No.169 宮内省御料局名古屋支庁(旧帝室林野局) (2015年10 - Hi-HO

JR 東海とそのなかまたち
No.169
宮内省御料局名古屋支庁(旧帝室林野局)
今回は、木曽にあった宮内省御料局のつづきです。
「宮内
省御料局」、もしくは「帝室林野局」で検索すると、大きい
支庁・支局はもともと木曽に加え、札幌、東京、そして名
古屋だったようです。札幌、東京はともかく、名古屋って
どこにあったんだろ?と少し不思議に思いました。ただ検
索しても出てきません。で、今回、ちょっとマジメにリサ
ーチしてみました。
かなりややこしいので、丁寧に書くと、この中部地方の
御料林を管轄する地方事務所の名称は「木曽支庁」でした。
これ、いま木曽町にあるものとは別で、岐阜市にありまし
た。1889 年、明治 22 年のことです。
1891(明治 24)年、濃尾地震が発生し、岐阜市は壊滅し
名古屋庁舎もこんな感じだったのだろうか
木曽町・御料館(旧帝室林野局木曽支局庁舎)にて(2015 年 8 月撮影)
ます。木曽支庁も甚大な被害を受け、支庁は名古屋市に移転します。ここで改名し「名古屋支庁」になります。 当初は市内の仲ノ町に
あったのですが、本格的な庁舎を建設して移転します。住所は東区武平町 1 丁目で、優美な庁舎でした。その後、管轄が広すぎるとい
うことで、木曽町に「木曽支庁」が開設されます。1903 年、明治 36 年です。東区武平町ですが、戦災でほぼ焼けてしまいますが、庁
舎は奇跡的に残ります。戦後、御料局・帝室林野局は農林省、林野庁となり、名古屋営林局となります。1957(昭和 32)年、中区三の
丸に新庁舎が完成、再び移転します。名古屋支庁があった所はいま高級なマンション街になっています。
(2015 年 10 月 14 日掲載)
澤野 孝一朗