙前経済および財政見通し(PEFO)は 5 月 3 日の予算案から「大きな変更はなかった」ことで、予算案と同じ想定内容に基づくもので
あったことから、目を引く内容はありませんでした。結果として赤字予測は予算案と同じものとなりました。もっともではありますが、予算案が作成
されて以降、2 つのリスクが強まったように思われます。第 1 に、賃金成長率が 2.1%と過去最低水準に減速し、今後 2.5%を下回る水準で推移
すると見られます。これに関連して、予算案/PEFO のインフレ予想は、豪州準備銀行(RBA)の予想を上回っています。第 2 に、鉄鉱石価格は
予算案が作成された以降 13%下落しており、予算案/PEFO が想定する鉄鉱石価格 55 米ドル/トンを維持することは難しそうです。予算案
/PEFO 見通しにおけるリスクは、年率+6%の歳入の増加を見込んでいますが、その達成は難しいことです。また予算案の黒字化への転換は先
送りされたと思われます。残念ながら、PEFO における一連のプロセスは、2013 年の連邦議会選挙のあたりに信頼を大きく失っています。それ
は、2013 年に PEFO が公表した今後 4 年間の予算赤字予想に対して、たった 4 ヵ月後に連立政権が総額 680 億ドルもの増額修正を行った
からです。
世界経済指標
米国の指標はまちまちでした。各地の製造業景況感調査は軟調となり、2 ヵ月続いた下落から 4 月の工業生産指数は反発しました。NAHB(全
米住宅建設業者協会)住宅指数は横ばいとなり、失業保険申請件数は低下し、先行指数は上昇しました。年率 0.5%と軟調であった 1-3 月期
の GDP 成長率は、反発したものの控えめなものとなりました。アトランタ連銀の GDPNow 成長率調査は現在年率 2.5%の成長率を見積もって
います。4 月の消費者物価指数(CPI)は原油価格が上昇したことから反発しましたが、コア CPI は年率 2.1%とわずかに低下しました。
機械受注が伸びるなど、日本の 1-3 月期の GDP は予想を上回りましたが、今四半期は熊本地震の影響があるかもしれません。
中国の住宅市場は 4 月も引き続き上昇し、特に大都市圏では上昇しました。一方、中国人民銀行(PBOC)は、急落は一時的なものとし、4 月に
見られた信用市場の急激な減速についての懸念を打ち消す方向に動いています。明らかに PBOC は中国に対して再びセンチメントがネガティ
ブに振れることを望んでいません。弊社の基本的な見通しは、中国の成長は今年 6.5%を若干上回る程度となるとの見通しに変更ありません。
好況とはいえないものの、しかし同様に破綻しているわけでもありません。
豪州経済指標
豪州では、RBA の金融政策会合の議事録において、今後の情報の精査を引き続き行うとしており、政策金利の引き下げを急いでいないとされ
たものの、3 月の経済指数において賃金成長率が過去最低となり、6 月あるいは 7 月の政策金利の引き下げの可能性もあることを示唆してい
ます。4 月の労働市場指標はほぼ市場予想通りだった一方、昨年の勢いが弱まっている兆候が見られ始めています。労働時間の減少、フルタ
イム就業者の減少や、労働市場に関する先行指標からは様々な兆候が見受けられることは、もう一段の金融緩和を促す要因になります。いず
れにしても RBA による政策金利の引き下げは今年あと 2 回行われ、1.25%となるという弊社の予想に変更はありません。想定される次回の引
き下げは 8 月とみていますが、もっと早くなる可能性もあります。
今週の注目点
米国では、ジャネット・イエレン FRB 議長の談話が発表される予定で、6 月 14-15 日の政策理事会における利上げに関するガイダンスが得ら
れるかに市場の注目が集まるでしょう。最新の FRB の理事会議事録では 6 月の利上げの可能性は残されておりますが、イエレン議長はいっそ
う慎重であると見られます。指標の予想としては:製造業購買担当者景気指数(PMI)は 51 近辺を維持し;新築住宅販売件数は反発すると見ら
れます;引き続き住宅価格は上昇し;耐久財受注での小幅伸びと住宅販売において若干上昇が見込まれます;第 1 四半期の国内総生産は当
初年率 0.5%とされていましたが、0.8%に上方修正されると見られます。
豪州では、1-3 月期の建設指数、設備投資(capex)指数は鉱業セクターによる事業投資の低迷が足かせとなり、引き続き軟調が見込まれます。
2016-17 年の設備投資費計画は、非資源セクターにおいて改善を見せているものの、現状の経済状況と一致したものとなっています。スティー
ブンス RBA 総裁の声明は政策金利見通しに関する手がかりとして注目されます。
相場見通し
株式市場のボラティリティは、短期的に高い状態が続くと見られます。FRB の利上げに対する懸念が再び浮上し、これが米ドル、人民元、コモ
ディティ価格の先行き不透明感につながると予想されます。5 月の相場は、広く知られている“5 月に売って、いったん市場から立ち去り、セント・
レジャー・デー(競馬のレースが行われる 9 月の第二土曜日)まで戻ってくるな”という格言にあるように、いつも神経質な展開になります。とは
いえ、短期的なボラティリティは見られるとしても、今年は年末に向けて株式市場はさらに上昇すると見ています。その理由としては、株式のバリ
ュエーションが債券と比べて割安であること、世界的に金融緩和が加速していること、緩やかな経済成長が続いていることなどが挙げられます。
現在、債券利回りが極めて低い水準にあることから、国債投資のリターンが中期的に低調になる可能性が考えられます。ただ、グローバルの経
済成長が脆弱で、インフレ率が低い環境の下、弱気になることもできません。
商業用不動産やインフラ資産は今後も、投資家による利回り追求の動きから恩恵を享受する見通しです。
豪州では、シドニーやメルボルンの住宅市場が沈静化に向かっていることから、2016 年は主要都市の住宅用不動産価格の上昇率が+3%前後
まで鈍化すると予想されます。また、パースやダーウィンでは値下がりが続く一方、ブリスベンでは上昇すると見られます。
キャッシュや銀行預金のリターンは引き続き低水準に留まり、さらに魅力が薄れています。
1 豪ドル=0.78 米ドルはテクニカル面での売られ過ぎの状態であり反発すると見られます。とはいえ、短期的なリバウンドは限定的なものとなる
可能性が高く、長期的には再び下落基調が始まるでしょう。というのも、RBA が政策金利の引き下げを行っている一方で、FRB はいずれ利上
げを再開すると見られており、今後、金利差の縮小が見込まれることや、コモディティ価格が依然低迷していること、豪ドルがフェアバリュー(適
正価値)を下回るのも珍しいことではないためです。
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