リビングアカデミ―開校式 2016年4月23日 (土) リビング アカデミーのキャッチフレーズである、 「緑いっぱいのキャンパスで、 開校式の日は、 学生に戻ってみませんか」の言葉通り、キャンパス全体が新緑でいっぱいであった。 開校式が開催される記念講堂のステージに、 創立96年目を表す96個の星がついた校 旗・自由の旗と、最高学部(大学部)の農芸 グループの学生が栽培した花が美しく活けら れている。 1921年に女子の学校として創立され、順 次各部が開校して4歳から22歳までの一貫 教育の形になった自由学園に、今日は、新た に45歳以上を対象のリビングアカデミ―が、最高学部の開校以来67年ぶりの新しい学校とし て開校する日である。 開校式に先立ち、学校関係者と今日の開校式に出席をいただいた講師の方々が紹介された。 第Ⅰ部 開校式 入学宣言とバッジの授与 74名の入学者の氏名が、地域別に分けて紹介され、起立した新入生全員に対して高橋学園長 から、 「皆さま方お一人おひとりを、自由学園の名において、同志・同学・同行の友としてリビン グ アカデミーに迎い入れることをここに宣言いたします」と入学宣言がなされた。 次に、学生の代表、五十音で初めの相壁さんに、全員の「リビング アカデミ―のバッジ」が手渡された。 高橋和也学園長 歓迎の辞 (要旨) ・毎朝行う学生と教師の代表との集りで、今朝、 「今日は 自由学園に新しい学校が開かれて、新しい74名の友 歴史的にも大事な日」 だと皆に話しました。 が増える、 ・自由学園の「自由」は聖書にある「真理は汝らを自由 にする」という言葉からとられています。自由学園の モットーは「思想しつつ、生活しつつ、祈りつつ」で す。頭と心と身体を使って真理を追い求め、知識と 行動をもって自分たちの共同体をよりよいものとし、それを通して社会をよくすることが 自由学園の願いです。 その共同体に今日多くの新しい友を迎え られたことを嬉しく思います。 私たちも、社会経験を持つ皆さま方から、 多くを学びたいと願っています。 ・自由学園では毎朝、賛美歌を歌い聖書に学 ぶ「礼拝」を行っています。創立者は宗教 の詰めこみほど恐ろしいものはない、と言 「人間だけの価値観では っていますが、 真理は得られない」との考えで、朝の集りを「礼拝」とよんで続けて来ています。 皆さまとご一緒に讃美歌の11番を歌います。 市岡揚一郎理事長 挨拶 (要旨) ・リビングアカデミ―は4年ほど前に学校で行われた行事にお招きした複数の方の「こういう学 校があるのなら生徒になってみたい」という言葉から生まれました。 生涯学習施設やカルチャーセンターなどを訪れて話を聞き、それらとは異なる、他から援助は 受けない、 「自由学園としての特色を持つ『学校』をつくりたい」と考えてきました。 ・一番の特色は、自由学園の「学生」になって、 「学ぶ」だけではなく「生活し活動する」ことに あります。 「バッジ」を付けていただくのも、あとでご紹介する「賛歌」をつくったのも、その 表れです。 ・講座やクラスでの学習を座学だけに終わらせず、それらを発展させ、この10万平米のキャン パスを使い、文字通り手足を使って新たな学びと活動を創り出していただきたいのです。キャ ンパスは他にも、那須に広い牧畜農場が、飯能の名栗には植林地があります。これらを自由に 使っていただけたらと願います。 ・次の特色は、リビングアカデミ―は学校であると同 時に、小さいが「一つの社会」であることです。社 会には多様な価値観が存在します。今回75%の方 が今まで自由学園を知らなかったという方々です。 その方の中には、違和感を持たれることもあるかも しれませんが、学生同士が互いに交わり、講師との 一方通行でない交流の中から、新しいコミュニティ が生まれ、そこからキャンパスを活かした新しいク ラスが作られる可能性があります。 リビングアカデミ―の「リビング」は「生活する」 ことです。一つの社会として、 「交わり」があり、 「外に向かった」ものであって欲しいと願い ます。 ・生徒たちとの交わりもあります。それらが、キャンパスの中で拡がり、更に、近隣の地域まで 拡がることが出来たらどんなに素晴らしいことでしょうか。 その一環として、この秋に予定されている、約7,000名の来場者のある、4年に1度の 「美術工芸展」には、リビングアカデミ―のブースを用意いたしました。 今日は最高学部が皆さまの歓迎昼食会をいたしますが、最高学部とは講義・講座の相互聴講を 深めて参ります。 ・今までの皆さんの「すべきことが詰まった人生」に、リビングアカデミ―が「間・ゆとり」と 「遊び」をもたらすものとなることを願います。 リビングアカデミ―賛歌 リビングアカデミ―賛歌は、作詞・水木楊(市岡理事長のペンネーム)、作曲・小谷野謙一(幼児 生活団卒、現在お子さんが男子部生)両氏によるもので、リビングアカデミ―の「志」と、キャ ンパスの情景が込められている。 学園の音楽教員の武田若菜先生が初めに全曲 を歌って紹介し、そのあと、先ずはフレーズ 毎に、そして段々に通して皆さんで歌い、 最後は二番まで通して斉唱するまでになった。 リビングアカデミ―斉唱で開学式は終了した。 第Ⅱ部「リビングアカデミ―の紹介」 10分の休憩の後、予め全員に送られていた「リビングアカデ-のしおり」についての補足説 明が、中村祐二リーダーを始め、スタッフにより行われた。 特に、全員が月に一度集まる「LAの日」の午後に、既存のプログラムにはない、学びや活動 を学生皆さんの発意で展開していくことが重要であること、また、生活面での活動を「家族」と いうグループの単位に分かれてすることにより、お互いによく知り合い、協力していくことが特 色であることが、強調された。 第Ⅲ部 グループ別懇談 これから生活の単位となる「家族」に分かれて話し合いの時間が持たれた。 A、B、C、D、のグループごとに輪になって座り、リーダーとなるスタッフの司会で、 先ず互いに自己紹介をしてから、連絡やまとめ役をする「当番」を決めた。 5月の「LAの日」から、具体的なこととして「昼食の配膳や後片付け」が始まる。まずA家 族が担当することに決まった。 最高学部食堂での歓迎昼食会 昼は最高学部の食堂に招かれ、歓迎昼食会が催された。この食堂は、今後もリビングアカデミ ―の学生が、最高学部の学生と食事を共にする機会の多いところである。 学生と教員の拍手に迎えられて、全員が一列になって食堂に入り、席に着くと最高学部の委員 長から歓迎の言葉があり、感謝の黙祷をして食事が始まった。 毎日の献立を学生がたてるが、今日の献立は、枝豆梅ごはん、わかめスープ(豆腐、葱、えの きだけ入り)油淋鶏、サラダ(キャベツ、きゅうり、ピーマンであった。 通常行われる報告の後、最高学部について、その学びと生活の紹介が映像を使ってなされた。 最後に、学生・教員の拍手で送られた。 第Ⅳ部 キャンパス ツアー 午後のキャンパス ツアーはグループごとに分かれて行わ れた。 はじめに記念講堂の中で、キャンパス全体の概要の説明を 受けてから、外に出て記念講堂横にある「植物の化石」と いわれるメタセコイアの巨木を見上げることからツアーが 始まる。 このメタセコイアは苗木から育てたもので樹齢70年近い 木である。秋には黄金色に輝く紅葉が素晴らしい。 その後、緑あふれるキャンパスを歩く。自然の景観にマッチし、景観の一部にもなっている「歴 史的建造物の校舎」や「希少な植物」に、そして起伏に富むキャンパスに皆さんの興味・関心が 深まる。賛歌にあった、 「ケヤキ」 「銀杏」そして「モミジ」が多い。起伏のあるキャンパスの「ケ ヤキ坂」を下り、 「モミジ坂」を上る。 約一時間半のツアーを終えて戻られる皆さんの声は、 「疲れたけれど楽しかった」 。 歩いているキャンパスが「教室になる」との期待と夢が浮かんでくるキャンパスツアーで あった。 次回のお知らせ 次回の「LAの日」は、5月21日(土) 10:00からです。 サロン講座は「ドクメンタリー映画をつくって」で、講師は映画監督の羽田澄子さんです。 それまでの「LAクラス」は、下記のものです。 4月28日 (木) 染色 5月 7日 (土) 野草 5月11日 (水) 箱貼り 5月12日 (木) 染色 5月14日 (土) 樹木
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