未熟児動脈管の治療 (内科治療)

未熟児動脈管の治療
(内科治療)
未熟児動脈管開存症治療ガイドライン
発症予防のまとめ
出生前ステロイドやサーファクタン
トなどを適切な患者さんにしっかり
水分の過剰投与は避け、ステロイドや
使用
フロセミドの使用は慎重
PDA 発症予
防のために
外科施行能力、在胎週数やIVHの発
生後6時間以内
症率など現状をふまえてインダシン
0.1mg/kg/dose
予防投与
6時間持続静注
初期治療のまとめ
酸素の方針は
肺血流増加に注意
症例ごと検討
基本は
インダシン
投与
水分の過剰投
栄養
与は避けて
の方針は症例ご
とに検討
でも脱水にはならないように
•
水分制限
•
•
最初120ml/kg/day 必要に応じて80∼60ml/kg/day
インダシン
•
予防投与時
•
•
生後6時間以内 0.1mg/kg/dose 6時間かけて
治療投与時
•
腎機能に応じて0.1 0.2mg/kg/dose 3 24時間毎 投与時間も4時
間以上かける
•
治療手段
手術
•
次回にくわしく
治療補助手段
•
輸血
•
必ず投与をすべきものではないが、貧血のあった場合
に輸血後に動脈管が閉鎖したという症例報告は多い。
•
人工呼吸管理
•
未熟児動脈管開存症で症候性の場合、呼吸障害をとも
なっている。それに対して、挿管人工呼吸管理、
Nasal SiPAP等を必要とする。閉鎖させる効果はな
い。
インダシン投与適応
•
インダシン
•
治療適応
•
症候性
•
•
•
PDAの症候、UCG所見、
予防投与
•
0.1mg/kg/dose 生後6時間以内
•
NRNの研究、Kumarら、によると有意な効果を認めている。
治療非適応
•
•
腎機能
•
尿量 1.0m/kg/h未満は延期または中断を考慮
•
Cre 1.5mg/dl 以下なら full dose, 1.5 2.0mg/dlなら減量を考慮。2.0mg/dl以上なら投与中断
出血傾向
•
脳室内出血等の出血直後は禁忌
併用療法のまとめ
治療インダシン0.1-0.2mg/kg/
尿量、血清クレアチニン(予防
dose 12時間­24時間ごと連続
時)、血糖値、Na値(治療時)、腹
三回まで
部消化管所見に注意
ドパミン、ドブタミン、赤血球
輸血、ビタミンA、フロセミド
は症例毎に検討
ステロイドは使用を奨めない
手術基準
外科的治療
内科的治療
経過観察・内科
施設ごとの外科
的治療の
治療、経験数、
禁忌
問題点
効果
副作用
不全
壊死
・
全
心不
・腎
性腸炎
晩期・再開存例・まとめ
インドメタシン抵抗性の晩期
未熟児動脈管開存症および再
開存例
経過観察
肺血流量、
体血流量、
心不全度を
インダシンの継続投与
勘案して
外科治療
インダシン副作用への対応
•
腎障害
•
ドーパミン、
•
•
DOAはわずかに尿量を増加させたが、血清クレアチニン値、ナトリウム排泄率への効果は明らかでは無かった。
フロセミド
•
フロセミドは平均尿量を増加させる効果があった。
•
しかし、インダシン投与前の尿素窒素/クレアチニン比が20mg/mg以上の児では尿量が増加するもののクレアチニンクリアラ
ンスの改善は得られなかった。尿素窒素・クレアチン比が20mg/mg以上の児では脱水例が多くフロセミドの投与は推薦されな
い。
•
水分制限
•
Cre値がある程度以上あがると乏尿性腎不全となることがある。この場合、尿量にあわせ、不感蒸泄+尿量程度の水分量のとう
よとする水分制限等をおこない腎機能の回復を待つ。
•
消化管
•
孔
インダシン投与中の一律の絶食は奨められていない。投与回数によらず、壊死性腸炎、消化管
孔の危険がある。ただし、連続4回
以上投与するときは壊死性腸炎の危険性が増す。
•
•
当院では、これに留意してステロイドのと同時投与は避けている。
出血傾向
•
投与によって、脳室内出血、肺出血等が有意に増加したという報告はない。しかし、作用機序からそのような副作用が生じることが
予測される。
•
低血糖
•
治療開始後24時間、48時間で血糖値の低下がみとめられた報告がある。