JR 東海とそのなかまたち No.169 宮内省御料局名古屋支庁(旧帝室林野局) 今回は、木曽にあった宮内省御料局のつづきです。 「宮内 省御料局」、もしくは「帝室林野局」で検索すると、大きい 支庁・支局はもともと木曽に加え、札幌、東京、そして名 古屋だったようです。札幌、東京はともかく、名古屋って どこにあったんだろ?と少し不思議に思いました。ただ検 索しても出てきません。で、今回、ちょっとマジメにリサ ーチしてみました。 かなりややこしいので、丁寧に書くと、この中部地方の 御料林を管轄する地方事務所の名称は「木曽支庁」でした。 これ、いま木曽町にあるものとは別で、岐阜市にありまし た。1889 年、明治 22 年のことです。 1891(明治 24)年、濃尾地震が発生し、岐阜市は壊滅し 名古屋庁舎もこんな感じだったのだろうか 木曽町・御料館(旧帝室林野局木曽支局庁舎)にて(2015 年 8 月撮影) ます。木曽支庁も甚大な被害を受け、支庁は名古屋市に移転します。ここで改名し「名古屋支庁」になります。 当初は市内の仲ノ町に あったのですが、本格的な庁舎を建設して移転します。住所は東区武平町 1 丁目で、優美な庁舎でした。その後、管轄が広すぎるとい うことで、木曽町に「木曽支庁」が開設されます。1903 年、明治 36 年です。東区武平町ですが、戦災でほぼ焼けてしまいますが、庁 舎は奇跡的に残ります。戦後、御料局・帝室林野局は農林省、林野庁となり、名古屋営林局となります。1957(昭和 32)年、中区三の 丸に新庁舎が完成、再び移転します。名古屋支庁があった所はいま高級なマンション街になっています。 (2015 年 10 月 14 日掲載) 澤野 孝一朗
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