陸運倉庫 - 三井住友銀行

産業アウトルック
2016年4~6月期
13.陸運倉庫
永井
悠紀
トピック:
トラック隊列走行の実
現に向けて、隊列運行
管理サービスが新たな
ビジネスチャンスとな
る可能性
経済産業省が2016年3月に「自動走行ビジネス検討会報告書」を公表しました。
同報告書内では、夜間長距離輸送等において、先頭車両を除く後続車両が無人
状態となる3台以上のトラック隊列走行を、2021年度以降を目途に商業化する
ことを目指すとしています。隊列走行の効率的な運行に向けては、物流事業者
間の連携が重要視されており、今後政府は新たなビジネスモデルとして物流事
業者間のマッチング等を行う「隊列運行管理サービス」の具体化を進めていく方
針です。
国内荷動き量:
建設関連貨物の低迷を
受け、営業用自動車貨
物輸送量は減少。倉庫
の保管残高や貨物回転
率も低下
消費税増税に係る反動減からの持ち直しやEコマース市場の拡大に伴う宅配貨
物量の増加等から消費関連貨物の輸送量は回復しつつある一方で、公共投資の
落ち込みにより建設関連貨物が低迷しており、営業用自動車貨物輸送量は弱含
みでの動きとなっています。こうした荷動きの低迷を受けて、倉庫の保管残高
及び貨物回転率も前年度対比で下振れて推移しました。
陸運・倉庫会社2015年
度第3四半期実績:
大手陸運会社は、海外
拠点での輸出入貨物取
込み等から増収増益
大手倉庫会社は、増収
となるも、委託運送費
や償却負担の増加等で
減益
2015年度第3四半期の国内陸運大手4社合算業績は、国内貨物輸送量が低迷した
一方、海外拠点での輸出入関連貨物の取扱い拡大を進めた上、前期の料金改定
効果や、足許の燃料価格低下の恩恵等から増収増益を確保しました。通期も同
様に増収増益での着地が見込まれています。
2015年度第3四半期の国内倉庫大手5社合算業績は、貨物回転率及び倉庫保管残
高は低位で推移したものの、医薬品物流や消費財の流通加工業務等高付加価値
サービスの強化や、海外拠点の拡充を進めることで増収を確保しました。但し、
委託運送費や償却負担の増加、為替差損の計上等が響き減益となっており、通
期でも増収減益となる見込みです。
大手陸運4社(注)合算の連結業績
営業用自動車貨物輸送量・前年度比推移
(億トン)
営業用自動車貨物輸送量(左軸)
40
15%
(兆円)
4.5
(億円)
2,000
売上高(左軸)
1,600
10%
30
5%
20
3.0
1,200
0%
-5%
10
前年度比(右軸)
06
07
08
800
経常利益(右軸)
400
-10%
0
05
1.5
09
10
11
12
13
-15%
14 (年度)
0
0
05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 14 15 (年度)
(予) 3Q 3Q
(出所)国土交通省「自動車輸送統計」より弊行作成
(出所)各社決算短信、補足資料より弊行作成
(注)日本通運、ヤマトHD、セイノーHD、福山通運
大手倉庫5社(注)合算の連結業績
倉庫平均月末・保管残高・貨物回転率(注)推移
平均月末保管残高(左軸)
6
(百万トン)
60%
5
55%
4
50%
3
45%
2
40%
貨物回転率(右軸)
1
0
35%
30%
07
11
15
(年度)
14/4
14/8
14/12 15/4
14/9 15/3 15/9 16/1
(年/月)
(出所)国土交通省「営業用普通倉庫の実績(主要21社)について」より弊行作成
(注)貨物回転率=(入庫高+出庫高)/(前月末保管残高+当月末保管残高)×100
(億円)
8,000
不動産・その他事業売上高(左軸)
物流事業売上高(左軸)
(億円)
400
7,000
350
6,000
300
5,000
250
4,000
3,000
200
経常利益(右軸)
150
2,000
100
1,000
50
0
0
05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 14 15 (年度)
(予)3Q 3Q
(出所)各社決算短信、補足資料より弊行作成
(注)三菱倉庫、三井倉庫、住友倉庫、澁澤倉庫、日本トランスシティ
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