直播情報No.2(H28.5.11)を更新しました

第2号
平成28年 5月11日
発 行 仙北地域振興局
農業振興普及課
℡:0187-63-6110
播種~一発除草剤散布までの管理が重要です!
コーティング作業を終え、播種作業が始まろうとしています。播種作業から一発除草剤散布ま
での期間が直播栽培において最も重要な期間となります。各作業のポイントを再確認しましょう。
播種後の水管理
(1)カルパーコーティングの場合
落水出芽法 により苗立ちを確保します。
・・・播種後は落水状態を維持し、出芽を促進します。
↓
・ ほ場にひびができ、普通の靴で入れるくらいの硬さまで乾かすのが
理想的です(図1)。
・ 水持ちの良いほ場では、必要に応じて溝切りを行い、排水を促しま
す(図2)。
・ 落水期間は5日~2週間程度を目安にし、出芽揃い期までは浅水管
理(3~5㎝)をします(図3)。
5/中
図2 溝切りを行ったほ場
溝
と
水
尻
を
必
ず
つ
な
げ
る
!
図1 理想的な落水状態
5/下
6/下
出
芽
揃
い
期
播
種
落水
浅水+除草剤
湛水
5日~2週間
図3 カルパーコーティングにおける水管理
○水入れのタイミング
イネ
1葉期
①目標とする苗立ち率を確保できた時
目標苗立ち数:95本/㎡を確保した時 (80~100本/㎡)※
※ 条播は24~30本/m
②雑草の葉齢が除草剤の使用時期を超えそうな時
除草剤の使用時期は雑草の葉齢で決められています(ノビエ○葉
期まで)。例えば、「ノビエ3葉期まで」と書いてある除草剤であれば、
0.5葉期前の2.5葉期までに散布を行います。そのため、ノビエ2.0
葉期頃までには水を入れなければなりません。このように、雑草の
葉齢から逆算して入水のタイミングを判断することも必要です。
ノビエ
2葉期
図4 入水直前の様子
(イネは1葉期、ノビエは2葉期に…)
(2)鉄コーティングの場合
・播種後すみやかに入水します。土面が見えなくなるまで湛水状態とします。
・播種後にサンバード1キロ粒剤などの初期剤を散布する場合は播種後7日間は止水管理とし、その後自然落
水します。自然落水後は間断かん水が基本となります。低温が予想される場合は湛水し種子を保護し
ます。
5/中
・鉄コーティングの場合は
カルパーコーティン
グに比べ出芽・生育
は3~5日程度遅れ
ます。
5/下
播
種
湛水+除草剤
6/上
イ
ネ
1
葉
間断かん水 期 湛水+一発剤
自
然
落
水
7日間
7~14日間
図5 鉄コーティングにおける水管理
除草剤について
近年、雑草が多発しているほ場が多く見られます。ほ場に発生している雑草の種類を把握し、雑草
防除を徹底して行いましょう。次ページ「水稲除草剤の適正使用基準及び秋田県内における推奨使用
方法」を参考にほ場の条件に合った除草剤を選択します。
除草剤の効果を十分に発揮させ、生育抑制等の薬害を防止するため、畦畔からの漏水防止対策を
徹底して行いましょう。
播種後日数
10
13
15
20
水稲葉齢
0.5
1.0
1.5
2.0
2.0
2.5
3.0
ノビエ葉齢
0.5
1.0 1.5
バッチリフロアブル
ザンテツ1キロ粒剤
サンバード粒剤
トップガンGT1キロ粒剤75
サンバード1キロ粒剤30
播
ピラクロン/兆1キロ粒剤
ムソウ1キロ粒剤
種
サターンバアロ乳剤・粉剤
(落水状態で散布)
・一発剤の処理時期が遅れた時
・雑草の発生が多い場合
・後発生が見られた場合
中・後期剤
マメットSM1キロ粒剤
ザーベックスDX1キロ粒剤
クリンチャー1キロ粒剤・EW
クリンチャーバスME液剤
バサグラン液剤
ヒエクリーン/ワンステージ1キロ粒剤
ワイドアタックSC
図6 直播における雑草防除体系
○鉄コーティングの場合の初期剤は、播種直後~ノビエ1葉期の間、湛水状態で初期剤を散布します。
初期剤はノビエ1葉期までの登録となっていますので、時機を逸しないよう注意が必要です。
○サンバード粒剤は一発剤との組み合わせにより、1.5kg/10aの減量使用 でも効果が得られます。
(注意)サンバード1キロ粒剤30は半量処理できません。
○サターンバアロ粉剤は粒が小さく、風の強い日に散布するとムラが生じやすい ため注意が必要です。
また、落水不良により薬害が生じる可能性が高い ため、水たまりができないよう溝切り等の対策を
徹底する必要があります。
○一発剤についても、ノビエの葉齢を確認しながら余裕をもった散布に努めましょう。
(参考)次ページ 「代かき後、ノビエが各葉齢に達する日数」
水稲除草剤の適正使用基準及び秋田県内における推奨使用方法
(秋田県農作物病害虫・雑草防除基準 直播分抜粋)
(1)初期剤
農薬名
サンバード
粒剤
有効成分名(%)
ピラゾレート(10.0)
使用量又は使用時期
使用方法および使用上の注意
1.5kg/10a(少量散布) ○雑草の発生前から発生始期の散布が有
又は3.0kg/10a
効である。
播種直後~ノビエ1.0葉 ○一発剤との体系散布を主とする。
期まで
サンバード
1キロ粒剤30
ピラゾレート(30.0)
1.0kg/10a
播種直後~ノビエ1.0葉
期まで
ピラクロン1キ
ロ粒剤
兆1キロ粒剤
ピラクロニル(1.8)
1kg/10a
○ホタルイ、コナギ、アゼナに薬効を示すが、
発生始期までに散布する。
○イネの根が露出する条件では薬害を生じ
る場合があるので注意する。
○砂壌土では薬害のおそれがあるので避け
る。
イネ出芽始期~ノビエ
1.0葉期まで
(2)一発剤
農薬名
有効成分名(%)
バッチリフロアブ イマゾスルフロン
ル
(1.7)
ピラクロニル(3.7)
ブロモブチド(16.3)
トップガンGT
ピリミノバックメチル
1キロ粒剤75
(0.45)
ペントキサゾン(2.0)
ブロモブチド(9.0)
ベンスルフロンメチル
(0.75)
使用量又は使用時期
500ml/10a
イネ出芽始期~ノビエ2.5
葉期まで
1.0kg/10a
使用方法および使用上の注意
○イネの根が露出する条件では薬害を生じる場合
があるので注意する。
○藻類・表層はく離にも効果は高いが、表層はく離
発生後の散布は効果が劣る。
イネ1.0葉期~ノビエ3.0葉
期まで
ムソウ1キロ粒
剤
ピリミスルファン(0.5) 1㎏/10a
メフェナセット(12.0)
イネ1.0葉期~ノビエ2.5葉
期まで
○イネの根が露出する条件では薬害を生じる場合
があるので注意する。
○藻類・表層はく離にも効果は高いが、表層はく離
発生後の散布は効果が劣る。
○雑草の葉齢が進んでいる場合は枯殺日数を多く
要するので早めに散布する。
ザンテツ1キロ
粒剤
ピリミスルファン
1kg/10a
(0.67)
イネ出芽揃期~ノビエ2.5
ベンゾビシクロン(2.0) 葉期まで
○イネの根が露出する条件では薬害を生じる。
○除草効果安定と生育抑制の薬害防止のため、湛
水後水持ちが安定した後に散布する。
《参考》
代かき後、ノビエが各葉齢に達するまでに要する日数
ノビエの葉齢
発生始期 1.0葉期
1.5葉期
2.0葉
秋田農試 (秋田市雄和)
植調秋田 (大仙市北楢岡)
5~8日
6~10日
2.5葉期
3.0葉期
9~13日 11~17日 14~20日 17~23日
7~11日 10~14日 12~17日 14~19日 17~21日 19~23日
注)気温の経過により発生時期は変動する
《注意》
移植栽培に登録のある農薬が、直播栽培にも登録があるとは限りません。農薬ラベルをよく読み、
農薬登録を遵守した栽培管理に努めましょう。