21.情報サービス

産業アウトルック
2016年4~6月期
21.情報サービス
仁田
敬三
トピック:
マイナンバーや電力自
由化対応でシステム投
資が増加しており、需
給ひっ迫
17年1月以降、源泉徴収票の発行や納税対応においてマイナンバーの利用が義
務化されるため、全ての企業がマイナンバーの対応に向けたシステムを導入す
る必要が生じているほか、電力の小売全面自由化に向けた新規参入事業者のシ
ステム導入等も本格化していることから、システム投資案件数が増加しており、
需給はひっ迫した状態にあります。
国内情報サービス市場
動向:
IT活用の多様化・高度
化の進展により市場は
底堅く推移する見通し
国内情報サービス市場は、金融機関のシステム統合案件がピークアウトする一
方で、マイナンバー制度への対応や電力の小売全面自由化に向けたシステム導
入等の本格化を背景として、前年並みの水準となっています。こうした案件は
2016年以降順次終息していくものの、今後はユーザー企業の業務効率化やコス
ト削減に向けたIT投資のみならず、ビッグデータ活用等、事業拡大に向けたIT
の多様化・高度化等が本格化していくことが予想され、引き続き市場規模は底
堅く推移するものとみられます。
IT事業者業績:
2015年第3四半期の大
手IT事業者の業績は増
収となる一方、利益水
準は横這い
大手IT事業者の2015年第3四半期の業績は、国内市場が堅調に推移しているほ
か、一部海外事業を拡大させている先もあること等から、増収となっています。
また利益については、 IT人材の不足感の高まりから人件費・外注費が高止ま
りしている一方で、同費用上昇分をサービス単価に依然転嫁できておらず、利
益水準は横這いとなっています。こうしたなか、収益力向上に向けて、IT事業
者は人材確保の動きやクラウドサービス提供等ストック型ビジネスに注力して
いるほか、他社との差別化に向けた異業種間でのアライアンスや海外企業の買
収・提携等による海外展開の動きを活発化させています。
情報サービス売上高推移(年度)
(兆円)
売上高(左軸)
情報サービス売上高推移(前年同月比・月次)
10%
前期比(右軸)
12
25%
10
20%
15%
8
16/1
+0.7%
5%
0%
10%
6
+2.6%
4
2
0
5%
+2.1% +2.6% 0%
-0.1%
-5%
-3.4%
-5.8%
-10%
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (年度)
-5%
-10%
-2.5%
(出所)経済産業省より弊行作成
(年/月)
-15%
09/3
10/3
11/3
12/3
13/3
14/3
15/3
(出所)経済産業省より弊行作成
情報サービス価格指数
(注1)
102.0
情報サービス上場大手10社(注2)業績推移
(兆円)
15
売上高(左軸)
営業利益率(右軸)
10%
100.0
8%
98.0
10
6%
96.0
4%
94.0
5
2%
92.0
90.0
00/1
0
04/1
(出所)日本銀行より弊行作成
08/1
12/1
16/1
(年/月)
(注1)2000年1月を100とした時の推移
06
07
08
09
10
11
12
13
14
0%
15 14 15
(年度)
(予) 3Q 3Q
(出所)各社有価証券報告書より弊行作成
(注2)情報サービス関連主要企業:富士通、日立製作所、NEC、NTTデータ、野村総合研究
所、日本ユニシス、伊藤忠テクノソリューションズ、ITHD、SCSK、大塚商会<富士
通、日立製作所、NECはサービス関連部門>
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