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北米
2016年5月12日
クリントン氏、指名獲得に時間がかかっている理由
民主党候補の指名争いで依然優勢を維持するクリントン氏ですがもたつきが見られ、また本選ではトランプ氏と接戦
も想定される調査も見られます。主な理由は中低所得者の支持を得られていないことが一つの原因と思われます。
米大統領選挙本選世論調査:トランプ、ヒラ
リー両氏の支持率、ほぼ拮抗
ロイター/イプソスの世論調査が2016年5月11日に発表され、
11月8日に実施される米大統領選の本選で仮に共和党候補
指名獲得をほぼ確実にした不動産王ドナルド・トランプ氏と
民主党の最有力候補とされるヒラリー・クリントン前国務長官
とで争われた場合、両候補の支持率は拮抗(きっこう)してい
ることが示されました。今回の調査は5月6~10日にかけオン
ラインで実施されました。クリントン氏を支持すると回答した
有権者は41%、トランプ氏は40%、未定は19%でした。
民主党候補の指名争いは10日、ウェストバージニア州で予
備選が行われ、サンダース上院議員がクリントン氏に勝利し
ました。AP通信によれば、10日の予備選前の段階で、クリン
トン氏が確保した代議員数は過半数の2383人まであと155人
である一方、サンダース氏は929人の獲得が必要で依然クリ
ントン氏が最有力候補のポジションを維持しています。ただし、
今回の敗北は本選に臨んだ場合、「ラストベルト(さびついた
工業地帯)」と呼ばれるオハイオ州などで労働者階級の票集
めに苦戦する可能性を示唆しているとの見方もあります。
どこに注目すべきか:
民主党予備選、本選、中所得者
依然優勢を維持するクリントン氏ですが民主党候補の指名
争いでサンダース氏に苦戦、また、仮に本選に進んでもトラ
ンプ氏と思わぬ接戦となる可能性も捨て切れない調査も見
られます。クリントン氏にややもたつきが見られる理由として
考えられる要因を以下に述べますが、主な理由は中低所得
者の支持を得られていないことも原因の一つと思われます。
まず、細かな選挙戦術ですが、クリントン氏は11月の本選に
照準を早く合わせすぎたようです。 最近の予備選ではテレ
ビ宣伝など選挙費用を節約していました。しかし、次回のケ
ンタッキー州では宣伝費用をあわてて増額する模様で、や
や先走った印象です。
しかし、もっとも大きな要因は労働者階級の票集めに苦戦し
ピクテ投信投資顧問株式会社
ていると見られる点です。例えば、ウェストバージニア州での
敗北はクリントン氏が3月にイベントで(これからは再生可能
エネルギーの時代)、炭鉱は閉鎖、石炭会社や鉱夫という職
業は消滅すると発言したことが影響したと見られます。
Pewリサーチ・センターが5月11日に発表した資料によると、
米国では労働者階級が属すると見られる中所得者層(4人家
族であれば日本円で500万円強から1,500万円強程度、2014
年)の地位が低下している模様です(図表1参照、229都市対
象)。全米の主な都市で今世紀に入り中所得者の占める割
合(シェア)が低下する一方、低所得者や高所得者のシェアが
増えています。中所得者の実質的な所得の長期的な低下傾
向が背景と見られます。政治に対する不満は低所得者に加
え中所得者層でも大きいと見られます。
このような中、発言に問題はあるものの低所得者層へ手厚
い保護を訴えるトランプ氏や、富裕層への増税などを訴える
サンダース氏への支持が苦戦の原因と思われます。
クリントン氏は経験も豊富で、外交政策に信頼感があり大統
領に最も近い候補としての評価は変わらないと思われます
が、手綱は締める必要がありそうです。
図表1:米国主要都市の各所得層のシェアの変化
(期間:2000年~2014年の変化、主要都市は229都市)
200
150
100
50
0
-50
-100
-150
-200
-250
都市数
172
160
229都市のう
ち160都市で
低所得のシェ
アが上昇
低所得
-203
都市数
中所得
高所得
※低、中、高所得:世帯収入平均の3分の2以下を低所得、3分の2から2倍ま
でを中所得、それより上を高所得と分類、家族の数で調整
出所:Pew Research Centerのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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