第11号 5月 2日 生徒を迎える学校の顔

校長だより第 11 号
平成 28 年 5 月 2 日
生徒を迎える学校の顔
今の本校校舎ができた昭和 60 年当時、私は新米教員として松江農林高校に勤務していました。校
舎が完成し、木造の旧校舎から新校舎へ引っ越しをして、新たな環境で勉強が始まりました。その新
校舎が今の校舎です。本年亡くなられましたが当時の筧弘仲校長先生は、
「生徒が登校してくる玄関
(生徒昇降口でなく、玄関という表現でした)は校舎内で一番きれいな場所でないといけない」とい
うことで、生徒昇降口にある下足置き場を撤去し、ホテルのロビーのように整備し、校舎内は靴のま
まで上がれるようにされました。土足で上がるということには、反対意見もありましたが、教室の前
にロッカーを設け、スリッパに履き替えたい人はここで履き替えるということで、靴のまま校舎内に
入るというシステムがスタートしたのを覚えています。これは当時の高校では初めてのことでした。
数年間この“土足方式”は続きましたが、教室や廊下がそれに対応した造りでないことなどから、土
砂が入り、床の傷みがひどくなるようなことが起きたようです。そこで、何年か後には現在の“上履
き方式”に戻されたようです。現在は、生徒の下足入れが生徒玄関に置かれています。
しかし、本校の生徒玄関の半分は、当時の面影を残しています。生徒の憩いの場となるよう、わず
かではありますが白い金属製丸テーブルと椅子が設置してあります。ただ、この丸テーブルと椅子は
昭和 60 年当時のもので、老朽化しており、金属製であることから温かみのある休憩場所とはなって
いない状況にありました。
そこで、本日新たに島根県産間伐材を使ったウッドテーブルとベンチ、イスが設置されました。こ
れはPTA福利厚生会計で整備されたものです。中西前事務長さんや矢野生徒部長さんの、「生徒玄
関を温かみのある休憩場所としてリニューアルしたい」という意向で今回整備されました。テーブル
が 2 台、背もたれ付ベンチ 2 脚、背もたれ付一人がけイス 8 脚で、立派なものです。
生徒昇降口や生徒玄関は、このように教職員の生徒に対する様々な思いや、学校としての思い入れ
を現す場所なのかもしれません。
『玄関は、その家の顔です。』とよくいわれます。昨年度まで下足箱の上には多くの私物が置いて
あったのですが、今年度は今のところそれがありません。
「学校で一番きれいなところは?」と聞かれたときに、
「生徒玄関です!」と答えることができる。
温かみのある玄関が毎日生徒を迎えてくれる。そんな学校でありたいと思っています。
以前使用されていた金属製のテーブルと
椅子は、農場で利用されています。
島根県産ヒノキの間伐材です
5 月 2 日朝の生徒玄関の様子です。
ロッカーの上には私物等がありません。