米国代表現地情報

米国代表 現地情報
2016 April
ロサンゼルス・ロングビーチ港におけるアポイントメントシステム導入への取組み
コンテナターミナルの混雑解消については世界各地でさまざまな取り組みが行われていますが、そのひとつ
として各地で試行されているのがアポイントシステム。これはターミナルへの或いはターミナルからの貨物の搬
出入を予約制で行おうというものです。此処 LA/LB 港でも取り組みが本格化してきています。現在 LA/LB 港
には全部で 13 のターミナルがありますが、昨年までにこのうち 5 社が先行して導入、今年さらに 5 社が導入を
決めました。貨物の搬出入を実際に担うのはトラック業者であり、それぞれがどこのターミナルにも出入りする
し、一日で複数のターミナルを回ることも常としてあります。このためアポイントメントシステムを導入したターミ
ナルが少数であってはトラック業者としては配車上のメリットを見出すことは難しかったと思います。ですがここ
に至って 13 ターミナル中の 10 ターミナルが導入する運びとなったのですから、LA/LB 港においてはアポイン
トメントシステムがあるのが当たり前、既成のものとして定着することが期待されます。
アポイントメントシステムを導入するかどうかはターミナルオペレーター個々の自主判断に委ねられていて何
かしらの強制力が働いたわけではありません。したがってアポイントシステムをどうのように導入するかについ
ても個別の裁量となります。ですが、まずは輸入貨物のデリバリーからこの制度を導入するのがベターと考え
るのはどうやらどのターミナルも同じ認識だったようです。ここまでは個別のターミナルの行動なのですが一方
では団体で取り組んだこともあります。荷主およびトラック業者にとって利用しやすいものになるように第三者
が運営するポータルを開設しました。荷主やトラック業者はこれ介して 10 のターミナルの情報、すなわち当該
貨物が搬出可能な状態になったかが確認でき、そのうえで予約をいれられるという、いわゆるワンストップショ
ッピングが可能になりました。このサイトについてもターミナル事業者側で協議した末、自主的に開設したもの
です。
筆者が在職しておりますターミナルはこの 4 月からアポイントメントシステムの運用を開始したところです。ま
ずは輸入貨物のデリバリーから制度を導入しました。輸入貨物の引き取りについてはすべて予約を必要とする
考えでいますが、導入当初はいきなり厳格なルール適用をするのではなく、トラッカーとのすり合わせも行いな
がら時間をかけて成熟させていく考えです。たとえば初期は予約なし来場しても拒否しないことにしましたし、予
約制度自体もピンポイントの時刻に固執せず概ねその前後 3 時間以内に来場すれば有効というようなソフトな
運用ではじめています。荷主・トラック業者とターミナルの双方にとってメリットのある、WIN/WIN な制度に育て
上げたいと願っています。
第三者が運営するポータルには、
携帯電話からのアクセスも可能。
Google Play や App Store からアプ
リのダウンロードができます。
コンテナ番号から搬出可能な状態
か確認ができます。