認知症介護実践研修(実践リーダー研修)のねらいとカリキュラム

認知症介護実践研修(実践リーダー研修)のねらいとカリキュラム
(別紙1)
○ 介護保険施設・事業所のリーダーとして認知症高齢者主体のチームケアを効果的・効率的に行い,組織としてより良い認知症介護を実践することができる。
目
標
○ 認知症高齢者及び家族等に対する介護サービスを充実させるため,各地域内で,広島県認知症介護アドバイザーとして認知症介護に係る相談業務等を的確に
処理するとともに,認知症介護従事者をレベルアップさせることができる。
①
対
象
者
認知症に関する基本的な医学知識や介護技術を習得し,介護保険法第8条第24項に規定する介護保険施設,又は介護保険法第41条に規定する指定居宅サー
ビス事業者等において介護業務に概ね5年以上従事した経験を有している者
② 介護保険施設・事業所においてリーダーとしてチームケアを行う者,又は行う予定である者
③ 上記に加えて,認知症介護実践研修(実践者研修)を修了して1年以上経過している者
④ 研修修了後,広島県認知症介護アドバイザーとして登録し,地域における認知症介護に係る相談業務等に従事する者
編
ねらい(一般目標)
教 科 名
(1) 研修のねらい
1
認
知
症
介
護
の
理
念
認知症介護の経緯を踏ま
えて,新しい認知症介護の
考え方と今後の方向性を
知る。
また,チームとして介護理
念の共有化を図るため,
リーダーシップを発揮し,ケ
アの質の向上に努めること
の重要性について認識す
る。
(2)自立支援とアセスメント
(3) 介護理念の再構築
(4) 認知症の基礎的理解・
最新情報
到達目標(行動目標)
内 容
区分 時間
・ 研修の目的と目標を理解し,受講姿勢を明確にすることが
できる。
・ 研修の目的,目標の明示
・ 目的・目標とカリキュラムの関係を明示
・ 研修中の課題設定
講義
40
・ 認知症介護アドバイザーについて理解するとともに,
その役割を認識する。
・ 広島県認知症介護アドバイザーの概要
・ 認知症介護アドバイザーによる実践活動報告
講義
60
① 【介護の方法】
・ 認知症高齢者の能力に応じ自立した生活を支援する
ため,認知症介護のあり方について,事例を用いて学
ぶことにより,職場における具体的な介護イメージを
持ち,ケアの実践とスタッフの教育に活かすことが
できる。
② 【認知症介護のあり方に関するアセスメント】
・ 「生活支援のための認知症介護のあり方」及び「介護
現場の介護理念の構築」の講義・演習を踏まえて,自
施設の認知症介護に関するアセスメントを行い,認知
症介護に関する課題を明らかし,その改善点を見出す
ことができる。
・ 介護保険法に基づいた自立支援のあり方
・ 国際生活機能分類(ICF)の視点から自立支援
のケアマネジメント
(具体的な事例を用いた演習)
・ 職場のアセスメントから課題と改善点を明確に
する。
講義
+
演習
210
・ 自分の職場の理念の振り返り
~理念の共有化のために
・ 理念に基づいた介護目標
~あなた自身の認知症介護の理念を明確化
・ 認知症介護質向上計画書
講義+
演習
180
・ 医学的・心理的理解と生活の捉え方に
ついて
講義
120
・ 介護理念に基づいた具体的な介護目標をスタッフに
示し,チームが一体となったケアの実践ができる。
・ 認知症の種類や症状,メカニズムと認知症高齢者の心理を
知り,スタッフに対しても指導,助言ができる。
編
ねらい(一般目標)
教 科 名
(1) 実践リーダーの役割と視点
(2) サービス展開のためのリ
スクマネジメント
2
認
知
症
介
護
の
た
め
の
組
織
論
(3) ライフステージ
本人主体の質の高いケア 「看取り」への支援
を実践するためには,職場
内における多職種連携・協
働が不可欠であることを理
解し,他機関との連携・協
働が,認知症ケアを相互に
高め合うための必須条件 (4) 認知症高齢者及び家族
支援のための方策
であることを認識する。
(5) 地域資源の活用と展開
到達目標(行動目標)
・ 実践リーダーとして,介護理念を介護現場で実践して
いくために,実践リーダーが担う役割とスタッフとの関係
を理解し,認知症ケアの実践におけるリーダーとしての
視点を身につけることができる。
・ 高齢者虐待防止法の制定の経緯と基本を理解し,認知症
高齢者が日常生活の中で生じ得るリスクを理解する。
・ 権利阻害のひとつとなる虐待について理解し,権利擁護
の具体的な対応方法の理解を深め,スタッフに説明する
ことができる。
・ 認知症高齢者のライフステージに関わることの意義を理
解する。
・ 認知症高齢者が一人の人間として尊厳を持って心安らか
に生活できるよう,支援することができる。
・ 看取りについて,スタッフへ指導することができる。
・ 在宅における認知症高齢者の介護実態を把握すると
ともに,家族等の介護者が抱える問題を理解する。
・ 家族等の介護者が求めているものを理解し,介護や
支援を展開することができる。
・ 認知症介護アドバイザーとして学んだことが活用
できる。
・ 認知症高齢者の能力に応じた生活を支援するために必要
な地域資源(公的,非公的両方の社会資源)の内容と連携
について理解し,具体的な支援に結びつけることができ
る。
・ 認知症介護アドバイザーとして,地域資源の活用方法を
考える。
(6) 職場のメンタルヘルス
・ 実践リーダーの立場から,職場内の対人関係を健全に
保つため,職員のメンタルヘルスやストレスマネジメ
ントの内容と方法を理解し,スタッフに助言・支援
することができる。
内 容
区分 時間
・ チームケアのあり方
・ 実践リーダーとしての自己理解と役割の理解
・ 他スタッフとの関係の持ち方
講義
110
・
・
・
・
・
高齢者虐待防止法の基本
虐待,身体拘束の定義とその対応方法
権利擁護
成年後見制度の概要
クォリティマネジメントの考え方
講義
+
演習
180
・
・
・
・
・
看取り介護の理念と理解
人の死にゆく様子の変遷
人の死にゆく過程と死の受容過程
認知症高齢者の看取りへの支援例
「看取り」に関するスタッフ教育
講義
+
演習
90
・ 在宅介護の実態と介護家族の理解
・ 認知症高齢者と家族の関係
講義
+
演習
200
・ 認知症高齢者がおかれる環境
・ 認知症高齢者にとっての地域資源
・ 演習
講義
+
演習
120
・ 地域包括ケア構築における役割の理解
講義
+
演習
75
講義
+
演習
110
・
・
・
・
・
感情労働について理解する
介護現場で起こりやすいストレス
ストレスコーピングについて
職場の人間関係を良くするためには
組織としてのストレスマネジメント
編
ねらい(一般目標)
教 科 名
(1) 人材育成の考え方
3
人
材
育
成
の
た
め
の
技
法
・ 人材育成に積極的に取り組んでいる事例を用いながら,
人材育成の目的やねらいを理解し,その手法を学ぶ。
・ さらに,人材育成における課題や改善方法を見出す力
を身につけ,人材育成に活かすことができる。
(2) 効果的なケースカンファ
レンスの持ち方
・ スタッフの意欲や動機付けを高める効果的なケースカン
ファレンスの実施方法を学び,具体的に展開できる技
能を身につける。
(3) スーパービジョンの方法
・ スタッフに対して,日々の事案の中で,示唆や助言を
与えながら,より良い対応方法に導くスーパービジョン
の手法を身につけ,実践することができる。
人材育成の目的やねらい,
方法,工夫点,課題を理解 (4) コーチングの方法
し,人材育成の必要性を認
識する。
(5) 職場における人材育成
4
チ
ー
ム
ケ
ア
の
た
め
の
事
例
演
習
到達目標(行動目標)
・ スタッフ自らが考えて行動する能力を,対話の中から引
き出し,スタッフの自己改善やスキル向上につなげる
コーチングの手法を身につけ,実践することができる。
・ また,認知症介護アドバイザーとして,コーチングの
手法が活用できる。
・ 職場を中心とした人材教育や研修に,必要な企画立案の
方法を知る。
・ 講義・演習・指導等を行う際の伝達表現の基本と留意点
を理解し,実践することができる。
(6)事例演習( 人材育成)
・ 事例を用いて,介護現場で活用できるための実践的な
方法を身につけることができる。
(7)事例演習(地域包括ケア)
・ 地域のチームケアを具体的に検討し,関係機関との連携の
あり方について理解を深める。
(1)事例演習(チームケア)
「組織論」「人材育成」の
教科を踏まえて,認知症介
護のアセスメントとケアの
基本的な考え方と方法を事
例演習を通して習得するこ
とができる。
(2)事例演習(チームケア)
・
これまでの講義・演習を踏まえて,チームケアの目的,
方法・工夫点など理解することができる。
内 容
区分 時間
・ 人材育成について
・ 認知症介護に大切なこと
講義
90
・ カンファレンスの定義
・ 効果的なカンファレンスとは
・ 演習
講義
+
演習
180
・ スーパービジョンとは
・ 演習
講義
+
演習
150
・ コーチングとは
・ 演習
講義
+
演習
240
講義
+
演習
180
演習
115
・ 地域の困難事例について
演習
165
・ 認知症介護のアセスメントとケアの基本的考え方
・ チームケアの中で実践リーダーの果たす役割
講義
+
180
演習
・ 職場研修の企画立案方法及び講義・演習・指導
等の方法
・ 演習による講義内容と具体的方法の理解
・ 人材育成,チームケアを具体的に検討し,人材
育成の技法を体験的に深めることができる事例
・ 演習
・ チームケアを具体的に検討し,理解を体験的に
深めることができる。
演習 245
編
ねらい(一般目標)
教 科 名
到達目標(行動目標)
・ 他施設における実習課題を基に,認知症介護の質向上計
画書を作成することができる。
(1) 他施設・自施設実習説明
他施設において実習すること
により,自分自身の認知症ケ
アを振り返り,実践に活かすこ
とができる。
・ 学んだ知識と技術を基に,自己課題の解決を目指し,そ
の成果を得ることができる。
・ 自施設のみならず,他事業所,地域全体を視野に入れ,
認知症介護の質向上のための助言や指導ができる。
(2) 他施設実習
・ 自施設における実習課題を基に,認知症介護の質向上計
画書を作成することができる。
(1) 質向上計画書作成
5
職
場
実
習
職場実習により課題解決
力を身につけることができ
(2)自施設実習
る。
・ 学んだ知識と技術を基に,自己課題の達成を目指し,そ
の成果を得る。
・ 規定の様式に基づいて質向上計画を作成し,自施設にお
ける課題発見と解決のための実践力を身に付ける。
・ 広島県認知症介護アドバイザーの役割を理解し,
実践できる。
内 容
区分 時間
・ 自己の研修課題と研修の成果に基づいた,自施
講義
設の課題の抽出,実習目標の設定
+
・ 認知症介護の質向上計画書について
演習
・ 演習
【施設等実習】3日間
・ 研修方法:
自施設の課題に対して実習を行う。実習先から
実習 3日
得たヒントを基に,自施設の課題へ取り組むための計
画書を作成,発表する。
・ 自己の研修課題と研修の成果に基づいた実習
目標の設定
・ 認知症介護の質向上計画書について
・ 演習
講義
+
演習
170
・ 認知症介護アドバイザーの課題設定
演習
50
課題に沿った学びの展開(4週間)
研修方法:ガイドラインに基づいて実施
・ 計画案作成
・ 実施・発表・効果測定
・ 研修方法:ガイドラインに基づいて実施
・ 課題に沿った学びの展開
・ レポート作成
実習
4
週間
報告会
・ グループ内プレゼンテーション
意見交換,全体発表者選出
・ 全体プレゼンテーション
代表者が発表後,発表内容に対するアドバイス
等意見交換
6
自
己
評
価
当日の講義・演習を振り返
ることにより学びを確認し,
研修受講後の自己評価
研修修了後の実践に活か
す。
・ 研修受講前,研修直後の,
各科目の学びについて自己評価を行い,実践に活かす。
,
80
・ 研修受講前自己評価
・ 研修直後自己評価
報告会 1日
演習
105
計 3,445分