2013年度以前入学者用 授業科目の概要

学科科目
授業科目の概要
(2013 年度以前入学者に適用)
人文学科
国際社会学科
人間科学科
数理科学科
東
京
女
子
大
現 代 教 養 学 部
学
(6)学 科 科 目
人 文 学 科
■基盤講義
AK001
人文学入門
人文学は人間の知的・文化的な探究の営みと成果を探求することを目指し、そのため人文学科には、哲
学、日本文学、英語文学文化、史学の4つの専攻がおかれている。
この講義では、まずそれぞれの専攻での探求の一端を紹介する。これによって人文学の課題や研究方
法の基礎を学ぶ。それと同時に、他の専攻とのつながりや共通点についても学ぶことによって、人文知の
全体を広く眺め大きな視野から人間の文化を探求する基本姿勢を身に付けてもらう。授業は4つの専攻
の教員によるチェーン・レクチャー方式で進める。
■基盤演習
AK201
人文学基礎演習
人文学の基幹をなす哲学・文学・史学に共通する研究方法について、基礎的な知識やスキルを養成し、
かつ学問に誠実に向かい合う心構えを、演習形式によって各学生に確実に身につけさせることを目標と
する。具体的には、以下の三点に集約される。第一に、資料に触れて、原典に基づくことの重要性を知り、
そこから可能な限りの情報を引き出す方法を学ぶこと。第二に、先行研究をいかに探索するか、またその
先行研究に対して、どのように自己の見解を作り上げてゆくべきかを考えること。そして第三に、他者を説
得する論理を、組み立て、表現する方法である。
■卒業論文
AK901
卒業論文
学生が自らの知的関心に沿って研究テーマを設定し、資料を収集・分析して仮説をたて、論理的・批判
的考察を積み重ねることによって仮説を実証し、得られた結論を説得的に表現する、という一連の学問的
営みを通じて、学士課程での集大成として論文を作成する。(英語文学文化専攻は英語で執筆する。)主
に特殊演習においてそれらの論法を学ばせながら、各担当教員が個別に指導を行っていく。卒業論文
提出後には、複数の教員から成る主査・副査体制を基本に口述試験を実施し、論文の審査を行う。
AK902
Final Presentation
学生が自らの知的関心に沿って研究テーマを設定し、資料を収集・分析して仮説をたて、論理的・批判
的考察を積み重ねることによって仮説を実証し、得られた結論を説得的に表現する、という一連の学問的
営みを通じて、学士課程での集大成として英語による Presentation Essay を作成する。主に特殊演習に
おいてそれらの論法を学ばせながら、各担当教員が個別に指導を行っていく。Presentation Essay に基
づき英語で行われる Final Presentation を口述試験として実施し、複数の教員から成る主査・副査体制を
基本に論文およびプリゼンテーションの審査を行う。
100
哲 学 専 攻
■基盤講義
AA001
哲学入門 I
哲学とはなにか、をゼロから学ぶ。哲学することのトレーニングの授業であり、常に、受講生との応答や議
論のなかで講義は進められる。日常的で常識的なものの見方のあいまいさや不確かさを確認し、常識に
囚われずクリアにものごとを深く考え抜く力を身につける。「哲学入門Ⅰ」では、哲学的テキストに触れる前
に、自分自身でものをじっくり考える訓練に重きを置いて授業を進める。
AA002
哲学入門 II
哲学とはなにか、をゼロから学ぶ。哲学することのトレーニングの授業であり、常に、受講生との応答や議
論のなかで講義は進められる。日常的で常識的なものの見方のあいまいさや不確かさを確認し、常識に
囚われずクリアにものごとを深く考え抜く力を身につける。「哲学入門Ⅱ」では、先達の思想家たちのテキ
ストにも接しながら、難解なテキストと、自分自身で考えることの連関を考えていく。
AA003
哲学概論
哲学とはどのような学問かということについて、基本的な姿勢を学ぶことを目標とする。内容としては、人間
と文化のかかわりを中心にして、人間が言語や知識を通じて周囲のものとどのように関わりながら、世界を
築いていくかを考える。そのために、古今のさまざまな哲学・思想を手がかりにし、また隣接するいろいろ
な学問も参考にして、多面的に検討する。ただし、学説の紹介よりは、問題の立て方とそれに対する自分
自身の考え方を養うことに力点をおく。
AA004
倫理学概論
倫理学とはどのような学問かということについて、基本的な姿勢を学ぶことを目標とする。内容としては、社
会生活を営む人間同士のかかわり方を中心に、「私」の存在、善と悪の判断、法や道徳が成立する根拠
などを考え、価値観の多様化の中でこれからあるべき社会のルールについて模索する。そのために、古
今のさまざまな思想を手がかりにして、多面的に検討する。ただし、学説の紹介よりは、問題の立て方とそ
れに対する自分自身の考え方を養うことに力点をおく。
AA005
美学概論
美学の基礎的な諸概念と現代において美学の当面している問題を取り上げ検討することによって、美学
という学問の理解とその基礎の養成を目的とする。テーマとしては美の概念と芸術の概念の歴史的展開
を概説した上で、現代の美学における美と芸術の概念と両者の関わりをめぐる議論を紹介しつつ検討す
るとともに、それを通して現代の社会における芸術のあり方について考える。また、文学、美術、音楽など
個別諸芸術の問題についてもできるかぎり触れる。
101
AA006
キリスト教学概論
人文学科とくに哲学専攻の学生を対象とし、ヨーロッパ思想史の必須の素養としてのキリスト教思想へと
いざなう。神の愛と隣人愛、信仰と希望、原罪と贖罪、三位一体論など、キリスト教思想の基本を解説し、
ペテロ、パウロ以来のキリスト教会史の流れを概観する。天使とも動物とも異なる被造物としての人間の位
置を明らかにすることは、「人間とは何か」という哲学的考察にも資するところ大であろう。また、キリスト教
の提起する人間観は、現代世界が直面している深刻な危機を見抜く洞察力を培うに違いない。
AA007
西洋哲学史AI
初期ギリシア哲学を平易に概説する。紀元前6世紀以来の、哲学の端緒をめぐる、ソクラテス以前の思想
家の多彩な思索の跡を辿る。科学、神話、文学、宗教などと対比しながら、自然と人間をめぐる雄大で豊
饒な古代世界の遺産を堪能したい。テクストは、荻野弘之『哲学の原風景―古代ギリシアの知恵とことば』
(NHK 出版)を用いる。
AA008
西洋哲学史AII
「西洋哲学史 AI」に引き続いて、紀元前5-4世紀のアテナイで活躍したプラトン、アリストテレスを中心に、
西洋哲学史の礎石を据えた哲学的思考の原型を取り出す。現代哲学の諸問題と交錯する最新の研究状
況の一端も併せて紹介する。テクストは、荻野弘之『哲学の饗宴―ソクラテス、プラトン、アリストテレス』
(NHK 出版)を用いる。
AA009
西洋哲学史BI
西洋近代哲学史は、十七世紀に一応の成立をみた科学革命の衝撃を受けて、デカルトとともに始まる。こ
の初期起動のゆくえを、デカルトの主著と見なされてきた『方法序説』の第一部から第六部までを読解す
ることによって、実地に見届けたい。参照する著作は多岐にわたるが、中心に据えられるのは『方法序説』
(谷川多佳子訳、岩波文庫)である。
AA010
西洋哲学史BII
近代の特筆すべき現象として、国家にとって代わる「社会」の成立が挙げられる。ホッブズの新しい政治学
を引き継いだルソーは、自由・平等・博愛という近代的理念の礎を築いた。このいわゆる社会哲学の消息
を、哲学史的に俯瞰したい。参照する著作は多岐にわたるが、中心に据えられるのは『人間不平等起源
論』(本田・平岡訳、岩波文庫)である。
AA011
キリスト教史
イエス・キリストの死と復活を説き、普遍宗教への道を開いた使徒パウロ。古代ギリシア哲学を摂取し、教
義の確定に与った教父アウグスティヌス。アリストテレス哲学を用いて神学を集大成した、スコラ哲学の高
峰トマス・アクィナス。原点としての聖書に立ち返り、カトリック教会支配からの脱皮を図った改革者ルター
などを核にキリスト教思想史を辿り、それがいかにヨーロッパ精神の源泉となっているかを明らかにする。
102
AA012
東洋思想史
中国の思想を儒教的な文脈で集大成した朱子学の思想的構成を考察し、さらに、朱子学の解体過程に
登場する陽明学の思想的特徴を分析しながら、中国近代思想を概観する。さらに、朱子学には、どのよう
な哲学的な論争が存在しているのかをテキストから読み解きながら、同時に、そのような論争が今日の私
たちにどのような示唆を与えうるのかを考察する。
■特殊講義
AA101
哲学特論(存在論)AI
現代哲学の諸問題を講ずる。フッサールからハイデガー、サルトル、メルロ・ポンティ、さらにアーレントへ
と引き継がれた現象学の思潮を、その可能性において見届けたい。「世界」の概念を中心テーマに取り上
げる。現象学の「源流」としての古代哲学、とくにアリストテレスの存在論にも目を配りつつ、『イデーン』、
『存在と時間』、『人間の条件』等を読み解く。
AA102
哲学特論(存在論)AII
「哲学特論(存在論)AI」に引き続いて、現代哲学の諸問題を講ずる。フッサールからハイデガー、アーレ
ントへ引き継がれた現象学の思潮を、その可能性において見届けたい。「直観と行為」を中心テーマに取
り上げる。現象学のルーツである古代哲学、とくにアリストテレスによる観照的生と活動的生の区別も押さ
えつつ、『イデーン』、『存在と時間』、『人間の条件』等を読み解く。
AA103
哲学特論(存在論)BI
二十一世紀における哲学の可能性を論ずる。ニーチェ、ヤスパース、ハイデガー、九鬼、和辻、アーレン
ト、ヨーナスらによって展開された実存思想を、そのアクチュアリティにおいて続行する。「死と誕生」を中
心テーマに取り上げる。生命倫理や環境倫理、世代間倫理等の問題にも踏み込んでいく。『ツァラトゥスト
ラはこう言った』、『存在と時間』、『偶然性の問題』、『倫理学』等の著作を主に取り上げる。
AA104
哲学特論(存在論)BII
「哲学特論(存在論)BI」に引き続いて、現代における哲学の可能性をさぐる。ヤスパース、ハイデガー、ア
ーレント、ヨーナスらによって展開された実存思想を、そのアクチュアリティにおいて続行する。「終末と原
初」を中心テーマに取り上げる。生命倫理や環境倫理、世代間倫理、戦争とテロルの問題にも踏み込ん
でいく。『哲学』、『哲学への寄与』、『責任という原理』等の著作が主に取り上げられる。
AA105
哲学特論(生命論)AI
空間と身体の問題を、哲学的・思想史的に考察する。日常言語に深く根ざした空間と身体の問題を哲学
的に解きほぐす作業を通じて、人間の存在のあり方を探求する。題材としては、アリストテレス以来の「場」
の思想を跡付けるとともに、デカルト以降の近代の身体観を丁寧に検討し、現代の哲学的思索の成果を
批判的に評価する。同時に、社会学、歴史学、心理学、教育学など周辺領域の諸科学の見地も取り入れ、
多角的かつ多層的に、人間のあり方を見極めることを試みる。
103
AA106
哲学特論(生命論)AII
空間と身体の問題を、哲学的・思想史的に考察する。日常言語に深く根ざした空間と身体の問題を哲学
的に解きほぐす作業を通じて、人間の存在のあり方を探求する。題材として実践的な空間移動の場面を
取り上げて、歴史的事象との絡みの中で人間がどのように空間を理解し、その中で生き、また自身の身体
を捉えてきたかということを扱う。これを通じて、理論的な考察と連動する形で人間の身体的営みの構造と
意味を明らかにすることを目指す。
AA107
哲学特論(生命論)BI
生命に関する哲学、倫理学的な諸問題について、歴史的、理論的、実践的な検討を加える。生命はさま
ざまなアプローチを可能とするが、むしろ多角的な検討をこそ必要とするものであり、できる限り多くの面
から考えることを試みる。この学期では、生命がどのように扱われてきたかを、歴史的な研究を踏まえなが
ら、古今東西の学説を取り上げる。それぞれの題材には歴史的経緯や異分野連携・融合という厄介な問
題が絡んでいるが、現代的な視点を十分に意識しつつ扱う。
AA108
哲学特論(生命論)BII
生命に関する哲学、倫理学的な諸問題について、歴史的、理論的、実践的な検討を加える。生命はさま
ざまなアプローチを可能とするが、むしろ多角的な検討をこそ必要とするものであり、できる限り多くの面
から考えることを試みる。この学期では、生命にかかわる実践的な場面に焦点を当て、生命倫理の諸問
題からいくつか取り上げる。学生はテーマに関する情報を自ら収集し、発表や議論を通じて考え方を練り
上げることが求められる。これによって自分で問題を考える力を養うことを目指す。
AA109
哲学特論(科学論)AI
今日、コンピュータサイエンスやDNAによる生命解読、脳科学の発展にともなって、ふたたび「心とは何
か」という問いが時代の大きな関心となっているように思われる。この科学の側からする<心>へのアプロ
ーチは基本的に唯物論(物理主義)的である。この授業では、アリストテレス『デ・アニマ』(心とは何か)を
軸にすえ、イスラム世界でのその受容と解釈、中世ヨーロッパへの流入とトマスの『デ・アニマ』注解の問題
までを総覧する。
AA110
哲学特論(科学論)AII
今日、コンピュータサイエンスやDNAによる生命解読、脳科学の発展にともなって、ふたたび「心とは何
か」という問いが時代の大きな関心となっているように思われる。この科学の側からする<心>へのアプロ
ーチは基本的に唯物論(物理主義)的である。この授業では、アリストテレス『デ・アニマ』(心とは何か)を
軸にすえ、安土桃山時代のきりしたん版『デ・アニマ』、デカルトの心身二元論、そして今日の「心の哲学」
の問題までを総覧する。
104
AA111
哲学特論(科学論)BI
デジタルテクノロジーの出現や医療技術の飛躍的進展によって、時代は大きく変化したが、哲学や思想
はこのような変化とどのような関わりを持っているのだろうか。このような視点から、あらためて、プラトンや
アリストテレス、ライプニッツ、パスカル、カントらの思想を検討し、問題をそれぞれが自分自身で考えられ
ることを目指す。
AA112
哲学特論(科学論)BII
デジタルテクノロジーの出現や医療技術の飛躍的進展によって、時代は大きく変化したが、哲学や思想
はこのような変化とどのような関わりを持っているのだろうか。哲学の古典的テキストを読み解くことによっ
て、現代という時代特有の問題にどのような光をあてることができるかを示し、問題をそれぞれが自分自身
で考えられることを目指す。
AA113
倫理学特論AI
近代日本を代表する哲学者、西田幾多郎について学ぶ。西田は、西洋哲学を深く広く学ぶとともに、日
本仏教特に禅の思想にも深い思索を続け、単なる東西融合には終らない独自の哲学を築くこととなり、ま
た多くの思想的後継者を生み出して、「京都学派」とよばれる系譜をも形成することになった。こうした西田
の思想から、「純粋経験」論、「場所」論、東西文明論、他者論、創造論、生命論、宗教論などをめぐる彼
の思索を紹介し、その現代的意義について考える。
AA114
倫理学特論AII
戦前における最も独創的な哲学者の一人である三木清について学ぶ。三木は西田幾多郎の愛弟子であ
りながら、西田哲学を抜け出して新たな体系を打ち立てようと悪戦苦闘した。ドイツでの研究を通じて古典
から時代の最前線に至る西洋思想を学び、それを糧に日本でいかなる哲学が可能かを模索した三木に
ついて、その宗教論、歴史哲学、文学論、構想力論などを紹介し、前期で学んだ西田哲学と比較しなが
ら、その現代的意義について考える。
AA115
倫理学特論BI
昭和時代の日本を代表する哲学者である九鬼周造について学ぶ。九鬼は長期にわたりドイツ・フランスで
伝統的な学問を学ぶとともに、最先端の哲学にも、西洋哲学の精緻な研究を身に付けた。一方で、日本
の古典文化の神髄を見極める作業にも精力を傾け、「いき」という特殊な概念に日本的なあり方の核心を
つかんだ。九鬼はこのような両義的精神をあえて統一せず、「二元性」のままとどめて発展させた。こうした
独自な哲学世界を紹介しつつ、現代において理解されるべき意義についても可能性を探る。
AA116
倫理学特論BII
戦後の日本の倫理学の確立に大きな役割を果たした和辻哲郎について学ぶ。倫理学を人と人との「間」
に存する間柄についての研究と位置づけ、その意味での「人間」の概念のもとに歴史的・地理的多様性
をも含み込む和辻倫理学は、西洋の倫理学がたどってきた規範中心の考え方とは大きく異なるものであ
105
る。和辻の倫理学がもたらしたさまざまな成果は、古今東西の文化的営為や、自然風土のあり方にまで射
程が及ぶ広いものである。こうした和辻倫理学が現代に問うたものを探る。
AA117
美学特論AI
芸術学ならびに芸術史における諸問題のなかから、基本的と思われる問題を選び、それを中心に考察す
ることによって、問題の理解を深めるとともに、それを通して、美と芸術の多様な側面を学ぶことを目的と
する。とくに美術理論における理論的諸問題を取り上げることになるが、図版、映像などを通し具体的な
事例を提示することによって、たんに理論としてだけではなく、作品に即して考察することに習熟させ、学
生の美術に対する関心を養う。
AA118
美学特論AII
「美学特論 AⅠ」に引き続いて、芸術学ならびに芸術史における諸問題のなかから、基本的と思われる問
題を選び、それを中心に考察することによって、問題の理解を深めるとともに、それを通して、美と芸術の
多様な側面を学ぶことを目的とする。とくに美術史における理論的諸問題を取り上げることになるが、図版、
映像などを通し具体的な事例を提示することによって、たんに理論としてだけではなく、作品に即して考
察することに習熟させ、学生の美術に対する関心を養う。
AA119
美学特論BI
美学における諸問題のなかから、基本的と思われる問題を選び、それを中心に考察することによって、問
題の理解を深めるとともに、それを通し、美と芸術の多様な側面を学ぶことを目的とする。美と芸術に関し
て理論的に考察することになるが、副次的には、学生の美と芸術に対する感性を養うことも目指す。そこ
で、美術、文学、音楽、映画等具体的な事例を使用して作品鑑賞の仕方を学ぶとともに、具体事例にそく
した問題考察の仕方を学ぶ。
AA120
美学特論BII
芸術学における諸問題のなかから、基本的と思われる問題を選び、それを中心に考察することによって、
問題の理解を深めるとともに、それを通して美と芸術の多様な側面を学ぶことを目的とする。芸術を理論
的に考察することになるが、副次的には、学生の芸術に対する感性を養うことも目指す。この講義では文
学、音楽、映画等のさまざまな個別芸術にそくして、問題を考察する予定であり、作品の鑑賞の仕方を学
ぶとともに、個々の芸術分野にいかなる問題があるかを学ぶことになる。
AA121
キリスト教学特論AI
キリスト教思想の源泉をさぐる旧約聖書学の特殊講義。古代イスラエルの宗教思想の発展過程で、バビロ
ン捕囚時代、ペルシア時代、ヘレニズム時代、と時代が下るにつれて、黙示思想が豊かに開花し、発展
を遂げ、初期ユダヤ教や新約聖書の思想に大きな痕跡を遺した。この黙示思想の系譜を辿る。テキストと
して、『旧約聖書』および『旧約聖書続編』を用いる。出席者のあいだでの討論も重視したい。
106
AA122
キリスト教学特論AII
古代イスラエルの宗教思想の発展過程で、バビロン捕囚時代、ペルシア時代、ヘレニズム時代、と時代
が下るにつれて、黙示思想が豊かに開花し、発展を遂げ、初期ユダヤ教や新約聖書の思想に大きな痕
跡を遺した。「キリスト教学特論 AⅠ」に引き続いてこの黙示思想の系譜を辿る。テキストとして、『旧約聖
書』および『旧約聖書続編』を用いる。出席者のあいだでの討論も重視したい。
AA123
キリスト教学特論BI
キリスト教と現代をめぐる聖書研究の立場からの試論。現代社会の死生観、性、ジェンダー、経済、社会
倫理、環境問題について、聖書あるいはキリスト教はどのような視点・視座を提供できるかを検討する。参
加者の関心により、仏教やイスラム教の考え方にもふれたい。併せて、フェミニストによる聖書研究が、従
来の聖書学の方法論では見えてこなかった新しい知見をもたらし、新地平を切り拓いたことを評価・再検
討する。
AA124
キリスト教学特論BII
「キリスト教学特論 BⅠ」に引き続いて、現代社会の死生観、性、ジェンダー、経済、社会倫理、環境問題
について、聖書あるいはキリスト教はどのような視点・視座を提供できるかを検討する。参加者の関心によ
り、仏教やイスラム教の考え方にもふれたい。併せて、フェミニストによる聖書研究が、従来の聖書学の方
法論では見えてこなかった新しい知見をもたらし、新地平を切り拓いたことを評価・再検討する。
AA125
思想史特論AI
問題を深く理解するためには、歴史的な由来の知識が必須である。「思想史特論」は狭義の哲学だけで
はなく、広く芸術論、倫理学、宗教などの思想文化の歴史における重要な主題を選び、それについて学
ぶことによって、学生の多面的な関心に答えるとともに、視野を拡大することを目的とする。また同時に、
学生の知識に歴史的深みを与え、歴史的研究の方法に習熟することを図る。この授業ではとくに哲学史
の領域から主題を選択し、哲学特論等の講義と連携を図る。
AA126
思想史特論AII
問題を深く理解するためには、歴史的な由来の知識が必須である。「思想史特論」は狭義の哲学だけで
はなく、広く芸術論、倫理学、宗教などの思想文化の歴史における重要な主題を選び、それについて学
ぶことによって、学生の多面的な関心に答えるとともに、視野を拡大することを目的とする。また同時に、
学生の知識に歴史的深みを与え、歴史的研究の方法に習熟することを図る。「思想史特論 AⅠ」に引き
続いて哲学史の領域から主題を選択し、哲学特論等の講義と連携を図る。
AA127
思想史特論BI
問題を深く理解するためには、歴史的な由来の知識が必須である。「思想史特論」は狭義の哲学だけで
はなく、広く芸術論、倫理学、宗教などの思想文化の歴史における重要な主題を選び、それについて学
ぶことによって、学生の多面的な関心に答えるとともに、視野を拡大することを目的とする。また同時に、
107
学生の知識に歴史的深みを与え、歴史的研究の方法に習熟することを図る。この授業ではおもに美学史、
東洋思想史の領域から主題を選択する。
AA128
思想史特論BII
問題を深く理解するためには、歴史的な由来の知識が必須である。「思想史特論」は狭義の哲学だけで
はなく、広く芸術論、倫理学、宗教などの思想文化の歴史における重要な主題を選び、それについて学
ぶことによって、学生の多面的な関心に答えるとともに、視野を拡大することを目的とする。また同時に、
学生の知識に歴史的深みを与え、歴史的研究の方法に習熟することを図る。この授業ではおもに倫理思
想史、東洋思想史などの領域から主題を選択する。
AA129
思想史特論CI
問題を深く理解するためには、歴史的な由来の知識が必須である。「思想史特論」は狭義の哲学だけで
はなく、広く芸術論、倫理学、宗教などの思想文化の歴史における重要な主題を選び、それについて学
ぶことによって、学生の多面的な関心に答えるとともに、視野を拡大することを目的とする。また同時に、
学生の知識に歴史的深みを与え、歴史的研究の方法に習熟することを図る。この授業では哲学、美学、
倫理学などの領域から主題を選択する。
AA130
思想史特論CII
問題を深く理解するためには、歴史的な由来の知識が必須である。「思想史特論」は狭義の哲学だけで
はなく、広く芸術論、倫理学、宗教などの思想文化の歴史における重要な主題を選び、それについて学
ぶことによって、学生の多面的な関心に答えるとともに、視野を拡大することを目的とする。また同時に、
学生の知識に歴史的深みを与え、歴史的研究の方法に習熟することを図る。この授業は、「思想史特論
CⅠ」を受け、美学、倫理学などの領域から主題を選択する。
■基盤演習
AA201
哲学基礎演習
「人文学基礎演習」を前提に、哲学的学問を学んで行くための最初の手ほどきを行うことを目的とする。こ
のため、人文学と哲学との関わりについて学ぶことから始める。つぎに、プラトン、アリストテレス、デカルト
など哲学の古典的なテキストを選んで読み、またこれをもとにディスカッションを行うことによって、哲学の
書物の読解の仕方を学ぶとともに、哲学の基本的な概念の習得、哲学的な把握、思考法の習熟を図り、
以後の学習の基礎を養成する。
AA202
2年次演習(哲学)I
1年次の「哲学基礎演習」に続く、哲学専攻の2年次向けの哲学書講読初級ゼミ。ニーチェの主著の一つ
『愉しい学問』(従来の邦訳では『悦ばしき知識』)をじっくり読み込んで、3年次以降で履修する哲学専攻
のより専門的な演習に参加するための下準備としたい。哲学のみならず、文学、歴史にまたがる教養を読
108
者に要求するニーチェの難解なテクストを、丹念に読みとくことで、古典を読む厳しさと喜びを体得させ
る。
AA203
2年次演習(哲学)II
「2年次演習(哲学)I」に続く、哲学専攻の2年次向けの哲学書講読初級ゼミ。ニーチェの主著の一つ『愉
しい学問』(従来の邦訳では『悦ばしき知識』)をじっくり読み込んで、3年次以降で履修する哲学専攻のよ
り専門的な演習に参加するための下準備としたい。哲学のみならず、文学、歴史にまたがる教養を読者
に要求するニーチェの難解なテクストを、丹念に読みとくことで、古典を読む厳しさと喜びを体得させる。
■発展演習
AA301
哲学演習(英語文献)A
英語文献を扱う、3年次以降対象の原書講読の中級ゼミ。ハンナ・アーレントの主著『人間の条件』(初版
1958 年)を、英語版 The Human Condition(2. Edition, The University of Chicago Press, 1998)でじっくり
読んでいく。日本語訳(ちくま学芸文庫)も参照してよい。現代世界の混迷と危機の本質を半世紀前にみ
ごとに言い当てた、二十世紀を代表する哲学書に接して、参加者一人一人が、原初的に思考することの
豊かさと広がりを体感しつつ、密度の濃いテクストをみずから読み解く技術を身につけることを目指す。
AA302
哲学演習(英語文献)B
英語文献を扱う、3年次以降対象の原書講読の中級ゼミ。ハンナ・アーレントの第二の主著『革命につい
て』(初版 1963 年)を、英語版 On Revolution(Reprinted in Penguin Books, 1991)でじっくり読んでいく。
日本語訳(ちくま学芸文庫)も参照してよい。戦争の時代のみならず革命の時代でもあった二十世紀の真
只中に書かれた革命論の古典に接して、二十一世紀における政治哲学の可能性をさぐるとともに、革命
を遠望しつつ、参加者一人一人が、密度の濃いテクストをみずから読み解く技術を身につけることを目指
す。
AA303
哲学演習(独語文献)A
哲学書の金字塔と呼ばれる、カントの『純粋理性批判』を原書講読する。ドイツ哲学を学ぶだけでなく、難
解なテキストを読み解く訓練を通じて、読解力や洞察力を深めることも目的とする。適宜、英訳や日本語
訳も使用し、また種々の研究書も参考にする。二、三回のイントロダクションの後、受講生二人を一組とし
て、担当箇所を決め、その箇所の訳、解説、疑問点をレジュメを作りながら進行する。
AA304
哲学演習(独語文献)B
哲学書の金字塔と呼ばれる、カントの『純粋理性批判』を原書講読する。ドイツ哲学を学ぶだけでなく、難
解なテキストを読み解く訓練を通じて、読解力や洞察力を深めることも目的とする。適宜、英訳や日本語
訳も使用する。一字一句をじっくり吟味しながら読み進む。読む量よりも読む深さを眼目とする。二、三回
のイントロダクションの後、受講生二人を一組として、担当箇所を決め、その箇所の訳、解説、疑問点をレ
ジュメを作りながら進行する。
109
AA305
哲学演習(仏語文献)A
フランス語を用いて書かれた 17、18 世紀の哲学文献を原語で読む。原語で読むことの意義は、著者のこ
とばに直接触れることによって、語や思想の歴史的な背景も含めて、翻訳だけによっては得られないテキ
ストの読み方が可能になることにある。フランス語は初学者がほとんどであり、テキストの十分な読み込み
はたやすいものではないが、じっくりと深く読む訓練を辛抱強く続けることによって、読解の醍醐味を味わ
うことができるようになることを目指す。
AA306
哲学演習(仏語文献)B
フランス語を用いて書かれた 19、20 世紀の哲学文献を原語で読む。原語で読むことの意義は、著者のこ
とばに直接触れることによって、語や思想の歴史的な背景も含めて、翻訳だけによっては得られないテキ
ストの読み方が可能になることにある。フランス語は初学者がほとんどであり、テキストの十分な読み込み
はたやすいものではないが、じっくりと深く読む訓練を辛抱強く続けることによって、読解の醍醐味を味わ
うことができるようになることを目指す。
AA307
哲学演習(西洋古典語文献)A
西洋古典語(ギリシア語、ラテン語)で書かれた哲学文献を扱う、3年次以降対象の原書講読の中級ゼミ。
プラトンの代表的対話篇(『ゴルギアス』、『国家』、『ピレボス』など)をテキストに選び、哲学・倫理学の基本
問題を多面的に考える。ギリシア語テキストと各種日本語訳のほか、英文の注釈書や研究論文を交えて
検討する。古代哲学を研究するうえでの方法論の基本を押さえるとともに、プラトンのテクストに固有にひ
そむ解釈上の問題点を扱う。目標は、「いかに生きるべきか」という幸福の問題の追究にある。
AA308
哲学演習(西洋古典語文献)B
西洋古典語(ギリシア語、ラテン語)で書かれた哲学文献を扱う、3年次以降対象の原書講読の中級ゼミ。
禁欲主義で知られる古代ローマ時代のストア派の文献を取り上げる。セネカ、エピクテトス、マルクス・アウ
レリウスらのテクストを精読し、「自然と一致した生活」を規範とする人間観を学ぶ。理性と情念、孤独と運
命愛などの思索は、後世のモラリストやキリスト教の修道院文化にも絶大な影響を与えた。人生論の古典
にふれて哲学の奥行きを確かめたい。ロエブ古典叢書の原典を参看しつつ、各種邦訳を用いる。
AA309
倫理学演習A
倫理学を深く学ぶとともに、問題を自ら考える力を養うことを目指す。倫理学は実際の生活とのつながりを
自覚すべきものではあるが、そのためにあえて現実から距離をとって深く広く考えることも必要である。そ
のためこの演習では、西洋近代の倫理思想を学ぶことを第一の課題とする。抜き書きのつまみ食い的理
解ではなく、歴史的背景のもとで個々の思想を全体的に理解することを心がける。同時に、その思想の現
代的意義について、発表や議論を交えながら、学生自らの思索に資するものとなることを目標とする。
110
AA310
倫理学演習B
倫理学を深く学ぶとともに、問題を自ら考える力を養うことを目指す。倫理学は実際の生活とのつながりを
自覚すべきものではあるが、そのためにあえて現実から距離をとって深く広く考えることも必要である。そ
のためこの演習では、西洋現代の倫理思想を学ぶことを第一の課題とする。抜き書きのつまみ食い的理
解ではなく、歴史的背景のもとで個々の思想を全体的に理解することを心がける。同時に、その思想の現
代的意義について、発表や議論を交えながら、学生自らの思索に資するものとなることを目標とする。
AA311
美学演習A
美学に関わるプラトン以来現代に至る古典的、基本的な書物のなかからテキストを選んで読み進めるとと
もに、それをもとに美学の諸問題について報告、ディスカッションを行うという形で授業を進めるが、美学
文献の読解の仕方に習熟するとともに、美学における問題の立て方、考察の方法を学ぶことを目的とす
る。外国文献は良質の日本語訳があればそれを使用することもあるが、英語その他のテキストをも使用す
る。
AA312
美学演習B
美術理論、音楽理論など各個別芸術学に関係するテキストを読み進めるとともに、それをもとに報告、デ
ィスカッションを行うという形で授業を進める。これによって芸術学の文献の読解の仕方に習熟するととも
に、芸術学における問題の立て方、考察の方法を学ぶことを目的とする。外国文献は良質の日本語訳が
あればそれを使用することもあるが、英語その他のテキストをも使用する。
AA313
キリスト教学演習A
パウロの信仰義認論をめぐる近年の議論を踏まえつつ、新約聖書に保存されたパウロ書簡の関連テクス
トを釈義的に検討することで、キリスト教の本質に関する理解を深める。このために、近年の研究史に関す
る概観を行う。毎回の担当者は、少なくとも指定されたすべての註解書を参照した上で、レジュメを用意し、
独自の釈義を提示する。その後、参加者全員で討議を行う。
AA314
キリスト教学演習B
パウロの信仰義認論をめぐる近年の議論を踏まえつつ、新約聖書に保存されたパウロ書簡の関連テクス
トを釈義的に検討することで、キリスト教の本質に関する理解を深める。このために、パウロの真正書簡よ
り、主題との関連で重要な箇所を選び、ゼミ形式による共同の釈義に付す。毎回の担当者は、少なくとも
指定されたすべての註解書を参照した上で、レジュメを用意し、独自の釈義を提示する。その後、参加者
全員で討議を行う。
AA315
思想史演習A
明治の思想家、中江兆民は「わが日本いにしえより今にいたるまで哲学なし」と語っている。確かに「哲学」
という言葉自体、明治始めに西周によって考案されたものである以上、兆民の発言は正しいが、では、明
治時代以前に日本には「哲学」にあたるようなものは存在しなかったのだろうか。演習はこの問いを出発
点として、古事記、キリシタン文書など多岐にわたる著作を取り上げ日本の「哲学」について検討する。
111
AA316
思想史演習B
明治の思想家、中江兆民は「わが日本いにしえより今にいたるまで哲学なし」と語っている。確かに「哲学」
という言葉自体、明治始めに西周によって考案されたものである以上、兆民の発言は正しいが、では、明
治時代以前に日本には「哲学」にあたるようなものは存在しなかったのだろうか。演習はこの問いを出発
点として、江戸時代の国学や蘭学、西周の諸著作など多岐にわたる著作を取り上げ日本の「哲学」につ
いて検討する。
■特殊演習
AA401
4年次特殊演習(哲学)
4年間の学習の成果の結実が卒業論文となる。そこで、卒業論文の作成を前提に、各自の問題意識に応
じた問題をいかに選び、思考をどのように進め、論の展開をいかに展開するかを実地に指導するとともに、
随時、各自の研究結果を報告し、相互に批判検討しながら作業を進めて行く。また、たんに内容的な事
柄ばかりではなく、論文の書き方、資料の調査方法とその取り扱い方など研究を進める上での基礎的な
手続きに学生が習熟することを目指す。
112
日本文学専攻
■基盤講義
AB001
日本語史入門
日本語史に関する基本的な知見を身につけることを目標とする。日本語史研究の一分野である文字史を
とりあげ、その史的展開を学びつつ、日本語が歴史的にどう変化し、又、それを変化させた要因は何かを
講ずる。具体的には、漢字、万葉仮名、平仮名、片仮名、ローマ字、諸符号、仮名遣い等の史的展開を
テキストの項目に従って補助プリントも併用しながら進める。各時代の代表的な写本の複製資料を配布し、
受講生に積極的に読み込む作業を課しながら、日本語の変化を理解する。
AB002
日本語文法入門
日本語の文法に関する基本的な知見を身につけることを目標とする。現代日本語の文法について、いわ
ゆる学校文法とは異なる考え方を提示し、文法とは何かを考えるきっかけを与える。規範文法ではなく、
記述文法としての文法の在り方を示すことにより、自ら問題を発見し解決する態度を養う。高校までの学
校教育における国語教育、非母語話者への日本語教育、コンピュータによる日本語処理等の応用分野
も視野に入れつつ考察する。また、レポートの書き方の一般的指導も行う。
AB003
日本古典文学入門
比較的平易な日本古典文学作品を、実際に数多く読解する作業を通して、高校までに学んだ古典文法
などの知識を振り返りつつ、古典文学読解のための基礎的な能力を身につけることを目的とする。変体仮
名で書かれた百人一首の版本の読解及び暗記によって、古典籍の実際にふれるとともに、古典和歌を読
む際に必要な修辞法の知識や、和歌的な発想について理解する。また説話など、長めの散文を読むこと
で、多読と精読、それぞれのスキルを身につけ、古典文学作品を批評的に読む目を養う。
AB004
日本近現代文学入門
近代文学研究の基礎知識と方法を身につけるとともに、女性学・ジェンダー的視点からの近代文学読み
直しを図る。具体的には、漱石や芥川や川端、田村俊子や尾崎翠などの近代作家たちの短編小説のう
ち、特に社会的役割(娘・母・嫁・姑・妹・兄嫁など)や、条件(階級・貧富・年齢・容貌など)の異なる女性が
主人公の作品を、時代順に取り上げて分析解釈し、それぞれの時代が担っていたジェンダー規制がどう
いうもので、文学がそれをどのように表現し、相対化しようとしてきたかを明らかにする。
AB005
漢文学入門
漢文学のさまざまな分野について、基礎的な学習をする。まず漢文訓読法の知識を復習しながら、平易
な文章を読解する。その上で、中国古典文学・思想・歴史の各分野の代表的な文献を読み、中国古典の
発想や論理・美意識について理解する。『唐詩三百首』『古文真宝』『論語』『老子』『史記』『捜神記』等か
113
ら分かりやすい部分を選び、独特な発想・論理展開・修辞法等に触れ、多読することを基本としながらも、
辞書・注釈・索引・関係資料の調査をふまえての精読をまじえ、中国古典を読解する力を養う。
AB006
日本語学概論 I
我々が日常用いている言語である日本語を、様々な角度から考究する。日本語学という学問分野を紹介
するという側面と、日本語についての最低限の知識を習得してもらうという側面の、(だいぶ方向性の異な
る)二つの側面を有する。日本語学を専門的に学んでいく者にとっては、基盤となる知識の習得を目指し、
他の分野を専門的に学んでいく者にとっては、日本語についてより深く考えるきっかけをつくる。本講義
では、現代語を中心に、音声・音韻論、文字・表記論、語彙論、文法論について講ずる。
AB007
日本語学概論 II
我々が日常用いている言語である日本語を、様々な角度から考究する。日本語学という学問分野を紹介
するという側面と、日本語についての最低限の知識を習得してもらうという側面の、(だいぶ方向性の異な
る)二つの側面を有する。日本語学を専門的に学んでいく者にとっては、基盤となる知識の習得の場とな
り、他の分野を専門的に学んでいく者にとっては、日本語についてより深く考えるきっかけとなるであろう。
本講義では、現代語を中心に、文法論、意味論、運用論について講ずる。
AB008
日本語史概論 I
日本語は時の流れにともなって様々に変化してきている。こうした日本語の言語変化を明らかにするのが
日本語史であり、その基本的な知識を身につけることを目標とする。日本語は従来、古代語と近代語とに
二大区分がされるが、それに過渡期の中世語を入れることも行われる。言語の史的な展開の実態と変化
の要因とを、研究に主に取り上げられてきた文学作品のみならず、関連する分野の日本史や仏教史の史
料の古文書や仏教者遺文なども積極的に扱って講義する。文字・音韻・文法の各部門を講義する。
AB009
日本語史概論 II
日本語は時の流れにともなって様々に変化してきている。こうした日本語の言語変化を明らかにするのが
日本語史であり、その基本的な知識を身につけることを目標とする。日本語は従来、古代語と近代語とに
二大区分がされるが、それに過渡期の中世語を入れることも行われる。言語の史的な展開の実態と変化
の要因とを、研究に主に取り上げられてきた文学作品のみならず、関連する分野の日本史や仏教史の史
料の古文書や仏教者遺文なども積極的に扱って講義する。語彙・文章文体・待遇表現・言語生活の各部
門を講義する。
AB010
日本文学概論(古典)I
日本古典文学のうち、主として古代(奈良~院政期の前まで)の文学についての基礎的な知識を学ぶこと
を目標とする。日本神話、和歌文学、物語文学、日記文学などをとりあげる。いかなる社会情勢、慣習、
価値観の影響を受けて、どのような特徴を有する文学作品が生まれたのか。文学上の劃期をもたらした、
注目すべき出来事は何か。また、そうして生まれた古典文学作品は、どのような価値観や慣習をもたらし、
後世にいかなる影響を与えたかなどについて、文学作品に即しつつ論じていく。
114
AB011
日本文学概論(古典)II
日本古典文学のうち、主として中近世(院政期~江戸)の文学についての基礎的な知識を学ぶことを目
標とする。説話、歴史物語、和歌文学、御伽草子、浮世草子、読本などをとりあげる。いかなる社会情勢、
慣習、価値観の影響を受けて、どのような特徴を有する文学作品が生まれたのか。文学上の劃期をもたら
した、注目すべき出来事は何か。また、そうして生まれた古典文学作品は、どのような価値観や慣習をも
たらし、後世にいかなる影響を与えたかなどについて、文学作品に即しつつ論じていく。
AB012
日本文学概論(近現代)I
日本の近現代文学について、広く基礎的な知見を身につけることを目標とする。明治・大正期から昭和期
に至る代表的作家の文学作品を時代順に取り上げ、一つ一つ具体的に分析し、それらの芸術的特質や
文学的意義を明らかにする。また、該当期の日本近代文学が全体としてどのような歴史を形作ってきたか
を解明する。特に、大正期についてはその文学的成熟度の高さを作品分析を通して示し、昭和期につい
ては戦前を解体、戦後を再生という枠組みで捉え、それらを作品によって跡付けてゆく。
AB013
日本文学概論(近現代)II
日本の近現代文学について、広く基礎的な知見を身につけることを目標とする。昭和期から現代に至る
代表的作家の文学作品を時代順に取り上げ、一つ一つ具体的に分析することによって、それらの芸術的
特質や文学的意義を明らかにする。また、該当期の日本近代文学が全体としてどのような歴史を形作っ
てきたかを解明する。特に、昭和期については戦前を解体、戦後を再生という枠組みで、それ以降現代
に至る過程については<近代>の融解という視点で捉えてゆく。
AB014
中国文学概論 I
中国文学の歴史とジャンルについて、基礎的な知識を身につける。主として古代・中世の文学を中心に
学び、『詩経』以来の古典詩、諸子百家以来の散文、『春秋左氏伝』『史記』等の歴史文学等をとりあげる。
それぞれの文学作品・文献の特徴を原文に即して読解し、その成立の文化的背景、社会情勢、慣習等
にも立ち入って考察する。また、それぞれの作品が同時代や後世に与えた影響について分析し、中国文
学の全体像をとらえられるようにする。中国文学の豊かさと価値を、作品に即しながら、新鮮な視点から問
いなおす。
AB015
中国文学概論 II
中国文学の歴史とジャンルについて、基礎的な知識を身につける。主として近世・近代の文学を中心に
学び、古典文語小説と白話小説、宋詞や元曲等の歌曲、近代小説の発生と展開等の問題をとりあげる。
それぞれの文学作品・文献の特徴を原文に即して読解し、その成立の文化的背景、社会情勢、慣習等
にも立ち入って考察する。また、それぞれの作品が同時代や後世に与えた影響について分析し、中国文
学の全体像をとらえられるようにする。中国文学の豊かさと価値を、作品に即しながら、新鮮な視点から問
いなおす。
115
AB016
中国語学概論 I
中国の文化は、日本の文化の形成にとって、不可欠な影響を与え続けてきた。漢語は、既に日本語の一
部であるといって過言ではない。その中国語の特徴について、さまざまな角度から検討し、基礎的な学習
をする。中国語の語法的特徴、語彙の変化、音韻の構造などにつき、概観する。特に現代中国語の文法
的な特徴について考え、日本語や英語との比較を交えながら考察する。全体を概観しながら、文法・語用
論について主に検討することとする。
AB017
中国語学概論 II
中国の文化は、日本の文化の形成にとって、不可欠な影響を与え続けてきた。漢語は、既に日本語の一
部であるといって過言ではない。その中国語の特徴について、さまざまな角度から検討し、基礎的な学習
をする。中国語の語法的特徴、語彙の変化、音韻の構造などにつき、概観する。特に現代中国語の文法
的な特徴について考え、日本語や英語との比較を交えながら考察する。全体を概観しながら、語彙・音韻
について主に検討することとする。
AB018
日本文化学概論 I
明治開国から関東大震災にいたる日本近代文学発展の経過を、それにかかわるさまざまな諸文化事象と
のかかわりにおいて概説していく。具体的には、日本社会全体の近代化、西欧化がおよぼした作用、伝
統日本文化の残存、新聞や雑誌などのメディアとの関係、美術や音楽や映画など諸芸術との相互作用、
哲学や民俗学など隣接学問との関連、戦争や震災など社会変動の反映、世界文学の展開との比較、日
本人の外国体験と外国人の日本体験、内外の日本文化論などの諸方面からの検討の可能性を実例に
即しながら論じていく。
AB019
日本文化学概論 II
関東大震災後から現代にいたる日本現代文学発展の経過を、それにかかわるさまざまな諸文化事象との
かかわりにおいて概説していく。具体的には、日本社会全体の近代化、西欧化がおよぼした作用、伝統
日本文化の残存、新聞や雑誌などのメディアとの関係、美術や音楽や映画など諸芸術との相互作用、哲
学や民俗学など隣接学問との関連、戦争や震災など社会変動の反映、世界文学の展開との比較、日本
人の外国体験と外国人の日本体験、内外の日本文化論などの諸方面からの検討の可能性を実例に即し
ながら論じていく。
■特殊講義
AB101
現代日本語(語彙・表記)AI
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。特に現代日
本語を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明ら
かにする過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるように導く。本講義では、主に文字・表
記論的分野のトピックを扱う。談話的視点も取り入れ、広い視野で捉える。共時的観点のみならず通時的
観点からの考察も重視し、研究史を踏まえた見方ができるようにする。
116
AB102
現代日本語(語彙・表記)AII
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に文字・表記論的
分野のトピックを扱う。談話的視点も取り入れ、広い視野で捉える。対照言語学的視点や、国語教育・日
本語教育・コンピュータによる日本語処理等への応用も視野に入れた分析を行う。
AB103
現代日本語(語彙・表記)BI
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に語彙論的分野の
トピックを扱う。談話的視点も取り入れ、広い視野で捉える。共時的観点のみならず通時的観点からの考
察も重視し、研究史を踏まえた見方ができるようにする。
AB104
現代日本語(語彙・表記)BII
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に語彙論的分野の
トピックを扱う。談話的視点も取り入れ、広い視野で捉える。対照言語学的視点や、国語教育・日本語教
育・コンピュータによる日本語処理等への応用も視野に入れた分析を行う。
AB105
現代日本語(語彙・表記)CI
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に意味論的分野の
トピックを扱う。語の意味、文の意味、文章の意味について考究する。共時的観点のみならず通時的観点
からの考察も重視し、研究史を踏まえた見方ができるようにする。
AB106
現代日本語(語彙・表記)CII
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に意味論的分野の
トピックを扱う。語の意味、文の意味、文章の意味について考究する。対照言語学的視点や、国語教育・
日本語教育・コンピュータによる日本語処理等への応用も視野に入れた分析を行う。
117
AB107
現代日本語(文法・談話)AI
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に文法論的分野の
トピックを扱う。文-文法のみでなく、談話・文章の文法も視野に入れて考察する。共時的観点のみならず
通時的観点からの考察も重視し、研究史を踏まえた見方ができるようにする。
AB108
現代日本語(文法・談話)AII
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に文法論的分野の
トピックを扱う。文-文法のみでなく、談話・文章の文法も視野に入れて考察する。対照言語学的視点や、
国語教育・日本語教育・コンピュータによる日本語処理等への応用も視野に入れた分析を行う。
AB109
現代日本語(文法・談話)BI
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に文章・談話論的
分野のトピックを扱う。話しことば・書きことばの違いや位相について考察する。共時的観点のみならず通
時的観点からの考察も重視し、研究史を踏まえた見方ができるようにする。
AB110
現代日本語(文法・談話)BII
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に文章・談話論的
分野のトピックを扱う。話しことば・書きことばの違いや位相について考察する。対照言語学的視点や、国
語教育・日本語教育・コンピュータによる日本語処理等への応用も視野に入れた分析を行う。
AB111
現代日本語(文法・談話)CI
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて、講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかに
する過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に運用論的分野の
トピックを扱う。文字通りの意味の分析を超えた、文脈や場に支えられた話し手の意図を探る方法につい
て考察する。共時的観点のみならず通時的観点からの考察も重視し、研究史を踏まえた見方ができるよ
うにする。
118
AB112
現代日本語(文法・談話)CII
我々が普段使用している日本語を内省し、その仕組みについて深く考えることを目標とする。現代日本語
を対象に、日本語学で議論されているトピックについて講ずる。日本語を観察し、その性質を明らかにす
る過程を示すことで、学生が自ら研究を進めることができるよう導く。本講義では、主に運用論的分野のト
ピックを扱う。文字通りの意味の分析を超えた、文脈や場に支えられた話し手の意図を探る方法について
考察する。対照言語学的視点や、国語教育・日本語教育・コンピュータによる日本語処理等への応用も
視野に入れた分析を行う。
AB113
日本語史(古代中世)AI
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱う時代は上
代から中古、中世まで、特に上代を中心とする。
AB114
日本語史(古代中世)AII
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱う時代は中
世(鎌倉・室町時代)で、とくに鎌倉時代に重点をおく。
AB115
日本語史(古代中世)BI
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱う時代は上
代から中古、中世まで、とくに中古を中心とする。
AB116
日本語史(古代中世)BII
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
119
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱う時代は中
世(鎌倉・室町時代)で、とくに鎌倉後期から南北朝期に重点をおく。
AB117
日本語史(古代中世)CI
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱う時代は上
代から中古、中世まで、とくに中世(院政期)に重点をおく。
AB118
日本語史(古代中世)CII
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱う時代は中
世(鎌倉・室町時代)で、とくに室町時代に重点をおく。
AB119
日本語史(中近世)AI
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱う時代は中
世から近世で、とくに応仁の乱以降に重点をおく。
AB120
日本語史(中近世)AII
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱うのは各時
代の文字、音韻、文法、待遇表現、語彙、文章文体、言語生活である。扱う時代は上代から院政期に重
点をおく。
120
AB121
日本語史(中近世)BI
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱う時代は中
世から近世で、とくに江戸前期に重点をおく。
AB122
日本語史(中近世)BII
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱うのは各時
代の文字、音韻、文法、待遇表現、語彙、文章文体、言語生活である。扱う時代は中世に重点をおく。
AB123
日本語史(中近世)CI
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱う時代は中
世から近世で、特に江戸時代に重点をおく。
AB124
日本語史(中近世)CII
上代から近世に至るまでの日本語の変遷を、諸種の文学作品のみならず、古文書や仏教者遺文等にも
資料の視野を広げて、その実態と特徴とを講義する。直接に文献に触れることが重要であり、積極的に複
製本のプリントを配布し、それを受講生と読解しながら分析していく。併せて、各時代語の特徴を的確に
論述している先行研究を取り上げ、資料の調査方法、分析の視点と方法、記述の仕方、論述のまとめ方
等を紹介する。更に、日本語の変遷を捉えるには、何を追求していくのが重要かを考える。扱うのは各時
代の文字、音韻、文法、待遇表現、語彙、文章文体、言語生活である。扱う時代は近世に重点をおく。
AB125
日本文学(上代)AI
7世紀後半、この列島内に新たに立ち上げられた「日本」の最初の文芸となったのが、5-7の定型を持
つ和歌である。中国文明の文芸と対峙しながら、作り上げられる「日本」文学のアイデンティティを、「万葉
集」の歌と中国文学との関係を通して考察する。壬申の乱以前の歌、額田王を中心とする「初期万葉」と、
その後を引き継いで現れる柿本人麻呂を中心とする万葉第二期の歌とについて、中国詩文をいかに受
容し、変容させているかを見合わせながら考察する。
121
AB126
日本文学(上代)AII
新たに立ち上げられた「日本」の最初の文芸である和歌は、奈良時代に入ると、中国文学と張り合いなが
ら共存し、そこから多くの方法を学んでゆく。その時代の「万葉集」の歌と中国文学との関係を通して、「日
本」文学のアイデンティティとは何かを考えることを目標とする。具体的には、漢詩人でもあった大伴旅人、
遣唐使の経験を持つ山上憶良によって開かれた「大宰府歌壇」において、漢詩文と和歌とがいかにコラ
ボレートされているか、またその後継者大伴家持においてはどうか、などを中心とする。
AB127
日本文学(上代)BI
7世紀後半、この列島内に新たに立ち上げられた「日本」の最初の文芸となったのが、5-7の定型を持
つ和歌である。中国文明の文芸、漢詩文と張り合いながら、そこから多くを学んで行った和歌は、それ自
身、多様な表現方法を作り出して行かねばならなかった。その主なものは、前代から引き継ぎつつ改鋳を
加えた枕詞や序詞であり、長歌における対句である。特に万葉第二期の歌人である柿本人麻呂の作品
に即して、彼が作り出した和歌の方法について考察する。
AB128
日本文学(上代)BII
7世紀後半、この列島内に新たに立ち上げられた「日本」の最初の文芸となったのが、5-7の定型を持
つ和歌である。中国文明の文芸、漢詩文と張り合いながら、そこから多くを学んで行った和歌は、それ自
身、多様な表現方法を作り出して行かねばならなかった。漢詩文から学んだ方法としては、自然の物象・
景物に対して比喩的関係を結ぶことが挙げられる。直喩・隠喩・擬人法など、多様な比喩法が、万葉集の
歌には見られる。特に奈良時代の歌について、それを観察する。
AB129
日本文学(上代)CI
八世紀初頭に、二つの史書が完成し、今日に伝わっている。古事記と日本書紀である。その二書には、と
もに多くの歌謡が採録されている。それらは、歴史上の登場人物の心情を語るものとして載せられている
のであり、物語の重要な構成要素となっている。ただし歌謡は、そもそもは、集団によって歌われるもので
あって、個人の感情を歌うものではなかったので、古事記・日本書紀の文脈と、その歌との間には、しばし
ば矛盾やずれが指摘されている。それを超えて、二書において、歌謡がいかに抒情の方法となっている
かを考察する。
AB130
日本文学(上代)CII
和歌における、物語と歌との関係を考察する。短小な短歌は、作られた場に依存し、その説明無しには十
分な理解が届かない場合も多かった。逆にそうした場についての語りを歌に付随させることによって、その
場における人間の心情を、歌に語らせることもできたのである。万葉集における大津皇子の歌などは、そ
うした作品と捉えられる。一方、柿本人麻呂に始まり、高橋虫麻呂に受け継がれたのは、長歌によって、
叙事的に歌い、物語を志向する作品であった。それら万葉集前期の歌を中心とする。
122
AB131
日本文学(中古)AI
日本の古代文学のうち、主として平安時代前期(八世紀~十世紀)の物語文学(『竹取』『うつほ』『落窪』)
について、基本的な知識を学び、かたがた作品を実際に読むことを通じて、古代物語文学の世界にふれ
ることを目標とする。物語文学は、どのような文学的土壌のなかで生まれたのか。主として勅撰集の撰進
を背景に生まれた歌物語、あるいはそれとほぼ同時期に生まれた男性作家の手になる初期物語の特徴
と達成について学び、『源氏物語』へと繋がる物語文学の特性を知る。
AB132
日本文学(中古)AII
日本古代後期の物語文学について、深く考察する。特に古代物語文学の傑作、『源氏物語』について学
ぶ。具体的には、いわゆる第一部(桐壺~藤裏葉巻)を中心に扱う。和歌文学(『古今集』『後撰集』)、歌
物語(『伊勢物語』)、前期物語文学など、先行する文学作品との関係のほか、白楽天を初めとする漢文
学との関連を考え、それら先行作品を吸収しながら、いかなる独自の主題が展開されているか、またそれ
はどのような表現技法によって表現され得ているかを考える。
AB133
日本文学(中古)BI
日本の古代物語文学について、深く考察することを目標とする。物語文学の最高傑作、『源氏物語』の達
成を学び、後期物語に与えた影響について考える。特に『源氏物語』の第二部(若菜上~幻巻)及びそこ
から発展していく宇治十帖の世界を、考究の対象とする。『源氏物語』の主題は、仏教思想など当時の思
潮のもと、また第一部で展開された物語世界を承けて、どのように変化していったか。後期物語への継承
と断絶を視野に入れながら、『源氏物語』のさらなる達成を探る。
AB134
日本文学(中古)BII
日本の古代文学のうち、主として平安時代後期(十一世紀)の物語文学(『狭衣』『夜の寝覚』『浜松中納
言』『とりかへばや』)について学ぶことを目標とする。それぞれの作品の概略を知るとともに、『源氏物語』
の影響について学ぶ。『源氏物語』の表現、主題、価値観、発想をいかなる形で受け継ぎ、規制され、ま
た独自の達成をなし得たのか。『源氏物語』の達成を学びつつ、それに強く束縛されながら独自の道を探
った後期物語文学を考えることで、女流文学の特性について考える。
AB135
日本文学(中古)CI
日本の古代文学のうち、主として平安時代(十世紀~十一世紀)の女流日記文学・あるいは随筆(『蜻蛉
日記』『和泉式部日記』『枕草子』)について深く考察することを目標とする。どのような文学的土壌のなか
で、「私について語る」日記文学が生まれ、また受け継がれていったのかを考える。具体的には、和歌文
学、とりわけ物語的私家集や歌物語、漢文日記、初期の物語文学などの影響を考えつつ、「紀行文」「女
房日記」にとどまらぬ女流日記の志向について学ぶ。
AB136
日本文学(中古)CII
日本古代の文学史の中で、『蜻蛉日記』を初めとする女流日記文学の伝統が、中世前期(院政期~鎌倉
期)において、どのような形で受け継がれたのか、また中世の新しい文学潮流のなかで、どのような変化を
123
遂げているのかなどを、『讃岐典侍日記』『うたたね』『とはずがたり』などから考える。王朝文化の残照の様
相、あるいは王朝女流日記文学との類似点、また逆に中世前期の女流日記文学ならではの達成を確認
することを通して、女流日記文学の伝統について考究する。
AB137
日本文学(中世)AI
能楽研究の第一歩として二番目能について考察する。式三番・脇能に続く二番目能には武士の霊をシ
テとする修羅物とされる夢幻能が多い。武士の霊が生前の戦いの様子を語り、現在落ち着いている修羅
道の苦患を訴えるストーリーの作品は『平家物語』に材を取ったものが数多く見出される。「敦盛」「実盛」
「兼平」等々の作品世界は現世と来世を自在に行き来する不可思議な世界を形作っている、能は後に江
戸幕府の式楽とされるわけであるが、合戦を自己の使命とする武士達にとって、そうした修羅能の世界は
我が身につまされるものであったと考えられる。
AB138
日本文学(中世)AII
日本の中世文学、特に能の間にはさまれて上演されていた狂言について考察する。笑いをテーマとする
狂言は劇的な葛藤が笑いによって解消されることによって終結する。大名と太郎冠者は主人と奉公人と
いう関係にあって様々な点で対立するが、身分的には下にあるはずの太郎冠者が多くの場合大名を笑
いの中でやりこめてしまう。そうしたストーリーの展開の持つ対立的な笑いは、南北朝以降の内乱の時代
を生き抜いて来た名主層と下人達の生活の中から生み出されたものであると考えられる。こうした問題を
大小名狂言の中に探っていく。
AB139
日本文学(中世)BI
日本の中世文学、特に能について考察する。三番目能は鬘物とされる、優美な女性の霊や女体の精、或
いは狂女物以外の女性の現在能が置かれている。『伊勢物語』『源氏物語』などの王朝文学の女性達や
祇王・静御前・熊野など『平家物語』のヒロイン、更には小野小町や西行法師と問答を交わした江口の遊
女等々、多彩な女性が登場するこれらの能は、二番目物とはうって変わった優艶な世界を作り上げている。
舞いを軸に構成される幽玄な三番目能の魅力について検討する。
AB140
日本文学(中世)BII
狂言の世界には逞しく、わわしい女がしばしば登場するが、その女達の人物設定について、中世の社会
背景との関係に於いて考察する。太郎冠者を身代わりにして恋人花子に逢いに行っていた男は、妻がす
り変わっていることも知らずに花子との逢瀬を語り妻の悪口を云ってしまい、妻に追われて這々の体で逃
げ入る(花子)。「黒塗」では別れ話を告げる大名を騙そうと目に水を付けて泣き真似をしていた女が、太
郎冠者に水と墨を取り代えられ顔を真黒にしてしまうが、逆切れして、二人の顔に墨を塗りたくって追い込
んでいる。
AB141
日本文学(中世)CI
切能とも呼ばれる五番目能について考察する。鬼畜やこれに準ずる人物などの夢幻能で、「鞍馬天狗」
「殺生石」「大江山」などがある。四番目物は他の四つ以外の能の総称で、男体の現在能や狂女物などが
124
ある。代表的なのは、行方不明になった我が子の後を追って京から東国に下り、その死を知って悲嘆にく
れる「隅田川」などがある。個々の作品分析に加えて、その日の最後を飾って上演されるこれらの能が、ど
のような経緯によってここに取り上げられるようになったのかについても考察する。
AB142
日本文学(中世)CII
狂言によって滑稽化された人々の有り様を分析し、狂言的世界の実態について考察する。狂言の中には、
『水掛聟』『竹の子』などのように農村の水争いや作物争い、訴訟沙汰などを材とするものが見られる。登
場人物も身近な武士や農民が中心で、物売りや在地の住人、山伏や僧侶から盗人など多種多様な人々
が登場し、人々の笑いを誘っている。これらはすべてが当時の農村のありのままの姿であったと考えること
は出来ないが、庶民生活の端々がそこに描かれているのは間違いないであろう。
AB143
日本文学(近世)AI
仮名草子について考察する。近世初頭に仮名書きで出版された作品類を総称して仮名草子と読んでい
る。啓蒙教訓的な作品には儒教や仏教の教義を説いたものがあり、随筆によって教義を説くものや女性
教訓書、説話集的作品も残されている。娯楽的な作品には、中世風な物語や笑話集、古典のパロディ類
がある。実用本位のものとしては種々の記録類や名所記・見聞記、更には遊女評判記などがある。これら
多様なジャンルの作品を分類・整理する試みは様々なされているが、定説を見るには至っていない。
AB144
日本文学(近世)AII
西鶴の『好色一代男』によって成立した浮世草子というジャンルの文学的には必ずしも上質とはされてい
ない作品が流行した文学史的な意味について考察する。西鶴の没後少しずつ変化し、伝奇的な作品や
気質物とされる作品を生み出した。気質(カタギ)とは父親・母親・娘・息子・商人等の特定の人々に共通
する性格や考え方と云うもので、現在でも学生気質などというように用いられている。気質物はそうした
種々の気質を誇張し、滑稽化して描き出そうとしたもので当時大流行したが、中には西鶴の亜流に終始し
たものも見出される。
AB145
日本文学(近世)BI
浮世草子に代わって登場した散文は読本と呼ばれている。前期読本は、都賀庭鐘・建部綾足・上田秋成
らによって著された中篇作品で、伝奇的・怪異的要素が濃厚である。後期読本を代表する作者は滝沢馬
琴である。『南総里見八犬伝』に代表される馬琴の読本は、長篇が多い。伝奇的な要素に加え勧善懲悪
を骨子とする長大な構想に貫かれ、その一方で人間のどろどろした情念の凄まじさも描き出している。こ
のような前・後期読本の質的な違いについて考察する。
AB146
日本文学(近世)BII
洒落本について考察する。江戸時代中期の遊里を舞台に通(つう)という理念が発生した。これは前の時
代の粋(スイ)が持っていた知的な面を強調したもので、粋(スイ)の美意識的側面は粋(イキ)へと発展し
て行った。洒落本というジャンルは元々は中国の小説のパロディとして成立したが、やがて遊里における
125
遊興を通の見地から軽妙に描くものへと変化し、定着した。通と半可通、それにうぶな息子株が登場し一
夜遊里に遊ぶさまを会話を中心とする細かい描写によって写実的に描いた作品は、大流行した。
AB147
日本文学(近世)CI
洒落本に代わって登場した為永春水に代表される人情本の世界の条理について考察する。人情本とい
うジャンルは、通よりも粋(イキ)や仇(あだ)といった美意識によって支えられている。近世社会では本来
許されないはずの恋愛感情を人情として許容しようとする人情本の世界は、遊里を軸にしながら深川など
の岡場所や裏長屋へと微妙に展開している。一人の美男子に町娘や芸者達が献身的に尽くすという人
情本の世界の基本構成は、報われない愛に身を捧げる女達の姿を悲しく描き、読者の共感を誘ってい
る。
AB148
日本文学(近世)CII
江戸時代末期に流行したジャンルに滑稽本がある。悪戯や馬鹿げたことを殊更に行って笑いを取る『八
笑人』は古典落語の世界に継承されている。弥次喜多で有名な『道中膝栗毛』は東海道を始めとして四
国の金毘羅、安芸の宮島に参詣し、中仙道や善光寺参りなど長大な構成となったが、これは読者の要望
によって延々と書き継がれた結果であるという。江戸時代末期やがて幕末の動乱期を迎えようとする頽廃
の時代、人々はそうした情況から逃れようとするかのように笑いを求めていたのである。そのような社会背
景と笑いの問題について考察する。
AB149
日本文学(近現代)AI
昭和初期から 1960 年代までの日本近現代文学作品を時代順に取り上げ、共同体の解体と再生という視
点から分析・解釈してゆく。考察に際しては、日本社会の近代化とそれが内包する近代の解体という二重
構造に着目し、作品の背後に広がる社会的歴史的事象、法制度や経済構造、ジェンダー規制などの変
化、新聞・雑誌・テレビなどのメディアの働きなどにも目を向け、文学との相互関係を探る。最終的には該
当期の文学テクストが、現実の枠組みを越える世界観・人間観を提供し、なおかつそれをフィクションの力
によって有効性のあるものとして実現し得ているかを問う。
AB150
日本文学(近現代)AII
1970 年代から現在までの日本近現代文学作品を時代順に取り上げ、共同体の解体と再生という視点か
ら分析・解釈してゆく。考察に際しては、高度経済成長を遂げ高度情報社会へと移り行く日本社会の変
化と再編成への動きに着目し、作品の背後に広がる社会的歴史的事象、法制度や経済構造、ジェンダ
ー規制などの変化、新聞・雑誌・テレビ・ネットなどのメディアの働きなどにも目を向け、文学との相互関係
を探る。最終的には該当期の文学テクストが、現実の枠組みを越える世界観・人間観を提供し、なおかつ
それをフィクションの力によって有効性のあるものとして実現し得ているかを問う。
AB151
日本文学(近現代)BI
昭和初期から 1970 年代までの日本近現代文学作品を時代順に取り上げ、「自己」とは何か、文学テクスト
はそれをどのようなものとして表現してきたかを、主として隣接領域の学問である臨床諸学(臨床心理学・
126
臨床哲学・臨床社会学・身体論など)の知を援用しつつ、分析・解釈してゆく。考察に際しては、作品の背
後に広がる社会的歴史的事象、法制度や経済構造、ジェンダー規制などの変化、新聞・雑誌・テレビな
どのメディアの働きなど、「自己」を取り巻く現実的諸条件にも目を向けるとともに、臨床的アプローチによ
って通常は意識しにくい心の深層領域にも分け入り、総体としての「自己」の解明を図る。
AB152
日本文学(近現代)BII
1980 年代から現在までの日本近現代文学作品を時代順に取り上げ、「自己」とは何か、文学テクストはそ
れをどのようなものとして表現してきたかを、主として隣接領域の学問である臨床諸学(臨床心理学・臨床
哲学・臨床社会学・身体論など)の知を援用しつつ、分析・解釈してゆく。考察に際しては、作品の背後に
広がる社会的歴史的事象、法制度や経済構造、ジェンダー規制などの変化、新聞・雑誌・テレビ・ネットな
どのメディアの働きなど、「自己」を取り巻く現実的諸条件にも目を向けるとともに、臨床的アプローチによ
って通常は意識しにくい心の深層領域にも分け入り、総体としての「自己」の解明を図る。
AB153
日本文学(近現代)CI
昭和初期から 1970 年代までの日本近現代文学作品を時代順に取り上げ、女性学・ジェンダー的視点か
らの読み直しを図る。考察に際しては、作品の背後に広がる社会的歴史的事象、法制度や経済構造など
の変化、新聞・雑誌・テレビなどのメディアの働きにも目を向け、文学との相互関係を探る。最終的には、
該当期の文学テクストが、近代的な枠組みにどのように縛られ、あるいは反対にそこからどのように逃れ出
て、リアリティのあるものとして新たな世界観・人間観を構築し得ていたかを考える。
AB154
日本文学(近現代)CII
1980 年代から現在までの日本近現代文学、主として女性作家の作品を時代順に取り上げ、女性学・ジェ
ンダー的視点からの読み直しを図る。考察に際しては、作品の背後に広がる社会的歴史的事象、法制度
や経済構造などの変化、新聞・雑誌・テレビ・ネットなどのメディアの働きにも目を向け、文学との相互関係
を探る。最終的には、該当期の文学テクストが、近代的な枠組みにどのように縛られ、あるいは反対にそこ
からどのように逃れ出て、リアリティのあるものとして新たな世界観・人間観を構築し得ていたかを考える。
AB155
日本文化学AI
日本文化の特質を、主として近現代文学にいかに表われているか、という観点から、分析・解明しつつ、
それを自分たちの問題として考えさせることを目標とする。特に明治開国から関東大震災までの日本近
代文学発展の経過に反映された日本社会の近代化、西欧化の諸相を検討する。明治20年代文学にお
いてキリスト教的世界観の影響により近代的恋愛観、超越世界理念が成立する過程、明治40年代文学
にあらわれた世紀末文化、白樺派と大正リベラリズムなどの問題を論じる。
AB156
日本文化学AII
日本文化の特質を、主に近現代文学にいかに表われているか、という観点から、分析・解明しつつ、それ
を自分たちの問題として考えさせることを目標とする。特に関東大震災後から現代にいたる日本現代文学
に残存する伝統日本文化のありようを検討することを中心とする。昭和初期モダニズム短詩運動と俳句的
127
発想、昭和前期谷崎潤一郎と川端康成における伝統回帰、晩年の高村光太郎と老荘思想、ポストモダン
文学と土着的世界観などの問題を論じる。
AB157
日本文化学BI
日本文化の特質を、主に近現代文学にいかに表われているか、という観点から、分析・解明しつつ、それ
を自分たちの問題として考えさせることを目標とする。特に明治から関東大震災までの日本近代文学と美
術や音楽や映画など諸芸術との相互作用を論じていく。明治初期賛美歌と近代詩の成立、正岡子規に
おける俳句と写生文、雑誌「明星」におけるラファエロ前派文学と美術の影響、明治40年代江戸趣味文
学と浮世絵、大正期谷崎潤一郎と映画などの問題をとりあげる。
AB158
日本文化学BII
日本文化の特質を、主に近現代文学にいかに表われているか、という観点から、分析・解明しつつ、それ
を自分たちの問題として考えさせることを目標とする。特に関東大震災後から現代にいたる日本現代文学
発展の経過に反映された日本社会の近代化、西欧化の諸相を検討することを中心とする。昭和初期モダ
ニズム文学と1920年代西欧前衛文化、第一次戦後派とフランス実存主義、現代日本文学へのアメリカ
文化の影響などの問題をとりあげる。
AB159
日本文化学CI
日本文化の特質を、主に近現代文学にいかに表われているか、という観点から、分析・解明しつつ、それ
を自分たちの問題として考えさせることを目標とする。特に明治開国から関東大震災までの日本近代文
学に残存する伝統日本文化のありようを検討する。明治開化期から硯友社文学にみられる江戸戯作的性
格、泉鏡花文学におけるアニミズム的心性と柳田国男の民俗学との関連、明治40年代反自然主義文学
に流行した江戸趣味、大正期私小説と随筆文学などの問題を論じる。
AB160
日本文化学CII
日本文化の特質を、主に近現代文学にいかに表われているか、という観点から、分析・解明しつつ、それ
を自分たちの問題として考えさせることを目標とする。特に関東大震災後から現代にいたる日本現代文学
と美術や音楽や映画など諸芸術との相互作用を論じていく。昭和初期新感覚派文学における映画技法
の影響、戦後前衛文学と同時代美術や音楽との交流、福永武彦の小説構成とクラシック音楽、ポストモダ
ン文学とアングラ演劇などの問題をとりあげる。
AB161
中国文学AI
中国近代文学の多様な側面を、おもに小説を通して考える。小説の分析を中心とするが、補足的に散文、
エッセイなどを交え、立体的に作家と近代中国との関連・葛藤の様相を考える。作品を各自がきちんと読
んでおくことを前提とし、積極的な意見発表・問題提起を重視し、さまざまな角度から分析したい。中国近
代文学の作家の中から魯迅をとりあげ、魯迅の生涯を多様な作品を通して、読み解く。伝記的事実につ
いても、多角的に検討する。
128
AB162
中国文学AII
中国近代文学の多様な側面を、おもに評論、エッセイを通して考える。補足的に小説、その他の散文な
どを交え、立体的に作家と近代中国との関連・葛藤の様相を考える。作品を各自がきちんと読んでおくこ
とを前提とし、積極的な意見発表・問題提起を重視し、さまざまな角度から分析したい。中国近代文学の
中から、1930 年代から 1940 年代にかけての作家達をとりあげ、文学の変革を彼らがどのように試み、さま
ざまの文学理論をどう受けとめたかを考える。
AB163
中国文学BI
中国近代文学の多様な側面を、おもに小説を通して考える。小説の分析を中心とするが、補足的に散文、
エッセイなどを交え、立体的に作家と近代中国との関連・葛藤の様相を考える。作品を各自がきちんと読
んでおくことを前提とし、積極的な意見発表・問題提起を重視し、さまざまな角度から分析したい。中国近
代文学の作家の中から魯迅をとりあげ、1920 年代半ばから晩年までを扱う。『彷徨』『野草』『故事新編』を
分析し、評論文にも触れる。
AB164
中国文学BII
中国近代文学の多様な側面を、おもに評論、エッセイを通して考えることを目標とする。補足的に小説、
その他の散文などを交え、立体的に作家と近代中国との関連・葛藤の様相を考える。作品を各自がきち
んと読んでおくことを前提とし、積極的な意見発表・問題提起を重視し、さまざまな角度から分析したい。
中国近代文学から、連続しつつ大きな断絶をも含む中国現代文学について考える。ことに文化大革命の
時代の前後の作家・作品を分析する。
AB165
中国文学CI
中国近代文学の多様な側面を、おもに小説を通して考えることを目標とする。小説の分析を中心とするが、
補足的に散文、エッセイなどを交え、立体的に作家と近代中国との関連・葛藤の様相を考える。作品を各
自がきちんと読んでおくことを前提とし、積極的な意見発表・問題提起を重視し、さまざまな角度から分析
したい。中国近代文学の中で、1930 年代から 1940 年代にかけての作家達をとりあげ、時代の現実に彼ら
がどう向きあったかを考える。
AB166
中国文学CII
中国近代文学の多様な側面を、おもに評論、エッセイを通して考える。補足的に小説、その他の散文な
どを交え、立体的に作家と近代中国との関連・葛藤の様相を考える。作品を各自がきちんと読んでおくこ
とを前提とし、積極的な意見発表・問題提起を重視し、さまざまな角度から分析したい。中国現代文学の
多彩な動きと可能性について考える。文化大革命以後、ポスト・モダンに及ぶ作家達の動きについて分
析し、女性作家にも焦点をあてる。
AB167
言語情報処理 I
プログラミング言語(Perl 等)を用い、日本語(一般に言語)表現をコンピュータで扱う技能とともに、その基
礎となる考え方を学んでゆく。本講義では、実際にコンピュータに向かいつつ、基礎的な技術を取得をす
129
ることをめざす。更には、授業時間外の実習によって、より深い理解をはかる。単にプログラミングの能力
を身につけるということではなく、日本語(一般に言語)の性質を明らかにするために、コンピュータをどの
ように活用することが可能であるかを示すことを目標とする。
AB168
言語情報処理 II
プログラミング言語(Perl 等)を用い、日本語(一般に言語)表現をコンピュータで扱う技能とともに、その基
礎となる考え方を学んでゆく。本講義では、実際にコンピュータに向かいつつ、その応用的な技術・考え
方を取得することをめざす。更に授業時間外の実習によって、深い理解をはかる。言語表現・情報をコン
ピュータによって処理する方法を総合的に把握するとともに、先人が見出してきたものを習得するだけで
はなく、コンピュータの活用の可能性を自ら探る態度を身につけることを目標とする。
AB169
創作論 I
文学研究にとって、創作者の意識・心理を知ることは不可欠である。創作過程において、どのように構想
が形成され、また書いている間にいかに変容してゆくのか。また自己の文体については、どのように自覚
され、それが実際に書かれる文章に、いかに反映してゆくのか。あるいは、創作者にとって、読み手はど
のように意識されるのか。先行する作品は、創作する際に、いかに意識され、また乗り越えられるのか。以
上のような事柄を、小説・戯曲・批評などのジャンルにおいて、実作を試みることによって確かめる。
AB170
創作論 II
創作過程において、どのように構想が形成され、また書いている間にいかに変容してゆくのか。また自己
の文体については、どのように自覚され、それが実際に書かれる文章に、いかに反映してゆくのか。ある
いは、創作者にとって、読み手はどのように意識されるのか。先行する作品は、創作する際に、いかに意
識され、また乗り越えられるのか。「創作論Ⅰ」で学習した以上のような事柄を、詩・短歌・俳句などのジャ
ンルにおいて、実作を試みることによって確かめ、創作者の意識・心理に対する理解を深めることを目的
とする。
AB171
言語文化論
言語と文化の相互関係について考察することを目的とする。いくつかの言語を例にとり、色彩表現、時間
の区切り方(時制・アスペクト)、politeness の表し方、情報の提示の仕方などにおける言語間の異同に関
する考察を通して、言語の恣意性に関するソシュールの言説や「言語が違えば世界の見方が異なる」と
する Sapir-Whorf 仮説の吟味を行う。心理学やコミュニケーション研究との関係も視野に入れて、人間の
「世界」に対する認識様態や異文化間コミュニケーションについて理解を深める。
■基盤演習
AB201
日本語学演習(現代語)A
現代語を対象に、日本語学のいろいろな問題について広く考究する。自分でデータを集め、分析するこ
とが基本となる。既存のデータやツールの使用法も学んでゆく。話しことばと書きことばの対照や、同じ話
130
しことば(書きことば)でも種類が異なる場合に、どのような違いが現れるかなどにも目を配りながら分析す
る。本演習では、文法項目を中心課題として、複数回の報告および討論を踏まえたレポートの提出を義
務づけ、口頭発表の力と文章表現の力の双方の向上をも目標とする。
AB202
日本語学演習(現代語)B
現代語を対象に、日本語学のいろいろな問題について広く考究する。自分でデータを集め分析すること
が基本となる。既存のデータやツールの使用法も学習する。話しことばと書きことばの対照や、同じ話しこ
とば(書きことば)でも種類が異なる場合に、どのような違いが現れるかなどにも目を配りながら分析する。
本演習では、語彙項目を中心課題として、複数回の報告および討論を踏まえたレポートの提出を義務づ
け、口頭発表の力と文章表現の力の双方の向上をも目標とする。
AB203
日本語学演習(現代語)C
現代語を対象に、日本語学のいろいろな問題について考究する。自分でデータを集め分析することが基
本となる。既存のデータやツールの使用法も学習する。話しことばと書きことばの対照や、同じ話しことば
(書きことば)でも種類が異なる場合に、どのような違いが現れるかなどにも目を配りながら分析する。本演
習では、文章・談話レベルの項目を中心課題として、複数回の報告および討論を踏まえたレポートの提出
を義務づけ、口頭発表の力と文章表現の力の双方の向上を図る。
AB204
日本語学演習(日本語史)A
日本語史の史料となる文献を扱う方法を学び取ることを目標とする。上代から近世に至るまでの日本語の
変遷を、時代別に資料となる文献に直接触れて学んでいく。それぞれの時代の日本語を体系的に記述、
分析するためには、言語資料をどう扱うかという方法の訓練である。前期は文献の解読と基礎的な記述を
行う。後期は分析文献中に設定したテーマをより発展・進化させるために先行研究や関連資料等を積極
的に引用して、問題の史的位置づけを行っていく。平安時代の文献を中心に扱う。
AB205
日本語学演習(日本語史)B
日本語史の史料となる文献を扱う方法を学び取ることを目標とする。上代から近世に至るまでの日本語の
変遷を、時代別に資料となる文献に直接触れて学んでいく。それぞれの時代の日本語を体系的に記述、
分析するためには、言語資料をどう扱うかという方法の訓練である。前期は文献の解読と基礎的な記述を
行う。後期は分析文献中に設定したテーマをより発展・進化させるために先行研究や関連資料等を積極
的に引用して、問題の史的位置づけを行っていく。中世の文献を中心に扱う。
AB206
日本語学演習(日本語史)C
日本語史の史料となる文献を扱う方法を学び取ることを目標とする。上代から近世に至るまでの日本語の
変遷を、時代別に資料となる文献に直接触れて学んでいく。それぞれの時代の日本語を体系的に記述、
分析するためには、言語資料をどう扱うかという方法の訓練である。前期は文献の解読と基礎的な記述を
行う。後期は分析文献中に設定したテーマをより発展・進化させるために先行研究や関連資料等を積極
的に引用して、問題の史的位置づけを行っていく。近世の文献を中心に扱う。
131
AB207
日本文学演習(古典)A
日本古典文学研究の入門として『小倉百人一首』を取り上げる。秀歌選としての百首歌の歴史を整理し、
何故このような歌集が成立したのかを考える。各論としては百首の歌それぞれのテーマ・歌風などを分析
し、作品総体としての美意識や構想について考える。この形式は後世様々な亜流作を生んでいるが、そう
した種々の百人一首流行の経緯について分析する。この作品はカルタ競技としても広く普及しているが、
遊戯としての百人一首の在り方についても考察する。
AB208
日本文学演習(古典)B
日本古典文学上の和歌伝統について、資料を読みつつ学習する。中世、特に室町時代の和歌研究は
必ずしも盛んであるとは云えないが、堂上貴族や武将連歌師等多くの歌人が活躍していた。極めて多岐
にわたるそれら室町歌人の歌風がどのようなものであったのか整理・分析する。新日本文学大系47『中世
和歌集 室町篇』に収められた「兼好法師集」その他の歌集・「永享五年正徹詠草」などの詠草や百首歌
等を軸に勅撰集に見られる和歌とは異質な面を有する歌達について考察する。
AB209
日本文学演習(古典)C
日本の古典和歌史上で注目されるのは細川幽斎である。以下後水尾院を中心とする宮廷歌人や水戸黄
門と水戸光圀などの大名や幕臣の他に女流歌人や江戸派と呼ばれる歌人達が存在する。小沢廬庵・上
田秋成・本居宣長等もそれぞれ独特な歌風を形成している。近世末期では桂園派の人々を中心に幕末
の女流歌人や志士の歌と並んで良寛の存在も見逃せない。このように多様な魅力を持つ和歌の流れに
ついて時代を追って分析し、そうあらしめた社会背景について考察する。
AB210
日本文学演習(上代)A
古代の和歌、特に万葉集の歌について、一首一首を精読しつつ、その歌の世界を、可能な限り深く探求
することを目標とする。本文批判に始まり、語法や語彙について検討し、また歴史的な背景を考察して歌
人のおかれた状況を知ることによって、総合的にその歌の持つ意味や価値について考えてゆく。かつ注
釈書や研究書を読解し、索引によって用例を調査する方法についても、実際に触れることによって学ぶ。
特に(初期万葉)と呼ばれる時代、壬申の乱以前の、額田王らによる草創期の和歌を中心とする。
AB211
日本文学演習(上代)B
古代の和歌、特に万葉集の歌について、一首一首を精読しつつ、その歌の世界を、可能な限り深く探求
することを目標とする。本文批判に始まり、語法や語彙について検討し、また歴史的な背景を考察して歌
人のおかれた状況を知ることによって、総合的にその歌の持つ意味や価値について考えてゆく。かつ注
釈書や研究書を読解し、索引によって用例を調査する方法についても、実際に触れることによって学ぶ。
特に万葉第2期と呼ばれる時代、平城京遷都以前の、柿本人麻呂によって完成された和歌世界を中心
にする。
132
AB212
日本文学演習(上代)C
古代の和歌、特に万葉集の歌について、一首一首を精読しつつ、その歌の世界を、可能な限り深く探求
することを目標とする。本文批判に始まり、語法や語彙について検討し、また歴史的な背景を考察して歌
人のおかれた状況を知ることによって、総合的にその歌の持つ意味や価値について考えてゆく。かつ注
釈書や研究書を読解し、索引によって用例を調査する方法についても、実際に触れることによって学ぶ。
特に奈良時代、山上憶良・大伴旅人・山部赤人らによって多様化し、大伴家持に終わる万葉後期を中心
とする。
AB213
日本文学演習(中古)A
平安中期の物語文学を精読し、あわせて平安時代についての理解を深めさせる。作品を読む上で欠か
せない文語文法、重要古語、時代背景に注意しつつ、作品の構造に関しても学ぶことが出来るよう配慮
する。必要に応じて、資料の検索方法や活用方法の解説、学術論文の読解を行う。上記の目標達成の
ため、各学生が担当部分の問題点・疑問点を整理して発表し、それをもとに討論を重ねる。また、これらを
踏まえたレポートの提出を課すことで、文章表現力の向上を図る。
AB214
日本文学演習(中古)B
平安前期の物語文学を精読し、あわせて平安時代についての理解を深めさせる。作品を読む上で欠か
せない文語文法、重要古語、時代背景に注意しつつ、作品の構造に関しても学ぶことが出来るよう配慮
する。必要に応じて、資料の検索方法や活用方法の解説、学術論文の読解を行う。上記の目標達成の
ため、各学生が担当部分の問題点・疑問点を整理して発表し、それをもとに討論を重ねる。また、これらを
踏まえたレポートの提出を課すことで、文章表現力の向上を図る。
AB215
日本文学演習(中古)C
平安中期の日記文学を精読し、あわせて平安時代についての理解を深めさせる。作品を読む上で欠か
せない文語文法、重要古語、時代背景に注意しつつ、作品の構造に関しても学ぶことが出来るよう配慮
する。必要に応じて、資料の検索方法や活用方法の解説、学術論文の読解を行う。上記の目標達成の
ため、各学生が担当部分の問題点・疑問点を整理して発表し、それをもとに討論を重ねる。また、これらを
踏まえたレポートの提出を課すことで、文章表現力の向上を図る。
AB216
日本文学演習(中世)A
日本中世文学を読み解く方法を演習する。語り物研究の材料として『保元物語』を取り上げる。この物語
は1156年に発生した保元の乱を物語化したものである。諸本による異同を整理し、源為朝・平清盛など
の武将や戦いに敗れた崇徳院などの人物像を検証する。また『愚管抄』などの周辺史料を参照しながら
物語における虚構化や構想上の問題点を明らかにして行く。軍記物語の中核としての白河殿の決戦の
有様や為朝の武勇談ばかりでなく崇徳上皇の末路や怨霊としての在り方など、後世に大きな影響を与え
た事柄について考える。
133
AB217
日本文学演習(中世)B
日本中世文学を読み解く方法を演習する。語り物研究の材料として『平家物語』を取り上げる。平家一門
の盛衰を描くこの作品は語り物として独特のリズムを持った文体で記されている。和漢混淆文と総称され
る文章の美しさがどのようにして成立したのかを検証しながら、源氏方・平家方の武将の造形や戦いの渦
中で運命に翻弄される女性達の姿にも着目したい。『吾妻鏡』などの歴史書を参考にしながら、平安末か
ら鎌倉時代への激動期に見られる人間ドラマについて分析する。
AB218
日本文学演習(中世)C
日本中世文学を読み解く方法を演習する。語り物研究の材料として『太平記』を取り上げる。『平家物語』
が琵琶法師の語る平曲によって広まって行ったのに対し、この作品は後に講談の元となる太平記読みに
よって庶民の間に普及した。楠正成を中心とする第一部、新田と足利の争いを描く第二部、幕府の中枢
における権力抗争を記した第三部それぞれのテーマに即して、当初歴史書として取り扱われたこの作品
の文学的なテーマについて考える。『平家物語』と並んで後世の軍記物に多大な影響を及ぼしたこの作
品の意義について明らかにする。
AB219
日本文学演習(近世)A
日本近世文学研究の演習〔元禄文学研究1〕。元禄六年に52才で没した西鶴は俳諧師として出発した。
当初談林派の俳諧師として勇名を馳せていた西鶴は『好色一代男』で浮世草子と呼ばれるジャンルを確
立し『好色五人女』『好色一代女』などの好色物、『武道伝来記』などの武家物、『西鶴諸国はなし』などの
雑話物や『日本永代蔵』『世間胸算用』などの町人物と分類される多くの散文作品を残している。従来町
人作家として評価されて来た西鶴は武家社会の事情にも深く通じている。そのような多彩な西鶴の散文
世界について考察する。
AB220
日本文学演習(近世)B
日本近世文学研究の演習〔元禄文学研究2〕。元禄七年に51才で大阪で客死した芭蕉は俳諧師として
生涯を全うした。貞門派の俳諧に親しんでいた芭蕉は江戸出府後、深川の芭蕉庵に隠棲、旅から旅の生
活を送ることで、滑稽を旨としていた俳諧に蕉風と呼ばれる新風を樹立した。現在俳句として鑑賞される
作品のみならず歌仙という連句形式を完成の域に導いた芭蕉は、『奥の細道』に代表される数々の紀行
文を残しており、俳文と呼ばれるジャンルを完成させた。俳聖と仰がれ江戸時代のみならず現在に至る迄
多大な影響力を持つ芭蕉の雅と俗について考察する。
AB221
日本文学演習(近世)C
日本近世文学研究の演習〔元禄文学研究3〕。享保九年に72才で没した近松門左衛門は、武家の出身
であったが芝居者の世界に身を投じ多くの作品を残している。『世継曾我』『出世景清』『国性爺合戦』な
どの時代物浄瑠璃に加えて名優坂田藤十郎のためにお家騒動物の枠組にやつし事・傾城事などを組み
込んだ歌舞伎作品も残している。また虚実皮膜論とされる芸論も有名である。芝居事で朽ち果てる覚悟を
決めて台本に署名した近松の創作の秘密について考察する。
134
AB222
日本文学演習(近代)A
明治を代表する幻想作家泉鏡花の主要作品を時代順に取り上げ、学生各人が、江戸期の諸芸術からの
影響関係などを探ると同時に、作品の分析解釈を行い、鏡花独自の幻想のメカニズムを明らかにしてゆく。
分析にあたっては、必要な近代文学研究の基本的方法(資料収集法、研究史の構築と批評的受容、作
品の要素分析法、語り論など)を実践的に身につけてゆく。こうしたプロセスを経て、最終的には鏡花作品
の総体としての文学的特質や文学史上の意義などを解明する。
AB223
日本文学演習(近代)B
日本の近代文学について、作品を精読することによって、その特質を考察することを目標とする。特に明
治から現代までの代表的な幻想文学を時代順に取り上げ、学生各人が一つ一つ具体的にそれらを分析
考察することで、近代文学研究の基本的方法(資料収集法、研究史の構築と批評的受容、作品の要素
分析法、語り論など)を実践的に身につけてゆく。また、作品の解釈と考察を重ねることで日本近代文学
史における幻想のメカニズムとその系譜を明らかにしてゆく。
AB224
日本文学演習(近代)C
明治を代表する近代女性作家樋口一葉の主要作品を時代順に取り上げ、学生各人が、作品の背後に
広がる時代的制約や文学状況の特性、ジェンダーバイアスなどを明らかにしつつ、一つ一つ分析解釈し
てゆく。分析にあたっては、必要な近代文学研究の基本的方法(資料収集法、研究史の構築と批評的受
容、作品の要素分析法、語り論など)を実践的に身につけてゆく。こうしたプロセスを経て、最終的には一
葉作品の総体としての文学的特質や文学史上の意義などを解明する。
AB225
日本文学演習(現代)A
昭和初期から 2000 年代現在までの日本近現代文学とサブカルチャー(マンガ・アニメーション・芝居・テレ
ビ・映画など)作品を時代順に取り上げ、主として身体論の視点からの読み直しを図る。また、文学研究と
サブカルチャー研究の方法上の共通点と相違点を、自らの分析と考察・発表を通して具体的かつ実践的
に身に着けてゆく。最終的な目標は、言葉が分けている世界のありようとは異なる身体的世界の分かれ方
やつながり方を明らかにし、言語優位の近代的人間観・世界観の相対化を行うことである。
AB226
日本文学演習(現代)B
昭和初期から 2000 年代現在までの日本近現代文学とサブカルチャー(マンガ・アニメーション・芝居・テレ
ビ・映画など)作品を時代順に取り上げ、臨床心理学や精神病理学の知を援用しながら分析してゆく。こ
のアプローチによる研究の目指すものは、「自己」というものを、意識されている領域だけではなく無意識
領域も含む総体として捉えなおすことである。また、文学研究とサブカルチャー研究の方法上の共通点と
相違点を、自らの分析と考察・発表を通して具体的かつ実践的に身につけてゆく。
AB227
日本文学演習(現代)C
昭和初期から 2000 年代現在までの日本近現代文学とサブカルチャー(マンガ・アニメーション・芝居・テレ
ビ・映画など)作品を時代順に取り上げ、主として女性学・ジェンダー的視点からの読み直しを図る。また、
135
文学研究とサブカルチャー研究の方法上の共通点と相違点を、自らの分析と考察・発表を通して具体的
かつ実践的に身につけてゆく。最終的な目標は、これらのテクストが提示している、近代の枠組みを越え
出てゆこうとするような人間観や世界観を探り、かつその有効性を問うことである。
AB228
日本文化学演習A
日本近代文学の発展と同時代新聞、雑誌などのメディアとの関係を議論する。明治初期における自由民
権運動と政治小説、『金色夜叉』と『不如帰』、夏目漱石と朝日新聞、大正リベラリズムと岩波出版文化、
昭和初期通俗小説と大衆雑誌、無頼派文学と戦後ジャーナリズム、社会派推理小説と高度成長期メディ
アなどのトピックスをとりあげて、文学作品の成立がメディアを媒介として同時代社会状況とどのように対応
していたか検証する。
AB229
日本文化学演習B
日本の文化を、主として近現代文学を読むことで解明する。明治から現代にいたる日本人の外国(主とし
て西欧)体験を順にたどりながらその文明史的意義について議論する。明治開国前後の和魂洋才的な
西欧文化摂取の姿勢から始まって、鴎外、漱石、荷風らのダブルバインド的西欧体験、横光利一の国粋
主義転換への機縁となった欧州旅行、遠藤周作『深い河』にあらわれたインド体験などを検討して、近代
日本人が異文化から何をうけとったか考える。
AB230
日本文化学演習C
近代日本の文化を、「日本文化論」の系譜から読み解くことを目標とする。具体的には明治から現代にい
たる内外の日本文化論を対照させながら議論する。明治初期におけるロチとハーンの対照的な日本観、
新渡戸稲造と岡倉天心が欧米に発信した武士道と茶道、西田幾多郎、和辻哲郎、九鬼周造らの日本文
化哲学、ベネディクト『菊と刀』における西欧罪の文化と日本恥の文化などを考察することによって日本文
化の多様性を再検討する。
AB231
中国文学演習(古典)A
中国古代文学の代表として『詩経』をとりあげ、精読する。『詩経』の独特な発想法や修辞について、作品
に即して分析し、日本の古代文学、ことに記紀歌謡と対比して考える。同時に時代背景についての理解
を深め、中国独自の文化・社会構造をも理解できるようにする。作品を読む上で必要不可欠な語法・語彙
について学び、資料の検索方法の知識を身につけ、先行論文を分析する力を養う。更に、各自にレポー
ト・小論文の課題を課し、実際に自己の研究を文章化できるよう指導する。
AB232
中国文学演習(古典)B
中国中世文学の代表として『文選』をとりあげ、精読する。『文選』の多彩なジャンルについて理解し、作品
読解力を養い、あわせて日本の奈良・平安時代への影響について考える。同時に時代背景についての
理解を深め、中国独自の文化・社会構造をも理解できるようにする。作品を読む上で必要不可欠な語法・
語彙について学び、資料の検索方法の知識を身につけ、先行論文を分析する力を養う。更に、各自にレ
ポート・小論文の課題を課し、実際に自己の研究を文章化できるよう指導する。
136
AB233
中国文学演習(古典)C
中国近世文学の中から宋代の「詞」をとりあげ、精読する。宋「詞」の独自の美意識について考え、後世の
『三国志演義』等にまで及ぶ影響を調べ、また日本近世文学との関連も検討する。同時に時代背景につ
いての理解を深め、中国独自の文化・社会構造をも理解できるようにする。作品を読む上で必要不可欠
な語法・語彙について学び、資料の検索方法の知識を身につけ、先行論文を分析する力を養う。更に、
各自にレポート・小論文の課題を課し、実際に自己の研究を文章化できるよう指導する。
AB234
中国文学演習(近現代)A
中国の近現代文学について、西欧からの刺激、辛亥革命、内戦、日中戦争、中華人民共和国の成立、
文化大革命、改革開放政策など、多くの問題との関係の中で考察する。中国の作家が現実といかに向き
あい、何を描いたかを、中国文読解の力の向上に留意しながら、作品に即して検討し、中国の人々の意
識と生活についても考える。各自の読解と討論をもとに問題を深める。ことに辛亥革命とその後の文学の
動向について考え、魯迅を中心として検討する。
AB235
中国文学演習(近現代)B
中国の近現代文学について、西欧からの刺激、辛亥革命、内戦、日中戦争、中華人民共和国の成立、
文化大革命、改革開放政策など、多くの問題との関係の中で考察する。中国の作家が現実といかに向き
あい、何を描いたかを、中国文読解の力の向上に留意しながら、作品に即して検討し、中国の人々の意
識と生活についても考える。各自の読解と討論をもとに問題を深める。ことに日中十五年戦争の時期、中
国の人々は日本との戦争にどう臨み、中国の作家が戦争の現実といかに向きあったかを検討する。
AB236
中国文学演習(近現代)C
中国の近現代文学について、西欧からの刺激、辛亥革命、内戦、日中戦争、中華人民共和国の成立、
文化大革命、改革開放政策など、多くの問題との関係の中で考察する。中国の作家が現実といかに向き
あい、何を描いたかを、中国文読解の力の向上に留意しながら、作品に即して検討し、中国の人々の意
識と生活についても考える。各自の読解と討論をもとに問題を深める。ことに社会主義中国の成立以後、
現在に至るまでの文学について精読し、激しい社会変動の中で人々が現実とどう向きあったかを検討す
る。
■発展演習
AB301
3年次演習(現代日本語)
現代語を中心に、音声・音韻、文字・表記、語彙、文法、意味、運用各分野にわたって、研究法を講ずる。
テーマの見つけ方、データ・文献の収集方法、論の組み立て方等、卒業論文執筆に向けて重要かつ基
礎的な事柄について指導を行う。前期は教員の説明の形式を取りつつ、実際に文献を収集したり、文献
の内容を要約したりする作業を課す。後期は、演習形式で、学生の発表を中心に、学生同士の意見交換
も積極的に促しながら、卒業論文へ向けた具体的な指導を行う。
137
AB302
3年次演習(日本語史)
日本語史研究分野において、卒業論文の作成に向けて基礎力を身につけさせるための演習である。前
期は、日本語史研究における諸先学の論文を各自が選び、そこでの論述方法、資料分析の方法等を検
討しながら研究法を学んでいく。更に、本学の諸先輩の卒業研究を参照して、各自の研究テーマの設定
を行って行く。後期は、各自が設定したテーマに従って研究発表を行う。発表者の分析する文献、分析
の視点や方法等を受講生全員が参加して検討討議する。
AB303
3年次演習(日本古代文学)
日本古代文学研究の分野において、卒業論文の作成に向けて基礎力を養成することを目標とする。日
本古代(奈良時代~平安時代)の文学、及びその時代の文学の影響を強く受けた「中世女流日記」「中
世王朝物語(擬古物語)」「和歌文学」を卒論の対象とする人のための演習である。受講者の関心に合わ
せつつ、古文読解の基礎的なスキルを再確認するほか、古代文学の読解・考究のために必要な基礎的
な知識、文献調査法、発想、術語、研究史等を、演習形式で大まかなジャンル別に確認していく。
AB304
3年次演習(日本中近世文学)
日本の中世・近世の文学・芸能を卒業論文の対象とする人のために、基礎力を養成する演習である。受
講者各人の関心のあるテーマについて、研究史を探る方法や文献調査の具体的方法を指導する。鎌倉
時代・南北朝時代・室町時代それに江戸時代には、それぞれ独自な社会的背景があり、仏教・儒教など
時代により異なる時代思潮が見出され、そうしたものへの目配りなしには文学・芸能を論じることは出来な
い。よって、以上のような事柄について総合的に学習する。
AB305
3年次演習(日本近現代文学)A
日本近現代文学を対象として卒業論文の作成に向けて基礎力を養成することを目標とする。主として文
化論的な視野に立った研究方法の習得をめざすが、前期には、日本文化学概論や演習でとりあげたよう
なトピックスにかかわる種々の論文を読んで、それらの方法論的特質を議論、検討する。後期には、これ
をふまえて、卒論のテーマ選択、材料選択、先行研究の総括と自身の方法論策定、論の構成などについ
てのシミュレーション作業をグループにわかれておこない、相互に批評、議論することによって、最終的に
卒論制作の青写真を描くところまでこぎつける。
AB306
3年次演習(日本近現代文学)B
日本近現代文学を対象とし卒業論文の作成に向けて基礎力を養成することを目標とする。前期は、研究
に先立って参考文献収集の方法、図書館の利用法を紹介し、ついで近代の短編小説を題材にして、作
品を構成する諸要素(時間・空間・人間関係・イメージ・プロット・テーマ・表現など)の分析方法を実践的に
身につけてゆく。後期は、その発展として女性学・ジェンダー論的視点から書かれた論文や臨床の知を
生かした学際研究の成果などを具体的に読み解き、卒論執筆に際して自分が依拠すべき方法選択の手
がかりをつかんでゆく。
138
AB307
3年次演習(中国文学)
中国文学を対象として卒業論文を書くための基礎を作ることを目的とする。前半においては、古典と近代
文学のそれぞれを対象として代表的な文献をとりあげ、大型の辞典・索引・関連資料の調べ方を実際に
即して学ぶ。後半においては、各自の問題意識に従って、卒業論文のテーマ選択、先行研究の調査、方
法論の検討等を行い、順次発表を行って全員で討論する。平行して、原文読解の基礎力を養うため、数
種類の原典を論読し、それぞれの作品の特徴を分析する。
■特殊演習
AB401
4年次特殊演習(日本文学)
3年次演習における各分野の研究法の習得をうけて、本格的な卒業論文制作を進めていくことを目標と
する。前期では、春休みまでに暫定的に決めたテーマとその見通しを順に発表し、討論することで、自分
のめざす論の位置づけをおこなう。ついで指導教員と相談した上で、最終的にテーマを確定し、資料を
再検討する。夏休み中に、論の構成を具体的に固め、論理的な整合性を確かめるために、熟考するよう
指導する。それを踏まえて、後期には、文章表現に対しても注意をしつつ、論文の執筆、完成を目標とす
る。主体的な問題意識をもったうえで、明確な作業行程にしたがい、目標にむかって着々と進むよう指導
する。
139
英語文学文化専攻
■基盤講義
AC001
英語学基礎論(ことばと社会)
言語としての英語について、特に社会との関連に焦点をあてて考察する。言語は人間にとってもっとも身
近な存在であり、そこには私たちの住む社会のあり方が直接・間接に反映している。したがって異なる社
会には異なる言葉づかいが発達してきた。それと同時に、言語に関しては多くの偏見や「神話」も生まれ
ている。この講義では、社会によって異なる言葉づかいや、言語にまつわる偏見の実態を、英語圏と日本
を比較対照も加えながら概観する。
AC002
英語学基礎論(ことばのしくみ)
言語としての英語について、その構造に焦点をあてて考察する。例えば、日本語などとの比較に基づい
て、英語という言語の構造的な特質について理解することを目的とする。音の種類や音節構造などの音
声的な特徴、動詞の活用や助動詞の体系、文型など文法(統語)上の特色、単語の形成の仕方(語形成、
形態構造)、文構造や語順とメッセージの表し方の関係、文法構造の歴史的変化などのさまざまな構造
的特色について概観したあと、同じ年度の関連開講科目とのバランスに基づき、このような多面的な特色
の中から、いずれかのトピックについて掘り下げて学ぶ。
AC003
英語文学・文化基礎論AI
イギリスおよびイギリスと関係の深い文化圏を中心に英語による文学と文化に焦点を当てて概観する。文
学作品や映像などを通して、具体的な文化事象を取り上げ、背景をなす歴史や思想を言及しつつ把握し
た上で、言語を媒介とした表象の読み解き方、論じ方の基礎を学んでいく。その上で、英語による文学や
文化を分析するための読解力の向上を図り、英語という言葉に対する感受性を養うことを目指す。
AC004
英語文学・文化基礎論AII
「英語文学・文化基礎論AⅠ」で学んだことをふまえ、イギリスおよびイギリスと関係の深い文化圏を中心
に英語による文学と文化に焦点を当てて概観する。文学作品や映像などを通して、具体的な文化事象を
取り上げ、背景をなす歴史や思想を言及しつつ把握した上で、言語を媒介とした表象の読み解き方、論
じ方を批評理論の基礎を含め、学んでいく。その上で、英語による文学や文化を分析するための読解力
の向上を図り、英語という言葉に対する感受性を養うことを目指す。
AC005
英語文学・文化基礎論BI
アメリカおよびアメリカと関係の深い文化圏の文学と文化に焦点を当てて概観する。文学作品や映像など
を通して、具体的な文化事象を取り上げ、背景をなす歴史や思想を言及しつつ把握した上で、言語を媒
介とした表象の読み解き方、論じ方の基礎を学んでいく。その上で、英語による文学や文化を分析するた
めの読解力の向上を図り、英語という言葉の特性に対する感受性を養うことを目指す。
140
AC006
英語文学・文化基礎論BII
「英語文学・文化基礎論BⅠ」で学んだことをふまえ、アメリカおよびアメリカと関係の深い文化圏の英語に
よる文学と文化に焦点を当てて概観する。文学作品や映像などを通して、具体的な文化事象を取り上げ、
背景をなす歴史や思想を言及しつつ把握した上で、言語を媒介とした表象の読み解き方、論じ方を批評
理論の基礎を含め、学んでいく。その上で、英語による文学や文化を分析するための読解力の向上を図
り、英語という言葉に対する感受性を養うことを目指す。
■特殊講義
AC101
言語学 I
私たちが無意識のうちにもっている言葉に対する偏見や固定観念を明らかにしながら、言語はどのような
機能をもっているか、今日の言語学者はそれをどのような方法で研究しているかを考察し、言語を科学的
に観察し研究する方法を身につけることを目的とする。とりわけ、言語理論の中核をなす、音韻組織およ
び文の構造と意味の研究に焦点を合わせ、英語だけでなく、私たちの母語である日本語、および世界中
のさまざまな言語からのデータを交えて、具体的に説明していく。
AC102
言語学 II
「言語学 I」と同様、言語を科学的に観察し研究する方法を身につけることを目的とするが、ここでは理論
言語学の外縁をなす諸分野を扱う。すなわち、言葉の使われる場面がその意味の決定にどう関わるか
(語用論)、社会構造は言語にどんな影響を与えるか(社会言語学)、幼児は母語をどのようなプロセスを
経て習得するか、第二言語(外国語)の学習はどのように行われるか(言語習得論)、言語変化はどのよう
にして起こり、またどのような形で伝播していくか(言語変化論)等の問題を考察する。
AC103
英語史 I
英語の言語としての発達を文学・文化の視野をも加えて概観し、その特徴を考察することを目的とする。
英語は西暦450年頃に、アングロ・サクソン人が英国に持ち込んだことから始まる古英語期から、英詩の
父と呼ばれる Chaucer、15Cの Caxton による印刷術導入などに至る中英語期を扱う。北欧語を話す
Viking、Alfred 大王の治世、フランス語を話すノルマン人の征服、14 世紀の英語の復権など、社会・文化
的背景の影響を勘案しつつ、英語の言語としての特質が大きく変化したプロセスについての知識を習得
し、英語の特徴について理解を深める。
AC104
英語史 II
「英語史 I」に続いて、英語の言語としての発達を文学・文化の視野をも加えて概観することを目的とする。
印刷術導入以後の初期近代英語から英語が国際語としての地位を確立する現代英語までを扱う。読み
書き能力(Literacy)の向上、綴りと発音のギャップを生み出した大母音推移、Renaissance 期を代表する
Shakespeare、1611 年の欽定訳聖書の出版、1620 年の Pilgrim fathers に始まるアメリカ英語の発達などの
141
社会・文化的背景の影響を勘案しつつ、現代英語に至るプロセスについての知識を習得し、さらに、世界
の共通語となった英語の多様性の原点を考察して、英語の言語としての本質的特長を探る。
AC105
英文学史 I
中世から1930年代のイギリス文学を、詩、演劇、小説(散文)の分野に分けて概観する授業である。この
授業では、中世からルネサンス期までの詩と演劇、17世紀の詩と演劇、18世紀の詩、演劇、ロマン派の
詩を扱う。それぞれの時代背景を把握し、文学との関係において社会の重要な出来事や思潮について
考察した後、個々の詩人、劇作家、小説家などの文学史における役割を検討し、各時代の文学的トピック
を概説しつつ、具体的に重要な文学作品の読解、鑑賞も行う。
AC106
英文学史 II
中世から1930年代のイギリス文学を、詩、演劇、小説(散文)の分野に分けて概観する授業である。この
授業では、17世紀末から18世紀初頭にかけての散文(小説を除く)、ジャーナリズム、18世紀の小説の
誕生とその発展、19世紀の小説と散文、19世紀後半の詩と演劇、20世紀前半の小説と演劇を扱う。そ
れぞれの時代背景や社会の重要な出来事、思潮について考察した後、個々の詩人、劇作家、小説家な
どの文学史における役割を検討し、各時代の文学的トピックを概説しつつ、具体的に重要な文学作品の
読解、鑑賞も行う。
AC107
米文学史 I
17世紀から南北戦争の終わる1865年あたりまでに書かれた、アメリカ文学の歴史的展開を概観する授
業である。この授業ではまず、興味深く重要なテキストをいくつか取り上げ、精読することも求められる。文
学上の展開だけでなく、文学作品を検証するために必要な、歴史的、文化的な背景にも触れていく。この
授業の目的は、初期アメリカ文学の主な流れをしっかりと理解することができるようになることである。
AC108
米文学史 II
南北戦争の終わる1865年頃から現在までに書かれたアメリカ文学の歴史的展開を概観する授業である。
この授業ではまず、興味深く重要なテキストをいくつか取り上げ、精読することも求められる。文学上の展
開だけでなく、文学作品を検証するために必要な、歴史的、文化的な背景にも触れていく。この授業の目
的は、後期アメリカ文学の主な流れをしっかりと理解することができるようになることである。
AC109
英語学(英語の構造)I
英語の構造について主に、形態論・統語論に関する様々なトピックについて、具体的資料に基づいて、
体系的に分析するための基本的な考え方を修得させることを目的とする。扱うトピックは、統語論、語形論、
語形成などについての基本的問題を中心に、必要に応じて文字と発音の関係等の中から適宜取り上げ
る。先行研究を概観し、音声、形態および統語との関連を理解させ、具体的資料に基づいて、一定の法
則性を引き出す技法、資料収集の技法などを習得させる。
142
AC110
英語学(英語の構造)II
「英語学(英語の構造)I」で学んだことに基づいて英語の構造について、さらに理解を深めることを目的と
する。「英語学(英語の構造)II」では、形態論、統語論に関する知識を基に、それを発展させ、より高度な
英語の構造の理解へ導く。文(Sentence)の成立条件とその文法性を理解させると共に、パラグラフ単位で
の「談話分析」言語外での要素も考慮する「言語運用」についての理解を深める。同時に、それらに関す
る資料収集、体系的分析などの技法を習得させる。
AC111
英語学(英語の歴史)I
英語の歴史における統合的言語から分析的言語への変化のプロセスの中で、主に古英語期から中英語
期に至る変化の大きい移行期の英語について、様々な観点からトピックを選び通時的に考察する。とくに、
当時の社会・文化との関連も視野にいれて、英語の変化の外的要因・内的要因を理解させる。さらに、英
語史研究上重要な資料となる文献を実際に読み、最近の代表的参考文献の紹介を行い、言語変化の実
相を資料に即して分析するための基盤となる知識および技法を修得させる。
AC112
英語学(英語の歴史)II
英語の歴史における統合的言語から分析的言語への変化のプロセスの中で、主に中英語期から現代英
語に至る英語の変化について、音韻、形態、統語論、語彙論など様々な観点からトピックを選び通時的
に考察する。特に言語を取り巻く社会・文化の変化が大きい現代における英語の変化の諸相を解説し、
現在の Englishes と言われるような英語の多様性の要因にも言及する。最近の代表的参考文献の紹介を
行い、言語変化の実相を資料に即して分析するための基礎となる知識および技法を修得させる。
AC113
英語学(英語の意味)I
英語の様々な表現に含まれる「意味」について、様々な角度から、実際の用法に沿って分析し、英語の
意味構造の基本的に理解することを目的とする。意味には極めて小さい単位で示される Lexical Meaning
からより高い次元の Sentence Meaning に至るまで、いくつかの段階に分かれている。この授業では、語彙
の 意 味 の 示 差 的 特 徴 (Distinctive Feature) に よ る 分 析 、 辞 書 な ど に よ る 文 脈 か ら 切 り 離 さ れ た
(Context-free)意味、文脈中(Context-bound)での意味など、更に直喩・暗喩などのメタファーの問題、
連語関係からの「言葉の場の理論」など様々な角度から意味の問題にアプローチし、基本的意味の分析
方法を修得させる。
AC114
英語学(英語の意味)II
「英語学(英語の意味)I」で学んだ基本的な知識をもとに、語彙の同義性 (Synonymy)及び反意性
(Antonymy)や、曖昧性(Ambiguity)、禁句(Taboo)と婉曲用法(Euphemism)の関係や Speech Level の観点
から格式的な(Formal)表現と非格式的な(Informal)表現の比較など、より複雑な意味の問題を考察し、英
語の意味についての理解を更に深めることを目的とする。文学作品を含む様々な資料を題材としてとりあ
げ、具体例を通して実践的に意味の問題を考察する。
143
AC115
英語学(英語の諸相)I
言語と社会の関わりを多角的に考察して、文化的文脈を視野に入れつつ、私たちが今日直面する言語
問題が何かを理解するとともに、日常生活における言語行動の意味を自覚的に捉える態度を養うことを
目的とする。具体的には、言葉の使用者の出身地・職業・年齢・性別・民族的バックグランド等がどのよう
な言語変異を生み出しているかの問題を、過去半世紀にわたる社会言語学者の研究成果を批判的に読
み解くことによって解明する。
AC116
英語学(英語の諸相)II
言語と社会の関わりを多角的に考察して、文化的文脈を視野に入れながら、私たちが今日直面する言語
問題が何かを理解するとともに、日常生活における言語行動の意味を自覚的に捉える態度を養うことを
目的とする。具体的には、言語と方言、あるいは方言と標準語の区別、ピジンとクリオール、多言語社会
の現状、アメリカにおける黒人英語等の問題を、過去半世紀にわたる研究成果の精査によって解明す
る。
AC117
英語学(意味論)
日常的に使われる英語の持つ「意味」はどのように構成されているか、具体的用例の分析を通して、英語
の意味の成り立ちへの理解を深め、「意味論」への導入を行うことを目的とする。単語レベルの意味、文の
レベルの意味、意味と文法の関係なども視野に入れて、意味を構成するものとその性質を明らかにする。
さらに、英語表現の持つ意味の多様な分析を学生自ら行えるよう実践的指導を行う。このようにして、学生
に意味の諸相から言語現象への興味を啓発し、研究の技法への理解を深める。
AC118
英語学(語用論)
実際の英語使用の場面で用いられる英語表現は、文字通りの意味とは別に、様々なコミュニケーション上
の役割を担っている。英語使用の様々な場面を踏まえて、言語によるコミュニケーションのメカニズムにつ
いて理解を深め、語用論への導入を行うことを目的とする。メタファー、レトリックなどの側面からも、このテ
ーマを論じ、日常的に使用される様々な英語の表現の意義を、それが使われる場面との関わりの中で究
明する。さらに、具体的題材をとりあげ、学生自ら分析が行えるよう実践的指導を行い、研究の技法への
理解を深める。
AC119
英語文学(詩)I
この講義の目的は、英語で書かれた詩作品(英米の詩のみならず、その他の国の英語で書かれた詩を
含む)を通して詩的言語の面白さを知り、詩は常に驚きを伴った新鮮な認識を表現する努力の結晶であ
ることを実感出来るようにすることである。このため英詩の多様なジャンルや形式の特徴、比喩的表現の
本質、また詩の調子と語り手の関係その他について注意を喚起し英詩解読の技法に習熟させながら、具
体作品を解読する。
144
AC120
英語文学(詩)II
「英語文学(詩)I」の講義を踏まえて具体的に詩作品を取り上げ、個別の作品の分析・解読を行って、英
詩を体験することで深い理解を促す。参考文献を紹介して詳細な注解を丁寧に読む習慣をつけ、作品ま
たは詩人の文学史上の意義を説明し、作品の文化的な背景を講じ、学生が興味をもち自立して詩作品
を読み解いてゆく契機となるよう指導する。また、英語を使う立場から、英語の語感に対する感性を養うこ
ともこの講義の目的である。
AC121
英語文学(演劇)AI
舞台での上演を前提として書かれる演劇というジャンルは、小説、詩あるいは映画といった他の文学・文
化の表象のジャンルとは大きく異なる。本講義では英語圏文学・文化についての基本的な理解を基にし
て、演劇というジャンルの表象がどのような特徴をもち、さまざまな時代の多様な領域の英語圏文化にお
いてどのような意味をもっているかを深く学ばせる。具体的には、イギリス及びイギリスと関係の深い英語
圏文化を中心に、代表的な戯曲をいくつか取り上げて英語で読み、実際の上演を考慮に入れながら、そ
れら演劇作品の文化的・社会的意味を考察させる。
AC122
英語文学(演劇)AII
舞台での上演を前提として書かれる演劇というジャンルは、小説、詩、あるいは映画といった他の文学・文
化の表象のジャンルとは大きく異なる。本講義では英語圏文学・文化についての基本的な理解を基にし
て、演劇というジャンルがどのような特徴をもち、さまざまな時代の多様な領域の英語圏文化でどのような
意味をもつかを深く学ばせる。具体的には、イギリス及びイギリスと関係の深い英語圏文化を中心に、代
表的な戯曲をいくつか取り上げ、実際の上演を考慮に入れながら英語で読み、さらに英語で書かれた批
評を検討することで、演劇作品の文化的・社会的意味を考察させる。
AC123
英語文学(演劇)BI
舞台での上演を前提として書かれる演劇というジャンルは、小説、詩あるいは映画といった他の文学・文
化の表象のジャンルとは大きく異なる。本講義では英語圏文学・文化についての基本的な理解を基にし
て、演劇というジャンルの表象がどのような特徴をもち、さまざまな時代の多様な領域の英語圏文化にお
いてどのような意味をもっているかを深く学ばせる。具体的には、アメリカ及びアメリカと関係の深い英語
圏文化を中心に、代表的な戯曲をいくつか取り上げて英語で読み、実際の上演を考慮に入れながら、そ
れら演劇作品の文化的・社会的意味を考察させる。
AC124
英語文学(演劇)BII
舞台での上演を前提として書かれる演劇というジャンルは、小説、詩、あるいは映画といった他の文学・文
化の表象のジャンルとは大きく異なる。本講義では英語圏文学・文化についての基本的な理解を基にし
て、演劇というジャンルがどのような特徴をもち、さまざまな時代の多様な領域の英語圏文化でどのような
意味をもつかを深く学ばせる。具体的には、アメリカ及びアメリカと関係の深い英語圏文化を中心に、代
表的な戯曲をいくつか取り上げ、実際の上演を考慮に入れながら英語で読み、さらに英語で書かれた批
評を検討することで、演劇作品の文化的・社会的意味を考察させる。
145
AC125
英語文学(小説)AI
この授業は英語圏の国々で書かれた小説を、種々の問題意識(人種、階級、ジェンダーなど)に沿って読
解し理解を深めることを目標とする授業である。個々のテキストの精読のみならず、ある個別の文化現象
をテーマに設定し、国境を越えた幅広い文学作品群を歴史・文化の側面から多面的に扱う可能性も視野
に入れて授業を進める。特に、この授業では、イギリス及びイギリスと関係の深い英語圏文化を対象として
考察する。
AC126
英語文学(小説)AII
「英語文学(小説)AI」の受講を前提とし、この授業では様々な資料の読解も含め、英語圏の国々で書か
れた小説を、種々の問題意識(人種、階級、ジェンダーなど)に沿って読解し理解を深めることを目標とす
る。個々のテキストの精読のみならず、ある個別の文化現象をテーマに設定し、国境を越えた幅広い文学
作品群を歴史・文化の側面から多面的に扱う可能性も視野に入れて授業は進められる。
AC127
英語文学(小説)BI
この授業は英語圏の国々で書かれた小説を、種々の問題意識(人種、階級、ジェンダーなど)に沿って読
解し理解を深めることを目標とする授業である。個々のテキストの精読のみならず、ある個別の文化現象
をテーマに設定し、国境を越えた幅広い文学作品群を歴史・文化の側面から多面的に扱う可能性も視野
に入れて授業を進める。特に、この授業では、アメリカ及びアメリカと関係の深い英語圏文化を対象として
考察する。
AC128
英語文学(小説)BII
「英語文学(小説)BI」の受講を前提とし、この授業では様々な資料の読解も含め、英語圏の国々で書か
れた小説を、種々の問題意識(人種、階級、ジェンダーなど)に沿って読解し理解を深めることを目標とす
る。個々のテキストの精読のみならず、ある個別の文化現象をテーマに設定し、国境を越えた幅広い文学
作品群を歴史・文化の側面から多面的に扱う可能性も視野に入れて授業は進められる。
AC129
英語文学(小説)CI
この授業は英語圏の国々で書かれた小説を、種々の問題意識(人種、階級、ジェンダーなど)に沿って読
解し理解を深めることを目標とする授業である。個々のテキストの精読のみならず、ある個別の文化現象
をテーマに設定し、国境を越えた幅広い文学作品群を歴史・文化の側面から多面的に扱う可能性も視野
に入れて授業を進める。特に、この授業では、イギリスおよびイギリスと関係の深い英語圏文化を対象とし
て考察する。
AC130
英語文学(小説)CII
「英語文学(小説)CI」の受講を前提とし、この授業では様々な資料の読解も含め、英語圏の国々で書か
れた小説を、種々の問題意識(人種、階級、ジェンダーなど)に沿って読解し理解を深めることを目標とす
146
る。個々のテキストの精読のみならず、ある個別の文化現象をテーマに設定し、国境を越えた幅広い文学
作品群を歴史・文化の側面から多面的に扱う可能性も視野に入れて授業は進められる。
AC131
英語文学(小説)DI
この授業は英語圏の国々で書かれた小説を、種々の問題意識(人種、階級、ジェンダーなど)に沿って読
解し理解を深めることを目標とする。個々のテキストの精読のみならず、ある個別の文化現象をテーマに
設定し、国境を越えた幅広い文学作品群を歴史・文化の側面から多面的に扱う可能性も視野に入れて
授業を進める。特に、この授業では、アメリカおよびアメリカと関係の深い英語圏文化を対象として考察す
る。
AC132
英語文学(小説)DII
「英語文学(小説)DI」の受講を前提とし、この授業では様々な資料の読解も含め、英語圏の国々で書か
れた小説を、種々の問題意識(人種、階級、ジェンダーなど)に沿って読解し理解を深めることを目標とす
る。個々のテキストの精読のみならず、ある個別の文化現象をテーマに設定し、国境を越えた幅広い文学
作品群を歴史・文化の側面から多面的に扱う可能性も視野に入れて授業は進められる。
AC133
英語文学(児童文学)I
児童文学は人間形成途上にある者にとって、人間・社会・世界に目を開かせ、自己確認と自己確立を促
し、楽しませつつ深く考えさせる契機となりうる分野である。特に英語圏の作品にはリアリズムとファンタジ
ーのさまざまなジャンルに、豊富な作品を擁している。授業では予習を必須とし、原書を通読できるよう小
課題を与えて辞書を活用させ、他言語の妙味を味わいつつ、その文化の伝統と風習に触れ、文学の醍
醐味を知ることを目指している。
AC134
英語文学(児童文学)II
「英語文学(児童文学)I」を踏まえて講義をおこなう。児童文学は幼年物から十代後半物まで広範囲であ
り、表現や形式は多種にわたっているが、比較的易しい表現の底に深い意味を込めたものが多い。その
多層性を読み取るには、作家の時代背景の考察も必要となる。さらに一般小説とも共通な文学としての基
本的要素(Character / Theme / Setting / Plot / Style / Tone など)も備えているので、その考察も含めて
作品の深い面白みを味わいたい。
AC135
英語文学(評論)I
英語圏文学・文化についての基本的な理解を基にして、英語で書かれた主要な批評理論を修得させる。
本講義では、さまざまな文化の様相を分析し、その社会的意味を探究するカルチュラル・スタディズとの
関わりをも考慮に入れる。具体的には、英語圏の主要な文学・文化批評理論を取り上げて英語で読み、
内容を考察した後、具体的にその理論を英語圏の文学作品や文化現象に適応させてみることで、文学・
文化の表象が視点の変化によりいかに異なる意味をもち得るかを認識させる。
147
AC136
英語文学(評論)II
英語圏文学・文化の基本的な理解を基にして、英語で書かれた主要な批評理論を修得させる。本講義で
は、さまざまな文化の様相を分析し、その社会的意味を探究するカルチュラル・スタディズとの関わりをも
考慮に入れる。具体的には、英語で書かれた複数の文学・文化の批評理論を取り上げて英語で読み、そ
れらを英語圏の文学や文化現象に実際に適応させてみる。さらに、異なった批評理論を用いることにより
明らかになる文学・文化の表象の意味の相違を比較検討し、批評理論を応用するための方法論を修得さ
せる。
AC137
英語文学・文化AI
本講義においては、英語圏文学・文化を色々なテーマに即して読むことで、それらがさまざまな時代の多
様な領域の英語圏文化においてどのような意味をもっているかを深く学ばせることを目標とする。具体的
には、イギリスおよびイギリスと関係の深い英語圏文化を中心に、文学作品、および文化を表象する媒体
(映画、新聞、広告など)をいくつか取り上げて読み解き、それらの文化的・社会的意味を考察させる。必
要に応じて批評理論を用い、作品および文化へのより深い理解を目指す。
AC138
英語文学・文化AII
本講義においては、英語圏文学・文化を色々なテーマに即して読むことで、それらがさまざまな時代の多
様な領域の英語圏文化においてどのような意味をもっているかを深く学ばせることを目標とする。具体的
には、英語圏文化における文学作品、および文化を表象する媒体(映画、新聞、広告など)をいくつか取
り上げて読み解き、それらの文化的・社会的意味を考察させる。必要に応じて批評理論を用い、作品およ
び文化へのより深い理解を目指す。「英語文学・文化 AI」をより発展させた内容となっている。
AC139
英語文学・文化BI
本講義においては、英語圏文学・文化を色々なテーマに即して読むことで、それらがさまざまな時代の多
様な領域の英語圏文化においてどのような意味をもっているかを深く学ばせることを目標とする。具体的
には、アメリカおよびアメリカと関係の深い英語圏文化を中心に、文学作品、および文化を表象する媒体
(映画、新聞、広告など)をいくつか取り上げて読み解き、それらの文化的・社会的意味を考察させる。必
要に応じて批評理論を用い、作品および文化へのより深い理解を目指す。
AC140
英語文学・文化BII
本講義においては、英語圏文学・文化を色々なテーマに即して読むことで、それらがさまざまな時代の多
様な領域の英語圏文化においてどのような意味をもっているかを深く学ばせることを目標とする。具体的
には、英語圏文化における文学作品、および文化を表象する媒体(映画、新聞、広告など)をいくつか取
り上げて読み解き、それらの文化的・社会的意味を考察させる。必要に応じて批評理論を用い、作品およ
び文化へのより深い理解を目指す。「英語文学・文化 BI」をより発展させた内容となっている。
148
AC141
英語学(英語と文化)A
ヨーロッパの西端の島国に生まれた英語は、その長い歴史の中で次第に地球的規模の広がりを見せ、今
日世界語(World Language)としての地位を確立する一方、さまざまな地域に World Englishes と呼ばれる
変種を生み出している。それぞれの変種は、当該地域の歴史と文化を色濃く反映し、独自の特徴を有し
ているが、この講義では、教科書だけでなく、演劇・映画・音楽・ニュース報道・スポーツ等、幅広いジャン
ルの視聴覚教材を使いながら、英語とイギリス文化の関連を見ていく。
AC142
英語学(英語と文化)B
ヨーロッパの西端の島国に生まれた英語は、その長い歴史の中で次第に地球的規模の広がりを見せ、今
日さまざまな地域に World Englishes と呼ばれる変種を生み出している。それぞれの変種は、当該地域の
歴史と文化を色濃く反映し、独自の特徴を有しているが、この講義では、教科書に加えて、演劇・映画・音
楽・スポーツ・ニュース報道等、幅広いジャンルの視聴覚教材も使いながら、英語とかつてのイギリス植民
地だった国々(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど)の文化との関連を見ていく。
AC143
異文化理解 I
世界の多様な文化を「異文化」として認識し、その異文化を相互に理解し合い、さまざまな人びととコミュ
ニケーションが可能となることを目標とする。すべての文化は混成文化であり、その混成度の違いに注目
することが異文化理解につながるが、そのことを知るために、この授業では日本語と英語の差異を、また
異なる言語を基に成立する文化を理解し、その上で、文化的、歴史的、地理的な角度から「異文化」を学
んでいく。
AC144
異文化理解 II
世界の多様な文化を「異文化」として認識し、その異文化を相互に理解し合い、さまざまな人びととコミュ
ニケーションが可能となることを目標とする。すべての文化は混成文化であり、その混成度の違いに注目
することが異文化理解につながるが、そのことを知るために、この授業では日本語と英語の差異を、また
異なる言語を基に成立する文化を理解し、その上で、文化的、歴史的、地理的な角度から「異文化」を学
んでいく。「異文化理解 I」を発展させたものであり、相対的な視点を持てるようになることを目指す。
AC145
翻訳研究 I(翻訳と異文化理解)
広い意味での異文化交流・異言語間コミュニケーションを考え理解するうえで、「翻訳」が果たす役割に着
目した講義科目。翻訳の役割を多角的に検討する手がかりとして、翻訳された作品と原作とのズレの諸相
や、翻訳出版のなされ方などを具体例を通して学ぶ。たとえば、近現代の英米文学、とくに「名作児童文
学」の日本における翻訳受容史と影響関係を考察するなど。合わせて、「翻訳研究」という新しい学問領
域のさまざまなアプローチについても学び、「翻訳研究 II(異文化摩擦の諸相)」の基礎をつくる。
AC146
翻訳研究 II(異文化摩擦の諸相)
「翻訳研究 I(翻訳と異文化理解)」で学んだことを基に、「翻訳」を通してさらに深く異文化交流・異言語間
コミュニケーションについて考えさせる。講義科目ではあるが、学生自身の問題発見に基づいた発言を促
149
し、インタラクティヴに進める。主として、プロの翻訳者により翻訳された文と原文との比較対照をおこない、
そこに見られるズレの諸相をとらえ分析する。たとえば、言葉がより複層的な意味をもって用いられる文学
作品を素材として、現代日本文学の英訳や、現代英米文学の日本語訳などを、各原文と比較検討する。
こうした作業を通して、言語を通して、英語文化と日本語文化の違いを体験的に考えさせる。
■基盤演習
AC201
Freshman English Seminar I
英語で書く卒業論文、英語で発表する Final Presentation に向けた入門的授業の前半である。英語を書
く際の基礎的単位となるパラグラフ・ライティングを第1の目標とする。トピックとメイン・アイディアからなるト
ピック・センテンスを出発点とし、サポートするいくつかのセンテンスを用いパラグラフを構成する方法を綿
密に指導する。目的は次の二つ、すなわち、さまざまなテーマを選び、明確で焦点のはっきりしたパラグラ
フを書けるようになること。次いで、複数のパラグラフの繋げ方を修得することである。
AC202
Freshman English Seminar II
この授業では「Freshman English Seminar I」で学んだスキルに基づき、イントロダクション、本論、結論とい
う構成を学ぶ。クラスで実際に何本かの短いエッセイを執筆する。目的は二つあり、さまざまなトピックにつ
いて、しっかりとした構成を持つ短いエッセイを書けるようになることと、全体的に英文執筆能力のレベル
を上げることである。
AC203
英語音声学 I
英語独特の音声的特徴の基本的知識を学ぶとともに、英語の発音の仕方を身につけることを目的とする。
母音の構成、子音の種類、音節の成り立ち、音のつながり(linking)、語・句・文の各レベルにおける強勢パ
ターン、イントネーション、リズムなどについて、日本語との違いを念頭に置きながら学習する。同時に、
CD 教材や CALL 教室のインタラクティブなトレーニングソフトなどを用いて、英語の発音の実践練習を行
い、英語らしい発音の仕方を体得する。
AC204
英語音声学 II
「英語音声学 I」で学んだことを基に、英語の音声的特徴についてさらに知見を広げるとともに、発音に磨
きをかけることを目的とする。英語の音体系、音節構造などに関してより詳しく学ぶとともに、各自の発音
上の苦手な点やくせを克服するために、より緻密で徹底した発音訓練を行う。また、「世界語」(global
language)と言われるまでになった英語には地域や社会に応じて多様な変種が存在するという事実に目を
向け、それらの間の音声的な差異を比較したり時代変化を探ったりしながら、「正しい英語の発音とは何
か」という問題を考える。
AC205
Sophomore Reading & Writing I
1 年次の「Freshman English Seminar I・II」で得たスキルをふまえ、3 年次「Junior Composition」に繋げるた
めの授業の前半である。うまく書くためには良いサンプルに触れる必要がある。そのため、「Sophomore
150
Reading & Writing I」では英語で書かれた文学作品を理解し、論じ、それについて英語で書く力を学生が
身につけることができるよう構成されている。文学作品(短編小説および詩)を理解し分析する能力を高め、
理解した内容について短い学術的なエッセイを書く能力を向上させることがこの授業の目標である。
AC206
Sophomore Reading & Writing II
1 年次の「Freshman English Seminar I・II」で得たスキルをさらに伸ばし、3 年次「Junior Composition」に繋
げるための授業の後半と位置づける授業である。「Sophomore Reading & WritingⅠ」をふまえ、文学作品
以外の、文化的なテキストを題材とし、テキストを分析し、その内容について論理的な構成された短い学
術的なエッセイを書く能力を向上させることがこの授業の目標である。必要に応じてリサーチをし、理解し
分析する能力をさらに高めることが求められる。
AC207
英文法(知識と実践)
英語の文構造についての基本概念、英語の品詞・用法などについての基礎知識を習得し、その知識を
実践の中で活用し、英語の語法への理解を深めることを目的とする。この目的のために、まず、文構造の
分析、基本的品詞カテゴリーの分類を習得した上で、英語でとくに重要な語順と意味の関連、使用領域
による英語の用法の多様性などを考察し、「生きた英語」の知識の一部としての英文法を体得させる。授
業は、演習形式で学生の発表を中心に行う。
AC208
英語学基礎演習 I
「英語学」とはどのような問題を扱う学問であるかを理解するための手始めとして、英語という言語の姿と言
語学的な研究方法についての基礎知識を得ることをねらいとする演習である。必要に応じてビデオ教材
を使用しながら、「世界語」と言われるまでになった英語の現状の姿とその発展の経緯を把握するとともに、
音声、 語彙、文法、歴史、方言、社会との関係などのテーマごとに学ぶことを通して、英語を多面的に理
解すると同時に、それぞれの分野ごとに、どのような問題や研究テーマがあるかということを探ってゆく。
AC209
英語学基礎演習 II
「英語学基礎演習 I 」で学んだことをもとに、英語という言語の姿と「英語学」という学問の内容に対する理
解を広げることを目的とする演習である。英語の発達史を辿ったり、現状の姿を紹介するビデオ教材を織
り交ぜながら、「英語学基礎演習 I 」の内容に対する補足的なことがらを学んだり、既習の問題や言語事
象を異なる角度から検討することによって、英語という言語の特質についての総合的な知見を身につける
とともに、英語学の研究にあたっての具体的な問題意識と並んで、研究分野および研究方法に対するよ
り鮮明なビジョンを育む。
AC210
英語文学基礎演習 I
英語で書かれた文学作品を読みといていく楽しさを知るための演習形式の授業である。その結果、言葉
の持つ力を学び、文学作品を生み出す文化的背景を知り、文化を構成する要素を分析し、文学作品と作
者、そして読者の関係を考えることになる。すなわち、この授業は英語圏の文学・文化の研究への誘いを
目的とする。「英語文学基礎演習 I」では短い作品を中心に扱い、作品が作り出す世界を探求する。
151
AC211
英語文学基礎演習 II
英語で書かれた文学作品を読みといていく楽しさを知るための演習形式の授業である。その結果、言葉
の持つ力を学び、文学作品を生み出す文化的背景を知り、文化を構成する要素を分析し、文学作品と作
者、そして読者の関係を考えることになる。すなわち、この授業は英語圏の文学・文化の研究への誘いを
目的とする。「英語文学基礎演習 II」では、中編なども織り交ぜ、より内容的に豊かな作品を中心に扱い、
作品が作り出す世界を探求する。
AC212
Presentation 基礎演習 I
演習形式の入門授業であり、一人ひとりの学生がフォーマルなプレゼンテーションを行うことができるよう
になることを目指す。まずはプレゼンテーションを成功させるために必須の基本的要素を学ぶ。その後の
授業では、学んだ要素を実践に活かすため、さまざまなトピックに関して、小さなグループで、また各自が、
クラス内でのプレゼンテーションの練習と実践を行う。プレゼンテーション基礎演習はスキル修得を目的と
するため、2年次での履修となる。
AC213
Presentation 基礎演習 II
演習形式の入門授業である。上記の「Presentation 基礎演習 I」で学んだスキルに基づき、プレゼンテー
ション成功させるためのさらなるスキルのアップを図る。トピックの選択の仕方や、プレゼンテーションを効
果的に行うための周辺機器使用法などについて特に留意し、学習する。プレゼンテーション基礎演習は
スキル修得を目的とするため、2年次での履修となる。
■発展演習
AC301
Junior Composition
2年次の「Sophomore Reading & Writing I・II」を発展させ、4年次の卒業論文、Final Presentation に備え
て学術的エッセイ・ライティングを実践する演習形式の授業である。この授業の目的は、英語で考え、パラ
グラフを構築し、パラグラフを結びつけ、それによって論理的な文章を書く能力を高めることである。論文
執筆に必要な知識も適宜紹介しながら、文学、語学、文化、それぞれの分野に関する学術論文執筆のた
め、リサーチも行い、高度な英語表現の修得を目指す。
AC302
Comprehensive English Program AI
“Comprehensive”(包括的)という名前の通り、この演習形式の授業は、英語を読む力、聴く力、話す力、
書く力の4つの領域において、学生の能力を向上させることに焦点を置いている。学生はさまざまな種類
のテキストを読み、あるいは映画を鑑賞した上で、それらに対する自分の意見を、英語での discussion、英
作文、口頭発表といった手段で表現する。この授業ではイギリス及びイギリスと関係深い文化圏の題材を
中心に用いる。学生の批判的思考力のみならず、総合的な英語運用能力を伸ばすことがこの授業の目
標である。
152
AC303
Comprehensive English Program AII
この授業は「Comprehensive English Program AI」の上級クラスとして構成されており、英語を読む力、聴く
力、話す力、書く力の4つの領域において、学生の能力を向上させることに焦点を置いている。学生は
様々な種類のテキストを読み、あるいは映画を鑑賞した上で、それらに対する自分の意見を、英語での
discussion、英作文、口頭発表といった手段で表現する。学生の批判的思考力のみならず、総合的な英
語運用能力を伸ばすことがこの目標である。
AC304
Comprehensive English Program BI
“Comprehensive”(包括的)という名前の通り、この演習形式の授業は、英語を読む力、聴く力、話す力、
書く力の4つの領域において、学生の能力を向上させることに焦点を置いている。学生は様々な種類の
テキストを読み、あるいは映画を鑑賞した上で、それらに対する自分の意見を、英語での discussion、英
作文、口頭発表といった形式で述べる。この授業ではアメリカ及びアメリカと関係深い文化圏の題材を中
心に用いる。学生の批判的思考力のみならず、総合的な英語運用能力を伸ばすことが目標である。
AC305
Comprehensive English Program BII
この授業は「Comprehensive English Program BI」の上級クラスとして構成されており、英語を読む力、聴く
力、話す力、書く力の4つの領域において、学生の能力を向上させることに焦点を置いている。学生は
様々な種類のテキストを読み、あるいは映画を鑑賞した上で、それらに対する自分の意見を、英語での
discussion、英作文、口頭発表といった形式で述べてゆく。学生の批判的思考力のみならず、総合的な英
語運用能力を伸ばすことが目標である。
AC306
Grammar and Writing A
英語でエッセイを書くためにはトピックやパラグラフを理解し、パラグラフを組み立てる力が必要である。し
かし、パラグラフを書くためには、英語の文構造を理解し、英語特有の仕組みを知る必要がある。この授
業は卒業論文を英語で書くために、最低限必要な英語表現力を養うための授業である。基本的な文法を
修得し、修得した文法を実際の文章にしていく作業を繰り返す。そういった実習を通して、卒業論文執筆
につながる基礎的な英語表現力を養っていく。この授業は「Freshman English Seminar I・II」および
「Sophomore Reading & Writing I・II」の補足を目指す。
AC307
Grammar and Writing B
英語でエッセイを書くためにはトピックやパラグラフを理解し、パラグラフを組み立てる力が必要である。し
かし、パラグラフを書くためには、英語の文構造を理解し、英語特有の仕組みを知る必要がある。この授
業は卒業論文を英語で書くために、最低限必要な英語表現力を養うための授業である。基本的な文法を
修得し、修得した文法を実際の文章にしていく作業を繰り返す。そういった実習を通して、卒業論文執筆
につながる基礎的な英語表現力を養っていく。この授業では、「Sophomore Reading & Writing I・II」およ
び「Junior Composition」の補足を目指す。
153
AC308
Creative Writing A
ワークショップ形式で行われるこの授業は、短篇や詩を書くという創造性探求の機会を学生に与えること
で、彼らが既に身につけた英語力を更に伸ばすものである。創作の手本使用を含めた様々な種類の創
作の練習をこなすことによって、学生の書く作品に構成を持たせる。校正作業、学生同士による編集、修
正に関するスキルも特に重要なものとして強調し、修得させる。創造的に思考し英語で巧みに表現する
能力を向上させることが目標である。
AC309
Creative Writing B
ワークショップ形式で行われるこの授業は、散文文学を書くという創造性探求の機会を学生に与えること
で、彼らが既に身につけた英語力を更に伸ばすものである。創作の手本使用を含めた様々な種類の創
作の練習をこなすことによって、学生の書く作品に構成を持たせる。校正作業、学生同士による編集、修
正に関するスキルも特に重要なものとして強調し、修得させる。創造的に思考し英語で巧みに表現する
能力を向上させることが目標である。
AC310
英語学演習(英語の構造)
主に「語形論」と「統語論」からアプローチして、英語の構造について、具体的資料に基づき、体系的に理
解することを目的とする。語の構造、文の構造などについて、先行研究、理論を学ぶだけでなく、英語の
様々な文法現象を観察しながら、問題意識を持ってデータの分析を行い、考察を加える。実際の英語表
現の分析を通して英語の文構造の特徴についての理解を深める。発表形式で授業を進め、資料収集、
文献検索、データ分析などの研究の手法を学ばせる。
AC311
英語学演習(英語の歴史)
英語の歴史の中で、とくに重要な位置を占める文献を中心に取り上げて、英語の変化の実相の理解を深
めることを目的とする、加えて、それらの文献を、書かれた当時の社会・文化的文脈の中において、トータ
ルな考察を行う。歴史的文献を読み解くための辞書・参考書・コンコーダンスの活用方法などを学び、文
の構造、語彙、語の意味・形態、文体など多面的アプローチを試みつつ、言語変化について具体的事実
を踏まえた分析を行う技法を修得させる。
AC312
英語学演習(英語の意味)
「意味論」からのアプローチにより、日常的・具体的英語表現のなかで、どのように英語の意味が成り立っ
ているかを考察し、理解を深めることを目的とする。語彙のレベル、文のレベル、文脈における意味などに
ついて、文学作品を含む実際の英語の使用場面での、英語表現の意味の考察を通して、英語の意味の
諸相を観察し、分析する。各自の発表形式で授業を進め、資料収集、文献検索、データ分析の方法など
を修得させる。
AC313
英語学演習(英語の諸相)
言語変異に関する代表的論文をゼミ形式(担当者による口頭報告とそれを巡る参加者全員の討論)で読
み進めることによって、各人が英語論文のスタイルと構成、データの収集と分析の方法を理解し、自らが
154
選んだテーマによって小論文が書けるように指導する。各種のリサーチトゥール(インターネット、図書館、
コーパス、専門事典、英語辞典等)の利用方法についても紹介する。
AC314
2 年次 Shakespeare 演習
シェイクスピアを原文で読む演習である。シェイクスピアの時代の言葉は現代の言葉とは随分と違う。この
授業ではシェイクスピア作品を一つ取り上げ講読し、シェイクスピアの台本を読むための基礎力修得を目
指す。シェイクスピアの時代の英語を読むための辞書などを紹介し、テキストにつけられた注なども丁寧
に目を通すことで、シェイクスピアの時代の作品を読む力をつけていく。
AC315
英語文学演習(詩)
毎年扱われる詩や詩人は異なるが―英米のみならずその他の国の英語で書かれた詩が授業の対象とな
りうる―英語で書かれた詩の作品をとりあげて、その緻密な分析と解読を試みる演習形式の授業である。
詩的言語で表現される詩人の発見ともいうべき新鮮な認識を読み取るために、詩の構成要素である主題、
イメージや象徴などの比喩、構造、リズムや詩の調子などに注意を払いながら詩の解読を試み、発表する
ことが求められる。その後発表にもとづく討論があり、詩人が追求している詩的言語の可能性を、追体験
することにより詩の本質を学ぶ。
AC316
英語文学演習(演劇)A
舞台上での上演を前提に書かれる演劇というジャンルは、小説、詩あるいは映画といった他の文学・文化
の表象のジャンルとは大きく異なる。本演習においては、イギリスおよびイギリスと関係の深い英語圏文化
を中心に、代表的な戯曲をいくつか取り上げ、英語で精読する。戯曲と実際の上演の関係を考慮しなが
ら、科白やト書きの解釈の仕方や、ポーズのとり方の考察なども含め、演劇作品の読解に必要な知識を
修得させる。さらに、できるだけ舞台上演のビデオも見せながら、英語で書かれた演劇の文化的・社会的
意味を考察させる。
AC317
英語文学演習(演劇)B
舞台上での上演を前提に書かれる演劇というジャンルは、小説、詩あるいは映画といった他の文学・文化
の表象のジャンルとは大きく異なる。本演習においては、アメリカおよびアメリカと関係の深い英語圏文化
を中心に、代表的な戯曲をいくつか取り上げ、英語で精読する。戯曲と実際の上演の関係を考慮しなが
ら、科白やト書きの解釈の仕方や、ポーズのとり方の考察なども含め、演劇作品の読解に必要な知識を
修得させる。さらに、できるだけ舞台上演のビデオも見せながら、英語で書かれた演劇の文化的・社会的
意味を考察させる。
AC318
英語文学演習(小説)A
この授業では英語圏の国々において書かれた小説作品の読解を対象とする、演習形式の授業である。
学生からのアクティブな参加と教師からのフィードバックに基づく活発な議論を前提としつつ、人種、階級、
ジェンダー、セクシュアリティなど種々の視点から作品の緻密な分析と解読を試みることで、個々の作品の
155
みならず、その作品を成立させた大きな文化的・歴史的コンテクストのより深い理解を得ることを目的とす
る。「英語文学演習(小説)A」ではイギリスおよびイギリスと関係の深い文化圏を中心に考察する。
AC319
英語文学演習(小説)B
この授業では英語圏の国々において書かれた小説作品の読解を対象とする、演習形式の授業である。
学生からのアクティブな参加と教師からのフィードバックに基づく活発な議論を前提としつつ、人種、階級、
ジェンダー、セクシュアリティなど種々の視点から作品の緻密な分析と解読を試みることで、個々の作品の
みならず、その作品を成立させた大きな文化的・歴史的コンテクストのより深い理解を得ることを目的とす
る。「英語文学演習(小説)B」ではアメリカおよびアメリカと関係の深い文化圏を中心に考察する。
AC320
英語文学演習(小説)C
この授業では英語圏の国々において書かれた小説作品の読解を対象とする、演習形式の授業である。
学生からのアクティブな参加と教師からのフィードバックに基づく活発な議論を前提としつつ、人種、階級、
ジェンダー、セクシュアリティなど種々の視点から作品の緻密な分析と解読を試みることで、個々の作品の
みならず、批評理論なども学び、深い理解を目指す。「英語文学演習(小説)C」ではイギリスおよびイギリ
スと関係の深い文化圏を中心に考察する。
AC321
英語文学演習(小説)D
この授業では英語圏の国々において書かれた小説作品の読解を対象とする、演習形式の授業である。
学生からのアクティブな参加と教師からのフィードバックに基づく活発な議論を前提としつつ、人種、階級、
ジェンダー、セクシュアリティなど種々の視点から作品の緻密な分析と解読を試みることで、個々の作品の
みならず、批評理論なども学び、深い理解を目指す。「英語文学演習(小説)D」ではアメリカおよびアメリ
カと関係の深い文化圏を中心に考察する。
AC322
英語文学演習(評論)
英語で書かれた文学・文化批評とはいかなるもので、どのような文化的意味をもつものであるかを深く学
ばせる。本演習では、英語圏文化における主要な現代批評理論のいくつかを取り上げて英語で読み、さ
まざまな文化の様相を分析し、その社会的意味を探究するカルチュラル・スタディズとの関わりも考慮しな
がら、それらの理論を実際に英語圏文学作品、文化現象に適応させてみる。現代批評理論を用いること
により、英語圏文学・文化の理解にいかなる視点の変化がもたらされるかを修得させる。
AC323
英語文学・文化演習A
英語圏の様々な文化を表象する媒体を読み解いて行くための演習形式の授業である。学生からのアクテ
ィブな参加と教師からのフィードバックに基づく活発な議論を前提としつつ、英語圏文化における文化表
象の問題を、文学作品、および映画、新聞、広告といった媒体をいくつか取り上げて読み解き、その文化
的・社会的意味を議論し、考察する。必要に応じて批評理論を用い、作品および文化へのより深い理解
を目指す。「英語文学・文化演習 A」では、イギリスおよびイギリスと関係の深い文化圏を中心に考察す
る。
156
AC324
英語文学・文化演習B
英語圏の様々な文化を表象する媒体を読み解いて行くための演習形式の授業である。学生からのアクテ
ィブな参加と教師からのフィードバックに基づく活発な議論を前提としつつ、英語圏文化における文化表
象の問題を、文学作品、および映画、新聞、広告といった媒体をいくつか取り上げて読み解き、その文化
的・社会的意味を議論し、考察する。必要に応じて批評理論を用い、作品および文化へのより深い理解
を目指す。「英語文学・文化演習 B」では、アメリカおよびアメリカと関係の深い文化圏を中心に考察する。
■特殊演習
AC401
3年次特殊演習(英語文学文化)
3年次学生必修の通年授業であり、卒業論文、もしくは Final Presentation に向けて、テーマの探し方、テ
ーマに応じた資料収集の仕方、資料の読解の方法、論理の組み立て方など、論文作成の技法を学ぶこ
とが目的とする。英語文学・文化、英語学、プレゼンテーションの3分野に分かれ、いずれかのクラスを履
修する。それぞれの分野で基本的な研究方法を履修させる。
AC402
4年次特殊演習(英語文学文化)
卒業年次生必修の授業である。英語文学・文化、英語学、プレゼンテーションの3分野のいずれかのクラ
スを履修する。3年次特殊演習の内容を、各教員の専門分野に応じて発展させたものである。従って、卒
業論文あるいは Final Presentation のテーマは、この授業で取り上げた内容を発展させても良いし、独自
のテーマを選んでもよい。それぞれの教員の専門分野に応じた専門的な研究方法を修得させ、論文を書
くための技法や表現などもあわせて学ばせる。
157
史 学 専 攻
■基盤講義
AD001
史学概論
歴史学とはどのような学問かを知り、それを学ぶために必要な知識、方法を習得させることを主要な目標
とする。まず、歴史学とは何を対象とし、どのような方法で研究を進め、いかにその結果を総合し、提示す
る学問かを学ぶ。また、歴史学がいかにして学問として成立し、その間にどのような課題の前に立たされ
てきたか、この学問の歴史をたどる。これまで提示されてきた主要な歴史理論、発展段階論、歴史におけ
る法則性、歴史における個別性と一般性の問題、歴史認識における主観性と客観性などの諸問題が論
じられる。
AD002
日本史概説 I
日本の前近代を中心とした日本の歴史を通観し、日本史を学ぶうえで必要となる基礎知識の体系的な修
得を目指す。本講義では、上記の目的を達成するため、日本列島における社会の歴史的変化について、
特に東アジアとの関係を重視しつつ、その特質を考察する。時期は紀元前の原始社会、および古代から
中世末、近世初頭、(紀元後 1 世紀から 16世紀末)を対象とし、各時期の重要テーマやトピックを中心に、
さらにこの問題に対する最近の論点・争点もふまえて検討する。そして政治事件の推移だけでなく、社会
体制の変化など大きな歴史の動きをとらえる視点も養う。
AD003
日本史概説 II
日本の近世・近現代を中心とした日本の歴史を通観し、日本史を学ぶうえで必要となる基礎知識の体系
的な修得を目指す。上記の目的を達成するため、本講義では、日本列島における社会の歴史的変化に
ついて、日本とアジア・欧米諸外国との関係を重視しつつ、その特質を考察する。時期は近世・近代・現
代(17世紀から 20 世紀)を対象とし、各時期の重要テーマやトピックを中心に、さらにこの問題に対する最
近の論点・争点もふまえて検討する。そして政治事件の推移だけでなく、社会体制の変化など大きな歴
史の動きをとらえる視点も養う。
AD004
東洋史概説 I
東アジア地域の基礎的な歴史知識を学ぶことを目標とする。本講義では、中国史を中心として、東アジア
地域の前近代から近現代史にいたる歴史を対象とし、理解を深めることを意図し、歴史上の重要な事項
について基本的な学習をする。また、そのためにも講義の過程において、史料を配布して実証的に歴史
を学ぶことの必要性を強調し、また、歴史研究が現在の諸問題と深く関係を有していることに注意を喚起
する。さらに学生が講義の内容について、積極的にみずから学習できるように関連する研究成果の紹介
につとめる。
158
AD005
東洋史概説 II
東南アジア・南アジア・西アジアの基礎的な歴史知識を学ぶことを目標とする。本講義では、南アジアに
おけるヒンドゥー文明および西アジアにおけるペルシア文明とイスラーム文明の成立と展開、東南アジア
におけるこれら諸文明の流入と摂取、当該諸地域におけるヨーロッパ勢力の進出と植民地支配、各地諸
民族の独立など、歴史上の重要事項について基本的な学習をする。また、本講義の狙いは単にアジア
史の概略的知識を習得することだけではなく、世界史あるいは人類史への視点を養うことにも置かれる。
AD006
西洋史概説 I
ヨーロッパ前近代を中心とした西洋の歴史を通観し、西洋史を学ぶうえで必要となる基礎知識の体系的
な修得を目指す。本講義では、上記の目標を達成するために、西洋史学上重要とされるトピックに焦点を
あてつつ、西洋古代から西洋中世までの歴史を概ね時系列に沿って講述する。なお、取り上げるトピック
は以下の通り。1.ギリシア世界の成立と展開、2.アレクサンドロスの東方遠征とヘレニズム世界、3.ロー
マ帝国の成立と展開、4.ヨーロッパ中世世界の成立、5.ヨーロッパ中世盛期とキリスト教、6.ヨーロッパ
中世世界の崩壊。
AD007
西洋史概説 II
近世以降のヨーロッパを中心とした西洋の歴史を通観し、西洋史を学ぶうえで必要となる基礎知識の体
系的な修得を目指す。本講義では、上記の目標を達成するために、西洋史学上重要とされるトピックに焦
点をあてつつ、近世以降の西洋の歴史を、「ヨーロッパ世界の変質」、「外部世界との交流と摩擦」、「世界
史への影響」という 3 つの視点を軸にたどっていく。なお、取り上げるトピックは以下の通り。1.非ヨーロッ
パ世界との交流の拡大、2.主権国家と世界経済、3.ヨーロッパ近代社会の成立、4.国民国家の成立と
帝国、5.世界支配の確立、6.ヨーロッパの没落と復活。7.日本における西洋史研究の歴史と特徴。
■特殊講義
AD101
日本古代史
日本古代、おもに 7 世紀から 11 世紀の期間について、この時期の社会の仕組みや動きを理解するうえで
の、基礎的な知識を学ばせる。本講義では、日本古代において重要となる基礎的なトピックをいくつか取
り上げて、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて論じる。あわせて、関連史料文献の検索
方法および内容紹介、史料の解読・分析の方法を概観することによって、日本古代史を専門的に学んで
いく際の基盤となる知識および技法を修得させる。
AD102
日本中世史
日本史の時代区分において「中世」として扱われる、ほぼ 12~16 世紀の期間について、この時期の社会
の仕組みや動きを理解し、これを専門的に研究してゆく上での、基礎的な知識の伝達を目指す。中世史
の展開をあらためて講述し、中世史研究における主要な概念や学説を紹介しつつ、近年の研究動向にも
触れる。または、中世史を考える素材となる史料について、その類型と特色を述べ、さらに、中世史料を
159
検討する上で欠かすことのできない、「和製漢文体」の読解法や文書に関する基礎的な事項の一部を解
説する。
AD103
日本近世史
日本史の時代区分において「近世」として扱われる、16 世紀末~19 世紀半ばの期間について、この時期
の社会の仕組みや動きを理解し、これを専門的に研究してゆく上での、基礎的な知識の伝達を目指す。
近世史の展開をあらためて講述し、近世史研究における主要な概念や学説を紹介しつつ、近年の研究
動向にも触れる。または、近世史を考える素材となる史料について、その類型と特色を述べ、さらに、近世
史料を検討する上で欠かすことのできない、独特の「候文」などの読解法や文書・記録に関する基礎的な
事項の一部を解説する。
AD104
日本近現代史
本講は、日本の近現代史を、思想史の問題として概観することを目標とする。時期的には、主として幕末・
維新期から明治時代を中心にするが、当然のことながら大正・昭和戦前期までの思想史にも言及する。
鹿野政直『近代日本思想案内』(岩波文庫)などを一つの手がかりにしながら、ナショナリズムの動向に重
点を置いて概説していくが、国民国家論にも留意しながら進めることにする。なお、できれば戦中・戦後期
の思想動向をも視野に収めたい。
AD105
中国史
中国は紀元前からの長期にわたる歴史を有し、また日本をふくむ東アジア地域全体にとっても大きな影
響を与えてきた存在であることから、その歴史の流れについて基本的な理解を得ることを目標とする。前
近代おける皇帝支配、朝貢関係、近現代史における半植民地化と民族運動、中国革命など重要な項目
について史料を用いて、中国史を構成している歴史的諸要素について解説し、あわせて現在の中国が
抱えている諸問題について学生が関心を抱くようにつとめる。さらに学生がみずから積極的に学習しうる
ことを意図し、参考文献などを紹介する。
AD106
アジア史
インド洋沿岸から内に広がるアジア諸地域における諸民族が存在し、その歴史の展開もまた多様である。
その中でも、この諸地域・民族の歴史に特徴的な諸問題を取り上げ、それらについて基本的な理解を深
めることを目標とする。ヒンドゥー教、仏教、イスラーム、ヨーロッパなどの文明および文化の発生・交流・定
着・展開、それによって生じた地域・民族の基層文化との摩擦など、それらが当該各地の歴史に及ぼした
影響や結果について、それぞれが今日抱える問題を視野に入れながら解説する。
AD107
ギリシア・ローマ史
ギリシア・ローマを中心とした古代地中海世界の歴史を通観し、西洋古代史を学ぶうえで必要となる基礎
知識の体系的な修得を目指す。本講義では、上記の目標を達成するために、西洋古代史学上重要とさ
れるトピックに焦点をあてつつ、エーゲ文明成立から西ローマ帝国滅亡までの歴史を概ね時系列に沿っ
て講述する。なお、取り上げるトピックは以下の通り。1.ギリシアの国制と政治、2.ギリシアの経済と社会、
160
3.ギリシアの宗教と文化、4.ヘレニズム世界、5.ローマの国制と政治、6.ローマの経済と社会、7.ロー
マの宗教と文化、8.古代末期。
AD108
アメリカ史
植民地時代から19世紀末までのアメリカ合衆国の歴史を特定のテーマに即して概説する。具体的なテ
ーマとしては、「戦争体験とその記憶」や「人種・民族関係の変遷」などアメリカ合衆国の社会に関わる基
本的な問題を適宜選択して、他国との比較や相互関連に注目して講義する。また、適宜原史料を配付し
て、実証分析の方法にも言及するとともに、関連するビデオ教材を見せた上で感想文の提出を求め、講
義内容の理解を促進する。
AD109
イギリス史
ブリテン諸島と海外に広がる帝国(植民地)からなる「ブリテン世界」の歴史を通観し、イギリス(ブリテン)史
を学ぶうえで必要となる基礎知識の体系的な修得を目指す。本講義では、上記の目的を達成するために、
イギリス史研究における重要なトピックに焦点をあてつつ、近世以降の時期を中心にイギリスの歴史を概
ね時系列に沿って講述する。なお、取り上げるトピックは、1.近世イギリスの国制と政治、2.近世イギリス
の経済と社会、3.近代イギリスの国制と政治、4.近代イギリスの経済と社会、5.近世・近代イギリスの文
化と思想、6.近世・近代イギリスの帝国と植民地問題、7.現代イギリスの諸問題。
AD110
ドイツ史
ドイツを中心にした近現代中欧の歴史を通観し、西洋近現代史を学ぶうえで必要となる基礎知識の体系
的な修得をめざす。本講義では、上記の目標を達成するために、西洋近現代史学上重要とされるトピック
に焦点をあてつつ、神聖ローマ帝国の消滅から、東西ドイツ統一までの歴史を概ね時系列に沿って講述
する。なお取り上げるトピックは以下の通り。1.神聖ローマ帝国の崩壊とナポレオンの支配、2.ウィーン
体制とドイツ連邦、3.三月革命と中欧、4.ドイツ統一とオーストリア=ハンガリー二重帝国、5.第一次世
界大戦と中欧、6.ドイツ革命とヴァイマル共和国の成立、7.第三帝国と第二次世界大戦、8.冷戦と東
西ドイツ、9.東西ドイツ統一と拡大EU。
AD111
日本史特論(古代)A
日本古代における歴史を個別の分野に絞って深く学ばせることを目的とする。本講義では、おもに政治
社会史の分野に焦点をあて、その歴史を理解するうえで重要となるトピックをいくつか取り上げて、研究史
を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて論じる。あわせて、関連史料文献の検索方法および内容紹
介、史料の解読・分析の方法を概観することによって、日本古代史を専門的に学んでいく際の基盤となる
知識および技法を修得させる。
AD112
日本史特論(古代)B
日本古代における歴史を個別の分野に絞って深く学ばせることを目的とする。日本古代における歴史を
より深く学ばせる。本講義では、おもに文化思想史の分野に焦点をあて、その歴史を理解するうえで重要
となるトピックをいくつか取り上げて、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて論じる。あわせ
161
て、関連史料文献の検索方法および内容紹介、史料の解読・分析の方法を概観することによって、日本
古代史を専門的に学んでいく際の基盤となる知識および技法を修得させる。
AD113
日本史特論(古代)C
日本古代における歴史を個別の分野に絞って深く学ばせることを目的とする。日本古代における歴史を
より深く学ばせる。本講義では、おもに社会史に焦点をあて、その歴史を理解するうえで重要となるトピッ
クをいくつか取り上げて、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて論じる。あわせて、関連史
料文献の検索方法および内容紹介、史料の解読・分析の方法を概観することによって、日本古代史を専
門的に学んでいく際の基盤となる知識および技法を修得させる。
AD114
日本史特論(中世)A
日本史の時代区分において「中世」として扱われる、ほぼ 12~16 世紀の期間について、この時期の社
会・政治・文化などの諸領域に関する個別の論題を担当者が設定し、最新の研究成果や具体的な史料
を素材として論じることを通じて、受講者が日本中世史の専門的な研究への理解を深め、中世史への興
味関心を豊かにすることを目指す。この講義では、権力者や支配勢力の動向を題材の中心に設定し、中
世の政治や社会に関する興味深い論点や史料を提示・解説する。
AD115
日本史特論(中世)B
日本史の時代区分において「中世」として扱われる、ほぼ 12~16 世紀の期間について、この時期の社
会・政治・文化などの諸領域に関する個別の論題を担当者が設定し、最新の研究成果や具体的な史料
を素材として論じることを通じて、受講者が日本中世史の専門的な研究への理解を深め、中世史への興
味関心を豊かにすることを目指す。この講義では、地域や諸集団の多様な諸側面からテーマを選び、中
世の経済の仕組みや社会的慣習などに関する興味深い論点や史料を提示・解説する。
AD116
日本史特論(中世)C
日本史の時代区分において「中世」として扱われる、ほぼ 12~16 世紀の期間について、この時期の社
会・政治・文化などの諸領域に関する個別の論題を担当者が設定し、最新の研究成果や具体的な史料
を素材として論じることを通じて、受講者が日本中世史の専門的な研究への理解を深め、中世史への興
味関心を豊かにすることを目指す。この講義では、寺社勢力の動向や人々の信仰に関わる領域に触れ
ながら、中世における宗教や文化をめぐって、その担い手や背景、人々への受容のされ方などに関する
興味深い論点や史料を提示・解説する。
AD117
日本史特論(近世)A
日本史の時代区分において「近世」として扱われる、16 世紀末~19 世紀半ばの期間について、この時期
の社会・政治・文化などの諸領域に関する個別の論題を担当者が設定し、最新の研究成果や具体的な
史料を素材として論じることを通じて、受講者が日本近世史の専門的な研究への理解を深め、近世史へ
の興味関心を豊かにすることを目指す。この講義では、公儀や諸大名・朝廷などの権力編成や政治的動
向を題材の中心に設定し、近世の政治や社会に関する興味深い論点や史料を提示・解説する。
162
AD118
日本史特論(近世)B
日本史の時代区分において「近世」として扱われる、16 世紀末~19 世紀半ばの期間について、この時期
の社会・政治・文化などの諸領域に関する個別の論題を担当者が設定し、最新の研究成果や具体的な
史料を素材として論じることを通じて、受講者が日本近世史の専門的な研究への理解を深め、近世史へ
の興味関心を豊かにすることを目指す。この講義では、都市や村々、諸集団の多様な諸側面からテーマ
を選び、近世の経済の仕組みや社会組織などに関する興味深い論点や史料を提示・解説する。
AD119
日本史特論(近世)C
日本史の時代区分において「近世」として扱われる、16 世紀末~19 世紀半ばの期間について、この時期
の社会・政治・文化などの諸領域に関する個別の論題を担当者が設定し、最新の研究成果や具体的な
史料を素材として論じることを通じて、受講者が日本近世史の専門的な研究への理解を深め、近世史へ
の興味関心を豊かにすることを目指す。この講義では、地域の寺社の動向や人々の信仰・教育に関わる
領域に触れながら、近世における宗教や文化をめぐって、その担い手や背景、人々への受容のされ方な
どに関する興味深い論点や史料を提示・解説する。
AD120
日本史特論(近現代)A
明治新政府の確立から展開してゆく日本の近代について、いくつかの時期区分に基づく対象時期にお
ける政治・社会・経済などの諸領域に関する個別の論題を、担当者が設定し、最新の研究成果や具体的
な史料を素材として論じることを通じて、受講者が日本近現代史の専門的な研究への理解を深め、近現
代史への興味関心を豊かにすることを目指す。この講義では、権力者や支配勢力の動向を国際的な契
機にも留意しつつ分析し、近現代日本の政治や社会に関する興味深い論点や史料を提示・解説する。
AD121
日本史特論(近現代)B
明治新政府の確立から展開してゆく日本の近代について、いくつかの時期区分に基づく対象時期にお
ける政治・社会・経済などの諸領域に関する個別の論題を、担当者が設定し、最新の研究成果や具体的
な史料を素材として論じることを通じて、受講者が日本近現代史の専門的な研究への理解を深め、近現
代史への興味関心を豊かにすることを目指す。この講義では、地域の経済と国際的な契機を視野に入れ
ながら、日本における資本主義・市場経済の展開に関する興味深い論点や史料を提示・解説する。
AD122
日本史特論(近現代)C
明治新政府の確立から展開してゆく日本の近代について、いくつかの時期区分に基づく対象時期にお
ける政治・社会・経済などの諸領域に関する個別の論題を担当者が設定し、最新の研究成果や具体的
な史料を素材として論じることを通じて、受講者が日本近現代史の専門的な研究への理解を深め、近現
代史への興味関心を豊かにすることを目指す。この講義では、諸集団・諸階層の動向に触れながら、社
会の新たな組織化や情報伝達・言論・大衆文化などをめぐって、興味深い論点や史料を提示・解説す
る。
163
AD123
東洋史特論(中国)A
中国史に関する基礎的な知識をもとにして、中国史の個別的な課題についてさらに深く学習することを目
的とする。「東洋史特論(中国)A」では、おもに政治的側面を中心にして、皇帝支配、専制政治、官僚制
度など中国史の特徴について史料をもちいて実証的に取り上げる。中国史においてこれらの問題がどの
ように研究されてきたか、また、現在の研究状況について解説する。さらに学生が、積極的にみずから専
門的な研究成果を学び知識を得るために、参考文献の検索方法などについても紹介する。
AD124
東洋史特論(中国)B
中国史に関する基礎的な知識をもとにして、中国史の個別的な課題についてさらに深く学習する。「東洋
史特論(中国)B」においては、おもに経済的側面について、中国における土地所有制度、前近代におけ
る朝貢貿易、近現代においては日本や欧米諸国との外交関係、土地革命など中国史の特徴について史
料をもちいて実証的に取り上げる。中国史においてこれらの問題がどのように研究されてきたか、また、現
在の研究状況について解説する。さらに学生が、積極的にみずから専門的な研究成果を学び知識を得
るために、参考文献の検索方法などについても紹介する。
AD125
東洋史特論(中国)C
中国史に関する基礎的な知識をもとにして、中国史の個別的な課題についてさらに深く学習する。「東洋
史特論(中国)C」においては、中国の文化や社会について、環境問題、少数民族、都市と農村など、現
在の中国において問題となっている点に注目しつつ、その歴史的背景などについて史料をもちいて実証
的に取り上げる。中国史においてこれらの問題がどのように研究されてきたか、また、現在の研究状況に
ついて解説する。さらに学生が、積極的にみずから専門的な研究成果を学び知識を得るために、参考文
献の検索方法などについても紹介する。
AD126
東洋史特論(アジア)A
インド洋沿岸から内に広がるアジア諸地域・民族における近世以降の歴史について、基礎的な知識をも
とにしてより深く学ばせる。本講義では、おもに政治と社会にかかわる問題に焦点をあてる。ヨーロッパ勢
力による進出と植民地化、植民地支配の実態とその支配からの解放、独立国家建設への過程など、この
地域の歴史を理解するうえで重要となるトピックをいくつか取り上げ、さらに専門的に学んでいくうえで基
盤となる知識および技法を習得させる。
AD127
東洋史特論(アジア)B
インド洋沿岸から内に広がるアジア諸地域・民族における近世以降の歴史について、基礎的な知識ももと
にしてさらに深く学ばせる。本講義では、おもに経済と社会にかかわる問題に焦点をあてる。近世以降に
おけるインド洋を通してのアジア間交易の発展、資本主義を背景とするヨーロッパ勢力によるその交易支
配とそれに続く植民地支配など、この地域の歴史理解に重要となるトピックをいくつか取り上げ、さらに専
門的に学んでいくうえでの基盤となる知識および技法を習得させる。
164
AD128
東洋史特論(アジア)C
インド洋沿岸から内に広がるアジア諸地域・民族における近世以降の歴史について、基礎的な知識をも
とにしてより深く学ばせる。本講義では、おもに文化、宗教、思想と社会にかかわる問題に焦点をあてる。
各地域・民族の伝統的な宗教、ヒンドゥー教やイスラームなどに基づく特徴的な社会制度や文化、それら
の歴史的変容など、この地域の歴史を理解するうえで重要となるトピックをいくつか取り上げ、さらに専門
的に学んでいくうえで基盤となる知識および技法を習得させる。
AD129
西洋史特論(古代)A
古代地中海世界の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該地域の歴史をより深く学ぶとともに、
隣接諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該地域の歴史をより立体的に理解する。本講義では、
おもに西洋古代の政治と社会にかかわる問題を対象にして、その歴史を理解するうえで重要となるトピッ
クをいくつか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、関連文献史
料の検索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、西洋古代政治史、
社会史を専門的に学んでいく際に基盤となる知識および技法を修得させる。
AD130
西洋史特論(古代)B
古代地中海世界の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該地域の歴史をより深く学ぶとともに、
隣接諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該地域の歴史をより立体的に理解する。本講義では、
おもに西洋古代の経済と社会にかかわる問題を対象にして、その歴史を理解するうえで重要となるトピッ
クをいくつか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、関連文献史
料の検索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、西洋古代経済史、
社会史を専門的に学んでいく際に基盤となる知識および技法を修得させる。
AD131
西洋史特論(古代)C
古代地中海世界の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該地域の歴史をより深く学ぶとともに、
隣接諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該地域の歴史をより立体的に理解する。本講義では、
おもに西洋古代の文化と社会とにかかわる問題を対象にして、その歴史を理解するうえで重要となるトピ
ックをいくつか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、関連文献
史料の検索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、西洋古代文化史、
社会史を専門的に学んでいく際に基盤となる知識および技法を修得させる。
AD132
西洋史特論(中世)A
西洋中世世界の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該期の歴史をより深く学ぶとともに、隣接
諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該期の歴史をより立体的に理解する。本講義では、おもに
西洋中世の政治と社会にかかわる問題を対象にして、その歴史を理解するうえで重要となるトピックをいく
つか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、関連文献史料の検
索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、西洋中世政治史、社会史
を専門的に学んでいく際に基盤となる知識および技法を修得させる。
165
AD133
西洋史特論(中世)B
西洋中世世界の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該期の歴史をより深く学ぶとともに、隣接
諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該期の歴史をより立体的に理解する。本講義では、おもに
西洋中世の経済と社会にかかわる問題を対象にして、その歴史を理解するうえで重要となるトピックをいく
つか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、関連文献史料の検
索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、西洋中世経済史、社会史
を専門的に学んでいく際に基盤となる知識および技法を修得させる。
AD134
西洋史特論(中世)C
西洋中世世界の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該期の歴史をより深く学ぶとともに、隣接
諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該期の歴史をより立体的に理解する。本講義では、おもに
西洋中世の文化と社会にかかわる問題を対象にして、その歴史を理解するうえで重要となるトピックをいく
つか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、関連文献史料の検
索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、西洋中世文化史、社会史
を専門的に学んでいく際に基盤となる知識および技法を修得させる。
AD135
西洋史特論(近世)A
西洋近世世界の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該地域の歴史をより深く学ぶとともに、隣
接諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該地域の歴史をより立体的に理解する。本講義では、お
もに西洋近世世界の政治と社会にかかわる問題に焦点をあてる。西洋近世の歴史を理解するうえで重要
となるトピックをいくつか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、
関連文献史料の検索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、西洋近
世政治史、社会史を専門的に学んでいく際に基盤となる知識および技法を修得させる。
AD136
西洋史特論(近世)B
西洋近世世界の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該地域の歴史をより深く学ぶとともに、隣
接諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該地域の歴史をより立体的に理解する。本講義では、お
もに西洋近世世界の経済と社会にかかわる問題に焦点をあてる。西洋近世の歴史を理解するうえで重要
となるトピックをいくつか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、
関連文献史料の検索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、西洋近
世経済史、社会史を専門的に学んでいく際に基盤となる知識および技法を修得させる。
AD137
西洋史特論(近世)C
西洋近世世界の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該地域の歴史をより深く学ぶとともに、隣
接諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該地域の歴史をより立体的に理解する。本講義では、お
もに西洋近世世界の文化、思想、社会にかかわる問題に焦点をあてる。西洋近世の歴史を理解するうえ
で重要となるトピックをいくつか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。
166
また、関連文献史料の検索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、
西洋近世文化史、思想史、社会史を専門的に学んでいく際に基盤となる知識および技法を修得させる。
AD138
西洋史特論(近現代)A
近現代中欧の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該地域の歴史をより深く学ぶとともに、隣接
諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該地域の歴史をより立体的に理解する。本講義では、おも
に第一次世界大戦前の19世紀ドイツを対象にして、その歴史を理解するうえで重要となるトピックをいく
つか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、関連文献史料の検
索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、19世紀ドイツ史を専門的
に学んでいく際に基礎となる知識および技法を修得させる。
AD139
西洋史特論(近現代)B
近現代中欧の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該地域の歴史をより深く学ぶとともに、隣接
諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該地域の歴史をより立体的に理解する。本講義では、おも
に二つの世界大戦の時代のドイツを対象にして、その歴史を理解するうえで重要となるトピックをいくつか
取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。また、関連文献史料の検索方
法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、20世紀前半ドイツ史を専門的
に学んでいく際に基礎となる知識および技法を修得させる。
AD140
西洋史特論(近現代)C
近現代中欧の特定の地域に焦点をあてたミクロの視点から当該地域の歴史をより深く学ぶとともに、隣接
諸科学の知見を援用したマクロの視点から当該地域の歴史をより立体的に理解する。本講義では、おも
に第二次世界大戦後東西ドイツ統一までの冷戦時代のドイツを対象にして、その歴史を理解するうえで
重要となるトピックをいくつか取り上げ、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて講述する。ま
た、関連文献史料の検索方法および内容紹介、史料の読解・分析の方法等を概観することによって、20
世紀後半ドイツ史を専門的に学んでいく際に基礎となる知識および技法を修得させる。
AD141
美術史(日本)
日本史上に遺された歴史的な絵画や造形物等の諸作品について鑑賞・考察しながら、作品の製作・享
受・流通等とその背景にある技術・技巧や社会的観念、信仰、政治的動向などについても理解を深める
ことを目指す。講義では、いくつかの時代区分に基づいて、担当者の専攻に即して題材とする作品分野
を選び、教室の大モニターへ作品の写真・図版等を提示しながら、作品についての理解を語ってゆく。と
くに、画像作品については、歴史史料としての位置付けや使用法についても論及する。
AD142
美術史(東洋)
古代から現代にいたる東洋における美術・建築などの歴史を通観し、各時代・地域の美術・建築様式、ま
た代表的な作品と作者を中心にして、東洋美術史を理解するうえでの基礎的な知識の体系的な修得を
167
目的とする。このため、美術史上の重要な事項、作品を重点的に取り上げて、研究史を整理し、また近年
の新たな研究成果を紹介して、学生の東洋美術史への理解と関心をうながすことを意図している。
AD143
美術史(西洋)
古代から現代までの西洋における美術・建築の歴史を通観し、各時代のドミナントな美術建築様式、主な
芸術家と作品を中心に、西洋美術史を学ぶうえで必要となる基礎知識の体系的な修得をめざす。講義で
は、上記の基本目標の達成をはかりながら、西洋美術史学上重要とされるいくつかのトピックも集中的に
取り上げ、それをめぐる研究史を批判的に整理しつつ、最新の知見をまじえて講述する。特に宗教に対
する絵画の役割や、新しい美術運動の世界史的な意味合い等、問題史的なパースペクティヴも考究の
対象に含めたい。
AD144
考古学(日本)
考古学の方法論や知見を学び、歴史学をより広い視野で研究する基礎を修得する。本講義では、おもに
日本列島の考古学に焦点をあて、旧石器・縄文・弥生・古墳・歴史考古学を理解するうえで重要となるトピ
ックをいくつか取り上げて、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて論じる。あわせて、関連
遺跡・遺物や文献の検索方法および内容紹介、考古資料の解読・分析の方法を概観することによって、
歴史学を専門的に学んでいく際の基盤となる知識および技法を修得させる。
AD145
考古学(東洋)
考古学の成果や方法論に学び、歴史学についてもより広い知識と関心を得る基礎を習得する。本講義で
は、東洋における考古学の研究成果について時代や地域別に重要な事項を取り上げて、研究史を整理
し、最新の成果についても学習する。また、学生がその関心に応じて、専門的な研究をさらに学ぶために
必要な遺跡や遺物に関する参考文献の検索方法などについても紹介し、歴史学を学ぶうえで必要な隣
接分野の研究成果についても基礎的な知識と学習方法を有するように指導する。
AD146
考古学(西洋)
考古学の方法論や知見を学び、歴史学をより広い視野で研究する基礎を修得する。本講義では、おもに
ヨーロッパとその周辺地域に焦点をあて、西洋文明の成り立ちを理解するうえで重要となる考古学上のト
ピックをいくつか取り上げて、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて論じる。あわせて、関
連遺跡・遺物や文献の検索方法および内容紹介、考古資料の解読・分析の方法を概観することによって、
歴史学を専門的に学んでいく際の基盤となる知識および技法を修得させる。
AD147
歴史学特別講義A
歴史学の各分野において第一線で活躍されてきた日本史・東洋史・西洋史の研究者を学外から招き、特
定の時代・地域の歴史をめぐる専門的研究蓄積について深く学ぶとともに、比較史等の手法を援用して
他時代・地域の歴史への理解をひろげることによって、学生が専門研究をすすめる際に自らの研究視座
を適切に定置できるよう指導する。「歴史学特別講義A」においては特に政治と社会に焦点を当てて、歴
168
史学の発達や研究者の問題関心の有り様について学習し、歴史学そのものについてより深く理解させる
ことを意図している。
AD148
歴史学特別講義B
歴史学の各分野において第一線で活躍されてきた日本史・東洋史・西洋史の研究者を学外から招き、特
定の時代・地域の歴史をめぐる専門的研究蓄積について深く学ぶとともに、比較史等の手法を援用して
他時代・地域の歴史への理解をひろげることによって、学生が専門研究をすすめる際に自らの研究視座
を適切に定置できるよう指導する。「歴史学特別講義B」においては特に文化と社会に焦点を当てて、歴
史学の発達や研究者の問題関心の有り様について学習し、歴史学そのものについてより深く理解させる
ことを意図している。
■基盤演習
AD201
歴史学基礎演習
歴史のおもしろさを実感させることによって歴史学に対する学生の知的関心を高めつつ、歴史を研究して
いくうえで求められる諸能力(論理的・批判的思考能力、歴史的テキストの読解力、問題発見能力等)の
育成を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、古典として評価の高い歴史書を精読して内容
を正確に把握したうえで、論点をまとめて報告させる。また、報告者、コメンテーター、教員のあいだで質
疑応答および討論を重ねていくことによって、コミュニケーション能力の育成にも努める。
AD202
歴史学演習
歴史の知識をさらに充実させ、かつ、歴史学に対する視野をさらに拡げていくことによって、2 年次後期に
学生が自身の研究分野を主体的に選択できるよう指導する。本演習では、上記の目標を達成するために、
各教員が専攻する分野の歴史書または歴史論文を精読して内容を正確に把握したうえで、論点をまとめ
て報告させる。また、報告者、コメンテーター、教員のあいだで質疑応答および討論を重ねていくことによ
って、コミュニケーション能力のさらなる向上を図る。
AD203
日本史基礎演習(古代)
日本古代における歴史を理解するうえでの基礎的知識を学ばせる。本講義では、日本古代において重
要となる基礎的なトピックをいくつか取り上げて、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて論
じる。あわせて、関連史料文献の検索方法および内容紹介、史料の解読・分析の方法を概観することに
よって、日本古代史を専門的に学んでいく際の基盤となる知識および技法を修得させる。
AD204
日本史基礎演習(中世)
日本中世史を専門的に学んでいくうえで必要となってくる基礎知識の定着を図りつつ、学生自らが、先行
研究を踏まえた適切な研究テーマを主体的に選択できるよう指導する。本演習では、上記の目標を達成
するために、日本中世史上重要とされるトピックをいくつか選択して、それに関連する最新の研究文献や
169
重要史料とのクロスレファランス作業を繰り返しおこなったうえで、各学生に調査結果を報告させ、討論を
重ねることによって、基礎知識の定着と最新の学界動向の把握に努める。
AD205
日本史基礎演習(近世)
日本近世史を専門的に学んでいくうえで必要となってくる基礎知識の定着を図りつつ、学生自らが、先行
研究を踏まえた適切な研究テーマを主体的に選択できるよう指導する。本演習では、上記の目標を達成
するために、日本近世史上重要とされるトピックをいくつか選択して、それに関連する最新の研究文献や
重要史料とのクロスレファランス作業を繰り返しおこなったうえで、各学生に調査結果を報告させ、討論を
重ねることによって、基礎知識の定着と最新の学界動向の把握に努める。
AD206
日本史基礎演習(近現代)
日本近現代史を専門的に学んでいくうえで必要となってくる基礎知識の定着を図りつつ、学生自らが、先
行研究を踏まえた適切な研究テーマを主体的に選択できるよう指導する。本演習では、上記の目標を達
成するために、日本近現代史上重要とされるトピックをいくつか選択して、それに関連する最新の研究文
献や重要史料とのクロスレファランス作業を繰り返しおこなったうえで、各学生に調査結果を報告させ、討
論を重ねることによって、基礎知識の定着と最新の学界動向の把握に努める。
AD207
東洋史基礎演習(中国)
中国史について専門的に学習するために必要な基礎的知識の習得を目標とする。そのために、入門的
参考書を用いて歴史的に重要な事項・人物などについて学ばせ、中国史の特色を理解させるとともに、
専門的な研究成果について分野ごとに解説する。また、学生がみずから積極的に学習するために不可
欠な辞書・事典・史料集などの使用方法、あるいは参考文献の検索方法などを紹介し、演習における発
表や討論の方法などについて実践的に学ばせる。
AD208
東洋史基礎演習(アジア)
西アジア、南アジア、東南アジア各地域の歴史を専門的に学ぶうえで必要な基礎知識の習得を目標とす
る。これら地域の歴史に広くかかわるテーマを論じた基本的文献を用いて、重要事項を学ばせ、その特
色を理解させるとともに、専門的な研究成果を地域ごとに解説する。また、学生自らが積極的に学習する
ための研究工具の使用法、文献検索の方法などを紹介し、演習における発表や討論の方法などについ
て実践的に学ばせつつ、学生が適切な研究テーマを主体的に選択できるよう指導する。
AD209
西洋史基礎演習(古代)
西洋古代史を専門的に学んでいくうえで必要となってくる基礎知識の定着を図りつつ、学生自らが、先行
研究を踏まえた適切な研究テーマを主体的に選択できるよう指導する。本演習では、上記の目標を達成
するために、西洋古代史学上重要とされるトピックをいくつか選択して、それに関連する最新の研究文献
や重要史料とのクロスレファランス作業を繰り返しおこなったうえで、各学生に調査結果を報告させ、討論
を重ねることによって、基礎知識の定着と最新の学界動向の把握に努める。
170
AD210
西洋史基礎演習(中世)
西洋中世史を専門的に学んでいくうえで必要となってくる基礎知識の定着を図りつつ、学生自らが、先行
研究を踏まえた適切な研究テーマを主体的に選択できるよう指導する。本演習では、上記の目標を達成
するために、西洋中世史学上重要とされるトピックをいくつか選択して、それに関連する最新の研究文献
や重要史料とのクロスレファランス作業を繰り返しおこなったうえで、各学生に調査結果を報告させ、討論
を重ねることによって、基礎知識の定着と最新の学界動向の把握に努める。
AD211
西洋史基礎演習(近世)
西洋近世史を専門的に学んでいくうえで必要となってくる基礎知識の定着を図りつつ、学生自らが、先行
研究を踏まえた適切な研究テーマを主体的に選択できるよう指導する。本演習では、上記の目標を達成
するために、西洋近世史学上重要とされるトピックをいくつか選択して、それに関連する文献や史料をテ
キストとして講読する。これを通じてテキスト読解力を高めると同時に、西洋近世史の基礎知識の修得と各
自の問題意識の明確化をはかる。そのうえで、各学生に調査結果を報告させ、討論を重ねることによって、
基礎知識の定着と最新の学界動向の把握に努める。
AD212
西洋史基礎演習(近現代)
西洋近現代史を専門的に学んでいくうえで必要となってくる基礎知識の定着を図りつつ、学生自らが、先
行研究を踏まえた適切な研究テーマを主体的に選択できるよう指導する。本演習では、上記の目標を達
成するために、西洋近現代史学上重要とされるトピックをいくつか選択して、それに関連する最新の研究
文献や重要史料とのクロスレファランス作業を繰り返しおこなったうえで、各学生に調査結果を報告させ、
討論を重ねることによって、基礎知識の定着と最新の学界動向の把握に努める。
AD213
歴史民俗調査A
文献史学が対象とする文書・記録・年代記・編纂物といった史料だけでなく、伝承資料を抽出・分析する
手法を学び、列島社会の歴史に迫る方法の幅を広げることを目指す。世代から世代へと受け継がれてき
た慣習・儀礼・規範・作法などを、聞き取り調査により資料化して分析する民俗学的な手法を中心に、場
合に応じて、文献史料や、発掘調査による出土遺物、地域に保存されている木造・石造などの文化財と
いった素材をも織り込みながら、おもに特定の地域社会を対象として調査・考察を行う。
AD214
歴史民俗調査B
文献史学が対象とする文書・記録・年代記・編纂物といった史料だけでなく、伝承資料を抽出・分析する
手法を学び、列島社会の歴史に迫る方法の幅を広げることを目指す。世代から世代へと受け継がれてき
た慣習・儀礼・規範・作法などを、聞き取り調査により資料化して分析する民俗学的な手法を中心に、場
合に応じて、文献史料や、発掘調査による出土遺物、地域に保存されている木造・石造などの文化財と
いった素材をも織り込みながら、おもに特定の集団や階層を対象に設定して、調査・考察を行う。
171
■発展演習
AD301
日本史演習(古代)A1
これまでに身につけた日本古代史に関する知識を整理し体系化したうえで、日本古代史の文献および関
連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標
を達成するために、日本古代の飛鳥・奈良・平安期の編年史料を基礎テキストとして、さらに法制史料・文
書・出土史料も踏まえて、日本古代の政治社会・文化思想などをめぐって多角的に論点を設定し、報告
者、コメンテーター、教員とのあいだで討議を重ねていく。その際史料批判、研究史、関連論文等を踏ま
えて解読し、自らの研究テーマを検討する基礎を築く。
AD302
日本史演習(古代)A2
これまでに身につけた日本古代史に関する知識を整理し体系化したうえで、日本古代史の文献および関
連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標
を達成するために、日本古代の飛鳥・奈良・平安期の法制関係史料を基礎テキストとして、さらに編年史
料・文書・出土史料も踏まえて、古代の政治社会・文化思想などをめぐって多角的に論点を設定し、報告
者、コメンテーター、教員とのあいだで討議を重ねていく。その際史料批判、研究史、関連論文等を踏ま
えて解読し、自らの研究テーマを検討する基礎を築く。
AD303
日本史演習(古代)B1
これまでに身につけた日本古代史に関する知識を整理し体系化したうえで、日本古代史の文献および関
連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標
を達成するために、日本古代の飛鳥・奈良・平安期の政治社会に関する文献・史料を基礎テキストとして、
さらに編年史料・文書・出土史料も踏まえて、古代の政治社会さらにはその背後の文化思想などをめぐっ
て多角的に論点を設定し、報告者、コメンテーター、教員とのあいだで討議を重ねていく。その際史料批
判、研究史、関連論文等を踏まえて解読し、自らの研究テーマを検討する基礎を築く。
AD304
日本史演習(古代)B2
これまでに身につけた日本古代史に関する知識を整理し体系化したうえで、日本古代史の文献および関
連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標
を達成するために、日本古代の飛鳥・奈良・平安期の文化思想に関する文献・史料を基礎テキストとして、
さらに編年史料・文書・出土史料も踏まえて、古代の文化思想さらにはその背後の政治社会などをめぐっ
て多角的に論点を設定し、報告者、コメンテーター、教員とのあいだで討議を重ねていく。その際史料批
判、研究史、関連論文等を踏まえて解読し、自らの研究テーマを検討する基礎を築く。
AD305
日本史演習(中世)A1
中世史についての近年の研究論文を精読し、著者の史料解釈や議論の展開・構成を批判的にトレース
しながら、提示史料の読みと解釈にもあらためて挑む作業を通じて、受講者が卒業論文に取り組む際に
不可避となる先行研究と史料の検討作業を、独力で行うための素地を養うことを目指す。この授業では、
172
中世の政治・社会に関する論考を担当者が選定・配布し、当該論文のパートごとに受講者が分担して、
議論の内容と提示史料などにつき、自身の理解に基づいて報告する。報告者以外は、これを受けて質疑
や批判を行い、アイデアの提示につとめる。
AD306
日本史演習(中世)A2
中世史についての近年の研究論文を精読し、著者の史料解釈や議論の展開・構成を批判的にトレース
しながら、提示史料の読みと解釈にもあらためて挑む作業を通じて、受講者が卒業論文に取り組む際に
不可避となる先行研究と史料の検討作業を、独力で行うための素地を養うことを目指す。前期につづき、
中世の政治・社会に関する別の論考を担当者が選定・配布し、当該論文のパートごとに受講者が分担し
て、議論の内容と提示史料などにつき、自身の理解に基づいて報告する。報告者以外は、これを受けて
質疑や批判を行い、アイデアの提示につとめる。
AD307
日本史演習(中世)B1
中世史についての近年の研究論文を精読し、著者の史料解釈や議論の展開・構成を批判的にトレース
しながら、提示史料の読みと解釈にもあらためて挑む作業を通じて、受講者が卒業論文に取り組む際に
不可避となる先行研究と史料の検討作業を、独力で行うための素地を養うことを目指す。この授業では、
中世の社会・経済に関する論考を担当者が選定・配布し、当該論文のパートごとに受講者が分担して、
議論の内容と提示史料などにつき、自身の理解に基づいて報告する。報告者以外は、これを受けて質疑
や批判を行い、アイデアの提示につとめる。
AD308
日本史演習(中世)B2
中世史についての近年の研究論文を精読し、著者の史料解釈や議論の展開・構成を批判的にトレース
しながら、提示史料の読みと解釈にもあらためて挑む作業を通じて、受講者が卒業論文に取り組む際に
不可避となる先行研究と史料の検討作業を、独力で行うための素地を養うことを目指す。前期につづき、
中世の社会・経済に関する別の論考を担当者が選定・配布し、当該論文のパートごとに受講者が分担し
て、議論の内容と提示史料などにつき、自身の理解に基づいて報告する。報告者以外は、これを受けて
質疑や批判を行い、アイデアの提示につとめる。
AD309
日本史演習(近世)A1
近世史について設定した特定のテーマに即し、近年の研究成果を参照・検討し、関連する史料を読み進
めて解釈を試みる作業を通じて、専門的な近世史研究の実質に触れ、卒業論文に取り組む上での素地
を養うことを目指す。授業では、テーマに関連する研究論文や史料群を演習の題材として共有し、参加
者が適宜分担して、自身による調査・検討・考察の内容を報告するとともに、他の参加者は質疑・批判を
通じて議論の進展に寄与する。この授業では、近世の政治・社会に関わるテーマから題材を選ぶ。
AD310
日本史演習(近世)A2
近世史について設定した特定のテーマに即し、近年の研究成果を参照・検討し、関連する史料を読み進
めて解釈を試みる作業を通じて、専門的な近世史研究の実質に触れ、卒業論文に取り組む上での素地
173
を養うことを目指す。授業では、テーマに関連する研究論文や史料群を演習の題材として共有し、参加
者が適宜分担して、自身による調査・検討・考察の内容を報告するとともに、他の参加者は質疑・批判を
通じて議論の進展に寄与する。この授業では、前期での到達を踏まえて、さらに議論を深化・展開するこ
とを目指す。
AD311
日本史演習(近世)B1
近世史について設定した特定のテーマに即し、近年の研究成果を参照・検討し、関連する史料を読み進
めて解釈を試みる作業を通じて、専門的な近世史研究の実質に触れ、卒業論文に取り組む上での素地
を養うことを目指す。授業では、テーマに関連する研究論文や史料群を演習の題材として共有し、参加
者が適宜分担して、自身による調査・検討・考察の内容を報告するとともに、他の参加者は質疑・批判を
通じて議論の進展に寄与する。この授業では、近世の社会・経済に関わるテーマから題材を選ぶ。
AD312
日本史演習(近世)B2
近世史について設定した特定のテーマに即し、近年の研究成果を参照・検討し、関連する史料を読み進
めて解釈を試みる作業を通じて、専門的な近世史研究の実質に触れ、卒業論文に取り組む上での素地
を養うことを目指す。授業では、テーマに関連する研究論文や史料群を演習の題材として共有し、参加
者が適宜分担して、自身による調査・検討・考察の内容を報告するとともに、他の参加者は質疑・批判を
通じて議論の進展に寄与する。この授業では、前期での到達を踏まえて、さらに議論を深化・展開するこ
とを目指す。
AD313
日本史演習(近現代)A1
近現代史について設定した特定のテーマに即し、近年の研究成果を参照・検討し、関連する史料を読み
進めて解釈を試みる作業を通じて、専門的な近現代史研究の実質に触れ、卒業論文に取り組む上での
素地を養うことを目指す。授業では、テーマに関連する研究論文や史料群を演習の題材として共有し、
参加者が適宜分担して、自身による調査・検討・考察の内容を報告するとともに、他の参加者は質疑・批
判を通じて議論の進展に寄与する。この授業では、近現代の政治・社会に関わるテーマから題材を選
ぶ。
AD314
日本史演習(近現代)A2
近現代史について設定した特定のテーマに即し、近年の研究成果を参照・検討し、関連する史料を読み
進めて解釈を試みる作業を通じて、専門的な近現代史研究の実質に触れ、卒業論文に取り組む上での
素地を養うことを目指す。授業では、テーマに関連する研究論文や史料群を演習の題材として共有し、
参加者が適宜分担して、自身による調査・検討・考察の内容を報告するとともに、他の参加者は質疑・批
判を通じて議論の進展に寄与する。この授業では、前期での到達を踏まえて、さらに議論を深化・展開す
ることを目指す。
174
AD315
日本史演習(近現代)B1
近現代史について設定した特定のテーマに即し、近年の研究成果を参照・検討し、関連する史料を読み
進めて解釈を試みる作業を通じて、専門的な近現代史研究の実質に触れ、卒業論文に取り組む上での
素地を養うことを目指す。授業では、テーマに関連する研究論文や史料群を演習の題材として共有し、
参加者が適宜分担して、自身による調査・検討・考察の内容を報告するとともに、他の参加者は質疑・批
判を通じて議論の進展に寄与する。この授業では、近現代の社会・経済に関わるテーマから題材を選
ぶ。
AD316
日本史演習(近現代)B2
近現代史について設定した特定のテーマに即し、近年の研究成果を参照・検討し、関連する史料を読み
進めて解釈を試みる作業を通じて、専門的な近現代史研究の実質に触れ、卒業論文に取り組む上での
素地を養うことを目指す。授業では、テーマに関連する研究論文や史料群を演習の題材として共有し、
参加者が適宜分担して、自身による調査・検討・考察の内容を報告するとともに、他の参加者は質疑・批
判を通じて議論の進展に寄与する。この授業では、前期での到達を踏まえて、さらに議論を深化・展開す
ることを目指す。
AD317
東洋史演習(中国)A1
中国史の基礎的な学習にもとづき、本演習では、中国近現代史に関する政治社会史についての研究を
共通の主題とし、また学生による個別的な研究発表を平行して実施する。そのために、本演習では、おも
に史料の読解・理解に重点を置き、また、関連する専門的研究について取り上げ、その研究史における
意義、著者の視点など内容を精読する。また、学生がみずから積極的に問題意識を持ち、課題を設定し
て学習できるように、個別的な指導を重視し、関連史料や参考研究の検索方法などについても紹介し、
学生が必要な知識と情報を得ることができるようにする。
AD318
東洋史演習(中国)A2
中国史の基礎的な学習にもとづき、本演習では、中国近現代史に関する政治社会史についての研究を
共通の主題とするとともに、学生による個別的な研究発表を重視する。共通の主題ではおもに史料の読
解・理解に重点を置き、また、関連する専門的研究について取り上げ、その研究史における意義、著者の
視点など内容を精読する。また、学生の発表では、学生の卒業論文作成に必要な学力の養成に努め、
そのために、研究発表と問題関心にもとづく討論を重視する。そのため、学生がみずから積極的に学習
できるように、関連史料や参考研究の検索方法などについても解説する。
AD319
東洋史演習(中国)B1
中国史の基礎的な学習にもとづき、本演習では、中国近現代史に関する文化思想史についての研究を
共通の主題とし、また学生による個別的な研究発表を平行して実施する。そのために、本演習では、おも
に史料の読解・理解に重点を置き、また、関連する専門的研究について取り上げ、その研究史における
意義、著者の視点など内容を精読する。また、学生がみずから積極的に問題意識を持ち、課題を設定し
175
て学習できるように、個別的な指導を重視し、関連史料や参考研究の検索方法などについても紹介し、
学生が必要な知識と情報を得ることができるようにする。
AD320
東洋史演習(中国)B2
中国史の基礎的な学習にもとづき、本演習では、中国近現代史に関する文化思想史についての研究を
共通の主題とし、また学生による個別的な研究発表を平行して実施する。共通の主題ではおもに史料の
読解・理解に重点を置き、また、関連する専門的研究について取り上げ、その研究史における意義、著
者の視点など内容を精読する。また、学生の発表では、学生の卒業論文作成に必要な学力の養成に努
め、そのために、研究発表と問題関心にもとづく討論を重視する。そのため、学生がみずから積極的に学
習できるように、関連史料や参考研究の検索方法などについても解説する。
AD321
東洋史演習(アジア)A1
アジア史の基礎的な学習にもとづき、本演習では、アジア諸地域・民族に関する政治社会史についての
研究を共通の主題とし、また学生による個別的な研究発表を平行して実施する。そのために、本演習で
は、重要な専門的研究について取り上げ、その研究史における意義、著者の視点など内容を精読する。
また、学生がみずから積極的に問題意識を持ち、課題を設定して学習できるように、個別的な指導を重
視し、関連史料や参考研究の検索方法などについても紹介し、学生が必要な知識と情報を得ることがで
きるようにする。
AD322
東洋史演習(アジア)A2
アジア史の基礎的な学習にもとづき、本演習では、アジア諸地域・民族に関する政治社会史についての
研究を共通の主題とするとともに、学生による個別的な研究発表を重視する。共通の主題では重要な専
門的研究について取り上げ、その研究史における意義、著者の視点など内容を精読する。また、学生の
発表では、学生の卒業論文作成に必要な学力の養成に努め、そのために、研究発表と問題関心にもと
づく討論を重視する。そのため、学生がみずから積極的に学習できるように、関連史料や参考研究の検
索方法などについても解説する。
AD323
東洋史演習(アジア)B1
アジア史の基礎的な学習にもとづき、本演習では、アジア諸地域・民族に関する社会文化史についての
研究を共通の主題とし、また学生による個別的な研究発表を平行して実施する。そのために、本演習で
は重要な専門的研究について取り上げ、その研究史における意義、著者の視点など内容を精読する。ま
た、学生がみずから積極的に問題意識を持ち、課題を設定して学習できるように、個別的な指導を重視
し、関連史料や参考研究の検索方法などについても紹介し、学生が必要な知識と情報を得ることができ
るようにする。
AD324
東洋史演習(アジア)B2
アジア史の基礎的な学習にもとづき、本演習では、アジア諸地域・民族に関する社会文化史についての
研究を共通の主題とし、学生による個別的な研究発表を平行して実施する。共通の主題では重要な専門
176
的研究について取り上げ、その研究史における意義、著者の視点など内容を精読する。また、学生の発
表では、学生の卒業論文作成に必要な学力の養成に努め、そのために、研究発表と問題関心にもとづく
討論を重視する。そのため、学生がみずから積極的に学習できるように、関連史料や参考研究の検索方
法などについても解説する。
AD325
西洋史演習(古代)A1
これまでに身につけた西洋古代史に関する知識を整理し体系化したうえで、ギリシア・ローマを中心とした
西洋古代の政治社会史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当
該領域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、英語を中心とした外
国語論文を精読して、内容の正確な要約、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、報告者、
コメンテーター、教員のあいだで論点をめぐり討議を重ねていく。
AD326
西洋史演習(古代)A2
これまでに身につけた西洋古代史に関する知識を整理し体系化したうえで、ギリシア・ローマを中心とした
西洋古代の政治社会史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当
該領域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、政治社会史関連の史
料を精読し、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、コメンタリーを踏まえた史料訳を作成さ
せる。あわせて、史料読解に役立つレファランス・ブックの使い方を教授する。
AD327
西洋史演習(古代)B1
これまでに身につけた西洋古代史に関する知識を整理し体系化したうえで、ギリシア・ローマを中心とした
西洋古代の文化思想史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当
該領域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、英語を中心とした外
国語論文を精読して、内容の正確な要約、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、報告者、
コメンテーター、教員のあいだで論点をめぐり討議を重ねていく。
AD328
西洋史演習(古代)B2
これまでに身につけた西洋古代史に関する知識を整理し体系化したうえで、ギリシア・ローマを中心とした
西洋古代の文化思想史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当
該領域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、文化思想史関連の史
料を精読し、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、コメンタリーを踏まえた史料訳を作成さ
せる。あわせて、史料読解に役立つレファランス・ブックの使い方を教授する。
AD329
西洋史演習(中世)A1
これまでに身につけた西洋中世史に関する知識を整理し体系化したうえで、西洋中世世界の政治社会
史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさらな
る深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、英語を中心とした外国語論文を精読して、
177
内容の正確な要約、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、報告者、コメンテーター、教員
のあいだで論点をめぐり討議を重ねていく。
AD330
西洋史演習(中世)A2
これまでに身につけた西洋中世史に関する知識を整理し体系化したうえで、西洋中世世界の政治社会
史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさらな
る深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、政治社会史関連の史料を精読し、関連項目
の調査結果を各学生に報告させたのちに、コメンタリーを踏まえた史料訳を作成させる。あわせて、史料
読解に役立つレファランス・ブックの使い方を教授する。
AD331
西洋史演習(中世)B1
これまでに身につけた西洋中世史に関する知識を整理し体系化したうえで、西洋中世世界の文化思想
史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさらな
る深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、英語を中心とした外国語論文を精読して、
内容の正確な要約、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、報告者、コメンテーター、教員
のあいだで論点をめぐり討議を重ねていく。
AD332
西洋史演習(中世)B2
これまでに身につけた西洋中世史に関する知識を整理し体系化したうえで、西洋中世世界の文化思想
史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさらな
る深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、文化思想史関連の史料を精読し、関連項目
の調査結果を各学生に報告させたのちに、コメンタリーを踏まえた史料訳を作成させる。あわせて、史料
読解に役立つレファランス・ブックの使い方を教授する。
AD333
西洋史演習(近世)A1
西洋近世史に関する既習の知識を整理し体系化したうえで、西ヨーロッパを中心とした西洋近世の政治
社会史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさ
らなる深化をはかる。本演習では、上記の目標を達成するために、履修者による西洋近世史に関する研
究文献や史料(英語を中心とした外国語)の読解を行う。文献講読においては、精読に重点をおいた読
解と速読に重点をおいた読解の両方の訓練を行う。そのうえで、参加学生と教員のあいだで、文献や史
料の内容と重要論点をめぐり討議を重ねる。また、西洋近世史研究を進めるうえで必要な史資料収集の
方法や、レファレンスブックの使い方も学ぶ。
AD334
西洋史演習(近世)A2
西洋近世史に関する既習の知識を整理し体系化したうえで、西ヨーロッパを中心とした西洋近世の政治
社会史について論じた外国語文献の読解と履修者による個別研究の報告を並行して行うことによって、
当該領域の知識のさらなる深化をはかる。本演習では、上記の目標を達成するために、政治社会史関連
の文献(英語を中心とした外国語)の読解と、参加学生が各々選択した西洋近世史上のトピックに関して
178
の研究発表を行う。文献講読においては速読に重点がおかれる。文献講読、研究発表のどちらの場合に
ついても、参加学生全員と教員のあいだで内容と重要論点をめぐり討議を重ねる。
AD335
西洋史演習(近世)B1
西洋近世史に関する既習の知識を整理し体系化したうえで、西ヨーロッパを中心とした西洋近世の文化
思想史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領域の知識のさ
らなる深化をはかる。本演習では、上記の目標を達成するために、履修者による西洋近世史に関する研
究文献や史料(英語を中心とした外国語)の読解を行う。文献講読においては、精読に重点をおいた読
解と速読に重点をおいた読解の両方の訓練を行う。そのうえで、参加学生と教員のあいだで、文献や史
料の内容と重要論点をめぐり討議を重ねる。また、西洋近世史研究を進めるうえで必要な史資料収集の
方法や、レファレンスブックの使い方も学ぶ。
AD336
西洋史演習(近世)B2
西洋近世史に関する既習の知識を整理し体系化したうえで、西ヨーロッパを中心とした西洋近世の文化
思想史について論じた外国語文献の読解と履修者による個別研究の報告を並行して行うことによって、
当該領域の知識のさらなる深化をはかる。本演習では、上記の目標を達成するために、文化思想史関連
の文献(英語を中心とした外国語)の読解と、参加学生が各々選択した西洋近世史上のトピックに関して
の研究発表を行う。文献講読においては速読に重点がおかれる。文献講読、研究発表のどちらの場合に
ついても、参加学生全員と教員のあいだで内容と重要論点をめぐり討議を重ねる。
AD337
西洋史演習(近現代)A1
これまでに身につけた西洋近現代史に関する知識を整理し体系化したうえで、ドイツを中心とした中欧近
現代の政治社会史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領
域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、英語を中心とした外国語
論文を精読して、内容の正確な要約、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、報告者、コメ
ンテーター、教員のあいだで論点をめぐり討議を重ねていく。
AD338
西洋史演習(近現代)A2
これまでに身につけた西洋近現代史に関する知識を整理し体系化したうえで、ドイツを中心とした中欧近
現代の政治社会史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領
域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、政治社会史関連の史料を
精読し、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、コメンタリーを踏まえた史料訳を作成させる。
あわせて、史料読解に役立つレファランス・ブックの使い方を教授する。
AD339
西洋史演習(近現代)B1
これまでに身につけた西洋近現代史に関する知識を整理し体系化したうえで、ドイツを中心とした中欧近
現代の文化思想史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領
域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、英語を中心とした外国語
179
論文を精読して、内容の正確な要約、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、報告者、コメ
ンテーター、教員のあいだで論点をめぐり討議を重ねていく。
AD340
西洋史演習(近現代)B2
これまでに身につけた西洋近現代史に関する知識を整理し体系化したうえで、ドイツを中心とした中欧近
現代の文化思想史について論じた外国語文献および関連史料を実際に読解することによって、当該領
域の知識のさらなる深化を図る。本演習では、上記の目標を達成するために、文化思想史関連の史料を
精読し、関連項目の調査結果を各学生に報告させたのちに、コメンタリーを踏まえた史料訳を作成させる。
あわせて、史料読解に役立つレファランス・ブックの使い方を教授する。
AD341
4年次演習(史学)
履修者が各々の専門分野で修得してきた知識や技術の延長線上に卒業論文の主題を確定し、先行研
究を踏まえて自分の論文のねらいを定める過程で、必要な指導を行う。上記の目標を達成するために、
本演習では、研究文献や史料を取り上げてそれらの内容を整理して重要な論点を抽出する訓練をしたり、
参加者がそれぞれの研究テーマを中心に研究発表を行ったりする。文献読解や研究発表のための準備
作業、授業時における討論を通じて、史資料の探し方と用い方、それらを研究史上に位置づける方法を
学び、卒業論文作成に不可欠なノーハウを身につけられるようにする。
■特殊演習
AD401
3年次特殊演習(史学)
卒業論文とは何かという理念的な側面と、文献の検索や読解の方法、問題発見の方法という技術的な側
面の両方について学びながら、卒業論文作成のための基礎的な準備を進めていく。上記の目標を達成
するために、各学生は自らの問題関心に沿った学術論文をとりあげ、その内容を理解し結構を吟味したう
えで、問題点を整理して報告するという作業を複数回おこなう。本演習では、これら複数回の報告および
討論を踏まえたレポートの提出を複数回義務づけることによって、文章表現力の向上もあわせて図る。
AD402
4年次特殊演習(史学)
4 年次前期に確定した卒業論文の題目に基づいて、学生自身が主体的に卒業論文を完成させることが
できるよう指導する。本演習では、上記の目標を達成するために、まず、中間報告会を開催し、問題設定、
篇別構成、分析手法、行論等に関する問題点を批判的に検討しあい、この中間報告会でのレビューを踏
まえたえで、さらに発表および討論を重ねることによって、卒業論文の内容の深化を図る。あわせて、論
文執筆のための技法を具体的に指導していく。
180
国際社会学科
■入門
BK001
国際社会論
グローバル化する世界の諸問題を考察することを通じ、国際社会学科で学ぶ基礎作りを行う。一方でさま
ざまな知を駆使して学際的に学ぶことの重要性、他方でメジャーを持ち、学問分野別に学ぶことの重要
性を確認しながら、国際社会研究のための基本的視点を概観する。(チェーン・レクチャー方式)
1.イントロダクション:具体例をあげるなどして主題提示をし、グローバルとローカルという視点、開発・協
力という視点、公共政策という視点、日本社会という視点、社会比較という視点という柱を立てて、国際
社会の問題を考察することの意味について講述し、導入とする。
2.グローバルとローカルという視点1(アジア):アジアの現代的諸問題を素材にしながら、グローバル化
の中での地域研究の実際について概観する。
3.グローバルとローカルという視点2(欧米):欧米(含ラテンアメリカ)の現代的諸問題を素材にしながら、
グローバル化の中での地域研究の実際について概観する。
4.開発・協力という視点:国際開発、国際協力の実際を概観しながら、先進諸国と途上国の関係のあり
方について考察する。
5.公共政策という視点:多様な主体による社会問題への政策的対応の理論と実践について概観する。
6.日本社会という視点:グローバルな視点から日本社会の社会問題について考える。
7.社会比較という視点:グローバル化する現代社会の諸問題を比較考察する。
8.国際社会研究のイシュー:コメントペーパーや中間提出物などを利用しつつ、国際社会研究のイシュ
ーとなる論点を提示し、さらに受講者の質問も踏まえ、全体の整理を行い、国際社会研究のモチベー
ションづくりを行う。
■基盤演習
BK301
国際社会基礎演習
国際社会論の授業内容を前提にしながら、グローバル化する現代の社会問題、およびそれを考察する視
点の基礎作りを行う。三専攻の学生と教員が少人数の混成クラスにわかれ、ゼミ形式で授業を行う。一方
で、社会学、経済学、国際関係論、文化人類学、現代史など学問分野別の知を用いることの重要さ、他
方で、分野別の知を学際的に駆使することの重要さを、報告や討論などを通じて確認し合い、国際社会
学科で学ぶことの意味はなにか考えてゆく。
181
■卒業論文
BK901
卒業論文
卒業論文は、学際的に視野を広げ、また学問分野の体系的な知を身につけた勉強の総決算である。国
際社会学科において 3 年次までに学んだ講義、演習、社会調査実習などに基づいて、4年次当初に
各々の研究主題を決める。4年次の演習とも連携しながら、個別の研究指導をくり返し、学生が自主的に
研究計画を立て、それぞれの主題に見合った文献研究、調査研究を実施する。随時研究成果をまとめて
中間的な報告を行い、その上で論文を執筆してゆく。卒業論文提出後は、副査 1 名を交えて口述試験を
行う。
182
国際関係専攻
■入門
BA001
文化人類学入門 I
社会と文化の相対性を理念として掲げ、個々の社会の文化的伝統や歴史的文脈を視野に収めながら、
総合的に人間研究を行ってきた文化人類学という学問に関する入門的な講義である。文化人類学の発
展の歴史や、その研究手法であるフィールドワーク、比較文化的総合的な研究視点などを俯瞰し、それ
ぞれの民族集団が環境に適応して創造された採集狩猟、牧畜、農業などの文化および産業文明を学習
し、文化人類学や心理人類学の研究課題である文化について学ぶ。
BA002
文化人類学入門 II
「文化人類学入門Ⅰ」に引き続き、環境への適応戦略としての経済システム、親族や年齢集団、地域共
同体、政治組織などの社会的協力のシステム、宗教・神話・儀礼などの信仰と価値のシステム、民俗医療
と医療人類学、文化とジェンダーなどについて学ぶ。文化や社会の多様性と多元性、その構成の仕組み、
時代とともに変容する生成性、文化の人間に対する影響などを理解し、そして、文化的他者への理解を
介して自己理解を深めることを目的とする。
BA003
比較文化論 I
この講義では、比較文化論の意義・課題・方法について検討することを目的とする。文化とは何か、文化
を比較するとはどのようなことなのかについての理解を深めていきたい。また、<異文化>としての日本
(他者としての日本)についても考察する。テーマを大きく分けると「比較文化論とは何か」、「文化とは何
か」、「<異文化>とは何か」、「<異文化>としての日本・日本人・日本文化」、「比較文化論の領域と手
法」など基本的な問題を深く考えてみる機会としたい。
BA004
比較文化論 II
「比較文化論 I」に続き、比較文化的な観点から「記憶と忘却」の問題について考察する。基本的な問題
を概観したうえで、主として日本と英・独・米・中・韓の戦争と植民地支配の記憶をめぐる、さまざまな重要
側面について検討したい。記憶とは何か、忘却とは何かなどから、「戦争の記憶の比較文化」を取上げ、
「西欧と日本の苦い記憶」では「忘れられた軍隊」、「極東捕虜問題」など、また「〈哀悼〉の比較文化」では
「靖国問題」、「哀悼の比較文化論」、「記憶の越境性と非越境性」などを扱う。
BA005
国際関係史 I
現代の国際関係を理解するために、20 世紀からの国際関係史の知識を得ることを目標とする。急速に一
体化していく現代世界は、国内政治の動きだけではなく、貿易や外交交渉を通じた国家間関係、国境を
越えた国際的組織の動向に大きく影響される。このダイナミズムを把握させることとしたい。この授業では、
183
20 世紀初めの 2 つの世界大戦と、この両大戦間の歴史的考察を行い、戦争と平和の問題について論じ
る。
BA006
国際関係史 II
現代の国際関係を理解するために、20 世紀からの国際関係史の知識を得ることを目標とする。急速に一
体化していく現代世界は、国内政治の動きだけではなく、貿易や外交交渉を通じた国家間関係、国境を
越えた国際的組織の動向に大きく影響される。このダイナミズムを把握させることとしたい。この授業では、
第 2 次大戦後の冷戦体制の構築、核戦略体制、冷戦体制の崩壊、冷戦後の民族紛争などを扱い、国際
的な安定・秩序の問題を論じる。
BA007
国際関係論 I
第一次世界大戦後に誕生した国際関係論とはどのような学問であるのかを学ぶことが目標である。近代
主権国家の誕生と外交と戦争の役割から始めて、勢力均衡政策が失敗し「世界大戦」に陥った世界が再
び世界大戦を経験し、東西ブロック間の「冷戦」を戦ったかを講義する。国際関係の理解に不可欠な基本
的な概念と理論の基礎を学んでから、リアリズムの立場に立って冷戦に焦点を当てて講義する。具体的な
事例としては、「東欧」の成立過程とソ連型社会の特徴を検討し、キューバ・ミサイル危機では核戦略と危
機管理を学び、ソ連のアフガニスタン侵略事件における外交と経済制裁の有効性を分析する。
BA008
国際関係論 II
冷戦終結後に一層複雑化している現代の国際関係を、冷静な視点で見つめ、分析出来る力をつけること
が目標である。冷戦後の世界では従来のように主権国家だけが国際政治の主役ではないことを、EU、国
連、NGOなどが重層的に活動している状況から理解させる。最初に冷戦構造の崩壊過程をソ連、ハンガ
リー、東独の事例を取り上げて講義し、現在の欧州における問題との関連を考察する。次いで核拡散、大
量破壊兵器の規制レジーム、対人地雷規制条約で活躍したNGO、湾岸戦争、コソボ紛争、難民問題な
どの様々な争点を取り上げて概観し、その動向を分析して出来れば解決策を考える。
■基盤講義
BA101
日本文化論
内外の研究者が自然・風土、衣・食・住、政治・社会、思想・文芸、言語、宗教、芸術などを題材にしてさ
まざまな角度から日本文化の特質を論じた研究の成果を批判的に整理・紹介して初学者に基礎知識を
持たせるとともに、現代の日本人が「日本文化」と考えているものが近代日本においていかに構築されて
きたかを多様な史料を用いて検討し、日本、日本人、日本文化およびそれらについての言説をより深く反
省的にとらえる姿勢を学ばせる。
BA102
中国文化論
中国研究の基礎として、必要な基礎知識の習得をはかりつつ、あわせて日本文化との比較の視点もおり
まぜながら、中国理解への第一歩とする。現代中国の理解に必要となる歴史的背景について、近年の古
184
代史の成果にもふれながら比較的長い時間の幅で、また文献資料のほか映像資料なども使用しながら
概観することにより、「中国文化特論」や「中国近現代史Ⅰ」、「中国近現代史Ⅱ」、「現代中国論」、「中国
研究Ⅰ」、「中国研究Ⅱ」などを、より深く理解できるような基礎をつくる。
BA103
朝鮮文化論
朝鮮半島の政治、社会制度、文化などに対し、総合的かつ多面的な理解を深めることを目標とする。専
門知識として活用できるよう具体的な問題を取り上げる。朝鮮半島の戦後政治と朝鮮半島統一問題、韓
国の文化産業の発展と特徴、韓国の教育問題、韓国の軍隊と徴兵制度、 北朝鮮の実相、 北朝鮮によ
る拉致被害者と日本人妻問題、韓国の反日問題と日本の大衆文化の影響、日韓相互イメージの変化と
韓流、今後の日韓・日朝関係のありかたなどを扱う予定である。
BA104
東南アジア文化論
東南アジアの諸社会を特徴づける自然風土、言語、民族、社会構造、宗教、政治、日常生活などについ
て、初学者に基礎的な知識と理解を持たせる。この授業では、とりわけ、東南アジアの伝統的社会の文化
的多様性・多元性と統一性、ポストコロニアル国家による「国民の文化」「国民の歴史」の創出の手法、開
発と人権、国家と部族、中間層の出現などのトピックからいくつかの事例を取り上げて、東南アジア理解の
土台を学ばせる。
BA105
アメリカ文化論
アメリカ社会におけるキリスト教の役割について歴史的な理解を与えることを目標とする。キリスト教は、現
代のアメリカ文化の背景を成す要因の中でも、最も根本的なものの一つである。ピューリタニズムの系譜
を中心に、契約思想、政教分離、リヴァイヴァルの力学、独立革命と宗教の関係、啓蒙主義とキリスト教、
キリスト教の女性化、福音主義の主流化、リベラリズムとファンダメンタリズムの対立等、17世紀から現代に
いたるまでの基本的なイッシューについて解説する。
BA106
日本史概論
本講では、原始・古代から現代までの日本の歴史について概観する。日本列島における日本国家の形
成や社会のあり方とその歴史的変化をみていくことにするが、その際のひとつの中心的テーマは、天皇お
よび天皇制をめぐる諸問題ということになる。そこでは中央政治のみならず、地方政治のあり方、また朝廷
のみならず、海の民・山の民をも含む一般の民衆の生活や思想、信仰などにも論が及ぶことになる。さら
に国際関係、とりわけ東アジア世界との関係が、日本の歴史を考える上では不可欠であるので、その点に
ついても中心的テーマとして講義を進める。
BA107
東洋史概論
東アジアを中心とするアジアの歴史を古代から現代まで概観することにより、この地域において生起する
諸問題を歴史的視点から理解する習慣を身につけるようにする。重要と思われるトピックをいくつかとりあ
げて、その歴史的背景について整理、紹介する。あわせて近代日本における東洋史学の成立や東洋史
185
学上の重要な論争にかんする史学史を概観することにより、近代以降の日本が「東洋」を通じてどのような
世界像を描こうとしてきたかを批判的に検討する。
BA108
西洋史概論
古代から現代までの西洋(米国を含む)の歴史を概説する。その際、古代・中世・近世・近代・現代といっ
た時代区分の基準や「西洋」の地理的範囲が時代によってどのように変化してきたか、にも注目する。ま
た、このような「西洋史」の時間的、空間的位置の変化と「西洋人」の自己意識の変化との関連にも注目す
るとともに、日本人にとっての「西洋史」研究の意義が明治期から現在までどう変化してきたかも検討して
ゆく。
BA109
法学概論
法律学の基礎を学ぶ。法とは何か、また社会と個人との関係を構築する法的な思考を養う。現代社会に
おいて法律の果たす役割を学び、法的な考え方を理解させる。個人の人権や権利が侵害されたときに、
いかにして法律を利用してその擁護を図るかが課題である。日本国憲法と民法の基礎部分、さらに社会
との関連で行政法などにふれた後で、国際法の基礎的な要素も考察する。
BA110
政治学概論
政治的な磁場においては、いかなる問題も政治化する。環境問題や年金問題も政治学の対象になる。時
代が変わっても政治的なるものの本質は変化しない。そのようなスタンダードな政治学を国際政治学まで
含みながら講義する。政治思想、政治意識、政治指導者と大衆、官僚制、政党、マスメディアの政治的機
能、政治体制論、更に、国際政治に関しても講義する。
■応用講義
BA201
日本近現代史A
本講は、日本の近現代史を、思想史の問題として概観することを目標とする。時期的には、主として幕末・
維新期から明治時代を中心にするが、当然のことながら大正・昭和戦前期までの思想史にも言及する。
鹿野政直『近代日本思想案内』(岩波文庫)などを一つの手がかりにしながら、ナショナリズムの動向に重
点を置いて概説していくが、国民国家論にも留意しながら進めることにする。なお、できれば戦中・戦後期
の思想動向をも視野に収めたいと思っている。
BA202
日本近現代史B
本講は、日本の近現代史における政治と天皇の関係を概観することを目標とする。江戸時代の終わりに
天皇権威が次第に上昇したことから説き起こし、明治維新を経て、君主制の一類型として確立していく過
程を明らかにする。ついで、たび重なる戦争を経て、それが全体主義国家の中心に据えられていく原因
を理念・制度・人物の諸側面に即して論じていく。最後に、太平洋戦争の敗戦によって、今日に続く象徴
天皇制が生み出されていく時期にまで言及する。
186
BA203
中国近現代史 I
現代中国を理解するために、近現代史の知識を得ることを目標とする。中国の国民国家形成過程を軸に、
近代化の課題、近代化における国際的要因のインパクトについて検討を行う。この授業では、中華人民
共和国建国前について講義する。不平等条約の形成過程、近代化の模索、中国共産党の設立と成長、
孫文の広東政府と国民革命、中国共産党の中華ソビエトと国民党の南京国民政府、満州事変から日中
戦争、国共内戦などについて論じる。
BA204
中国近現代史 II
現代中国を理解するために、近現代史の知識を得ることを目標とする。中国の国民国家形成過程を軸に、
近代化の課題、近代化における国際的要因のインパクトについて検討を行う。この授業では、中華人民
共和国建国後について講義する。建国直後の新民主主義、朝鮮戦争、反右派闘争から大躍進、調整政
策、文化大革命、対外開放政策の開始、政治改革への模索と天安門事件、90 年代以降の経済発展と政
治社会状況などについて論じる。
BA205
朝鮮近現代史 I
朝鮮史の流れを概観した後、開港期から日韓併合までの過程を深く理解することを目標とする。授業で
ははじめに時代区分の問題を取り上げ、三国時代から朝鮮王朝時代までの政治・思想・社会・文化の時
代的な特徴を扱う。その後、開港期から「日韓併合」までの過程を日本との関連で韓国の政治・経済・社
会などの面を詳細にみていくことにしたい。中国、ロシア、アメリカなど日韓を巡る様々なかかわりについ
てはそのつど触れる。
BA206
朝鮮近現代史 II
「日帝時代(1910~1945)」、解放と南北分断、4・19学生革命・朴政権期、民主化運動さらに現政権ま
での道のりを理解することを目標とする。個々の出来事や事件を詳しく取り上げ、民主化への課題もあわ
せて考察する。土地調査事業の実態、3・1運動の主体、背景、経過、意義などを理解し、その後の独立
運動の流れを見て行く。そして 1945 年の解放と済州島の「4・3」、南北分断と朝鮮戦争、その後の各政権
の課題と問題点を民主化への過程という視点から見ていく。
BA207
アメリカ史 I
植民地時代から19世紀末までのアメリカ合衆国の歴史を特定のテーマに即して概説する。具体的なテ
ーマとしては、「戦争体験とその記憶」や「人種・民族関係の変遷」などアメリカ合衆国の社会に関わる基
本的な問題を適宜選択して、他国との比較や相互関連に注目して講義する。また、適宜原史料を配付し
て、実証分析の方法にも言及するとともに、関連するビデオ教材を見せた上で感想文の提出を求め、講
義内容の理解を深める。
BA208
アメリカ史 II
19世紀末から現在までのアメリカ合衆国の歴史を特定のテーマに即して概説する。具体的なテーマとし
ては、「戦争体験とその記憶」や「人種・民族関係の変遷」などアメリカ合衆国の社会に関わる基本的な問
187
題を適宜選択して、他国との比較や相互関連に注目して講義する。また、適宜原史料を配付して、実証
分析の方法にも言及するとともに、関連するビデオ教材を上映した上で感想文の提出を求め、講義内容
の理解を深める。
BA209
現代中国論
現代中国の諸問題を理解させることを目標とする。対外開放政策下の中国は、外国との接触や急速な経
済発展によって、社会や思想に大きな変化が見られる。チベット、モンゴル、ウィグルの諸民族に代表さ
れる少数民族問題、環境問題、貧富の差の拡大、官僚・政治家による腐敗・汚職、社会の変化に伴う
人々の意識の変化、ナショナリズムの台頭など、様々な問題から多面的に中国を見ることによって、現代
中国に対する理解を深める。
BA210
現代韓国論
戦後韓国政治の基本アクターを理解することを目的とし、家父長的支配から軍出身者政権を経て、民主
化に至る過程を憲法改正史と比較政治論の視点から見たい。朝鮮解放前後史、 朝鮮戦争と李承晩政
権、 朴正煕軍事革命とその後の「維新体制」の成立、 朴正煕暗殺と「粛軍クーデター」、 全斗煥と議院
内閣制改憲論、「6・29民主化宣言」と盧泰愚政権、「3党合同」と金泳三政権、 金大中政権の誕生、 盧
武鉉政権の属性などが考察の対象となる。
BA211
現代アメリカ社会論
現代アメリカ社会に関する基礎的な知識を習得することを目標とする。人種とエスニシティ、貧困問題、教
育問題、犯罪問題などの個別の争点について、歴史的な変容過程も踏まえつつ解説を行う。それと同時
に、それらの問題をコミュニティの統合の観点から再構成し、多文化主義とアングロコンフォーミティの間
でゆれるアメリカ社会の特色を理解することをめざす。その際、できるだけ多くの視点を反映させ、アメリカ
社会の多様性が浮き彫りになるよう留意する。
BA212
日本文化特論(近現代文学)I
日本の近代史において近隣諸地域を植民地支配した事実を背景として、日本人によって書かれた文学
作品がある。それらを日本近現代文学史の中に位置づけることを目標とする。
日露戦争後、中国東北部に対する日本人の関心が高まり、そこを訪れる日本人は多数にのぼった。文学
者は印象記を残し、訪問時の見聞を素材に小説を書き、さらにはその地に住みついて詩や小説を書く者
もいた。それらの作品には、各詩人・作家の中国(人)観が投影されている。それを読み取り、それぞれの
中国(人)観の特質や、日本人作家にとって中国東北部が持つ意味などを考察する。
BA213
日本文化特論(近現代文学)II
日本近代文学は国内で書かれたものだけではない。植民地支配を背景に、いわゆる外地において書か
れた作品もある。それらが日本近代文学史にどのような位置を占めるかを考察することを目標とする。
188
かつて暮らした中国東北部の記憶を語る文学作品がある。それは、過去に自分が抱いていた中国(人)
観をどうとらえかえすかという問題をはらんでいる。「日本文化特論(近現代文学)I」をふまえて、文学作品
にあらわれた中国東北部に関する記憶のあり方、および、在住経験をもつ作家の現在を考える。
BA214
社会言語学特論A
社会生活の中での言語の諸相とそのとらえ方について、主に日本語の具体事例を取り上げながら学ば
せる。日本語の地理的変異に着目し、貴重な言語資料である全国に広がる様々な語の分布から、ことば
の生成・発展・衰滅のプロセスをたどっていく。小方言から中核方言への統合現象や衰退する伝統方言
に代わる新しい方言の発生・浸透などの実態もふまえ、共通語との接触による方言の変容、それに伴う方
言の運用や意識の問題についても考えていく。
BA215
社会言語学特論B
社会生活の中での言語の諸相とそのとらえ方について、主に日本語の具体事例を取り上げながら学ば
せる。日本語の変種を年齢差、性差、場面差などの多角的な視点からとらえ、表現形式や談話構造のバ
ラエティを探っていく。ことばの規範、アイデンティティとことばとの関係を言語意識の側面からとらえ、コー
ドスイッチング、コミュニケーションストラテジー、敬語選択などの言語運用に具現されていく状況を、背後
で作用している様々な社会文化的要因を視野に入れながら考えていく。
BA216
中国文化特論
「中国文化論」での理解をもとにして、中国文化の諸側面についてより深い理解を獲得させる。今日の中
国の文化状況を理解するうえで重要と思われるトピックをとりあげて、そのトピックについて完結した議論を
展開する。そのトピックをとりあげる意義を確認したうえで、関連する研究動向を批判的に整理、紹介しつ
つ、新たな知見をまじえて論ずる。その際、資料の検索や解釈などを実際に示すことにより、学生が自身
の関心に即して研究する際のモデルとなるようにする。
BA217
南アジア文化特論
南アジアの諸社会を特徴づける自然風土、人間集団、言語、社会構造、政治、宗教、芸術、日常生活な
どについて、初学者に基礎的な知識と理解を持たせる。この授業では、とりわけ、南アジアの歴史と文化
を特徴づける多様性と統一の問題、その根柢にある宗教的意識の歴史的展開、近現代における宗教(ヒ
ンドゥー教、イスラム教など)とナショナリズムの関係などのトピックからいくつかの事例を取り上げて、南ア
ジア理解の土台を学ばせる。
BA218
イスラム文化特論
西アジアに始まって多様な異文化との接触の中でアフリカ、中央アジア、南アジア、東南アジア、欧米な
どに広く展開したイスラム世界について、初学者に基礎的な知識と理解を持たせる。この授業では、特に
イスラム世界の地域的な多様性、非イスラム世界や資本主義との関わりなどに注意を払いながら、ムスリム
の日常生活、宗派、思想・世界観、規範、祝祭、家族と婚姻、芸術、テロリズム、戦争などのトピックから事
例を取り上げて講述する。
189
BA219
アメリカ文化特論A
時事問題を通じて現代のアメリカ合衆国についての理解を深めることを目標とする。クリントン、ブッシュ、
オバマなど、著名人による演説(英文)をテキストとして現代アメリカの諸問題を解説する。副教材として英
字新聞を用い、時事問題について議論する。アメリカを研究するために必要な、高度な言語能力を獲得
することも目指し、毎回その目的のための訓練もおこなう。
BA220
アメリカ文化特論B
アメリカの主要な女性運動家の思想を時系列にそって学ぶ。キャサリン・ビーチャー、ハリエット・ビーチャ
ー・ストウ、エリザベス・ケイディ・スタントン、ジェイン・アダムス、シャーロット・ギルマン、エマ・ゴールドマン、
マーガレット・サンガー、ベティ・フリーダン、アリス・ウォーカー等の著作を読み、その主張の要点を学ぶと
ともに、彼女たちの思想および活動が歴史をどのように動かしてきたのかを考える。
BA221
近現代日本研究(社会・思想)A
近代日本における国家・社会・個人をめぐる諸相とはどのようなものであり、それらは現代日本にいかに受
け継がれているのか否かを問う。そうした基本的視座から、社会思想や政治思想、また民衆思想や宗教・
民間信仰など、さまざまな側面から日本近代を考察することを目標とする。考察の対象とする基本的な歴
史的事象としては、江戸時代後期の尊皇攘夷論、明治期の啓蒙思想、自由民権の思想、日本主義をは
じめとするナショナリズムの思想、明治社会主義などを取り扱うことにする。
BA222
近現代日本研究(社会・思想)B
近現代日本の政治思想や社会思想、宗教や民衆思想などを取りあげて、近現代日本における国家・社
会・個人のかかわりあいに関する理解を深めることを目標とする。近代日本における国家・社会・個人をめ
ぐる諸相とはどのようなものであり、それらは現代日本にいかに受け継がれているのか否かを問う。そうし
た視座を基本に据えることで、近代的国家もしくは近代的権力とは何かを根本から問い直す。近代日本
における主権論の展開と民主化のあり方、日本人の天皇像、民俗学の展開、大正デモクラシー思想、国
体論の諸相、昭和期の超国家主義、そしてアジア主義などに対する理解を深めることとする。
BA223
近現代日本研究(日本語文化論)I
現代日本語の状況の実態を把握するための言語調査の方法を学ばせる。日本各地方言の現状を調査
するために方言をデータとして収集、分析、解釈する場合のフィールド調査の方法論を概観する。調査対
象地点の先行研究の紹介、調査準備としての必須事項、臨地言語調査の企画・立案、調査票の作成(調
査項目の設定、質問方法の検討、質問文のワーディング)、調査の実際における対処事項など面接調査
の基盤となる知識と技法を習得させる。併せて、調査結果の整理、報告書のまとめ方にも触れる。
BA224
近現代日本研究(日本語文化論)II
現代日本語の状況の実態を把握するための言語調査の方法を学ばせる。現代日本語の変異に着目し、
言語使用の実態をデータとして収集、分析、解釈する場合の調査方法を概観する。特に、アンケートを中
190
心とした数量的な言語調査の企画・立案、調査票の作成(調査項目の設定、質問方法の検討、質問文の
ワーディング)、調査の実際における対処事項など調査の基盤となる知識と技法を習得させる。言語行動
や言語変化に関わる要因など言語に広く関わる事象の調査方法も検討する。
BA225
中国研究 I
地域研究として中国研究をする際の、中国を見る眼について注意を喚起することによって、中国研究の
方法を習得することをめざす。前近代以来の歴史的背景をふまえて東アジア世界のなかに中国を位置づ
けつつ、近現代の日本が中国をどのように見てきたかについて、具体的な資料や研究成果を提示する。
これを学生自身に閲読、考察させることによって、改革開放政策やグローバリゼーションのなかで大きな
構造変動に直面している中国および東アジアに対する眼を養う。
BA226
中国研究 II
「中国研究Ⅰ」で鍛えた「中国を見る眼」をふまえて、学生が自らの中国像を獲得することをめざす。中国
の多様な側面を、歴史や思想、政治、経済、社会、文化などについて、資料や研究成果をまじえつつ具
体的に紹介しながら、それらを踏まえてどのような総合的な中国理解が可能かを提示する。紹介された具
体的事例を理解することで中国の諸側面についての個別的理解を深めると同時に、個別の事例がどのよ
うに総合されるかに実際に触れるなかで、自分なりの総合的理解への導きとする。
BA227
朝鮮研究 I
「ウリ(私たち)」という語の概念を理解し、韓国人の意識構造に迫ることを目標とする。まず、「ウリ」という語
の多用な使われ方を日常会話、新聞、雑誌などのほか歴史的文献、広告における実際の用例を調べ、
それらを分類し、それぞれの用例を分析していく中でどのような意識がそこに表れているのかを考察する。
そこで現れた様々な意識が互いにどのようにかかわりあっているのかを考えながら、「ウリ」をめぐる意識構
造を考察する。
BA228
朝鮮研究 II
「恨(ハン)」という語の概念を理解し、韓国人の意識構造に迫ることを目標とする。朝鮮文化の基底をな
すといわれる「恨」に焦点を当てた論文は多く、また「恨論争」も多様であるが、授業では文学者、言語学
者、社会学者、心理学者による「恨」に関する論考を読んだのち、歴史・社会・性・階層・地域・経済・教育
などとの関連から多角的に「恨」をとらえ、その構造を明らかにしていく。「恨」のメカニズムを理解した後、
「ウリ」と「恨」の関係について考察する。
BA229
アメリカ研究(社会史)I
植民地時代から19世紀中葉までのアメリカの歴史を、女性たちを主人公として概説する。アメリカ史で通
常採りあげられる主要な出来事の中で、女性たちはどのような役割を果たしていたのか、また、歴史的変
化は、女性たちの人生にどのような影響を与えたのかを考える。ジェンダーの視点から歴史をとらえること
で、日常的、私的関係性の中にも権力関係が存在することに気づかせるとともに、日常の細部に歴史を
見いだす目を養いたい。
191
BA230
アメリカ研究(社会史)II
1890年代から現代までのアメリカの歴史を、女性たちを主人公として概説する。アメリカ研究Iに続く講義
で、産業化、移民の流入、グローバリゼーションの進行するアメリカ社会で、女性たちがどのような役割を
果たしたのか、また、こうした変化は「女性であること」の意味をどのように変化させていったのかを考える。
社会福祉国家形成や戦争と平和運動、冷戦、フェミニズムの台頭と家庭の再編等に女性たちが担った役
割を主に扱う。
BA231
ラテンアメリカ研究 I
ヨーロッパ文明と先住民文明が出会ったラテンアメリカでは、それらの対立と融合を経て、独自の文明が
形成されていると言われている。本講義では、そのようなラテンアメリカの形成と変容を理解することを目
指す。具体的には、現代のラテンアメリカにおいてどのような問題が起こっているのか、そしてその背景
には何があるのか、という設問に答えていく。その際には、欧米諸国や他の発展途上国で発生している問
題との関連などを認識することが必要である。
BA232
ラテンアメリカ研究 II
19 世紀前半に独立を達成したラテンアメリカは、第二次世界大戦後に独立したアジアやアフリカなどの発
展途上国と比較して「中進国」と言われる。本講義では、そのようなラテンアメリカの形成と変容を理解する
ことを目指す。具体的には、現代のラテンアメリカにおいてどのような問題が起こっているのか、そしてそ
の背景には何があるのか、という設問に答えていく。その際には、欧米諸国や他の発展途上国で発生し
ている問題との関連を認識することが必要である。
BA233
日米比較文化 I
幕末の開国から第二次世界大戦までの日米関係を比較文化史の視点から講義する。その際、学問・文
化の交流だけでなく、移民や経済の交流にも注目するが、同時に、外交や軍事対立の背景にあるイメー
ジ・ギャップの問題にも注目し、両国のナショナリズムの比較にも言及する予定である。また、適宜原史料
を配付して、実証分析の方法にも言及するとともに、ビデオ教材を上映した上で感想文の提出を求め、講
義内容の理解を促進する。
BA234
日米比較文化 II
第二次世界大戦後から現在までの日米関係を比較文化史の視点から講義する。その際、米国が中心的
に実施した占領改革の諸側面に注目し、日本の文化や社会が「アメリカ化」した側面と逆に「アメリカ化」を
拒んだ側面を比較検討する。また、高度経済成長期を経て、日本文化が逆にアメリカ合衆国に影響を与
えた面にも注目して、講義する。その際、適宜、原史料を配付して、実証分析の方法にも言及するととも
に、ビデオ教材を上映した上で感想文の提出を求め、講義内容の理解を促進する。
192
BA235
アジア文化比較論 I
「比較文化論 I・II」「東南アジア文化論」「南アジア文化特論」「イスラム文化特論」などで得られた理解を
基にして、アジア諸社会の文化的・社会的な多様性と共通性について通文化的な比較の視点からより深
く学ばせる。この授業では南アジアおよび東南アジアにおけるジェンダー関係を中心にして、通文化的な
比較研究の方法を理解するうえで適切なトピックをいくつか取り上げて講述する。
BA236
アジア文化比較論 II
「比較文化論 I・II」「東南アジア文化論」「南アジア文化特論」「イスラム文化特論」などで得られた理解を
基にして、アジア諸社会の文化的・社会的な多様性と共通性について通文化的な比較の視点からより深
く学ばせる。この授業では南アジアおよび東南アジアにおける宗教を中心にして、通文化的な比較研究
の方法を理解するうえで適切なトピックをいくつか取り上げて講述する。
BA237
宗教人類学
「文化人類学入門 I, II」などで得た概括的な知識を基にして、宗教に関する民族学・人類学的な理解を
深める。人類学・社会学・宗教学などによる宗教研究の歴史を批判的に概観したのち、人間の象徴活動、
神話、儀礼、世界観、宇宙論、占い、呪い、治病、死、葬制、祖先崇拝、世界宗教(キリスト教やイスラム教
など)への改宗、新興宗教運動など、宗教をめぐる多様なトピックのなかから事例を選んで講述する。
BA238
政治人類学
「文化人類学入門 I, II」などで得た概括的な知識を基にして、政治に関する人類学的な理解を深める。人
類学者による政治研究の歴史を概観したのち、人類のさまざまな社会における政治的行為、象徴的支配、
権力・政治体制の類型論、戦争と平和、グローバル化、民主化、人権、コスモポリタニズム、移民、トランス
ナショナリティなど、多様なトピックのなかから事例を選びながら講述する。
BA239
経済人類学
「文化人類学入門 I, II」などで得た概括的な知識を基にして、経済に関する人類学的な理解を深める。人
類学者による経済研究の歴史を概観したのち、人類の経済活動の諸形態、親族関係に基づいた生産様
式と資本主義的生産様式、資本主義が非西洋世界に与えた衝撃、第 2 次世界大戦後の先進国による開
発援助とその帰結、20 世紀末以来のネオリベラリズムと現地社会、再生産され続ける低開発と貧困など、
多様なトピックのなかから事例を選びながら講述する。
BA240
人種・民族・国民
「文化人類学入門 I, II」などで得た概括的な知識を基にして、人種・民族・国民という今日の世界で最も大
きな政治的問題性をはらむ3つ人間集団のカテゴリー、アイデンティティについてより深く学ばせる。人種、
エスニシティ、ネーションなどの基本的な概念をめぐる混乱を批判的に整理したのち、人種差別、国民統
合、民族紛争、ジェノサイド、労働者輸入など現代的なトピックスから事例を選びながら講述する。
193
BA241
ジェンダーと社会構造
「文化人類学入門 I, II」などで得た初歩的な知識のうえに、人間社会の再生産と構造化の基盤をなすジェ
ンダーと親族的・非親族的な人間のつながり方についてより深く学ばせる。この授業では、とりわけ家族、
結婚、母中心家族、母系制、トランスジェンダーなど、女子学生が身近な関心を持つトピックスに焦点をあ
てながら、人類学の親族・婚姻の研究史を批判的に整理しつつ最新の知見も交えて論じ、現代日本の状
況にも論及する。
BA242
人類学史
「文化人類学入門 I, II」などで得た初歩的な知識を基にして、主に 19 世紀後半以降のフランス、ドイツ、
オランダ、イギリス、南アフリカ、アメリカ合衆国、日本などにおける民族学・社会人類学・文化人類学の歴
史をより深く学ばせる。その際、単に代表的な学者や理論を批判的に整理・紹介するにとどまらず、植民
地支配、人種隔離政策、戦争、フェミニズムなど、その時々の政治的・社会的・思想的な問題とも関連付
けながら講述する。
BA243
東アジアの文化と社会
文化人類学的視点と専門研究を援用しながら、東アジアにおける文化交流の様態や、社会と文化の相
似性と相異性について考察する。中国、朝鮮、日本などの国や地域を「漢字文化圏」内として捉えながら、
それぞれの文化の独自性と多元性も視野に入れ、儒教などの世界観、親族集団、地域共同体、戦争記
憶などの角度からこの地域の文化と社会を理解する。
BA244
エスニシティー論
文化人類学における民族やエスニシティ、エスニックアイデンティティなどに関する視点や研究事例を紹
介し、現代における「民族」問題を考える。民族とエスニシティの概念の転換、エスニックバウンダリー、民
族共同体と象徴、移動・越境者とトランスナショナリズム、在日、中国朝鮮族などのテーマを取りあげる予
定である。
BA245
周縁世界とグローバル化
人類学系の諸科目や「東南アジア文化論」「南アジア文化特論」「イスラム文化特論」などの理解の上に、
周縁世界(特に東南アジア、オセアニア、南アジア、アフリカ)と先進世界との関わりを長期的な観点から
理解させる。周縁世界の伝統的な部族社会、首長国、王国の生活様式、社会構造、政治システム、生産
様式、宗教を概観した後、イスラム世界やキリスト教世界からの交易・布教の働きかけ、奴隷交易、植民地
化、現地社会からの対抗運動、脱植民地化、資本主義の浸透など、多様なトピックから事例を選びながら
講述する。
BA246
現代文化の動態
人類学系の諸科目や「東南アジア文化論」「南アジア文化特論」「イスラム文化特論」「周縁世界とグロー
バル化」などの理解の上に、東南アジア、オセアニア、南アジア、アフリカのポストコロニアル国家におい
194
て生じている様々な問題について、国家暴力、民族紛争、移民と難民、「民族」と「国民」、開発と貧困、グ
ローバリゼーション、疎外と搾取、AIDS、人身売買など、多様なトピックから事例を選びながら講述する。
BA247
国際関係(日米)
本講義では、第二次世界大戦以降の日米関係を、世界の中の日米関係と捉え、政治外交面を中心に概
観する。増田弘・土山實男編『日米関係のキーワード』(有斐閣)などの基本的文献を手がかりにしながら、
日米関係をより深く理解し、その将来を展望する上において必要な基礎知識や見方を学ぶことを目標と
する。さらに日米関係のみにとどまらず、それを素材にして国際関係全般についても考察しうる力を養う。
BA248
国際関係(日中)
国際関係の中における日中関係という視点で、日中関係を理解させることを目標とする。日中関係は、米
国、台湾、アジア諸国を巻き込んだ複雑な性格を持っている。満州事変等から始まる歴史問題、戦後のL
T貿易・MT貿易、日中国交回復、対外開放政策に伴う日中経済関係、歴史問題・台湾問題によって影
響を受ける日中外交関係、近年の多様化する摩擦などを論じる。いずれも、日本、中国、双方の視点から
事象に分析を加える。
BA249
国際関係(日朝)
北東アジアの安全保障関係は、日米同盟と米韓同盟という 2 つの同盟関係から成立している。これらの
同盟関係の基本的な力学を理解することを目標としながら、朝鮮半島をめぐってどのような相互作用をみ
せているのかを、朝鮮解放から 1970 年代の時期で考える。授業では米国を含む広い視野で日韓、日朝
関係を概観することになるが、朝鮮半島における正統性の問題、戦後日韓関係の起点、日韓国交正常
化の国際政治力学など基本的なものから説明する。
BA250
国際法
国際法の基本的原則・規則を学び、国際的諸問題や国際紛争への国際法のかかわり方を理解すること
を目的とする。国際法の概念、国際法の法的性格、国際法と国内法の関係、条約と慣習法、国家主権、
国際法における空間秩序、人権の国際的保障、経済的国際協力と国際法、平和の維持と国際法、国際
的紛争処理システム、武力紛争と中立法、国際組織と法、などのトピックについて解説していく。具体的な
条約の条文などを参照しつつ国際社会における法の役割ついての理解を深める。
BA251
中国政治・経済論
現代中国の政治・経済の構造と問題点を、立体的に把握することを目標とする。対外開放政策下の中国
は、飛躍的な経済発展を遂げているが、同時に歪みも大きい。経済・産業の構造、中国政府による経済
政策とその歴史、経済発展による問題点、経済を有効に機能させるための政治改革、共産党の一党体
制と民主化の試み、法治と人権など、政治と経済に関する多くのテーマを論じる。党組織、軍・警察など
の統治機能についても触れる。
195
BA252
香港・台湾論
香港、台湾の現状と、国際政治の中における位置付けを理解させることを目標とする。大陸の中国と異な
った政治・経済体制の香港、台湾を分析することによって、中国自体の政治、経済、外交の性格を浮き彫
りにすることも出来る。香港の歴史、香港の経済的役割、香港返還、返還後の中国の対香港政策、台湾
の歴史、外省人と内省人の対立、台湾の民主化、中国との台湾海峡問題などを中心に講義を行う。
BA253
韓国政治・経済論
建国以来の韓国政治の基本的な歩みを理解することを目的とする。歴史的な流れを重視し、アメリカの比
較政治学の理論を交えて韓国政治を構造的に理解することに重点をおきたい。特に統治機構、政党政
治などにおいては比較政治学の枠組みを援用することによりできるだけ分かりやく説明する。韓国の経済
については政治とのかかわりが深いので、この講義では政治史との関連で取上げることとする。
BA254
現代アメリカ政治論
現代アメリカの政治制度、イデオロギー、政治的争点などにかんして基本的な知識を習得することを目標
とする。大統領制、権力とリーダーシップ、議会制度、選挙制度、政策決定システム、2 大政党制、保守・リ
ベラルの 2 大イデオロギー、連邦制、などについて、歴史的な視点を踏まえつつ解説する。そして、それ
らの知識をもとに、現代アメリカ政治が抱える諸問題について、単なる政治評論にとどまらない総合的な
理解を目指す。また、アメリカの特色を浮き彫りにするため、日本の政治との比較も必要に応じて行う。
BA255
国際政治経済 I
政治・経済・技術・戦略などが複雑に絡む国際政治経済学の理解を狙う。最初に現代の国際政治経済の
概論を見てから、二国間の経済紛争の事例として、日米経済紛争の構造を国内政治、議会と行政府との
対立、米国法の特徴とリーガル・ハラスメント、国家戦略など米国側から見た分析をして理解を図る。
BA256
国際政治経済 II
政治・経済・技術・戦略などが複雑に絡む国際政治経済学の理解を狙う。GATTからWTOを中心とした
多国間秩序への道程を講義し、特に知的財産権に焦点を当てて、著作権、特許権などに関する現代の
多国間の経済紛争を考察する。出来るだけ具体的な事例から始めて、抽象的思考を可能にするために、
Debate の手法を取り上げて 2 回ほど実施する予定である。
BA257
アジア国際関係論 I
アジアにおける国際政治の基礎的概念を理解することを目標とする。アジアの国際政治を理解するため
に必要な、アジアに関連する国際政治の基礎的概念、すなわち外交、戦争、植民地、ナショナリズム、帝
国主義、国際主義、核武装の問題などについて説明する。その上で、日本外交、中国外交の特徴、性格
を論じ、戦後東アジア国際関係の現状と全体像を理解させる。また、アジアに大きな影響力を持つアメリ
カ外交の特徴についても触れる。
196
BA258
アジア国際関係論 II
戦後アジアの国際関係の歴史を理解させることを目標とする。第 2 次世界大戦後、ヨーロッパで確立した
戦後冷戦構造が、熱戦という形でアジアに飛び火し、アジアの冷戦構造を形作っていったことを説明する。
その後、朝鮮戦争、ベトナム戦争を経て、90 年代のソ連崩壊、中国脅威論に至る東アジア国際関係を、
中国外交、日本外交を中心に論じる。アセアンの設立など、アジアの国際機構の役割と機能などについ
ても触れる。
BA259
近現代日本研究(政治・外交)A
この授業では、近現代日本と世界、とりわけアジア諸国との関係を取り上げる。日本近代の展開は、アジ
アへの日本の侵略と表裏一体の関係にある。その行き着く先が、アジア・太平洋戦争における日本の敗
戦である。戦後の日本は、そうした負の遺産をアジア諸国との間で清算することから始まったが、それは
大きな問題点を内包するものであった。そこで本講では、主として日本の戦争責任や戦後責任、そして戦
後賠償や個人補償等の問題を検討する。
BA260
近現代日本研究(政治・外交)B
「太平洋戦争への道」を日本近代の歴史のなかでどのように理解するのかという問題に対する代表的な
解釈を提示したうえで、1920-30年代の日本の歩みを、主として体制変動と政治的リーダーシップの観
点から考察してみたい。具体的には「東京裁判史観」、「講座派史観(マルクス主義的歴史観)」、「十五年
戦争論」、「革新派論」、「総力戦体制論」、「自由主義史観」、東京裁判関係ビデオなどを通して「太平洋
戦争への道」に関するさまざまな見方を検討する。
BA261
アメリカ研究(政治・外交)I
アメリカの政治・外交の特質について、歴史、社会、経済、思想、国際関係など、さまざまな角度から論じ、
総合的体系的に理解することを目標とする。特に、歴史的な視点、アメリカにおける国内政治と外交の連
関、国際社会におけるアメリカの位置づけ、などを重視し、個別の事象の表面的な理解にとどまらない、
立体的なアメリカ像の構築を目指す。本講義では、アメリカ政治・外交の成り立ちからその展開過程を中
心に考察する。
BA262
アメリカ研究(政治・外交)II
アメリカの政治・外交の特質について、歴史、社会、経済、思想、国際関係など、さまざまな角度から論じ、
総合的体系的に理解することを目標とする。特に、歴史的な視点、アメリカにおける国内政治と外交の連
関、国際社会におけるアメリカの位置づけ、などを重視し、個別の事象の表面的な理解にとどまらない、
立体的なアメリカ像の構築を目指す。本講義では、「アメリカ研究(政治外交論)Ⅰ」を踏まえ、政治・外交
の変容や現代的意義を中心に考察する。
197
■基盤演習
BA301
基礎演習(国際関係)
新入生を大学での勉強に慣れさせることを目標にして、スタディ・スキル(レポート・小論文の書き方、口頭
発表の仕方、図書館やインターネットを使った文献の探し方など)の教育、スチューデント・スキル(大学
生に求められる一般常識や態度など)の教育を重点的に行うとともに、専攻を構成する複数のディシプリ
ンのひとつについて初歩的な理解を持たせる。
BA302
2年次演習(国際関係)I
1 年次の演習に引き続きスチューデントスキル、スタディスキルを習得させ、専攻を構成する複数のディシ
プリンのひとつについてその基礎を理解し、学生各自が自分の個人的な問題意識を他人にも理解できる
言葉で表現し議論ができるよう訓練するともに、3 年次における専門教育への橋渡しとなるような基礎的知
識や、より高度な専門的知識を教え始め、どの専門分野に進むかを学生が自ら選択できるよう各自の問
題意識を高めていく。
BA303
2年次演習(国際関係)II
「2年次演習(国際関係)I」に引き続き、スチューデントスキル、スタディスキルを習得させ、学生各自が自
分の個人的な問題意識を他人にも理解できる言葉で表現し議論ができるよう訓練するともに、3 年次にお
ける専門教育への橋渡しとなるような基礎的知識や、より高度な専門的知識を教え始め、どの専門分野
に進むかを学生が自ら選択できるよう各自の問題意識を高め、年度末の小論文作成の指導を行う。
■発展演習
BA401
社会調査実習
社会学、経済学、国際関係という各々の専攻領域において社会調査を行うことの意味と何かという理念的
な側面、その専攻領域で採用される調査方法の概要、量的調査法、質的調査法の用い方(調査票の設
計、サンプリング、調査の実施、コード化と集計、結果の解釈、報告書の作成など)などについて学ぶ。自
ら質問紙調査、聞き取り調査などを行うことを学ぶことで、社会調査の方法を卒業論文研究にもちいるた
めの準備とする。
BA402
3年次演習(国際関係)I
卒業論文を作成する前段階として、各自の専門研究を深めることを目的とする。指導教員が専門とする応
用講義の科目を受講して専門分野についての知識を深めると同時に、演習では教員の指導を受けなが
ら、方法論をマスターし、次年度に備えることがこの演習の主要な課題である。クラスによっては共通のテ
ーマを設定して共同作業を行う場合もある。
198
BA403
3年次演習(国際関係)II
卒業論文を作成する前段階として、各自の専門研究を深めることを目的とする。演習では先行研究の調
査を行いつつ研究テーマを絞り込み、プレゼンテーションを通じて相互に議論をし、客観的に自分のテ
ーマを見つめていく作業を行う。卒業論文の練習としてゼミ論文を作成することをこの演習の最終目的と
する。
BA404
4年次演習(国際関係)I
入学以来、3 年次までの演習で習得した発表と討論の力を生かし、卒業論文の構成や準備状況を口頭
で発表する。これらの報告や討論は、テーマに関する専門知識の交換の場となると同時に、自らの卒論
作成準備を客観的に見直し、専門分野への知的好奇心を深化させる機会となる。あわせて卒論の目次
立てを完成することがこの授業の目標となる。論文作成のためのガイドラインを確認し、論文作成準備を
進めていく。
BA405
4年次演習(国際関係)II
「4 年次演習(国際関係)Ⅰ」に引き続き、卒論作成の進捗状況を口頭報告させ、それぞれの研究テーマ
にふさわしい方法論を用いて、より説得力があり、バランスのとれた専門性の高い内容の論文として完成
させるために必要な力を養う。口頭発表、演習履修者全体での討論や意見交換、指導教員のアドバイス
などにより各自が新たに得た学問的発見を論文に反映できるよう、教員は学生の進度に合わせた指導を
行う。卒業論文作成の過程を通し、自分で物事を考え、整理し、主張をしていくという社会人としての基本
的要件も同時に習得させる。
199
経 済 学 専 攻
■入門
BB001
ミクロ経済学入門
経済全体の動きを大きく捉えようとするマクロ経済学に対して、ミクロ経済学は、消費者や企業による消費
や生産という身近な経済活動を出発点として、希少な資源の有効活用という問題に対して市場がどのよう
な働きをしているのかを分析するものである。「ミクロ経済学入門」では、経済学専攻以外の学生も対象と
して、経済学的な考え方に慣れ親しむことから始める。その上で、基本的なミクロ経済学の知識を身に付
け、現実の経済についての理解を深めることができるようにしてゆきたい。
BB002
マクロ経済学入門
日本経済は世界第二位の規模を誇りながら、米国発のマクロショックに絶えず揺さぶられてきた。2007 年
に発生した米国サブプライムローン問題の影響もそのひとつである。そうしたマクロショックは金融システ
ムや景気や雇用を通じて私たちの生活に影響を及ぼす。この授業の主軸は、マクロ経済学の基礎的な
概念と理論を学ぶことであるが、財政政策と金融政策の観点から日本経済が直面する諸問題と課題を理
解することを目指す。
■基盤講義
BB101
初級ミクロ経済学
「初級ミクロ経済学」では、「ミクロ経済学入門」からの発展として、まず、消費者行動における無差別曲線
分析、生産者行動における生産関数や費用関数の分析を詳しく説明し、完全競争市場の特徴を考察す
る。つぎに、環境問題など、価格メカニズムがうまく働かない「市場の失敗」のケースを紹介し、これらの問
題への対応としての市場への(政府)介入の意義と限界を検討する。最後に、現実の経済において多く
見られる不完全競争の分析を概観する。
BB102
初級マクロ経済学
入門編ではマクロ経済学の概念に親しみながら、現実に展開する日本の財政、金融、国際収支などの諸
問題を理解することを目指した。これは専攻を越えてひとりの大人として経済社会で生きて行くための基
礎知識である。次の初級編では、ケインズの一般均衡理論から始まって、少し複雑な理論構築のおもしろ
さを理解することに挑戦する。具体的には、貨幣の需給と利子率、IS-LM 分析と財政金融政策、国際マク
ロ経済分析、経済成長理論などを扱う。
BB103
中級ミクロ経済学
ミクロ経済学の初級程度の知識を持つ学生を対象に、ミクロ経済学理論を数学的にとらえ直し、より多面
的に、より深くミクロ経済学を理解しようとすることを基本的な目的とする。この科目でいう「ミクロ経済学」と
200
は、「マクロ経済学」と双璧をなす「理論経済学」であり、経済学を専攻する学生は必ず知っていなくては
ならない基礎理論のことである。この基礎理論を習得することにより、経済学の方法論に基づいた社会問
題の分析能力を養成する。オーソドックスなミクロ経済学の構成にしたがって講義は展開される。
BB104
中級マクロ経済学
「初級マクロ経済学」を学んだ学生を対象に、中級レベルのマクロ経済学について、以下の順で講義をす
すめる。①初級レベルのマクロ経済学の復習、②国民経済計算の考え方と方法、③GDP の決定理論、
④IS-LM 分析(生産物市場の均衡と IS 曲線、貨幣市場の均衡と LM 曲線)、⑤AD-AS 分析(総需要・総供
給モデル)、⑥経済成長理論、⑦国際マクロ経済、⑧環境経済学、⑨日本経済の分析、⑩経済学の諸問
題。
BB105
公共経済学
経済学の基礎理論に立脚して、経済政策の分野に適用するために必要な経済学の応用理論を習得す
ることを目的とする。経済政策の分野で必要とされる理論の1つに公共経済学があり、これは実際に行わ
れている多様な経済政策の分析を行うにあたって必須の基礎的な経済理論である。 実際の経済問題へ
の適用はこの科目では行われないが、実際の経済問題の適用を考えるときに公共経済学の知識は不可
欠である。この科目では、さまざまな政策の評価を行うための規範的分析について述べる。
BB106
経済政策
これまでに習得した経済学(特にミクロ経済学)の基礎理論、ならびに政策分析の手法として有効な公共
経済学の理論をもとに、それらを現実の経済問題に適用することを目的とする。経済政策の分野で必要と
される理論の1つに公共経済学があり、その理論に基づいて実際の経済問題を分析するが、ここでは最
も身近な問題の1つである、交通問題を取り扱う交通経済学について取り上げる。交通経済学では、交通
問題としていつも議論の対象となる運賃・料金、投資、補助、規制の問題などについて分析が行われる。
BB107
経済学史
経済学は、経済現象を普遍的に説明しようとする時代を超えた側面と、その時々の経済的課題や社会問
題を解決しようとする時代に規定された側面とを併せ持っている。したがって、経済学の歴史を学ぶことに
よって、現代理論がより良く理解できるようになるだけでなく、現代に通じる問題に対する過去の経済学者
たちの取り組みから多くの示唆を得ることが可能である。この観点から、代表的な経済学者を中心に経済
理論の歴史的展開とともに、彼らの問題意識や人間観・社会観も講義することにしたい。
BB108
経済史
現代経済の基盤である市場経済の成立と変容を、世界市場との関連を意識しながら概観する。講義内容
は、1)イギリスを中心にした西ヨーロッパにおける市場経済の成立プロセスを、工業資本と商業資本双方
の役割に焦点を当て解説する。 2)現代経済の原型ともいえるアメリカにおける市場経済の発展を考察す
る。3)開港期から高度成長に至る日本経済の発展を、後発国の市場経済化の問題として、検討する、の
201
3 つの部分に別れる。いずれのケースでも、生産分野での変化が消費者の生活をどのように変化させた
のかという点にも注意してゆく。
BB109
経済数学
経済学を皮相的にではなく、本格的に理解し、その本質を見極めようとするならば、数学の基礎をしっか
りと固めて、ミクロ・マクロ経済学を数学的に理解することが必要である。そのため、この科目では、経済学
を理解するために必要となる基本的な数学の手法を身につけることを目的とする。経済学の分析の面白
さとその論理性を理解するための基礎として、この科目は開講される。本授業のスケジュールに従って数
学的手法を身につければ、たいていの経済学の論文は読みこなせるようになる。
BB110
統計学
近年、統計的分析はあらゆる学問分野で盛んに行われている。この講義では、入門レベルの統計学を、
毎回練習問題を解きながら、分かりやすく解説していく。具体的には、①変数の区別、②度数分布、③中
心傾向の測度、④散らばりの測度、⑤ローレンツ曲線やジニ係数などのその他の測度などを取りあげる。
そして、社会科学分野の統計データを自分自身で分析したり、解読するために必要な基礎的統計学に
ついての知識を習得することが目標となる。
■応用講義
BB201
国際経済学 I
国境を越えるモノ、カネ、ヒト。私たちはいやおうなく進行する市場経済化とグローバル化のただ中にいる。
この授業では、国際金融の基本的な概念、理論、制度を学びながら、戦後の国際金融史上に残る巨大な
マクロ経済ショックの事例を分析し、現代的な経済危機への対策を考える。また、多様化するデリバティブ、
巨大化するファンド、複雑化する証券化商品、会計基準の国際標準化、IMF の役割など、現代の国際金
融を大きく揺さぶるアクターの動向に注目する。
BB202
国際経済学 II
この授業では、国際貿易の基本的な概念、理論、制度を学びながら、各国経済のリンケージの変化
(BRICs 台頭の影響、地域経済圏の生成、WTO の頭越しに進行する FTA)と発生している問題(貿易摩
擦、知的財産権の保護や国内産業保護をめぐる対立、安全性・人権・環境の浸食)を明らかにする。また、
今や事務、医療・介護、軍事分野にまで拡大した民間委託、国際アウトソーシング、外国人労働者の利用
の実態についてもふれる。
BB203
開発経済学 I
開発経済学は、人々の生活や人生に多大な影響を及ぼす貧困や経済格差の問題を扱い、その原因を
一国及び地球規模で分析し、より良い経済発展の方法を探るための学問である。「開発経済学 I」では、
貧困や格差の計測手法と開発理論の発展過程を学ぶ。適宜事例研究をもりこみ、実態の紹介も行う。ま
202
た、ガバナンス(行政機構の規律と能力)の欠落、民主主義と法の支配、ジェンダー(社会的文化的性
別)、環境破壊、紛争といった今日的問題との関連を検討する。
BB204
開発経済学 II
「開発経済学 II」では、現代の発展途上国が直面する国内問題と国際問題に焦点をあて、その問題を論
じる際の理論的枠組み、問題の現状、解決のための政策を、事例を交えながら紹介する。具体的には、
人口問題、人的資本とソーシャルキャピタル、失業及び不完全就業、農業及び農村発展、産業育成、環
境問題、国際金融体制、国際協力のあり方などを扱う。
BB205
計量経済学 I
社会科学のための統計解析ソフトウェア「TSP」を用いて、統計分析を実践する方法を講義する。中心的
傾向の測度、散らばりの測度から出発し、確率変数と確率分布、平均や比率などの推定とその検定、さま
ざまな種類の相関係数とその検定、回帰分析まで取り上げる。卒業論文の作成に役立つよう、毎回さまざ
まなデータを使用した分析を行う。なお、統計学、コンピュータを全く知らないものとして講義を始める。毎
回、情報処理教室で講義を行う。
BB206
計量経済学 II
「計量経済学Ⅰ」に引きつづき、社会科学のための統計解析ソフトウェア「TSP」を用いて、回帰分析のより
詳細な解説とともに、主成分分析の理論と応用など、統計分析を実践する方法を講義する。卒業論文作
成に役立つよう、毎回さまざまなデータを使用した分析(非線形式の回帰分析、重回帰分析、パネルデー
タの分析、産業連関分析など)を行い、最後に多変量解析のまとめをする。
BB207
金融論
この授業では、(1)政府の役割と財政政策、通貨と日本銀行の金融政策など、金融の基礎から出発して、
金融システム、金融機関行動と金融政策、市場メカニズムと金利形成、国際金融取引まで幅広く応用分
野をカバーして、金融を理解する前提となる理論的なフレームワークを提供するとともに、(2)現代の金融
問題の中で、金融システム安定に向けたプルーデンス政策、金融システムにおけるイノベーションについ
て、実践的な検討を行うことを目指している。
BB208
財政学
財政学は、租税や公債などによる財源調達(どのような方法で、何を基準に、何の名目で)をもとに、国民
生活をささえる多岐にわたる政府の経済活動と、そのためにそれらをどのように効果的に用いるかについ
てを考察する学問である。講義では、公共投資や社会保障などの政府支出の経済的役割とその効果、
租税を中心とする資金調達のあり方、さらには地方財政や国と地方の財政関係の役割などについて経済
学をベースとした財政の分析を試みる。
203
BB209
環境経済学
環境問題をミクロ経済学の枠組みにあてはめることにより、その問題の所在を理解し、解決法について考
えることを目的とする。環境問題が市場の失敗の結果、生じるものであることを理解し、社会的余剰の最
大化を達成するためには環境問題を市場の中に内部化する必要性があることを示す。そのための政策
的手法として、規制的手法、経済的手法についてそれぞれ学ぶ。また具体的に都市型の大気汚染の問
題と地球環境問題について論じ、この問題に対して内外で実際に導入されている諸政策について学ぶ。
BB210
産業組織論
産業組織論は反独占政策の基礎理論として発展した応用ミクロ経済学の一分野であり、市場構造と市場
成果の関連をめぐって、ハーヴァード学派とシカゴ学派のあいだで激しい論争が繰り広げられてきた。こ
の講義では、第3の潮流として 1970 年代に一躍主流派に躍り出た、ゲーム理論の成果を取り入れた新し
い産業組織論(New Industrial Organization Theory)の基本事項を学び、企業の戦略的参入阻止ゲーム
を考察する。さらに、コンテスタブル市場の理論を概観し、インターネット経済について考えたい。
BB211
情報経済学
伝統的なミクロ経済学は完全情報を前提としていた。しかし実際、経済に関する情報は偏在しており、不
完全な情報に基づいて行動せざるをえない場合が多く見られる。財の品質、経済主体の行動・能力・選
好等に関するさまざまな情報の保有量が経済主体間で異なることを情報の非対称性と呼ぶが、「情報経
済学」では、この情報の非対称性が経済に及ぼす影響(例えばモラル・ハザードや逆選択といった資源
配分上の問題が起こること)を明らかにし、その対策を検討する。
BB212
都市・地域経済学
都市の空間的経済構造に対してミクロ経済学の分析手法を用いて理解することを目的とする。まず、都市
の成立、発展の諸要因について知識を深め、経済活動の立地と土地利用に関する理論を学ぶ。さらに、
現代社会が抱える土地問題、住宅問題、都市交通問題などの個別のテーマについて知識を深め、この
諸問題に対する政府の役割について考える。必要に応じて地域分権化の流れを受けたまちづくりの現状
や都市の設計等、日本の地域や都市の現状についても具体的に言及する。
BB213
労働経済学
この講義は、「働くこと」とは何かに焦点を当て、その諸側面を家計・企業・一国の経済現象の中で包括的
に捉えることを目的とする。基本的な理論枠組みを理解し検証するためには、それにふさわしい新しい資
料や統計手法が求められる。そのため講義ではできるだけ、現実の社会に見られる労働の具体的な諸現
象を題材にして、新しい資料や統計手法の紹介も含めて労働経済学のトピックスを取り上げていく。特に
女性労働に焦点をあて、女性が労働者として直面する現状と課題を理論と実証研究の両面から講義す
る。
204
BB214
ゲームの理論
ゲーム理論は、集団において、何らかのルールに従って行動する複数の主体の意思決定が戦略的に相
互に影響を及ぼし合う状況を分析する。この主体間の相互依存関係を取り扱うゲーム理論は、経済学に
とどまらず、経営学、政治学、社会学、さらに生物学等、広範な分野で有効な分析道具となっている。とり
わけ、不完全競争市場における企業等の戦略的行動を分析するミクロ経済学の習得には必須であろう。
この授業では、身近な経済の例を用いて、わかり易く解説する。
BB215
ジェンダーの経済学
この授業では、主流派経済学が構築した理論やそれに基づいて構築された諸制度に関して、ジェンダー
視点から分析するための方法を学んでいく。まずフェミニスト経済学の分析視角や理論展開を学び、その
理論を実証分析に活用する方法を検討する。具体的には、ジェンダー分析を国家予算の分析に応用す
る方法として、世界 60 カ国以上の国で実施されているジェンダー視点に立った予算分析(gender budget
analysis)を取り上げる。
BB216
現代経済論
現代日本を取り巻く経済問題はより一層複雑になってきている。こうした経済問題に対する処方箋として
提案される主張は百家争鳴の感があり、正反対の主張がなされることもある。本授業においては、これら
のさまざまに提案される主張を整理するために、経済学の考え方を活用し、経済学の観点からそれらの
主張の本質を明らかにすることを目標としている。本授業を履修することによって、一見複雑に見える多く
の提案の内容を解きほぐす能力を身につけることを目指す。
BB217
日本経済史
この講義では、近世から近代の日本を対象に、経済成長とその源泉、成長のプロセスと帰結を、比較史
的に検討する。日本経済の成長プロセスを追うことによって、経済発展論の基本概念を学ぶとともに、そ
れらの概念を比較史の文脈で理解することがこの講義の目標である。具体的には、国際経済の枠組みの
中での先進経済とのかかわり、政府の果たした役割、在来産業と近代産業および都市と農村との関連、
資本・労働・スキルの変化などを検討する。
BB218
国際経済史
この講義では、工業化以降のイギリス経済を中心に国際経済史を検討する。従来の一国経済を中心とし
た経済史の見方・考え方を、広く、国際経済史、比較経済史の観点から理解することを目標にしている。
イギリス産業革命を世界市場との関連で捉え直し、その世界経済への影響を考察するとともに、自由貿易
帝国主義に代表される経済的ナショナリズムと日本を含む後発国の工業化の問題、自由貿易と保護主義
の対立などを取り上げる。
BB219
経営史
近年企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)論が活発に展開されているが、この講義では、
19 世紀後半から 20 世紀にかけての創業者企業家の社会活動と、「所有と経営の分離」以降の大企業に
205
おける CSR の捉え方を比較検討することにしたい。 まず、イギリス、フランス、ドイツと先進経済における
CSR の原初的形態を観察し、つぎに、アメリカ、日本における現代の CSR を概観する。さらに、CSR の主
張の背景にあるビジネスとモラルの関係についても、歴史的に検討する。
BB220
経営学概論 I
この授業は、「経営学とは何か」を理解することを目的としている。まず、経営学の研究対象や学問領域に
おける位置づけについて概説し、企業の特徴や株式会社の仕組みなどについて学ぶ。その後、様々な
経営学の理論について、古典理論、新古典理論、近代理論、さらには、今日的経営課題に対応する理
論など、歴史的変遷を概観し、個々の理論の特徴およびその後の研究成果への影響について検討す
る。
BB221
経営学概論 II
「経営学概論 I」で取り上げた様々な経営理論を基礎にして発展してきた経営学の研究領域のうち、経営
組織論、経営戦略論、人的資源管理論、リーダーシップ論、マーケティング論、日本的経営論、企業と社
会を取り上げ、それぞれの個別の理論を概説する。また、M&A の活発化や CSR(企業の社会的責任)、
企業倫理、企業統治の重視のような企業を取り巻く経営環境の変化に伴う企業の新しい行動についても
学ぶ。
BB222
簿記論
この科目でいう簿記とは複式簿記をいう。複式簿記とは企業の経営活動を貨幣という共通尺度を用いて、
記録、計算、作表する世界共通の技術体系である。会計学関係のみならず経営学関係の科目を学ぶ際
の基礎となる科目である。具体的には複式簿記原理の理解、勘定科目ごとの仕訳処理、帳簿の種類と記
帳の理解、決算時の仕訳処理、試算表や精算表の作成、損益計算書や貸借対照表の作成等を学習す
る。企業形態としては個人商店を前提とし、複式簿記の基礎的理解と技術を修得することを目標とする。
BB223
会計学概論
この科目では、株式会社における会計の基礎を学ぶ。株式会社の資金は外部の投資家や債権者から調
達される。株式会社の経営に責任を持つ経営者は、調達された資金の運用に責任を負うとともに、定期
的に外部に財政状態と経営成績等を報告しなければならない。この科目を通して、株式会社における会
計の社会制度的仕組み、外部に報告される貸借対照表や損益計算書等の財務諸表の読み方と分析、
企業経営のために利用される会計技術、会計監査と公認会計士の役割等について学習する。
BB224
マーケティング I
マーケティングは、定義の進化と広い研究領域を持ち、経営での実践を併せ持つ、ダイナミックな学問で
ある。近代マーケティングの構成は、マーケティング・マネージメントをコアに、マーケティング戦略、マー
ケティング・リサーチ、消費者行動論、プロダクト・マネージメント、広告論、流通論と、新しい展望領域(サ
ービス、エコロジー等)に大別できる。本講では、近代マーケティング全体構成を把握し、マーケティング
206
の中核であるマーケティング・マネージメント、マーケティング戦略、プロダクト・マネージメントの理論習得
を目指す。
BB225
マーケティング II
マーケティングは、周辺の学際領域を取り込みながら、広い研究領域を持つ学問であると共に、実経営の
現場でも実践され、企業経営の一翼を担うものでもある。本講では、「マーケティングⅠ」で学んだ中核知
識を基に、発展理解として消費者行動論、マーケティング・リサーチ、新領域としてサービス・マーケティン
グについての理解を深める。更に、マーケティングの実際を理解するため、ケーススタディを行い、テーマ
に則した最適なマーケティングとは何かを考察し、実務適用性のある理論習得を目指す。
BB226
保険論
私たちの生活は、交通事故、火災、地震、疾病、老齢化など様々なリスクにさらされている。これらのリスク
から私たちを守るために、保険は必要不可欠な存在である。この授業では、保険の意義と役割について、
リスクマネジメントと保険、私保険と社会保険、保険料のしくみといった基礎から解説し、火災保険・自動
車保険・第三分野の保険(医療・傷害・介護)・生命保険(年金を含む)の意義と役割を考察し、最近の保
険業の動向と問題点を検討する。
BB227
証券論
「貯蓄から投資へ」の流れの中で、証券市場を取り巻く環境は大きく変わってきている。この授業では、証
券市場が私たちの生活・ライフプランにどのように係わっているのかを具体的に見てゆくことにしたい。ま
ず、金融・証券の基礎知識を解説し、証券市場の役割とその歴史的変遷を概観する。ついで、証券関連
規制の緩和が証券会社に及ぼした影響や、個人投資家の増大が証券市場に及ぼした影響など、最近の
変化を踏まえた上で、証券投資の心構え、資産運用について学習する。
BB228
中小企業論
メディアは大企業に注目を集めがちだが、優れた中小企業も決して少なくない。とくに、商品企画や消費
文化の開発において、創造的な中小企業が数多く観察される。この講義では、そのような創造的日本企
業(主に中小企業だが理解のため大企業との比較検討を含む)について、商学・経営学の予備知識から
じっくり考察を加え、実務に携わる企業人(経営者・実務家)を招いて実体験を伺う機会も設けながら、受
講者の社会的活動の現場で活用可能な教養を深めることを目標とする。
BB229
経済法
この授業では、経済法の中でも、国際社会における国家や企業の経済活動から生じる利益調整問題を
包括的に取り扱う国際経済法を主に論じる。競争法、金融法、租税法等、広範な主題に関わる国家法と
国際法、私法と公法、実体法と手続法等につき法学初級者向けに基礎知識を説明する。個別のトピック
スとしては、近年問題になってきている、国境を越える労働者を取り扱う国際労働法、知的財産権重視政
策の基盤である国際知的財産法、国際的な環境対策のための国際環境法などを取り上げる。
207
BB230
企業法
この授業では、商法の重要分野について、ひととおりの知識を体系的に習得することを目標にする。単に
「法律がどうなっているか」だけではなく、「なぜそうなっているか」という点を理解できるようにしたい。もっと
も、企業に関わる法は幅広く存在し、その全てを網羅的に学習することは不可能である。そのためこの授
業では、特に重要と思われる分野、会社の運営に関する法(会社法)および証券市場に関する法(証券
取引法)を中心に取り上げる。
BB231
労働法
この授業では、まず、国民の 8 割以上を占める雇用者に関する法制度である労働法の歴史と基本的仕組
みを概説し、労働者の権利と義務といった労働法の基本的な考え方を明らかにする。その上で、労働契
約、賃金、人事異動、労働時間、ハラスメント、解雇、団体交渉など、労働のあらゆる場面に対応する法知
識の習得を目指す。また、女性と雇用社会に関する課題や近年大きな問題になっている非正規労働の
問題を重視する。学生にとっても、アルバイトを通じて身近な問題である労働の問題を法律的に考えるこ
とができるようになることを目指す。
BB232
日本経済総論
戦後日本経済の歩みと今日の日本経済の課題について、財政政策、金融政策、競争政策などの経済政
策が果たしてきた役割について考える。講義では、新聞、雑誌、白書などを使用しながら、日本経済の現
実の動向や論点を紹介しつつ、経済学の基礎的な知識がこうしたイシューを理解する上で有益なツール
になりうることを解説する。また、今日の日本経済の抱える問題を論じている海外の新聞記事(英語)をい
くつか紹介し、日本経済のこれからのあり方が我が国のみならず近隣諸国にとっても重要な関心事となっ
ていることを学ぶ。
BB233
日本地域経済論
現在、WTO 体制下における農産物の貿易自由化や担い手選別を図る農業政策を背景に、地域社会の
基幹産業である農業をめぐる環境は厳しい。そのうえ、若者の人口減少や担い手不足によって、地域社
会では「過疎」問題が深刻化している。こうして地域社会では、地域資源を有効に活用した地域振興や地
域活性化に取り組んでいる。この授業では、様々な具体的な事例をあげ、「都市と農山村」「中央と地方」
の歪んだ構造を把握し、地域社会をとりまく諸問題を理解する。
BB234
アメリカ経済論
この授業では、1980 年代以降の経済政策を中心に戦後のアメリカにおける経済政策を講述する。アメリカ
の経済政策は、主流派が需要サイド重視の経済学から供給サイド重視の経済学へと移行したマクロ経済
学の影響を強く受けている。そのため、講義ではマクロ経済学の考え方を説明しながら、現実の経済政策
を考えてゆく。具体的なトピックは、ニューエコノミクスとケネディ・ジョンソン期の経済政策、サプライサイド
経済学とレーガノミクス、労働生産性の上昇とニューエコノミーなどである。また、経済政策には大統領制
や連邦制というアメリカ独自の制度が色濃く反映されており、その点についても説明する。
208
BB235
EU経済論
欧州連合(EU)の成立とユーロの導入は、欧州の人々が 50 年越しの努力をした成果である。この講義では、
まず、その背景を理解するために、成立の歴史的過程を辿り、EU憲法条約を解説する。つぎに、EU 経
済を理解するために、欧州の為替制度の変遷とユーロの導入、その経済効果、および経済の収斂と最適
通貨論、安定成長協定を概観することにしたい。最後に、EU の拡大にともなう今後の課題を展望するとと
もに、その他の地域における経済ブロック化の動向との関連を検討する。
BB236
アジア経済論
東南アジア諸国における経済と社会の変容を、植民地化、独立、国家統合、経済開発、政治体制、社会
開発、地方分権、民主化、ガバナンスなどのテーマを通じて学ぶ。そのさい、東南アジアを第三世界やア
ジア全体との関連で、また、「開発過程」というものを政治と経済と社会が一体となったシステムとして分析
する。さらに、開発経済学や比較政治学の基礎的概念も習得するようにつとめる。
BB237
中国経済論
中国の経済発展過程を歴史、成長と構造変化、開発戦略といった多様な角度から叙述し、計画経済から
市場経済への移行過程にある現代中国経済の直面する課題と今後とを平易に解説する。また、中国の
経済に関する新聞や雑誌の報道を理解する基礎的な能力をつけることも目標とする。中国経済に関する
新聞・雑誌記事を題材にしながら、中国に関する知識をつけ、経済問題に対する見方を養う。
BB238
国際地域経済論
中国とインドの台頭によってアジア経済に対する注目度はますます上昇しているが、世界経済のアクター
はアジアだけではない。この授業では、豊かな資源に恵まれながら紛争や感染症や環境破壊の影響でこ
の 10 年で貧困層の数が 1 億人増加したといわれるアフリカ地域や次々に左翼政権が誕生し米国の影響
下からの脱却をはかろうとするラテンアメリカ地域などを取り上げ、これら地域の歴史的背景、実体経済と
金融に対する大国・国際機関・多国籍企業の関与、経済の現況、経済政策の方向性、そして世界経済へ
のインパクトなどを論じる。
■基盤演習
BB301
基礎演習(経済学)
これから経済学を学ぼうとするにあたって、そもそも経済がどのような仕組みで機能しているのかを知らな
ければ学習は意味をなさない。この科目では、経済の仕組みをまず理解し、どこに問題があり、それをど
のように取り扱っていくのかについて関心を高め、社会問題について経済学の立場から取り組む姿勢を
確立することにする。またそれと同時に、これから経済学を学ぶための学術的な技法も習得することにも
重点を置く。具体的には、レポートの書き方や議論の仕方について学習する。
209
BB302
2年次演習(経済学)
「2年次演習(経済学)」は、英文テキストの読解を通じて、1年次に学んだ経済学の基本に対する理解を
深めることを目標としている。英文テキストをじっくり読むことによって、専門用語の定義をしっかり習得す
ることができるだけでなく、論理的な思考方法と経済学的な考え方を身につけることができるだろう。この
理論的な基礎にたって、3年次からの応用演習への導入として、経済の各分野における理論と現実との
対応関係を自分自身で考えることができるようにそれぞれの演習でのテーマが設定されている。
■発展演習
BB401
社会調査実習
社会学、経済学、国際関係という各々の専攻領域において社会調査を行うことの意味と何かという理念的
な側面、その専攻領域で採用される調査方法の概要、量的調査法、質的調査法の用い方(調査票の設
計、サンプリング、調査の実施、コード化と集計、結果の解釈、報告書の作成など)などについて学ぶ。自
ら質問紙調査、聞き取り調査などを行うことを学ぶことで、社会調査の方法を卒業論文研究にもちいるた
めの準備とする。
BB402
3年次演習(経済学)
「3年次演習(経済学)」は、1・2年次の基礎演習で獲得した理論をそれぞれの経済学分野に応用し、現
実経済の動きを自分自身で分析できるようにする。公共経済学、環境経済学や開発経済学などの分野に
よる区分、中国やアジア、あるいはヨーロッパやアメリカなど対象国・地域による区分、計量的アプローチ
や理論的アプローチあるいは歴史的アプローチとアプローチごとによる区分の3種類を組み合わせて、学
生は自らの関心にしたがって演習を選択することができる。
BB403
4年次演習(経済学)
「4年次演習(経済学)」では、各分野の知識を深化させ、各自がテーマを絞ってより専門的な学習を行う
とともに、相互の議論を通じて、主体的に研究を進展させる能力を養う。卒業論文の作成とも連動させな
がら、先行研究のリサーチ、必要な資料・文献やデータの収集と整理、論文の構成の立て方など、論理
的・客観的な学術論文を執筆できるようにする。
210
社 会 学 専 攻
■入門
BC001 社会学概論 I
「社会学概論 I」では、人と人との関係から生み出されるさまざまな一般的テーマ(行為、集団、社会プロセ
ス、「個人と社会」など)を取り上げることで、多種多様なものごとを社会学の観点から見ていくために必要
となる手続きの輪郭を示す。次のような項目で講義は進行する。イントロダクション、社会学の見取り図、
社会のモデル化、「社会と個人」という問題設定、社会から個人へ(社会的事実)、個人から社会へ(行為
の意図せざる結果)、役割、支配と服従、予言の自己成就、自我とコミュニケーション、集団と組織、都市
と人間生活。
BC002 社会学概論 II
「社会学概論 II」では、われわれが暮らす「社会」は社会学のまなざしのもとでどのように記述されてきたの
か、また、それによってどういうことが発見されてきたのかを紹介しつつ、いまここにある「社会」とかかわり
あって暮らす自分自身の存在について考えるためのツールを提供する。講義の項目は次の通り。近代社
会とリスク、社会的性格、消費社会における欲望と差異化、自己のテクノロジー、メディアと社会変動、マ
ス・メディアと世論形成、家族の社会学、近代家族論、近代家族とジェンダー、学校化される社会、文化
的再生産、世界社会論。
■基盤講義
BC101 社会学史 I
社会学の抽象的・思弁的に見える理論がいかに具体的な社会状況と関連しているのかという点に着目し、
社会学という学問の輪郭を把握する。社会学の黎明期から 20 世紀初頭までの社会学の歴史を、労働、
社会分化、宗教、都市などのキーワードから複合的に把握する。社会学的発送の成立からはじめ、社会
学の洗練に向けた一般社会学への志向、社会学の対象と方法の確定、理念型、分業と行為、宗教と社
会統合、形式社会学といったトピックを概観し、その上で都市問題と社会学という観点から総括を行う。
BC102 社会学史 II
社会学はどういう問題に答えようとしてきたのか、社会学の理論がいかに具体的な社会状況と関連してい
るのかを見ることを通じ、社会学という学問の輪郭を把握する。1930 年代前後から現在までの社会学の歴
史を、同時代史との関係という観点から整理する。フランクフルト学派と批判理論、タルコット・パーソンズ、
西欧社会学の危機と再生、構造主義とその影響、社会理論とコミュニケーション論、社会秩序と日常生活、
グローバル化と世界社会という順序で社会学史の流れを整理する。
211
BC103 社会調査法A
社会学の特徴は、社会に対する研究者の価値関心、社会を説明する理論、社会を把握する調査方法の
三者が密接に関係している点にある。この講義では、社会学の古典的なモノグラフィをいくつか紹介しな
がら、そうした関係について理解を深めることを目的とする。社会学と社会調査の関係について、学説史
的に概説した後、計量的社会調査と非計量的社会調査、フィールドワークの可能性と限界、調査者と被
調査者の関係、個人の歴史と社会の歴史を重ね合わすこと、価値関心に導かれた社会調査、政策形成
に貢献する社会調査などについて概説する。
■応用講義
BC201 社会調査法B
社会学的社会調査の方法のうち、調査票を用い、サンプリングを施した計量的社会調査の方法と実施上
の諸問題について解説する。実際の調査の構想、設計、実施、分析までの一連のプロセスにそって学ん
でいくことを通して、受講者が卒論などで自ら計量的社会調査を実施できるようになることをめざす。調査
の構想と調査票の作成、サンプリングと調査実施の手順、調査実施の諸方法と諸問題、コーディングとデ
ータクリーニング、集計結果の解析の基礎などを概説したあと、計量的社会調査の代表的先行研究を読
むことで総括を行う。
BC202 社会調査法C
この講義の目標は、質的調査法の基本的理解を得ることである。調査法は、問いを立てて解答を導き出
すという研究行為の総体の中に位置づけて見る必要があるため、問題設定と調査法の関係を整理して質
的調査法を位置づけたうえで、研究課題とデータの性質の関係、必要とするデータと収集法の関係、分
析目的と分析方法の関係、社会的行為としての調査の社会的意義(倫理的側面)という順に概説する。そ
の際、質的調査法の具体的な使用法を検討できるよう研究事例を示し、各自の問題意識に照らしてどん
な研究が可能かを構想する。
BC203 比較社会学A
深刻な経済格差や社会的差別、環境問題など、グローバル化する現代世界を特徴付けるいくつかの問
題現象を考察することから、比較社会学の視点を総論的に概説する、まず第一に、途上国、先進国など
いくつかの社会をとりあげ、その実態を比較考察することにより比較の眼を養う。その上で第二に、開発理
論、社会構造論、システム論、歴史的視点など、比較社会に関する諸理論を概観する。そして第三に、世
界社会とそのなかでの世界の諸地域について、貧困、開発、環境、平和、ジェンダーなどの問題を考察
する。
BC204 比較社会学B
アジア諸地域、アフリカ、中南米などの途上国、アメリカやヨーロッパなどの先進諸国から具体的な地域を
とりあげ、その地域における深刻な経済格差や社会的差別、環境問題など、グローバル化する現代世界
を特徴付けるいくつかの問題現象を考察することから、比較社会学の視点を各論的に概説する。先進国
212
と開発途上国の格差、さらには先進諸国内での格差、地球的規模での環境問題、文化摩擦や民族紛争
の問題、冷戦構造の崩壊と資本主義の世界化の問題等々具体的な問題を採り上げ、比較社会の方法を
用いて、特定地域にについて考察を行う。
BC205 国際社会学A
現代社会の社会変動により、先進国と開発途上国の格差、先進諸国内での格差、地球的規模での環境
問題、文化摩擦や民族紛争の問題、冷戦構造の崩壊と資本主義の世界化の問題などが生じている。こう
した問題状況をとらえる視点として、国民国家を超えた社会のありようを考察する国際社会学について総
論的に説明する。国民社会、国民国家、ナショナリズム、世界システム、サブ・ナショナルな単位と関わる
エスニシティ、地域主義などの論点をめぐり、自明性としての国民国家の相対化、新しい分析ユニットの
登場について論じる。
BC206 国際社会学B
現代社会の重要な徴候としてのグローバル化について、様々な領域で進行する世界的な統合と再編成
を検討しながら考えて行く。労働力、企業組織、コミュニケーション、消費、都市などのグローバル化につ
いて例解しながら、国民社会、国民国家、ナショナリズム、世界システム、サブ・ナショナルな単位と関わる
エスニシティ、地域主義などの現況を考察する。そして先進国と開発途上国の格差、さらには先進諸国内
での格差、地球的規模での環境問題、文化摩擦や民族紛争の問題、冷戦構造の崩壊と資本主義の世
界化の問題等々を検討してゆく。
BC207 労働社会学 I
構造転換の過程にある現代社会の企業と労働について社会学的視点から考察を行う。「労働社会学Ⅰ」
では、とりわけ、人事労務管理と労使関係について詳しく検討する。まずイントロダクションとして労働社会
学の概要について説明する。その上で、労働社会学の理論と方法を用いて、次のような順序で講義をす
すめてゆく。 企業社会の構造と動態 、現代企業の人事労務管理 、4 現代企業の労使関係 、現代社
会における企業と労働の諸問題。最後に「労働社会学Ⅱ」で扱う論点との関連などにも触れながら、総括
を行う。
BC208 労働社会学 II
構造転換の過程にある現代社会の企業と労働について考察する。「労働社会学Ⅱ」では、特に、職場に
おける人間関係開発とキャリア開発について検討する。「労働社会学Ⅰ」の内容を要約的に概括した上
で、次のような順序で講義は進行する。1 企業と人間関係、2 職場の人間関係開発、3 職場の人間関係
開発の援助、4 職業能力開発とキャリア設計、5 職業能力開発とキャリア設計の援助 、6 産業における
精神保健、7 労働生活の質と、労働の人間化。
BC209 経営社会学A
現代の企業経営について、社会学的視点から考えていくことによって、産業や経営への理解を深めること
を目標とする。イントロダクションとして経営社会学の概要について説明したあと、まず株式会社について
213
社会学的考察することについて解説する。その上で経営社会学の理論と方法をもちいて、企業集団の諸
形態、企業経営の組織構造、経営管理と経営者、経営戦略と経営計画、企業と社会などについて概説し
てゆく。最後に「経営社会学B」で扱う論点との関連などにも触れながら、総括を行う。
BC210 経営社会学B
現代の企業経営について、社会学的視点から考えていくことによって、産業や経営への理解を深めること
を目標とする。「経営社会学A」の内容を要約的に概括した上で、イントロダクションとして経営社会学の
概要について説明する。その上で、経営社会学の理論と方法をもちいて、次のような順序で講義をすす
めてゆく。生産技術と生産管理、人的資源の管理と開発、市場とマーケティング、資本の調達と運用、現
代日本企業の特徴と動向、企業と社会・再論。
BC211 家族社会学 I
変動期の現代家族をめぐる諸テーマについて、学際的アプローチを手がかりに、今日の多様な「家族」の
ありかたを見つめ、グローバル化時代の個人と家族のネットワークについて、柔軟な知的想像力を培って
いく。 まず、身近な家族の「当たり前」を相対化する。そして現代日本の家族をめぐる問題を法・制度や
企業社会との関連から学ぶ。さらに、社会学的視点や女性学の視点から、集団としての家族の変化や個
人のライフコースと家族、ネットワークとしての家族について再考し、近代家族からポスト近代家族への道
筋を探っていく。
BC212 家族社会学 II
少子・高齢化時代の家族や地域、女性の社会進出のリアリティを見すえ、男女の仕事と家族生活の両立
問題を軸に、現代家族とジェンダーをめぐる課題を多面的に考察していく。多様化する女性や家族のあり
方に対応した社会政策やジェンダー秩序改革の方向についても、国際比較研究等に学びながら、検討
する。まずジェンダー・アプローチの意義を確認する。そして、女性の社会進出と家族、仕事と家族生活
両立の課題、少子・高齢化と家族をめぐる問題について検討する。さらに、DV、児童虐待などの家族関
係をめぐる病理克服の道をさぐる。
BC213 都市社会学
変わりゆく都市社会と都市環境。少子化時代の家族や地域のリアリティをふまえ、子育て問題を切り口と
して、都市社会学とジェンダーの社会学の視点から、多様な市民にとってやさしい都市環境づくりについ
て考えていく。まず、「少子化とはどんな問題なのか」について共通に理解した上で、都市環境における
子育て困難の中身を、社会学的都市調査の結果から学んでいく。そして、都市環境における子育ての困
難を克服するための政策や、市民活動の意義についての展望を拓いていきたい。
BC214 地域社会学
現代日本の地域社会(都市と村落の両方を含む)における社会現象と、その社会的背景を分析するのに、
どのような社会学的視点が有効であるのかを考察する。グローバル社会の結節点としての地域をめぐる諸
問題、地域の生活世界と危機管理など、現代の変わりゆく地域の諸相について学んでいく。「地域とは何
214
か」という問いに始まり、地域をめぐる諸問題―情報、コミュニティ形成、生活文化、伝統と現代、地域計
画とまちづくり、地域の安全性など地域社会学のテーマを学ぶ。
BC215 福祉社会学A
社会問題や生活問題が生起する社会経済的背景やこれらへの社会的対応である社会保障や社会福祉
政策を社会学的に論じる。この授業では、これらをジェンダーアプローチによってみていく。総論的な議
論として、福祉社会学の成立、福祉社会学の展開、福祉社会学とジェンダーという問題を講述する。その
上で、各論的な問題、すなわち社会福祉政策と制度、家族・労働、児童福祉、母子・父子福祉、高齢者
福祉、障害者(児)福祉、社会福祉のヒューマン・パワー、セクシュアリティ・人権などについて講述し、最
後に福祉社会学の課題を提示する。
BC216 福祉社会学B
急速に進む日本の少子高齢社会について理解し、今後の課題について論ずる。個人レベルの加齢が家
族、企業などの集団に与える影響、地域社会や社会政策の課題などについて学ぶ。まず福祉社会学の
概要を説明したあとで、少子化と高齢化、エイジングの社会学、職業からの引退と社会参加、高齢者と経
済生活、高齢者と家族、高齢者の社会的地位、高齢者を支える資源、高齢者の QOL を求めて、高齢者
のライフコース、世代間交流、統合ケアなどの問題を考察してゆく。
BC217 福祉社会学C
社会福祉の概念、福祉の発展の歴史、欧米オセアニアをはじめとする世界各国における福祉の現状と福
祉社会の課題、グローバルな視点から捉える福祉、などの知識を広げ、理解を深める。国際比較の視点
にたって、福祉社会の概念、福祉の変遷などについて概観する総論的な講述をまず行う。その上で、世
界各国の福祉社会の現状について、日本の都市や農村の現況とも比較しながら事例を紹介する。その
上で、現代社会における福祉社会の課題は何か、福祉社会の目指すものは何か、福祉社会と市民参加
の問題はどうあるべきかなどを考察してゆく。
BC218 医療社会学A
現代社会においては、人間が生まれ、成長し、そのなかで病気にかかったり、障害をもったり、妊娠・出産、
不妊、避妊や中絶、あるいは性転換などを経験したり、やがて年をとったり、といったことが、医療との関わ
りで問題にされるに至っている。そして、well-being としての福祉実現のための医療の概念や制度をめぐり
議論がなされてきている。「医療社会学A」は、こうした議論を整理しつつ、具体的な問題を設定し、病気
になること、障がいを持つこと、医療を受けることなどの意味について総論的に考察する。
BC219 医療社会学B
現代社会においては、人間が生まれ、成長し、そのなかで病気にかかったり、障害をもったり、妊娠・出産、
不妊、避妊や中絶、あるいは性転換などを経験したり、やがて年をとったり、といったことが、医療との関わ
りで問題にされている。そして、well-being としての福祉実現のための医療の概念や制度化をめぐり議論
がなされてきている。「医療社会学 B」は、医療化をめぐる諸問題のなかから具体的な問題を設定しつつ、
215
病気になること、障がいを持つこと、医療を受けることなどの現況について、実例を交えつつ、各論的に
考察を行う。
BC220 文化社会学A
人と人との関わり合いとしての社会にまとまり、つながり、おさまりを与える規範としての文化という社会学
的な文化の定義を基本にしながらも、そうした文化の定義を生み出す社会観、そうした社会観が生み出
すさまざまな幸福/不幸の現状を検討することなどを通じ、現代社会の文化について批判的に考察する。
とりわけ、現代社会のさまざまなディバイドに着目しつつ、マイナリティの文化について現況を説明し、バリ
アフリーな社会のあり方について総論的に考察する。
BC221 文化社会学B
現代社会の社会問題から事例をいくつか採り上げ、そこで生じている幸福/不幸の現状を社会学的に考
察する。とりわけ、現代社会のさまざまなディバイドに着目しつつ、マイナリティの文化について現況を説
明し、バリアフリーな社会のあり方について各論的に考察する。そうした事例的な考察を踏まえながら、現
代文化はどのような問題を抱えているか、それをとらえる視点はどのようなものであるべきか、といったこと
について具体的に考察をくわえてゆく。
BC222 社会意識論
戦後日本社会の歴史を基本文脈とし、社会心理・文化・メディアをめぐるトピック(いじめ、友人関係、少年
犯罪、ニート、SNS 等々と関わることがら)について事例的、理論的に考察する。そこから日本社会におけ
る価値意識(幸福感、イデオロギーなど)について考えてゆく。主題は次の通り。「よい子」であること 、「世
界で一つだけの花」をみつけること、「やりたいことをやる」こと、「自分を見つける」こと、「他人のためにな
る」こと、「頑張る」こと、「一つのこと」をやり続けること、「マニュアルどおり」にすること等々。
BC223 政治社会学
一見すると日常生活とほど遠い「政治」が、私達の日常生活と不可分なことを検討する。それによって、
「政治」と呼ばれるものが、実際には、政治家の行為や行政に限られるのではなく、多面的な要素を持っ
ていることを考えていく。まず政治社会学とは何か? 政治学と政治社会学の違いについて総論的な講
述を行った後、各論的な議論を行う。官僚制度と行政、社会運動と政治、国家と日常生活、監獄の誕生、
性と権力、新しい政治参加などのトピックを考察し、その議論をふまえた上で、日本社会における新しい
政治参加のあり方について考える。
BC224 現代社会論A
現代社会は、ジェンダーの問題、少子高齢社会、非行や犯罪の問題、環境問題、資源エネルギー問題、
障害者の問題、雇用問題など、さまざまな社会問題を抱えている。「現代社会論 A」は、さまざまな社会問
題のなかから具体的な問題をとりあげ、それを題材にしつつも、このような社会問題を引き起こしている社
会構造、社会変動はどのようなものか、それをとらえる視点はどのように設定できるのかといった問題につ
いて、総論的な考察を行うものである。
216
BC225 現代社会論B
現代の日本社会は、ジェンダーの問題、少子高齢社会、非行や犯罪の問題、環境問題、資源エネルギ
ー問題、障害者の問題、雇用問題など、さまざまな社会問題を抱えている。「現代社会論B」は、こうした
日本社会の問題に焦点を当て、具体的な社会問題をとりあげて検討し、社会問題の実態はどのようにな
っているか、問題解決のための理念や方策(政策的な対応、社会運動の取り組みなど)はどのようなもの
であるべきかといった論点について、各論的な考察を行うものである。
BC226 現代社会論C
現代社会は、ジェンダーの問題、少子高齢社会、非行や犯罪の問題、環境問題、資源エネルギー問題、
障害者の問題、雇用問題など、さまざまな社会問題を抱えている。「現代社会論C」は、さまざまな社会問
題のなかから具体的な問題をとりあげ、日本社会の問題と諸外国の社会の問題と比較しながら各論的な
考察を行うものである。問題の現状を認識するとともに、世界各国の社会における問題の構造、対応の相
違などを比較しながら、問題解決の方途を模索してゆく。
■基盤演習
BC301 基礎演習(社会学)
社会学という学問の基礎的な概念枠組みについて、入門レベルの学習を進める。社会学の諸領域と関
わる社会問題と、社会学のさまざまな考え方、方法などを照らし合わせることで、社会学的視点について
入門的な演習を行う。同時に、自主的な学習を前提とした報告や討論による演習形式での講義を通じて、
大学で社会学を学んでいくために必要な学習の技法を習得する。たとえば、研究発表の仕方、質疑・応
答や討論の行い方、文献や資料などの集め方、調べ方などである。
BC302 2年次演習(社会学)
社会学的なものの見方、考え方について、自主的な発表、討論などによる演習形式で学習する。現代社
会の具体的な諸現象、社会問題を題材とし、一方で家族、都市・地域、学校・教育、経営・労働、福祉、
社会意識・文化・メディア、国際社会という社会学の各論的な広がりを学ぶ。他方で、社会学的な発想法、
社会学の基礎概念および理論枠組、方法論など社会学の総論的内容を学ぶ。同時に、効果的な口頭発
表(プレゼンテーション)のやり方、学術的な文章の書き方、討論の進め方(聴きかた、話しかた、とりまとめ
かた)について訓練を行う。
■発展演習
BC401 社会調査実習
社会学、経済学、国際関係という各々の専攻領域において社会調査を行うことの意味と何かという理念的
な側面、その専攻領域で採用される調査方法の概要、量的調査法、質的調査法の用い方(調査票の設
計、サンプリング、調査の実施、コード化と集計、結果の解釈、報告書の作成など)などについて学ぶ。自
ら質問紙調査、聞き取り調査などを行うことを学ぶことで、社会調査の方法を卒業論文研究にもちいるた
めの準備とする。
217
BC402 3年次演習(社会学)
家族、都市・地域、学校・教育、経営・労働、福祉、社会意識・文化・メディア、国際社会という社会学の各
論的な領域、理論社会学、社会学史といった総論的な領域から、自らの専攻領域を決め、その領域にお
ける4年次における卒業論文研究に向けて、専攻領域の概要、そこでの基本的な研究主題、研究方法な
どについて学ぶ。基礎知識の習得にくわえて、専攻領域で卒業研究をすることの意味という理念的側面、
社会調査法、文献研究法など方法的側面、技術的側面の双方について学びながら、卒業論文研究の基
礎作りを行う。
BC403 4年次演習(社会学)
4年次前期に確定した卒業論文の題目に基づいて、学生自身が主体的に卒業論文を完成させることが
できるように指導する。本演習では、まず、各自の中間発表を行うことで、問題設定、目次立て、分析方法、
行論などに関する問題点を批判的に検討しあう。この演習形式の検討、レビューを踏まえた上で、さらに
発表や討論を重ねることにより、卒業論文の内容の進化を計る。あわせて、卒業論文執筆のための技法
を具体的に指導してゆく。
218
人 間 科 学 科
■入門
CK001
人間科学概論I
人間科学科で学び深めることのできる諸領域を知り、人間を見つめ直し自分を発見する学科の営みの第
一歩として、心理学・コミュニケーション・言語科学の3つの専攻領域の間の関わりを中心に講義する。(チ
ェーン・レクチャー方式)
1.人間行動(心理学)の観点からは5回に渡る授業を行う。心理学は、人間の心を対象として科学的に探
求してきた歴史を持つ。この5回の授業では、人間の心という捉えにくい対象をいかにして科学的に捉
えるのかという方法論を紹介し、それを踏まえて、人間科学の基礎という観点から、心理学が明らかに
してきた人間の心の特性について概括する。
2.コミュニケーションの観点からは、Social Animal としての人間が、社会の中のどのような情報を受信し、
社会を構成する他者と関わるのかについて、考察していく。人間を理解するためには、生物学的ヒトと
社会的ひとについての考察が必要である。社会的存在としての人間は、他者と共に生きている。グロー
バライゼーションが進行する今日、その他者の様相は多様化している。文化、宗教など、さまざまな背
景をもつ他者との関わりが重要となる。多文化共生社会の中で、生きる人間について、論じていく。
3.心理学、コミュニケーション研究との関連を中心に、人間の言語の特色を理解する。言語を生み出す
脳のメカニズム、他の認知活動との関係、他の動物のコミュニケーションや他の信号体系との比較から、
人間言語にはどのような構造的な特性(デザイン特徴)があるのかを考え、人間にとって言語を持つこと
の意義と「ことばを話す動物」としてのヒトに対する洞察を深める。
CK002
人間科学概論 IIA
「人間科学概論Ⅰ」を受け、人間を探究する人間科学における心理学的アプローチについて解説する。
心理学という学問の特徴を伝えることが本講義の目的である。共通テーマのもとに心理学専攻の教員が、
各領域の研究のあり方・特徴の理解、その領域への関心の喚起のための講義を行う。講義の半数を基礎
的・実証的アプローチによる心理学の立場からの講義にあて、半数を臨床的・実践的アプローチの心理
学の講義に当てる。(チェーン・レクチャー方式)
1.講義全体の趣旨や構成のオリエンテーションを行う。社会心理学(ミクロ)的アプローチについて解説
する。
2.発達心理学分野へのオリエンテーションを行い、発達心理学(社会性および情動の発達)的アプロー
チについて解説する。
3.社会心理学(マクロ)的アプローチについて解説する。
4.臨床心理学分野へのオリエンテーションを行い、臨床心理学の心理療法的アプローチについて解説
する。
5.臨床心理学のコミュニティ(教育・医療・福祉等領域 )における連繋と支援について解説する。
6.臨床心理学(特に女性と家族の発達支援のアプローチ)について解説する。
219
CK003
人間科学概論 IIB
情報通信技術、特にインターネット、と人間の関わりという観点から、人間科学科の学生の出発点となる授
業をおこなう。まず、インターネットを支える技術について簡単に解説し、ウェブや電子メールの仕組みと
活用法を理解する。次に、ヒューマン・コンピュータ・インターラクションとユーザビリティについて解説し、
人間科学科で学ぶ諸授業との関連を指摘する。これらの授業を通じて、情報通信技術の活用法と人間を
幸せにする技術について考えることが授業の目的である。
CK004
人間科学概論 IIC
人間の言語を分析的に理解するための基礎を学ぶ。人間の言語の特徴――言語の恣意性、観察される
言語現象とその背後にあるシステム(共同体で共有される規約の体系、人間の言語能力の体系)、言語
の諸相における単位(音素、形態素、語、構成素、文など)とその結合に見られる規則性、分析と比較によ
り見いだされる言語間の共通点、社会的関係が言語使用に及ぼす影響など――を理解し、人間の個体・
社会の一部を成す言語についての考察の基盤を身につける。
■卒業論文
CK901
卒業論文
学生が自らの知的関心に沿って研究テーマおよび問題提起を設定し、資料・文献をもとに仮説を立て、
これを調査・実験・実習等により検証して、明確な根拠とともに提示するという一連の営みを通じて、学士
課程での集大成として論文を作成する。それまでに得た知見・能力を統合してこの営みにつなげるため
に発展演習において考察・議論に必要な力を養い、担当教員の個別指導と授業内外の討論を活かして
各自論文執筆を進める。卒業論文提出後、複数の教員による口述試験を実施し、論文の審査を行う。
220
心 理 学 専 攻
■入門
CA001
認知心理学概説
この講義では、心理学の基礎となる認知・発達・社会・臨床の4分野のうちの認知心理学に焦点を当て、
その基礎となる研究を習得することを目的とする。講義の範囲は、知覚・記憶・思考・言語など認知心理
学の領域をできるだけ広く網羅する。人間の適応の中核をなす認知機能の基礎メカニズムを理解するとと
もに、認知心理学の応用研究とその意義について、ヒューマンエラーの研究や目撃証言研究などにも触
れながら理解することを目指す。授業では、認知心理学の成果の理解を深めるため、視聴覚教材やデモ
ンストレーションなどを利用する。
CA002
発達心理学概説
この講義では、発達心理学の基本的知識を習得することを目的として、講義を行う。人間の発達とは何か
を考え、発達のメカニズムおよび発達を支える社会・文化的要因も含めて検討する。生涯発達心理学の
視点から、乳幼児期・児童期・青年期・老年期について学んでいく。また、対人関係の発達・自己の発達・
情動発達などの社会性の発達の側面と、知覚の発達・言語発達・コミュニケーションの発達などの認知発
達の側面の両方について扱う。講義では、発達心理学の理解を促すために、視聴覚教材を用いる。
CA003
社会心理学概説
この講義では、特殊講義の社会心理学各科目を学ぶ上での前提となる、社会心理学の基本的知識を学
ぶ。さまざまに異なる個人が関係を結ぶことで成り立つ社会において、その構成員である個々の人間は
複雑な相互作用のもとに行動している。「社会心理学概説」においては、他者がいる場面での人の心理
過程および行動、さまざまな対人関係、さらには個々人の行動の帰結として生じるマクロな現象まで幅広
い領域を扱う。
CA004
臨床心理学概説
特殊講義の臨床心理学各科目を学ぶ上での前提となる、臨床心理学に関する全般的・基本的知識を習
得する。まず、臨床心理学は如何にして、実証科学としての心理学から誕生して現在のような研究・実践
(臨床)面での発展を遂げてきたのか、歴史的に振り返る。その上で、臨床心理学の 3 本柱である、査定
論・治療論・地域援助論について、代表的な理論・技法を取り上げ、学生が短期間に重要なエッセンスを
習得できるように講義を行う。
■基盤講義
CA101
心理学基礎講義A
「認知心理学概説」「発達心理学概説」「社会心理学概説」「臨床心理学概説」の4つの講義の理解を踏ま
え、心理学のさらに広汎な領域に渡る基礎的な内容の講義を行う。この講義では特に、脳と心の科学、生
221
理心理学、神経心理学など、主として心を支える生理学的な仕組みについての基礎的な理解を目指す。
加えて、これらの領域の理解に必要な学習心理学の基礎などにも触れる。4つの領域の概説に加え、こ
の講義および「心理学基礎講義B」の理解全体をベースにして、心理学のさまざまな領域に渡る特殊講
義へと橋渡しされる。
CA102
心理学基礎講義B
「認知心理学概説」「発達心理学概説」「社会心理学概説」「臨床心理学概説」の4つの講義の理解を踏ま
え、心理学のさらに広汎な領域に渡る基礎的な内容の講義を行う。この講義では特に、特殊講義の臨床
心理学各科目で取り上げる事例を十分に理解できるように、その前提となる基本的な理解をしっかり身に
つけることが目的である。代表的な心理療法について、理論・方法の特徴の概略を、講義と、VTR視聴
や逐語録の一部を読むことなどを通して、具体的に理解しつつ学ぶ。
CA103
心理学研究法1
心理学の実証研究に不可欠な統計的知識、データ整理および統計分析を学ぶ。一般実験演習と対の
関係にあり、一般実験演習において、実証研究のさまざまな手法を習得し、心理学研究法においては実
験演習で得られたデータの扱い方、論文のまとめかたについての道筋を示す。この講義においては、心
理統計の考え方について触れた後、記述統計および推測統計について、統計的な内容を実際の心理学
研究に結びつけながら、数値例などを示しながら学んでゆく。推測統計については、パラメトリックな手法
(t検定など)を中心に取り上げる。
CA104
心理学研究法2
心理学の実証研究に不可欠な、統計的知識、データ整理および統計分析を学ぶ。一般実験演習と対の
関係にあり、一般実験演習において、実証研究のさまざまな手法を習得し、心理学研究法においては実
験演習で得られたデータの扱い方、論文のまとめかたについての道筋を示す。この講義においては、デ
ータ整理、統計分析の実際を学ぶ。さらに、分析結果のまとめかた、論文の書き方について解説し、卒業
論文執筆へ向けて基礎的な論文作成技能の習得を目指す。
■特殊講義
CA201
認知心理学(思考・言語)A
「認知心理学概説」の理解を踏まえ、認知心理学の分野について、より発展的な内容を学習する。認知
心理学は、カバーする領域が記憶・思考・推論・言語・意識など広範囲に渡るだけでなく、ヒューマンエラ
ーの研究や目撃証言研究など、日常認知研究を初めとした応用面での研究も盛んである。この授業では、
人間の適応の中核として機能している認知システムについて理解することを目指すが、特に、日常場面と
密着した思考・言語をはじめとする日常認知研究や応用研究などを中心にした授業を行う。
CA202
認知心理学(思考・言語)B
「認知心理学概説」の理解を踏まえ、認知心理学の分野について、より発展的な内容を学習する。認知
心理学は、カバーする領域が記憶・思考・推論・言語・意識など広範囲に渡るだけでなく、ヒューマンエラ
222
ーの研究や目撃証言研究など、日常認知研究を初めとした応用面での研究も盛んである。この授業では、
人間の適応の中核として機能している認知システムについて理解することを目指すが、日本語教員養成
科目でもあるので、言葉や言語情報処理などの内容を中心にした授業を行う。
CA203
認知心理学(思考・言語)C
「認知心理学概説」の理解を踏まえ、認知心理学の分野について、より発展的な内容を学習する。認知
心理学は、カバーする領域が記憶・思考・推論・言語・意識など広範囲に渡るだけでなく、ヒューマンエラ
ーの研究や目撃証言研究など、日常認知研究を初めとした応用面での研究も盛んである。この授業では、
人間の適応の中核として機能している認知システムについて理解することを目指すが、特に思考や言語、
推論、意識などの内容を中心にした授業を行う。
CA204
認知心理学(記憶・認知)A
「認知心理学概説」の理解を踏まえ、認知心理学の分野について、より発展的な内容を学習する。認知
心理学は、カバーする領域が記憶・思考・推論・言語・意識など広範囲に渡るだけでなく、ヒューマンエラ
ーの研究や目撃証言研究など、日常認知研究を初めとした応用面での研究も盛んである。この授業では、
人間の適応の中核として機能している認知システムについて理解することを目指すが、特に記憶や認知
に焦点をあて、主に基礎研究を中心にした授業を行う。
CA205
認知心理学(記憶・認知)B
「認知心理学概説」の理解を踏まえ、認知心理学の分野について、より発展的な内容を学習する。認知
心理学は、カバーする領域が記憶・思考・推論・言語・意識など広範囲に渡るだけでなく、ヒューマンエラ
ーの研究や目撃証言研究など、日常認知研究を初めとした応用面での研究も盛んである。この授業では、
人間の適応の中核として機能している認知システムについて理解することを目指すが、特に記憶や認知
に焦点をあて、日常場面への応用面を重視した研究を中心にした授業を行う。
CA206
認知心理学(記憶・認知)C
「認知心理学概説」の理解を踏まえ、認知心理学の分野について、より発展的な内容を学習する。認知
心理学は、カバーする領域が記憶・思考・推論・言語・意識など広範囲に渡るだけでなく、ヒューマンエラ
ーの研究や目撃証言研究など、日常認知研究を初めとした応用面での研究も盛んである。この授業では、
人間の適応の中核として機能している認知システムについて理解することを目指すが、認知科学や認知
脳科学など、関連諸領域と融合した学際的な内容を中心とした授業を行う。
CA207
知覚心理学A
「認知心理学概説」の理解を踏まえ、知覚心理学の分野について、より発展的な内容を学習する。知覚
心理学は、主として実験心理学の分野において視覚を中心に研究されてきたが、この講義では必ずしも
視知覚だけに限定するのではなく、他のモダリティ(例えば聴覚や嗅覚など)の知覚や、複数のモダリティ
間の相互作用(クロスモーダルな知覚現象)、さらには知覚運動協応なども含めた幅広いテーマと視点か
ら、人間の適応の基礎となっている知覚システムについて理解することを目指す。
223
CA208
知覚心理学B
「認知心理学概説」の理解を踏まえ、知覚心理学の分野について、より発展的な内容を学習する。知覚
心理学は、主として実験心理学の分野において視覚を中心に研究されてきたが、この講義では必ずしも
視知覚だけに限定するのではなく、他のモダリティ(例えば聴覚や嗅覚など)の知覚も含め、精神物理学
(心理物理学)を中心とした実験を通じて明らかになってきた人間の知覚について学ぶことを通じて、人
間の適応の基礎となっている知覚システムについて理解することを目指す。
CA209
知覚心理学C
「認知心理学概説」の理解を踏まえ、知覚心理学の分野について、より発展的な内容を学習する。知覚
心理学は、主として実験心理学の分野において視覚を中心に研究されてきたが、この講義では必ずしも
視知覚だけに限定するのではなく、他のモダリティ(例えば聴覚や嗅覚など)の知覚も含め、物体認知や
注意などといったより高次な知覚過程について学ぶことを通じて、人間の適応の基礎となっている知覚シ
ステムについて理解することを目指す。
CA210
発達心理学(言語・認知発達)A
「発達心理学概説」において学んだ発達心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、発達心理学の主要領
域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。発達心理学の研究により明らかになった知見を学
ぶだけでなく、その研究手法についての理解も深めることを目指す。この講義では、コミュニケーションの
発達を中心に解説し、発達心理学の発展的な内容を学習する。なお、発達心理学の理解を促すために、
講義では視聴覚教材を用いる。
CA211
発達心理学(言語・認知発達)B
「発達心理学概説」において学んだ発達心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、発達心理学の主要領
域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。発達心理学の研究により明らかになった知見を学
ぶだけでなく、その研究手法についての理解も深めることを目指す。この講義では、言語発達とその支援
を中心に解説し、発達心理学の発展的な内容を学習する。なお、発達心理学の理解を促すために、講
義では視聴覚教材を用いる。
CA212
発達心理学(言語・認知発達)C
「発達心理学概説」において学んだ発達心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、発達心理学の主要領
域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。発達心理学の研究により明らかになった知見を学
ぶだけでなく、その研究手法についての理解も深めることを目指す。この講義では、老年期における言語
や認知の発達や変化とその支援を中心に解説し、発達心理学の発展的な内容を学習する。なお、発達
心理学の理解を促すために、講義では視聴覚教材を用いる。
CA213
発達心理学(情動・社会発達)A
「発達心理学概説」において学んだ発達心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、発達心理学の主要領
域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。発達心理学の研究により明らかになった知見を学
224
ぶだけでなく、その研究手法についての理解も深めることを目指す。この講義では、自己の発達および社
会性の発達を中心に解説し、発達心理学の発展的な内容を学習する。なお、発達心理学の理解を促す
ために、講義では視聴覚教材を用いる。
CA214
発達心理学(情動・社会発達)B
「発達心理学概説」において学んだ発達心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、発達心理学の主要領
域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。発達心理学の研究により明らかになった知見を学
ぶだけでなく、その研究手法についての理解も深めることを目指す。この講義では、情動の発達および社
会性の発達を中心に解説し、発達心理学の発展的な内容を学習する。なお、発達心理学の理解を促す
ために、講義では視聴覚教材を用いる。
CA215
発達心理学(情動・社会発達)C
「発達心理学概説」において学んだ発達心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、発達心理学の主要領
域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。発達心理学の研究により明らかになった知見を学
ぶだけでなく、その研究手法についての理解も深めることを目指す。この講義では、人間の発達を支える
社会・文化的要因(たとえば家族など)を中心に解説し、発達心理学の発展的な内容を学習する。なお、
発達心理学の理解を促すために、講義では視聴覚教材を用いる。
CA216
教育心理学(学校教育)
「発達心理学概説」および「認知心理学概説」において学んだ子どもの発達・学習メカニズムの基礎的理
解をもとに、教育心理学の主要領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。教育心理学の
研究により明らかになった知見を学ぶだけでなく、その研究手法についての理解も深めるとともに、教育
現場への支援について理解することを目指す。この講義では、学校教育と心理学を中心に解説し、教育
心理学の発展的な内容を学習する。なお、教育心理学の理解を促すために、講義では視聴覚教材を用
いる。
CA217
教育心理学(障がい児教育)A
「発達心理学概説」および「認知心理学概説」において学んだ子どもの発達・学習メカニズムの基礎的理
解をもとに、教育心理学の主要領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。教育心理学の
研究により明らかになった知見を学ぶだけでなく、その研究手法についての理解も深めるとともに、教育
現場への支援について理解することを目指す。この講義では、重度障がい児の心理と教育を中心に解説
し、教育心理学の発展的な内容を学習する。なお、教育心理学の理解を促すために、講義では視聴覚
教材を用いる。
CA218
教育心理学(障がい児教育)B
「発達心理学概説」および「認知心理学概説」において学んだ子どもの発達・学習メカニズムの基礎的理
解をもとに、教育心理学の主要領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。教育心理学の
研究により明らかになった知見を学ぶだけでなく、その研究手法についての理解も深めるとともに、教育
225
現場への支援について理解することを目指す。この講義では、軽度発達障がい児の心理と教育を中心に
解説し、教育心理学の発展的な内容を学習する。なお、教育心理学の理解を促すために、講義では視
聴覚教材を用いる。
CA219
臨床心理学(コミュニティ・家族)A
「臨床心理学概説」での理解を基にして、コミュニティ心理学の歴史と内外の動向を概観した上で、コミュ
ニティ心理学の基本概念および背景となる理論について理解を深める。コミュニティ・アプローチとは、問
題が起こっている個人ではなく、取り巻く環境としてのコミュニティに働きかけるもので、例えば、家庭・学
校・地域・職場コミュニティに対して、どのような介入や支援や協働を行うかについて、実際の事例を通し
て学ぶと共に、さまざまな実践や研究活動を行う中で、コミュニティ心理学者への社会から要請や果たす
役割についても検討する。
CA220
臨床心理学(コミュニティ・家族)B
「臨床心理学概説」での理解を基にして、心理療法の新しい展開を学ぶ。現在多くの心理療法において、
特に家族療法とその近接領域で注目され始めた認識論の転回(ナラティヴ)や、統合的心理療法の動向、
家族への心理教育とエンパワメントについて、取り上げる。これらについての議論を通じて、心理臨床とは
そもそも何を目指しているのか、また、専門家と当事者との協働、心理臨床職の果たす役割と在り方・倫
理についても、実践に即して考察し、学べるように構成する。医療、福祉、などの分野との重なり合いにつ
いてもふれる。
CA221
臨床心理学(コミュニティ・家族)C
生涯発達心理学や「臨床心理学概説」での理解を基にして、まず、家族ライフサイクル、家族におけるジ
ェンダーの問題などについて家族心理学の知見と論点を概観する。その上で、家族療法、ジェンダー・セ
ンシティヴ・セラピー、その他の心理療法において、家族にとどまらず、より大きなシステム(学校、職場、
地域、などの環境や、言説などを含む社会文化など)の中での関係性について見る視点からの、家族支
援と個人や家族のエンパワメントについて、具体的なトピックに沿って、事例を検討しつつ論じる。
CA222
臨床心理学(心理療法・カウンセリング)A
「臨床心理学概説」での理解を基にして、心理的援助の基本となる心理療法とカウンセリングの方法につ
いて深く学ばせる。心理療法の成り立ちを概観した上で、パーソンセンタード・アプローチを中心に代表
的な学派をとりあげ、各理論の歴史と背景、臨床場面での適用範囲等、実際的な問題等について最新の
知見とビデオ等の教材も用いながら論じるとともに、心理療法という特殊な人間関係に伴う基本的な留意
事項、倫理的問題等の重要なトピックに関しても講義する。
CA223
臨床心理学(心理療法・カウンセリング)B
「臨床心理学概説」において学習した臨床心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、発達臨床心理学に
おける重要テーマをとりあげ、それらを解説する。発達の過程における情動や認知や思考などのつまづき
や問題、様々な障害、適応と不適応の問題、社会的自立や精神的自立などについて学習し、障害児・者
226
の心、ならびにその周辺の人々の心への理解を深めるとともに、発達に即した彼らへの支援について多
面的に考察する。
CA224
臨床心理学(心理療法・カウンセリング)C
「臨床心理学概説」において学習した臨床心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、教育現場を中心に、
領域特有の臨床心理学的援助に関する重要テーマをとりあげ、それらを解説する。また現場で生じてい
る具体的な心理学的問題と、その対応について背景にある理論とその実践について学ぶ。スクールカウ
ンセラーをはじめとする専門家による支援について、他職種の協働、社会からの要請や果たす役割およ
び、この領域特有の留意事項や倫理的問題等の重要なトピックも含めて講義する。
CA225
臨床心理学(不適応・逸脱行動)A
「臨床心理学概説」において学習した臨床心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、不適応行動や社会
において問題とされる逸脱行動の理解とそれらへの心理臨床的支援を中心に、重要テーマをとりあげ解
説する。不適応行動や逸脱行動に関する最新の知見とトピックをとりあげ、どのような介入や支援や協働
を行うかについて、実際の事例を通して学ぶ。またさまざまな実践や研究活動を行う中で、社会からの要
請や果たす役割および、この領域特有の留意事項、倫理的問題に関しても講義する。
CA226
臨床心理学(不適応・逸脱行動)B
「臨床心理学概説」において学習した臨床心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、現代クローズアップ
されているさまざまな心理的障害について、医療、福祉、司法面からの理論を紹介し、さまざまなアプロー
チによる回復支援や予防的方策の実態を知り、理解を深める。心理臨床とはそもそも何を目指しているの
か、また、専門家と当事者との協働、心理臨床職の果たす役割と在り方・倫理についても、実践に即して
考察し、学べるように構成する。また援助領域の特徴と関係する基本的な留意事項、倫理的問題等の重
要なトピックに関しても講義する。
CA227
臨床心理学(不適応・逸脱行動)C
「臨床心理学概説」において学習した臨床心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、医療、福祉等の現
場における心理臨床活動について最新の知見をもとに具体的な例をあげ、重要テーマを解説する。心理
臨床とはそもそも何を目指しているのか、また、専門家と当事者との協働、心理臨床職の果たす役割と在
り方・倫理についても、実践に即して考察し、学べるように構成する。また援助領域の特徴と関係する基
本的な留意事項、倫理的問題等の重要なトピックに関しても講義する。
CA228
精神保健学A
精神保健の概要を学ぶ。精神保健とは、その対象が精神科患者の処遇から一般市民の精神の健康にま
で至る歴史的歩みを学び、人間が生涯をかけて成長していくさまを明らかにしていく。つまり、幼児期、学
童期、思春期・青年期、成人期、中高年期、老年期に亙ってさまざまな変遷があり、そこにある成長なる概
念を学ぶ。その後、家庭、学校、企業、地域社会がもつ特有のシステムを明らかにし、その中で起こるさま
ざまな精神保健上の諸問題の概要を学習する。
227
CA229
精神保健学B
ここでは精神医学概論を学ぶ。総論としては、精神医学の歴史を始め、症候学(精神病理学)、診断学、
さまざまな治療論(薬物療法、心理療法、社会療法など)を学び、各論では、統合失調症、妄想性疾患、
気分障害、不安障害、ストレス関連性疾患、強迫性障害、解離性障害、身体表現性疾患、食・性・睡眠を
めぐる精神医学的問題、子ども及び思春期・青年期に発症する精神疾患、脳器質性疾患(老年期認知
症、症状精神病)、薬物の乱用や依存症をめぐる問題等が主な学習領域となる。
CA230
精神保健学C
特殊な視点からの精神保健学を学ぶ。例えば、精神保健学の基礎となる精神分析学に根ざした精神発
達論、精神疾患論(統合失調症、神経症論)、認知行動療法による疾病論などを学び、さらに臨床例に
照らした特異な諸問題、児童虐待、アスペルガー症候群、ドメスティック・バイオレンス、アルコール依存
症、境界性パーソナリティ障害、犯罪に絡む精神医学的諸問題(精神鑑定)、企業におけるうつ病問題、
フリータやニート問題等を教科書から離れた知識ならびに考え方を習得する。
CA231
社会心理学(マクロ)A
「社会心理学概説」において学習した社会心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、社会心理学の主要
領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。研究により明らかになった知見を学ぶだけでな
く、領域ごとに異なる研究手法についての理解も深めることを目指す。大勢の人々との相互関係のなかで
個人がおこなう行動とその集積を、集合行動と呼ぶ。本講義では、集合行動のさまざまな面を取り上げ、
それらについて社会心理学的な解説を行う。
CA232
社会心理学(マクロ)B
「社会心理学概説」において学習した社会心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、社会心理学の主要
領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。研究により明らかになった知見を学ぶだけでな
く、領域ごとに異なる研究手法についての理解も深めることを目指す。本講義では、世論形成という分野
に焦点をあて、世論の形成過程について解説する。特にマスメディアの影響、インターネットの影響、ある
いは身近な対人関係の影響などについて解説する。
CA233
社会心理学(個人間過程)A
「社会心理学概説」において学習した社会心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、社会心理学の主要
領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。研究により明らかになった知見を学ぶだけでな
く、領域ごとに異なる研究手法についての理解も深めることを目指す。本講義では、メディアが私たちに
与える影響について、社会心理学的観点から解説する。特に近年発達したインターネットや携帯電話と
いったメディアの影響を中心に解説する。
CA234
社会心理学(個人間過程)B
「社会心理学概説」において学習した社会心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、社会心理学の主要
領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。研究により明らかになった知見を学ぶだけでな
228
く、領域ごとに異なる研究手法についての理解も深めることを目指す。本講義では、個々人の心理過程
にとどまらず、対人関係の問題に焦点をあてる。対人関係の問題は多岐にわたるが、その中から主要なト
ピックを選び、解説する。
CA235
社会心理学(個人間過程)C
「社会心理学概説」において学習した社会心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、社会心理学の主要
領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。研究により明らかになった知見を学ぶだけでな
く、領域ごとに異なる研究手法についての理解も深めることを目指す。本講義では、社会的影響過程に
焦点をあてる。私たちが受ける周囲からの影響は、自覚されるものもあれば、自覚されないものもある。顕
在的あるいは潜在的社会的影響過程について解説する。
CA236
社会心理学(個人内過程)A
「社会心理学概説」において学習した社会心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、社会心理学の主要
領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。研究により明らかになった知見を学ぶだけでな
く、領域ごとに異なる研究手法についての理解も深めることを目指す。本講義では、私たちを取り巻く社
会や他の人々そして、人々の関係について私たちがどのよう理解するのかその認知過程を解説する。特
に、認知過程における感情の影響や役割について重点を置く。
CA237
社会心理学(個人内過程)B
「社会心理学概説」において学習した社会心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、社会心理学の主要
領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。研究により明らかになった知見を学ぶだけでな
く、領域ごとに異なる研究手法についての理解も深めることを目指す。本講義では、自己の問題を中心に
取り上げる。自分についての知識、理解、判断、評価、推論の過程や自己呈示および自己をどのように
制御するのかなど、自己に関わるトピックの中からいくつか焦点を絞って解説する。
CA238
社会心理学(個人内過程)C
「社会心理学概説」において学習した社会心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、社会心理学の主要
領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。研究により明らかになった知見を学ぶだけでな
く、領域ごとに異なる研究手法についての理解も深めることを目指す。本講義では、対人認知という分野
に焦点をあて、私たちが他者をどのように理解し、判断、評価、推論を行うのかという問題を取り上げる。
対人認知過程に関わる重要なトピックを取り上げて解説する。
CA239
社会心理学(個人内過程)D
「社会心理学概説」において学習した社会心理学全般にわたる基礎的理解をもとに、社会心理学の主要
領域における重要テーマを取り上げ、それらを解説する。研究により明らかになった知見を学ぶだけでな
く、領域ごとに異なる研究手法についての理解も深めることを目指す。本講義では、社会的推論という分
野に焦点をあて、私たちが他者について、あるいはさまざまな出来事の関係や原因について、どのように
推論するのか、その過程を解説する。
229
CA240
心理学特論(先端)A
本講義では、「認知心理学概説」、「発達心理学概説」、「社会心理学概説」、「臨床心理学概説」におい
て学んだ基礎的な心理学の知識を前提に、上記4領域のオーソドックスなテーマには収まりきれない、先
端的な心理学のテーマを扱う。積極的に伝統的な心理学の枠組みにとらわれない、新しい視点を提供す
ることを目指す。よって、場合によっては、心理学の隣接領域を主たるフィールドとするようなテーマを取り
上げることもある。
CA241
心理学特論(先端)B
本講義では、「認知心理学概説」、「発達心理学概説」、「社会心理学概説」、「臨床心理学概説」におい
て学んだ基礎的な心理学の知識を前提に、上記4領域のオーソドックスなテーマには収まりきれない、先
端的な心理学のテーマ、あるいは上記各領域における最新の知見を中心に、新しい視点を提供すること
を目指す。よって、場合によっては、心理学の限定された領域のテーマのみを取り扱うこともある。
CA242
心理学特論(先端)C
本講義では、「認知心理学概説」、「発達心理学概説」、「社会心理学概説」、「臨床心理学概説」におい
て学んだ基礎的な心理学の知識を前提に、先端的な心理学のテーマを扱う。伝統的な心理学の枠組み
にとらわれない、行動科学の新しい視点を提供することを目指す。心理学の隣接領域を主たるフィールド
とするようなテーマを取り上げることもある。
CA243
心理学特論(応用)A
本講義では、「認知心理学概説」、「発達心理学概説」、「社会心理学概説」、「臨床心理学概説」におい
て学んだ基礎的な心理学の知識を前提に、現代社会において重要な応用的テーマを扱い、心理学の知
見が現実世界でいかに役立つかを学ぶ。心理学の研究成果の応用範囲は広範であるが、本講義では、
総花的な解説ではなく、的を絞った解説を行う。同時に個々の領域の枠にとどまらない研究の枠組みを
呈示する。
CA244
心理学特論(応用)B
本講義は、「認知心理学概説」、「発達心理学概説」、「社会心理学概説」、「臨床心理学概説」において
学んだ基礎的な心理学の知識を前提に、現代社会において重要な応用的テーマを扱い、心理学の知見
が現実世界でいかに役立つかを学ぶ。心理学の研究成果の応用範囲は広範であるが、本講義では、最
新の知見を中心に、的を絞った解説を行う。よって、場合によっては、心理学の限定された領域のみ取り
扱うこともある。
CA245
心理学特論(応用)C
本講義は、「認知心理学概説」、「発達心理学概説」、「社会心理学概説」、「臨床心理学概説」において
学んだ基礎的な心理学の知識を前提に、現代社会において重要な応用的テーマを扱い、心理学の知見
が現実世界でいかに役立つかを学ぶ。心理学の研究成果の応用範囲は広範であるが、本講義では、行
230
動科学としての心理学に的を絞った解説を行う。同時に個々の領域の枠にとどまらない研究の枠組みを
呈示する。
■基盤演習
CA301
1年次演習(心理学)
心理学の導入教育としての位置づけで、入門的な内容のテーマで演習を行う。具体的にはこれから4年
間に渡る学びの基礎となる知識や技能、例えば、文献を探したり講読したりといった図書館の利用、資料
を調べてレジュメを作る技能、プレゼンテーションや意見交換を行うスキル、などの全般的な習得を目指
す。少人数による緻密な演習を展開する。
CA302
2年次演習(心理学)A
「1年次演習(心理学)」を踏まえ、この授業では、心理学の基礎的な内容を題材とした演習を行う。担当
教員の専門領域をテーマとし、その分野の入門的なテキストや文献などを共通の材料として、テキストや
文献の講読、資料作り、発表と質疑応答などを行う。取り上げた心理学のテーマについて深く理解するこ
とを目指すことはもちろん、より進んだ「3年次演習(心理学)」で必要となるスキルを身に付けることも目標
とする。少人数による緻密な演習を展開する。
CA303
2年次演習(心理学)B
「1年次演習(心理学)」を踏まえ、この授業では、心理学の基礎的な内容を題材とした演習を行う。担当
教員の専門領域をテーマとし、その分野の入門的なテキストや文献などを共通の材料として、テキストや
文献の講読、資料作り、発表と質疑応答などを行う。取り上げた心理学のテーマについて深く理解するこ
とを目指すことはもちろん、より進んだ「3年次演習(心理学)」で必要となるスキルを身に付けることも目標
とする。少人数による緻密な演習を展開する。
■発展演習
CA401
3年次演習(心理学)A
「1年次演習(心理学)」および「2年次演習(心理学)」を踏まえ、この授業では、心理学の発展的な内容
を題材とした演習を行う。担当教員の専門領域をテーマとし、その分野の発展的なテキストや文献などを
共通の材料として、テキストや文献の講読、資料作り、発表と質疑応答などを行う。取り上げた発展的な内
容について深く理解することを目指すことはもちろん、卒業論文研究に主体的に取り組むことができるよう、
自立した学習者となることを目標とする。少人数による緻密な演習を展開する。
CA402
3年次演習(心理学)B
「1年次演習(心理学)」および「2年次演習(心理学)」を踏まえ、この授業では、心理学の発展的な内容
を題材とした演習を行う。担当教員の専門領域をテーマとし、その分野の発展的なテキストや文献などを
共通の材料として、テキストや文献の講読、資料作り、発表と質疑応答などを行う。取り上げた発展的な内
231
容理解にとどまらず方法論的な学習も含め、卒業論文研究に主体的に取り組むことができるよう、自立し
た学習者となることを目標とする。少人数による緻密な演習を展開する。
CA403
心理学特殊演習(臨床)A
「臨床心理学概説」、臨床心理学演習、「精神保健学」などを通して習得した臨床心理学の基礎的な知識
や技法や研究の動向を元に、主として精神保健(メンタルヘルス)に焦点を当てた特殊演習を行う。この
演習では、まず自らの精神保健のありように気づき、心の病を持つ人々への援助の理解を深めることを目
的とする。学生は関心のある精神保健に関するテーマを設定して、文献検索・文献講読(邦英文献)・プ
レゼンテーション・ディスカッションを通じて、テーマの進化を図り、自らの課題について振り返る。
CA404
心理学特殊演習(臨床)B
「臨床心理学概説」、臨床心理学演習、「精神保健学」などを通して習得した臨床心理学の基礎的な知識
や技法や研究の動向を元に、主として精神保健(メンタルヘルス)に焦点を当てた特殊演習を行う。この
演習では、精神保健の専門家(医師・看護師・精神保健福祉士・教員など)および非専門家(ボランティ
ア・家族など)との連携・協働に関する理解を深める。学生は、関心のあるテーマを設定し、文献検索・文
献講読(邦英文献)・プレゼンテーション・ディスカッションを通して、精神保健領域での連携・協働のあり
方を習得する。
CA405
心理学特殊演習(臨床)C
「臨床心理学概説」、各年次演習における臨床心理学の理解を基に、教育、医療、産業等における心理
臨床的な介入の具体的問題を扱った学術論文および 臨床心理学的な基礎研究に関する論文を講読さ
せ、臨床心理学への理解をさらに深める。学生は、事例研究や基礎研究の文献の内容を理解し、問題点
を整理して報告するという作業を複数回行う。また可能な限り論文内容と関係のある研究方法、心理検査
方法および援助的介入方法ついて、体験的な理解と修得を図る。
CA406
心理学特殊演習(認知)
主として認知心理学の領域に焦点を当てた演習を行う。「特殊演習」であることを踏まえ、知覚・記憶・思
考・言語などといった認知心理学の領域の中から、最先端のホットなトピックや境界領域的な内容、あるい
は日常生活と密着した応用的な内容を取り上げ、少人数の演習形式で、文献検索・文献講読・プレゼン
テーション・ディスカッションといった技能を習得する。同時に、これらの作業を通じて、クリティカル・シンキ
ング(批判的思考)ができるようなリテラシーの習得を目指す。
CA407
心理学特殊演習(社会)
本演習では、「社会心理学概説」において学んだ基礎的な知識を前提に主として社会心理学の領域に
焦点をあてた演習を行う。「2年次演習(心理学)A・B」と「3年次演習(心理学)A・B」ではとりあげにくい先
端的なトピックや、隣接領域との接点にあるトピックなどをとりあげる。また、上記演習では扱うことのない、
統計技法、実験技法などを取り上げることもある。
232
CA408
心理学特殊演習(発達)
「発達心理学概説」において学んだ発達心理学全般にわたる基礎的な知識を前提に、主として発達心理
学・教育心理学の領域に焦点をあてた応用的な演習を行う。発達心理学・教育心理学の領域の中から先
端的なトピック、あるいは隣接領域との接点にある学際的トピックなどを取り上げる。少人数の演習形式で
行い、主として英語の文献を講読して討論する。発達心理学・教育心理学の研究技法および解釈の仕方
などを学ぶとともに、文献検索法およびプレゼンテーションの技法についても技能を習得する。
■実験・実習
CA501
基礎実験演習 I
初めて心理学に触れることになる1年次の学生に対して、心理学の方法論を初歩的な実験などの体験を
通して理解することを目指す。人のこころに対して実証的にアプローチするということの意味を解説し、こ
ころを測定するということは何か、その長所と限界について考える。特に本実験演習では、実験法と質問
紙法に焦点を当て、初歩的な実験や尺度構成を体験し、それらを通じて2つの研究方法について基礎的
な理解を目指す。
CA502
基礎実験演習 II
初めて心理学に触れることになる1年次の学生に対して、心理学の方法論を初歩的な実験などの体験を
通して理解することを目指す。人のこころに対して実証的にアプローチするということの意味を解説し、こ
ころを測定するということは何か、その長所と限界について考える。特に本実験演習では、観察法と面接
法に焦点を当て、初歩的な観察や面接を体験し、それらを通じて2つの研究方法について基礎的な理解
を目指す。
CA503
一般実験演習 IA
基本的な研究方法の理解と習得を目指す。心理学の代表的な研究方法は、実験、観察、面接、調査に
分類できる。本実験演習では、特に観察法と調査的面接法に焦点を当て、それぞれ実習を通じてその技
法を習得する。また、知能の測定の基本となる知能テストについても本実験演習で学ぶ。週2コマの授業。
(チェーン・レクチャー方式)
(観察法)観察法とは、人間の行動を注意深く見ることによって対象者を理解しようとする研究方法である。
さまざまな事態や形態の観察法があることを学んだ上で、ビデオ等を利用して観察を実施し、記録の仕
方・データのまとめ方についての実験演習を行う。観察法を実施する際の留意点や信頼性についても学
習する。
(知能テスト)発達・教育相談の際に使用される検査のうち、WISC などの知能テストについて取り上げる。
知能の概念や知能検査の作成過程について学んだ上で、知能テストを実施し、検査結果の整理の仕方
についての実験実習を行う。検査法を実施する際の留意点や検査結果解釈上の留意点についても学習
する。
233
(調査的面接法)面接法には、調査的面接法と臨床的面接法があるが、この実験実習では調査的面接法
について取り上げる。面接法の種類・面接ガイドの作成法・面接実施上の倫理的配慮を学んだ上で、調
査的面接を実施し、逐語録の作成や面接結果の整理の仕方についての実験実習を行う。
CA504
一般実験演習 IB
基本的な研究方法の理解と研究技法の習得を目指す。心理学の代表的な研究方法は、実験、観察、面
接、調査に分類できる。本実験演習では、特に実験法と質問紙調査法に焦点を当て、それぞれ実習を通
じてその技法を習得する。週2コマの授業。(チェーン・レクチャー方式)
(実験法)実験法の基礎を学ぶ。主に知覚、認知の領域における基礎的な実験を体験することで、心理
学実験における統制、測定について理解を深める。分析、報告書のまとめにあたっては「心理学研究法 2」
の学習内容を踏まえて、具体的なデータを用いてデータの整理と記述の仕方を習得する。
(質問紙調査法)質問紙調査法の基礎を学ぶ。質問紙の設計、質問項目の作成、実査、初歩的な分析
の作業を通じ、質問紙調査法の基礎的技法を習得する。分析、報告書のまとめにあたっては「心理学研
究法 2」の学習内容を踏まえて、具体的なデータを用いてデータの整理と記述の仕方を習得する。
CA505
一般実験演習 II
「一般実験演習ⅠA・B」および「心理学研究法 1・2」において習得した基本的な研究方法についての技
能と理解を前提に、より発展的な研究技法の習得を目指す。本実験演習では、特に臨床的面接と社会
心理学実験をとりあげる。臨床的面接、および社会心理学実験の実習を通じて両技法の理解と習得を目
指す。また、社会心理学実験のデータ分析に必要な統計処理についても学習する。週2コマの授業。(チ
ェーン・レクチャー方式)
(臨床的面接)臨床的面接では、小グループによる実習によって、共感的応答、傾聴等を体験学習する。
(社会心理学実験)社会心理学実験においては、小グループに分かれ、実験者として、また実験参加者
として社会心理学実験を体験し、その技法を理解する。実験実施にあたって配慮すべき様々な事柄につ
いても学ぶ。
CA506
特殊実験演習1
「一般実験演習」の次の段階であり、「特殊実験演習2」や卒業論文研究への準備段階として位置づけら
れている実験演習である。学生は、自分の卒業論文研究のテーマと内容を想定して、実験演習の内容や
担当教員を自分で選択する。心理学の領域ごとの必要性に応じて、卒業論文への前提として必要となる
専門的な知識や技能の習得を目指す。具体的には、文献の検索、専門的な文献の講読、実験や調査等
の研究計画の立案、学生自身による研究の実施、データ分析と考察、プレゼンテーションやレポート執筆、
などである。週2コマの授業。
CA507
特殊実験演習2A
4年間に渡る実験演習の総仕上げとなる授業であり、学生各々の卒業論文研究の遂行に必要な知識や
技能の習得を目指すが、前期のこの授業では、主として研究の前段階に必要な技能、例えば、文献の検
索、文献の批判的な講読、先行研究を踏まえた研究の立案、予備実験や予備調査の実施、などを学ぶ。
234
これまでの実験演習と異なり、学生個々人の卒業論文の研究テーマに特化した個別的な内容とし、卒業
論文研究の遂行と両輪をなすような内容とする。
CA508
特殊実験演習2B
4年間に渡る実験演習の総仕上げとなる授業であり、学生各々の卒業論文研究の遂行に必要な知識や
技能の習得を目指すが、後期のこの授業では、主として研究の後半に必要な技能、例えば、データの分
析、統計解析や検定の実施、得られた結果の解釈、先行研究なども踏まえた考察、論文執筆の技法、な
どを学ぶ。これまでの実験演習と異なり、学生個々人の卒業論文の研究テーマに特化した個別的な内容
とし、卒業論文研究の遂行と両輪をなすような内容とする。
235
コミュニケーション専攻
■入門
CB001
コミュニケーション概論(人間とコミュニケーション)
コミュニケーションの概念やコミュニケーション過程に関するモデル、機能などコミュニケーション現象につ
いて理解を深める。そのための基礎的内容として、言語と非言語コミュニケーション、自己開示と自己呈
示を中心とした対人コミュニケーションと自己とのかかわり、対人知覚と対人魅力を中心とした対人関係と
対人コミュニケーションの問題、対人的影響、広告、説得などコミュニケーションと社会的影響、携帯とイン
ターネットなどの新しいメディアとコミュニケーション、マス・コミュニケーションなどについて学ぶ。
CB002
コミュニケーション概論(社会とコミュニケーション)
現代社会におけるコミュニケーションの諸問題について、ミクロな視点とマクロな視点の両側面から取り上
げ、理解を深める。社会変動によってコミュニケーションの形態は変化し、コミュニケーションをめぐる問題
は複雑になっている。都市化、少子高齢化、電子情報化、グローバル化といった諸相は生活意識や相互
理解にどのような問題をもたらしているか。共生社会をつくるうえで、メディアが効果的な役割を果たすに
は、市民はどのような働きかけをしていくことができるだろうか。ジェンダーの視点を活かしながら社会学的
考察を深めていく。
■基盤講義
CB101
統計の基礎
本科目では、統計的な記述の含まれる論文を読む力と、自分で統計資料を整理し、データを分析する力
を養うために必要な統計学の基礎を講義する。具体的には、度数分布、基本統計量(平均、中央値など
の代表値、分散、標準偏差、分位数などの散布度)、正規分布、変数の標準化、相関(相関係数、散布
図、擬似相関、因果関係と相関関係の区別)、など、記述統計を中心に扱う。講義を理解したうえで、
SPSS を使って自分でデータを扱うことも学ぶ。
■特殊講義
CB201
対人関係論
人間は社会的動物である。いいかえれば、人と人との関係を通して自己を形成していく存在である。生ま
れた直後にはじまる第一養育者との関係と自己理解、さらにそれが対人認知の枠組みを広げていくと考
えられる。日常生活の中で他者とのインタラクションが他者の認識と自己理解に影響していく。この講義で
は、対人関係の中での人間成長を、発達心理学的視点と社会心理学的視点から、生まれてから青年期、
老年期までの対人関係を統合して検証していくことを目的とする。
236
CB202
文化心理学(文化と自己)
異文化に出会うことは、言葉や社会システム、習慣の違いに驚くことでもある。そのような違いは、行動ば
かりでなく、心理プロセスにも表される。本講義では、心の社会的構造に着目する文化心理学を学ぶ。基
本的概念である、文化的自己観と相互構成過程について実証研究から検証していく。特に東洋で優勢
な相互協調的自己観と西洋で優勢な相互独立的自己観に基づく心の違いをながめながら、文化に生き
る人を理解することが目標である。
CB203
文化心理学(文化と認知)
日常生活の中で、ふつうに考え、感じ、行動しながら、"心"は作られていく。本講義では、心の社会的構
造に着目し、心と文化について、実証研究から検討する。近年の文化心理学的研究の中では、自動処
理過程やオンライン過程といった認知実験研究の文化差が展開されている。西洋では文化的認知様式
として、分析的思考が、東洋では包括的思考がそれぞれ優位となっていることが指摘されてきている。最
新の知見を学びながら、文化の中での"心"について理解することを目標とする。
CB204
マルチメディアと心理学(聴覚)
情報技術が進歩し、映像や音声データがデジタル化され、さまざまな通信メディアを通じて人間のコミュ
ニケーションを豊かにしている。そのマルチメディア技術は、人間の視覚・聴覚の情報処理特性に適合す
るように発展してきた。この講義では、人間の非常に優れた感覚情報処理の特性と、その特性が AV 機器
や通信技術などにどう反映されているのか、また高齢者・障害者の特性とユニバーサルデザインについて
も触れる。この科目については聴覚を中心に扱う。
CB205
マルチメディアと心理学(視覚)
情報技術が進歩し、映像や音声データがデジタル化され、さまざまな通信メディアを通じて人間のコミュ
ニケーションを豊かにしている。そのマルチメディア技術は、人間の視覚・聴覚の情報処理特性に適合す
るように発展してきた。この講義では、人間の非常に優れた感覚情報処理の特性と、その特性が AV 機器
や通信技術などにどう反映されているのか、また高齢者・障害者の特性とユニバーサルデザインについて
も触れる。この科目については視覚を中心に扱う。
CB206
コミュニケーションの社会心理学(対人)
社会心理学が扱う領域の中から、特にコミュニケーション研究と関連の深いテーマを中心に講義する。前
期は、社会的認知とコミュニケーション(スキーマ、ステレオタイプ、ヒューリスティクスなど)、帰属過程(基
本的帰属錯誤、行為者-観察者効果など)、非言語コミュニケーション(表情や身振り・手振りによるコミュ
ニケーション、縄張りとパーソナル・スペース、被服行動など)、態度変化と説得コミュニケーション(認知的
不協和理論、ELM など)といった、対人レベルに関する話が中心になる。
CB207
コミュニケーションの社会心理学(集合現象)
社会心理学が扱う領域の中から、特にコミュニケーション研究と関連の深いテーマを中心に講義する。後
期は、文化とコミュニケーション(個人主義と集団主義、高コンテキスト・コミュニケーションと低コンテキス
237
ト・コミュニケーション、など)、噂・流言の社会心理学(噂の分類、噂の伝播過程、噂とメディアなど)、群衆
心理(流言とパニック、集合行動のタイプなど)、流行現象とメディア(流行とは何か、なぜ流行するのか)
など、主にマクロレベルに関する話が中心になる。
CB208
メディア心理学
メディアと情報化が人々に及ぼす影響および情報行動と心理について検討する。消費場面における情
報発信行動、情報探索行動および情報処理行動、インターネットにおける情報行動と消費者行動、マス・
コミュニケーションの過程と機能、マス・コミュニケーション過程におけるメッセージ生産、マス・コミュニケー
ション効果理論、マス・メディアの認知的効果、イノベーション普及学からみたメディアと普及現象とのかか
わり、流行の心理とメディアの影響、メディアと政治など、「メディアと心理」をキーワードにしたトピックを中
心に講義する。
CB209
メディア社会学
本講義では、「メディア・コミュニケーション論」で学んだことを土台にメディア社会学や情報社会論の中か
らいくつか重要なテーマを選んで講義する。特に、マスメディアの持つ社会的影響については詳しく解説
する予定。具体的なテーマとして、マスメディアの送り手分析、メディアが伝える情報の内容分析(特にテ
レビの内容)、メディアが及ぼす様々な影響・効果、メディア内容の法的規制・自主規制、情報化と現代社
会などを取り上げる。
CB210
現代社会とコミュニケーション
本講義では、コミュニティという多義的な概念を追求しながら、現代社会の様々な場で共同性を作り上げ
ていくことの意味を考察する。具体的なボランティアや市民活動を取り上げて紹介し、そこで活動するリー
ダーのキャリアやライフヒストリー、活動体のネットワークのあり方などを検討していく。NGO や NPO 活動を
支える基本的な論理と、それを生み出す社会的背景、さらに社会に与えるインパクトなどについて論じ、
活動体内部・活動体間のコミュニケーションや有効な広報活動、行政と市民との協働の可能性を探る。
CB211
ジェンダーとコミュニケーション
社会的・文化的に構築される性別・性差がジェンダーである。ジェンダーは、コミュニケーションや社会を
理解しようとする際の私たちの知のあり方や、社会そのものを秩序立てる基本的な枠組みの一つとなって
いる。あらたな分析概念としてのジェンダーを学び、女性の積極的な社会参加や地位向上の阻害要因と
なってきたコミュニケーションのあり方を見直す。上下関係を作り出したり、すでにある権力関係を繰り返
すのではなく、互いを尊重しつつあたらしい価値を実現することができるコミュニケーションを追求する。
CB212
情報社会と女性の職業 I
メディアやコミュニケーションの現状をめぐるジェンダー視点からの分析に関する講義を踏まえ、メディア・
リテラシーの力を豊かにする。まずさまざまなメディアの映像や言説を多面的に解釈し、メディアが構成し
ている世界観を読み解く力を養う。描かれている世界の背後にある描かれない局面、それを描かない価
値観について検討することで、批判的視点を深める。これらはメディア・リテラシーの重要な側面である、
238
情報を発信する力の基盤となる。トレーニングの後、実際に、活字、映像、ウェブなど多様なメディアを通
じた発信活動を行う。
CB213
情報社会と女性の職業 II
「情報社会と女性の職業Ⅰ」に引き続き、メディアやコミュニケーションの現状をめぐるジェンダー視点から
の分析に関する講義を踏まえ、メディア・リテラシーの力を豊かにするトレーニングを行う。さまざまなメディ
アの映像や言説を多面的に解釈し、メディアが構成している世界観を読み解く力を養い、描かれている
世界の背後にある描かれない局面、それを描かない価値観について検討することで、批判的視点を深め
たうえで、実際に、活字、映像、ウェブなど多様なメディアを通じた発信活動を行う。
CB214
メディアと現代社会
現代社会においてメディアは大きな役割をはたしており、人々の意識や行動、人間関係、その人間関係
を基礎とする集団・社会のあり方に大きく影響している。そのメディアのほうも変化しつづけており、上のよ
うな影響のあり方も変化している。従来のタイプのマスメディアとその人々や社会への影響を概観した後、
モバイルメディア(携帯)およびインターネット(メール、BBS、ブログなど)などの新しいメディアに焦点をあ
て、その人々や社会への影響を考えることを目標とする。
CB215
メディア・コミュニケーション論
文明を発明して以来、人間のコミュニケーションの形態はいくつかの点で重要な変化をとげてきた。本講
義では、様々な情報メディアの発展史と現状を概観しながら、人間コミュニケーション、特にメディアを通じ
たコミュニケーションの変化とその社会的影響について詳しく解説する。具体的には、文字の発明とその
社会的影響、印刷術の完成とその社会的影響、新聞メディアの誕生とその社会的影響、映画の登場とそ
の社会的影響、放送メディアの社会的影響と現状などについて取り上げる。
CB216
マス・コミュニケーション論
この授業の第 1 の目標は、マスコミ産業の歴史的変遷、産業構造の特質、マスコミの現場の過程につい
て理解することである。具体的には、新聞、出版、放送、ニューメディアが登場した歴史的・法律的背景な
らびにそれらメディアの特徴を横断的に把握する。第 2 の目標は、各マスコミ産業の特徴を踏まえた上で、
この産業の使命・役割といった社会的責任について考察することである。その上で、マス・コミュニケーショ
ンが我々の日常生活とどう関わっているのかを多角的に検討する。
CB217
広告コミュニケーション論
広告の社会的および経済的機能を理解し、広告が伝える情報・イメージの分析、広告効果について考察
する。説得コミュニケーション論、広告効果論、消費者行動論などの視点から広告理論を概観したうえで、
日本と海外の豊富な広告事例をもとに、1)商品広告、企業広告、政治広告、公共広告、意見広告、広告
とジェンダー・外国性など、広告表現の分析、2)各国のユーモア表現と広告効果、広告表現の国際比較、
各国の広告表現に影響する要因など、広告と文化の分析、3)昭和と平成の広告の歴史からみた広告と時
代の分析について論じる。
239
CB218
放送論
この授業では、まず、放送装置の発明の歴史と放送産業(ラジオとテレビ)の発展の歴史について学ぶ。
次いで、それら放送産業に技術革命が及ぼした影響と意義について理解する。さらに、放送産業の構造
的特徴について学ぶことで、放送産業の産物である番組の制作過程についての知見を深める。その上
で、放送メディアの内容(報道番組、ドキュメンタリー番組、バラエティ番組、災害放送、子供向け番組な
ど)とそれらが視聴者に及ぼす影響について検討し、放送メディアとの付き合い方を多角的に考察する。
CB219
新聞出版論
本講義では新聞と出版という産業界の構造的特徴、取材・制作過程、読み手との関係などの特徴を歴史
的に整理し、それら産業の存在意義について考える。今日の活字媒体においては、"若者の活字離れ"
が問題視される中、インターネット新聞や電子書籍・携帯書籍は新たな脚光を浴びている。こうした活字
媒体の新たな形態は今後どうなっていくのか。また、本来の活字媒体は今後どうなっていくのかを読み手
の嗜好との関係を考慮に入れて検討し、読み手の活字媒体との付き合い方について学ぶ。
CB220
メディア論
「メディア」という言葉は、一般には「マスメディア」と同義として使われることが少なくないが、本講義では
「メディア」という概念をもっと広義に捉える。メディアを広義に捉えた場合、人間の身体を含めたコミュニケ
ーション手段のすべてを含むことになるが、本講義では、まずメディアとは何かについて考える。そして、
様々なメディアが人間のコミュニケーションのあり方や社会生活とどのように関わっているのかを詳しく検
討していく。
CB221
ジャーナリズム論
日々ニュースメディアを通じて伝えられる重要な出来事をテーマにして、その問題の伝えられ方やそこに
含まれる問題点、その問題の背景や社会的な意味、今後の見通しなどについて考える。ジャーナリズム
が伝える「ニュース」をどう受け止めるべきかを考えるための基礎知識と分析視点についても講義する。ま
た、日本に初めて近代的ジャーナリズムが誕生した明治初期から、テレビ黄金時代の現代に至る日本ジ
ャーナリズムの発展の軌跡を振り返るとともに、今後のあるべき姿を検討する。
CB222
国際ジャーナリズム論
本講義では、米国、ヨーロッパ、東アジア諸国のジャーナリズムなどをとりあげ、その歴史的背景、現在置
かれている状況、直面している課題などについて総合的に検討する。またそれを通じて、日本のジャーナ
リズムの問題点を照射し、その課題を探っていく。さらに、現代メディアの王道を歩むテレビ国際報道のメ
カニズムを理解し、世界の動きを多面的、批判的に把握する力を養うことを目指す。例えば、米国での
9.11 同時多発テロ、イラク戦争や北朝鮮問題の報道を具体的かつ詳細に検討する。
CB223
国際化とコミュニケーション
「国際化」という言葉は、社会情勢に応じて、いろいろな使われ方をしてきた。企業の海外進出が著しかっ
たとき、働くために来日する外国人が増えたとき、グローバルスタンダードの導入が急務であったときなど、
240
その時代の必要に応じて、「国際化」という言葉の意味合いは異なっていた。しかし、国家・国民間の相互
認識(相互イメージ)のありかたは、重要な問題でありつづけている。しばしば偏見やステレオタイプが現
われ、滑らかな相互関係を阻害している。この問題について、具体的な素材や研究を見て、その実態や
形成因について学ぶ。
CB224
異文化コミュニケーション
異文化コミュニケーションに関わる重要なトピックをいくつかとりあげて、講義に加えてディスカッションなど
も行い、深く学ぶ。トピックの候補としては、「異文化接触」「メディアと異文化理解」「自文化中心主義と偏
見」「価値・信条体系」などがある。深く学ぶために、受動的に講義を聞くだけでなく、選ばれたテーマに
関して、さまざまな情報を集め、ディスカッションし、その結果をシェアすることとする。
CB225
情報社会論
近年、インターネットや携帯電話の急速な普及に伴い、「情報社会」という言葉が一般に広く用いられるよ
うになってきたが、情報社会(あるいは情報化社会)という概念自体の登場は 1960 年代にまで遡ることが
できる。本講義では、情報社会がこれまでどのように論じられてきたのかを概観しながら、情報社会とはい
かなるものであるのか、情報社会において人々のライフスタイルはどのように変化しているのか、などにつ
いて考える。また、情報社会の類義語として用いられるネットワーク社会やデジタル社会などとの相違に
ついても検討する。
CB226
情報科学論
現在および今後の高度情報通信社会に、積極的に参画するために必要な基本的知識と分析能力を養う。
自然科学および社会科学の両方の切り口で、情報化社会を理解するための基本的な手法を学ぶ。具体
的には、情報のディジタル化やインターネットの仕組みを理解することを通して「情報」についての理解を
深める。また、様々な媒体での情報伝達を分析し、メディアリテラシーの素養を身に着ける。さらに、ディジ
タルディバイドや情報倫理など、情報社会について考察する。
CB227
情報とコミュニケーション
本授業では、情報社会の発展段階とコミュニケーションの変化、情報社会における情報リテラシー問題、
デジタルディバイドの現状と対策、ケータイ電話やインターネットなど新しいコミュニケーション手段と家族、
友達、企業、社会とのコミュニケーションの姿、著作権など知的財産権とコミュニケーション・メディアの関
係(動画共有サイトとコンテンツ流通の問題を含む)、プライバシーや個人情報保護に関する問題、違法
情報や有害情報へのアクセスの規制と表現の自由の問題、そしてそれらに関する法律・制度・倫理など
について論じる。
CB228
情報システム1(データベース)
「情報システム」とは「情報」、すなわち「意味のあるデータ」を取り扱うシステムであり、コンピュータとネット
ワークの急速な発展にともなってさまざまな場面で活躍している。また「データベース」は、情報システムで
扱う大量のデータを効率よく利用する技術として重要である。本科目では、システムアドミニストレーション
241
について、実習もまじえて、情報システムの基本を理解する。授業の前半はリレーショナルデータベースと
SQL、後半は表計算によるデータ処理について、実践的に学ぶ。
CB229
情報システム2(設計と管理)
「情報システム1(データベース)」に続き、実習をまじえ、情報システムを活用するエンドユーザの立場か
ら、データベース以外の情報システムについて学ぶ。インターネット、データ分析と問題解決の技法、文
章化をはじめとする表現能力と発表技術、ヒューマン・コンピュータ・インターラクション、セキュリティ、信用、
プライバシー、ソフトウェア開発の手法、設計と管理など、情報処理技術に関して重要なことを、実践的に
学ぶことができるように授業を組み立てている。
CB230
情報通信ネットワーク1(ネットワークプロトコル)
ネットワークの基本を系統的に学ぶ科目である。(「シスコ・ネットワーキング・アカデミー」のセミスター1に
相当する。)OSI 参照モデルを中心としたネットワークの基礎、ルーティング、UTP ケーブル作成、ネットワ
ーク利用のトラブル・シューティングまで、ウェブ教材も使い実習をまじえながら授業を行う。その中では、
ウェブ教材などが用いられ、受講者は、原則として、自分のノートパソコンを用いてこれに参加する。
CB231
情報通信ネットワーク2(通信サービスとセキュリティ)
前期の「情報通信ネットワーク1(ネットワークプロトコル)」に続く科目である。(「シスコ・ネットワーキング・
アカデミー」のセミスター2 に相当する授業である。)各自に配布するネットワークのシミュレータソフトと、全
部で数台あるルータの実機を用いて、静的ルーティング、動的ルーティング、ネットワーク構築作業のトラ
ブル・シューティングに必要なスキルを、実習をまじえながら授業を行う。受講者は、原則として、自分のノ
ートパソコンを用いてこれに参加する。
CB232
インターネット概論
普段何気なく使っているインターネットであるが、それが人間同士のコミュニケーションや社会に与えてい
る影響は大きく、現代社会にはなくてはならないインフラにまで成長した。本講義では、インターネットが
一体どう動いているのか、その仕組みを述べ、インターネットがどのような役割を担っているのかを紹介し
ながら、インターネットとはどのようなものなのかについて講義する。また、学んだことからインターネットの
持つ可能性について展望する。
CB233
インターネット応用
今やさまざまな局面でインターネットが利用されている。必要な情報を容易に取得できる利点もあるが、ウ
ィルス被害や個人情報流出といった問題点も存在する。本講義では、社会においてインターネットがどの
ように利用されているかを見ながら、インターネットに求められていること、インターネットの可能性につい
て考える。特に、社会基盤としてのインターネットに求められている、セキュリティに関する問題や新しいコ
ミュニケーション形態について学ぶ。
CB234
情報と職業
情報社会の進展に伴い、ITを活用した新たな働き方として、企業におけるテレワークが普及してきた。こ
れはワークライフバランスに配慮したワークスタイルであり、女性のみならず、男性、および高齢者、障害
242
者にとっても、柔軟な働き方をもたらすユニバーサルなものである。また地方での起業も可能にし、地域の
活性化に貢献する可能性も大きい。この授業では、IT が 21 世紀の働き方やライフスタイルに及ぼす影響
と、ユニバーサルなユビキタス情報社会が拓く将来の可能性について議論する。
CB235
コミュニケーション特論(心理)
人間や生体のコミュニケーションには、コミュニケーションの主体(人間や生物)の心が果たす役割が大き
い。同様に、コミュニケーションは、それに関与している主体の心の動きにも影響を及ぼしてくる。心理学
がコミュニケーションと関係してくるのは、このような側面においてである。そこで、「コミュニケーション特論
(心理)」では、コミュニケーションに関わる心理学的な研究の中からトピックや分野を限定し、それについ
て詳しく、しかし平易に講義する。
CB236
コミュニケーション特論(社会)
人間と社会に対する理解を深めるため、これまで社会学分野で行われてきた代表的な研究、それら研究
から導き出された諸理論と概念を検討する。そうすることで、社会学の研究方法についても学ぶ。今日私
たちが直面している様々な社会問題について考え、その改善と解決に向けて何ができるか、その手掛か
りを得ることもこの授業の重要な目標の一つである。そのため、受講生には、授業時間外にも、いま私た
ちが抱えている社会的な問題が、マスコミでどのように取り上げられているかについて関心を持つことが求
められる。
CB237
コミュニケーション特論(メディア)A
メディアは現代社会の重要は情報源となっており、私たちの生活や現実認識に様々な形で影響を及ぼし
ている。また、既存のマス・メディアに加えて、携帯電話やインターネットなど、新しいメディアの登場によっ
て私たちの生活においてメディアのもつ意味は益々大きくなっている。この授業では、私たちとメディアの
かかわりについて検討するため、メディア・コミュニケーションに関する諸理論と研究を取り上げ、多様化し
ているメディアとコミュニケーションの諸問題について理解を深めていく。
CB238
コミュニケーション特論(メディア)B
この講義ではメディアと人権について考える。取材対象の問題や外国人、女性、高齢者など特定の集団、
とりわけ社会的マイノリティと言われている人々に対する取材や報道・描写の内容、さらにそれらマス・メデ
ィアの内容が視聴者や読者に与える影響について具体例を見ながら検討する。また、近年問題になって
いる、犯罪報道などにおいてよくみられる集団的過熱取材(メディアスクラム)との関連でメディアと人権問
題(例えば被害者や被疑者のプライバシー侵害)についてもとりあげる。
CB239
コミュニケーション特論(国際)A
他の文化との出会い、他の文化と自分の文化を比較することにより、個人の意識や行動パターンは変化
していく。異文化適応や文化心理学に関する理論を学び、異文化接触の具体的事例を通して、どのよう
に個人が新しい文化や他者との出会いを通して自分を作り替えていくかを学ぶ。具体的には「文化とコミ
ュニケーション」に関する研究の流れ、異文化適応・文化心理学などに関する理論について学び、子ども
243
の異文化体験や日本にいる移民の異文化体験など異文化接触の具体例を紹介し、それについての議
論・発表などもおこなう。
CB240
コミュニケーション特論(国際)B
メディアが多様化するなか、国境を越えたコミュニケーションのあり方もさまざまに変化してきている。旧来
のメディア、新しいメディアを問わず、国や地域によってその位置づけや内容は異なっており、社会のな
かで異なる役割をはたしている。まずそれらの違いについて学び、それをおさえた上でさらにメディアを通
じておこなわれる国際理解(あるいはメディアによって引き起こされる誤解)について具体例の紹介・議
論・発表などを通じて深く学ぶ。
CB241
コミュニケーション特論(情報)A
WWW は、能力や環境にかかわらず誰でも(人間はもちろん人間の代わりに働くコンピュータプログラムで
も)多様な形で情報を利用できる、ユニバーサルな情報空間として誕生した。この基本を正しく理解する
ため、URI や文字コードといった基盤から、HTML や CSS などのなじみのある技術、さらに XML や RDF
のような発展的な技術までを、原典(仕様書)を踏まえて学ぶ。さらに、これらの技術を用いてデータを自
分で(コンピュータを使って)表現しながら、WWW の可能性について実習をまじえて考えてゆく。
CB242
コミュニケーション特論(情報)B
情報技術に関わる話題について、その時々の最新のテーマを取り上げる。その分野で研究を行っている
講師を迎えて、デモや実験や実習を交えて、初学者でもわかるように授業を進める。具体的なテーマは
開講年度によって変わるが、情報技術と人間の両者に関わる分野に焦点を置いて、音声インターフェー
ス、障害者向けの支援技術、ヒューマン・コンピュータ・インターラクション、ユニバーサル・デザイン、ユー
ザ中心設計などの話題を扱う。
■基盤演習
CB301
1年次演習(コミュニケーション)
学生は「1年次演習(コミュニケーション)」で、演習という授業形式に初めて参加する。演習では、教員だ
けでなく、受講生も主体的に、授業の内容を構成していく。高校までの、どちらかというと無批判的な吸収
一方の学習スタイルから、批判的で主体的・探索的な学習スタイルへ変わる訓練をする。1年次の演習で
は、コミュニケーション学への入り口として、関連の文献や資料を読み、内容を吟味し、発表し、討論する
ことを通して、学習の仕方のみならず、自分の意見をまとめ、プレゼンテーションを行う力も養う。
CB302
2年次演習(コミュニケーション)
「2年次演習(コミュニケーション)」では、コミュニケーション学について「1年次演習(コミュニケーション)」
よりも深い学習と議論ができるようにする。そこで2つの工夫をしている。1つは、コミュニケーションのさま
ざまな分野に視野を広げる目的で、「2年次演習(コミュニケーション)」では学生には少し自分の中心的
な関心分野を離れて他の分野について勉強することを奨励する。もう1つは、研究や学習のために必要と
なったときに困らないように、コミュニケーションに関する英語の文献を教材にするという工夫である。研究
分野についての視野とともに、海外での研究にまで視野を広げることができる。
244
■発展演習
CB401
3年次演習(コミュニケーション)I
「3年次演習(コミュニケーション)」では、学生が自らの関心に基づいて演習担当者を選び、その指導のも
とに専門領域の知見を増やしながら、次第に自分の研究テーマを深く掘り下げ、自己の問題意識を明ら
かにし、研究の方法論を確立していく。演習の形式は「2年次演習(コミュニケーション)」までと変わらない
が、内容はより専門的で、読む文献も学術雑誌の論文などが中心となる。「3年次演習(コミュニケーショ
ン)I」では文献研究によって問題意識を深めつつ自分の関心に合ったテーマを探していくことが中心とな
る。
CB402
3年次演習(コミュニケーション)II
「3年次演習(コミュニケーション)」では、学生が自らの関心に基づいて演習担当者を選び、その指導のも
とに専門領域の知見を増やしながら、次第に自分の研究テーマを深く掘り下げ、自己の問題意識を明ら
かにし、研究の方法論を確立していく。演習の形式は「2年次演習(コミュニケーション)」までと変わらない
が、内容はより専門的で、読む文献も学術雑誌の論文などが中心となる。「3年次演習(コミュニケーション)
Ⅱ」では「3年次演習(コミュニケーション)I」よりも具体的に研究を遂行するために必要な方法や概念につ
いて議論を深め、4年次に行う卒業研究の準備を行う。
CB403
4年次演習(コミュニケーション)I
「4年次演習(コミュニケーション)」では、個々の学生の卒業研究と連動させながら、演習が行われる。卒
業研究は、先行研究のレビューや研究の問題意識の明確化、仮説の設定、実証データの収集、その集
計と統計分析、結果の考察、論文執筆にいたる一連の課程である。それを担当教員の支援を受けながら
遂行していく。多くの授業時間外の学習や努力が学生に要求される。
CB404
4年次演習(コミュニケーション)II
「4年次演習(コミュニケーション)」では、個々の学生の卒業研究と連動させながら、演習が行われる。「4
年次演習(コミュニケーション)Ⅱ」の期間に、実証データの収集の後、その集計と統計分析、結果の考察、
論文執筆、繰り返し加筆修正を行うという一連の過程が行われる。これらを担当教員の支援を受けながら
遂行していく。多くの授業時間外の学習や努力が学生に要求される。
■実験・実習
CB501
コンピュータ・スキルズ
データ処理を intensive に行うため、これまでに習得したコンピュータやインターネットを利用した コミュニ
ケーション技術を復習・強化しながら、新たに表計算ソフト、統計パッケージソフトを用いてデータ処理や
統計分析の初歩をマスターし、コミュニケーション研究法や卒業論文研究に生かせるよう実践的に学ぶ。
CB502
コミュニケーション研究法入門
コミュニケーション研究は学際的であり、社会学や心理学などさまざまな学問分野で発達してきた多様な
研究方法が用いられている。本講義ではその中で最も重要な4つ(質問紙調査、質的研究、内容分析、
245
実験)の研究方法を、講義と実習を交えて学んでいく。また、「統計の基礎」を前提に、基本的なデータ分
析方法も学ぶ。この授業を通して、各自の興味に会わせて、どのような方法が可能であるかを知り、3 年次
に履修予定の上級コースである「コミュニケーション研究法実習」につなげ、さらには卒業研究へと結びつ
けていく。週2コマの授業。
CB503
コミュニケーション研究法実習(質問紙調査法)
人々の意識・行動を科学的にとらえるための質問紙調査法の企画・実施と結果の分析とまとめ方を、実習
を通じて、深く学ぶ。仮説や研究課題の設定、調査の企画と設計、調査方法の決め方、調査方法の種類
と特徴、学術調査・世論調査・マーケティングリサーチの違いと特徴、調査倫理、尺度の種類、質問文・調
査票と作り方と調査票作成時の注意事項、調査票作成の実習とプリテストの実施、全数調査と標本調査、
サンプリングの理論と実際、標本数と誤差、データの整理、データ分析、結果のまとめ方について、講義
だけでなく実習をまじえて学ぶ。
CB504
コミュニケーション研究法実習(実験法)
人間のコミュニケーションを実証的に研究する上で、仮説を検証するためには最も強力とも言える研究方
法である、実験法について実習をまじえて学ぶ。人間を実験対象(被験者)にする実験のパイオニアであ
る心理学の領域において蓄積されてきた実験の手法を、研究目的の設定、検証可能な操作的仮説への
落としこみ、実験計画の立案、実施、データの整理、統計分析、考察と結論、報告書の作成まで全手順を
複数回体験しながら、分析方法について、単純な差の検定から分散分析、多重比較、重回帰分析、因子
分析を実験方法と対にして学ぶ。
CB505
コミュニケーション研究法実習(内容分析)
量的内容分析の方法とそれによって得られたデータの解析方法について、実習をまじえて解説する。内
容分析とは何か、内容分析にできることとできないこと、内容分析の一般的手続き(サンプルの選び方、コ
ーディングシートの作り方・作成上の注意事項、データの集計方法、データの分析方法、結果のまとめ方)
などを、質問紙調査との比較を通じながら詳しく学んでいく。また、重回帰分析を中心に、分散分析や因
子分析など主要な多変量解析法の基礎についても学ぶ。
CB506
コミュニケーション研究法実習(質的研究)
さまざまな質的データの収集方法(インタビュー=構造化面接・焦点面接または半構造化面接・非構造
化面接、観察、参与観察など)や分析方法について実習をまじえて解説する。現代の質的研究は、フェミ
ニズムやポストモダニズム以降の実証主義批判や序列関係のない調査関係の追求といった特徴を持っ
ている。各自の関心を生かしたフィールドワークも織り込みながら、卒業論文で実際にこれらの方法を応
用した調査研究を行うことができるよう、事例研究、観察、参与観察などの手法を習得し、その活用に向
けた指導を行う。
CB507
社会調査法実習 I
この授業の目的は、受講者が社会調査のプロセスを経験することにより、社会調査を計画し、実行するた
めに必要な知識とスキルを獲得することである。「社会調査法実習 I」では、まず社会調査の目的(何が分
246
かるか)と方法(質問紙調査、内容分析、インタビュー調査など)について理解する。次に、先行研究の整
理と調査の企画、仮説構成、調査に向けての準備(調査項目の決定や質問票の作成、サンプリングなど)
を実査に向けて行い、調査を実施し(質問紙の配布と回収、インタビュー、コーディング・シートを使っての
内容分析)、データを収集する。
CB508
社会調査法実習 II
この授業の目的は、受講者が社会調査の実際を経験することにより、社会調査を計画し、実行するため
に必要な知識とスキルを獲得することである。「社会調査法実習 II」では「社会調査法実習 I」で収集した
データを整理、分析し、報告書にまとめる作業を行う。質問紙調査あるいは量的な内容分析を行った場
合には、データの入力ならびに統計ソフト(SPSS)を用いたデータの加工・分析についても指導する。イン
タビュー調査などの質的方法によりデータを収集した場合には、データの整理に続いてデータの解釈に
ついて受講者からも案を募り、報告書にまとめる。
247
言 語 科 学 専 攻
■入門
CC001 言語研究入門A
英語を中心に、言語を研究する上での基本的な概念と分析方法を学ぶ。言語表現の音と意味、語の構
造、文の構造、文脈から導かれる意味、言語の史的変化など、人間の言語が持つ多様な側面を考察する。
英語に見られる現象を例に、人間科学科科目「人間科学概論I」「人間科学概論ⅡC」の内容を補い、言
語科学専攻の英語研究・言語研究関連の科目への導入を行う。
CC002 言語研究入門B
日本語を中心に、言語を研究する上での基本的な概念と分析方法を学ぶ。言語表現の音と意味、語の
構造、文の構造、文脈から導かれる意味、言語の史的変化など、人間の言語が持つ多様な側面を考察
する。日本語に見られる現象を例に、人間科学科科目「人間科学概論I」「人間科学概論ⅡC」の内容を
補い、言語科学専攻の日本語研究・言語研究関連の科目への導入を行う。
CC003 言語研究入門C
言語は人間が日常的に用いているものであるが、普段はそれほど意識されてはいない。特にまだ言語学
にあまり接したことのない学生が「ことばとは何か」という疑問を持ち、興味を持つ様になること、ことばの中
に見られるさまざまな驚くべき性質を知り、それからの言語研究の各分野への導入となることを目標とする。
講義は、学生の自主的な興味を喚起させるべく、ディスカッションや各自のこれまでの言語体験に関する
発表をおりまぜたものとする。
CC004 言語研究入門D
第1言語(母語)として「自然に」使用してきた日本語について、第 2 言語として日本語を学ぶ学習者の視
点から、改めて意識的にとらえなおす。日本語教育の現場で学習者から出される疑問や誤用などを参考
にしながら、文法、語彙、音声、文字・表記といった言語の構造の側面から、また実際のコミュニケーショ
ン場面における社会言語学的・社会文化的な側面から、日本語の特性を考え、多様な言語および言語
文化を相対的に見る視点を養う。
■基盤講義
CC101 一般音声学 I
言語にとって非常に重要な要素である音声、発音のメカニズム、音素の体系を理論的に学び、日本語、
英語のみならず、他の多くの言語の音声の特徴、調音の違いの理解につなげる。本講義では、音声器官
の働き、母音、子音の弁別的特徴、音縮約、同化、音節、音素配列などに焦点をあて、一般音声学の基
礎を修得させる。
248
CC102 一般音声学 II
音声学の基礎的知識の上に更に、世界の言語音を対象に音声についての知識を深めることを目標とす
る。音声と書記法についても考え、音声を正しく聞き取り、音声記号で書きとめる実習も行う。また、文のレ
ベルでのプロソディー、強勢とピッチ、声調、リズムやイントネーションや音韻規則などについても考察す
る。
CC103 英語音声学
人間の発声器官の仕組みとその器官を用いて発される言語音の特徴、国際音声表示、強勢やリズムなど
の超分節的特性など、言語の音声を理解するために必要な基礎に基づき、英語の音声の特徴を学ぶこ
とを目標とする。同時にこれらの知識を活かして英語の発音、聞き取り能力の向上をめざす。週2コマの
授業。
CC104 英文法 I
英語の文構造についての基本概念を学び、英語に見られる品詞・用法、さらに個々の文の構造上の規
則性や、形と意味のずれ、スピーチレベル、認知との関係などに注目する。「英文法を習う」のではなく
「英文法を考える」ことを目指す。単文の構造、文のタイプと談話における機能、等位接続、複文の構造な
どを中心に、英語の文の仕組みを考える。
CC105 英文法 II
「英文法I」で学んだ基礎に基づき、さらに英語の仕組みについて考察を深める。英語に見られる規則性・
不規則性や、スピーチレベル、談話文法、意味と認知との関係などに注目する。動詞と助動詞、動詞句
の意味、名詞と冠詞、前置詞、形容詞などを中心に、意味、形態、統語的な観点も加え、英語の構造を
詳しく学ぶ。
CC106 英語史 I
アングロサクソン人のブリテン島渡来を契機とする英語の発祥(古英語)から、その後の変遷(中英語~初
期近代英語~現代の英語)と国際語への拡がりに至る過程を辿り、内的・外的要因による様々な変化を
概観して、人間言語のひとつとしての英語の通事的な姿の理解をめざす。その上で現代英語との関連を
考えながら過去の英語の姿を観察し、英語に起きた変化と各時代の社会的・文化的背景との関係を考え
ることによって、現代英語および言語と社会の関係についての知見を深める。
CC107 英語史 II
「英語史I」で学んだ英語の史的変化の知識をさらに深めるとともに、地域的な変異との関連を学ぶ。スコ
ットランド・ウェールズ・北アイルランドの英語、アジアの英語、アフリカの英語などを含めた世界の英語の
多様性、英語と他の言語の間に発生した影響、英語圏内のマイノリティの実態などを取り上げ、現代の世
界および日本における英語教育のあり方を考える基盤となる知識・知見の獲得を目指す。
249
■特殊講義
CC201 音韻論 I
音素、音節構造、強勢やイントネーションなどの基本概念について学ぶとともに、日本語や英語などの言
語を例に、言語ごとの特色について考察するのが目的である。「音素」とは何か、言語ごとに、また、時代
ごとに、その体系はどう異なるか、また、各言語で可能な音節はどのようなもので、それを構成する原理は
どのようなものか、さらに、強勢やイントネーションのパターン、リズムは言語ごとにどのような特色があるの
かなどの問題を探ってゆく。
CC202 音韻論 II
「音韻論 I」で学んだ事象をさらに掘り下げて考察するとともに、知識を体系化してゆくのがねらいである。
母音や子音の働きはいかなるものか、人間はそれをいかに知覚しているのか、強勢やイントネーションが
果たす役割は何か、言語リズムと音楽のリズムとの関係はどうなるのかなどの問題を考察する一方で、音
韻論に関するさまざまな理論(生成音韻論、最適性理論、自律分節理論、Metrical Theory など)の考え
方や特色を探る。
CC203 形態論 I
日本語・英語・その他の言語を例に、語の内部構造を分析し、人間の言語能力の中の語形成のメカニズ
ム、複数の形態素から成る語の意味と形(音声言語における音形、手話における手・表情の動き)の関係
を決定するメカニズムを探る。直感的な「語」という概念を見直し、ひとつの語を形作る複数の形態素間に
許される関係を見極め、「語」の構成原理を考える。
CC204 形態論 II
語形成に関する言語間の差異・共通性を手がかりに、人間の言語能力の中で様々な形態素とその組み
合わせにより成り立つ語構造が果たす役割を考える。言語ごとに許される形態素の形やその結びつきが
異なることにより、その言語に特有の「個性」が生み出されているということを発見し、その多様な組み合わ
せのメカニズムに共通する原理を探り、人間言語に共通する普遍的な特質について考察する。
CC205 統語論 I
英語、日本語、その他の言語の多様な統語現象の中に規則性を発見し、人間の脳に内在する認知能力
の一部を成す文生成のメカニズムを探る。一見互いに異なる構成素構造や文法範疇の間に見られる一
般性、および言語間の共通性と差異についての手がかりを確かめていく過程を経験することによって、言
語を見る眼を養うとともに、データを分析する能力、議論を組み立てる能力を強化する。
CC206 統語論 II
統語移動や束縛関係などの長距離依存関係のメカニズムを例に、構文を超える一般性の吟味、言語間
の対照などに基づき、人間の脳に内在する普遍的な文生成のメカニズムについての考察を深める。仮説
の体系から予測を導き検証する過程、規則性の記述から説明へと分析を深める過程を通して、思考力や
250
分析力を養うとともに、自然界の一部であり自らのこころの一部でもある「人間の言語能力」に迫ろうとする
人間の知的営みを体験する。
CC207 語用論 I
語用論の分野でこれまでに取り上げられてきた諸問題を紹介しながら、広く人間の言語使用について考
える。「人間言語」という抽象化した概念の構造分析を中心とする言語研究の方法と対比させて、具体的
な生きた人間のやり取りの中に実在することばに注目することで見えてくる問題を取り上げる。話者が何を
考えているか、それを聞き手はどのように推論するか、二人以上の主体である人間のかかわりが問題とな
る。自分の心を表現し、相手の心を読むというコミュニケーションの問題に迫ることになる。
CC208 語用論 II
英語語用論の分野で取り上げられてきた、言語使用の中心である発話研究、会話研究の諸問題を概観
する。発話行為、会話の公理、話者交代のメカニズム、ポライトネスの問題などを探りながら、英語の具体
例を考える。さらに、自分たちの会話行動に目を移し、日本語の具体例をも考えることによって、ことばに
よるコミュニケーションを通しての人間理解を深めることを目的とする。
CC209 意味論 I
言語表現の意味の諸相を探る。意味という形に見えないものについて、漠然とした印象を語るのではなく、
その性質を明示的に捉えるために、意味的に類似する言語表現の間の関係、より複雑な表現の中で共
起しうる表現の間の関係、文の表す命題間の関係など、意味論の分野の様々なトピックについて考察す
る。年度により、語用論、統語論、形態論等の隣接分野にまたがるテーマにも言及する。
CC210 意味論 II
「意味論I」で概観した言語表現の意味の諸相を踏まえ、比喩表現などにおける意味の拡がり、認知的背
景、通時的な意味変化など、意味に関わる様々なトピックを取り上げる。我々の周囲に観察されるレトリッ
クなど、言語表現の具体例の分析に触れ、また自ら分析を試みることを通して、人間の言語で表現しうる
意味の可能性とその仕組みを考える。
CC211 コーパス言語学 I
コンピュータを利用して言語テキストを分析するコーパス言語学の初歩を学ぶ。履修者ひとりひとりが分析
を体験することを通してコーパスを活かす言語研究の考え方を身につけ、目的に沿ったコーパスを作成
するための留意点、統計的に捉えることのできる言語現象の種類、コーパス言語学を言語研究その他の
目的に活用する可能性、などについての理解を深める。
CC212 コーパス言語学 II
「コーパス言語学I」で学んだ知識・技能を基礎に、コーパスを活かす言語研究をさらに深めることを目標
とする。履修者ひとりひとりが、各種コーパスを利用して使用頻度、連語的結びつきの強さとキーワードな
どを調査し、その結果のデータを語彙・文法・談話・ジャンルの分析に活かせるようになることを目指す。
251
CC213 文体論 I
文体論に関する初歩的知識を身につけ、さらに日ごろ目・耳にする英語ないし日本語のテクスト・発話の
文体に意識的に注目する姿勢を身につける。文体論という研究分野への導入の後、音韻論、書記論、語
彙、意味論、統語論、韻律、前景化、言語使用域、修辞法などに触れながら詩の文体・発話・テクストの
文体などについて考える。
CC214 文体論 II
文体理論および文体分析に関する知識を活かし、文体を意識した英語ないし日本語の文章の作法を考
える。「小説の文体」および「文体理論」を中心に、語り、視点、話法、時間の移動、テクスト間相互関連性、
メタフィクション、文体論の歴史、教育的文体論、創作文体論などに触れながら、読み解くテクストと自ら創
り出すテクストの文体について考える。
CC215 言語類型論A
世界の言語はさまざまな基準によって分類が可能である。起源、発達過程も異なったり、また逆に同じ祖
語を共有するものであったりする。本講義では比較言語学と対照言語学を概観した上で、言語の類型に
ついて考える。世界の言語を類型的に見る場合によく取り上げられる言語現象―語順、格標示、ジェンダ
ーや類別辞、数標示などの統語、形態的特徴―を多地域の言語を対象に考察し、言語の普遍性とは何
かを探る。
CC216 言語類型論B
世界のさまざまな言語の言語現象を考察し、それらの間で共通した特徴や相違点を探る。その上で、言
語の一般的な性質、普遍的ないし個別的な特徴、類型的分布、言語の発達、民族、文化との関連性など
を考える。本講義では、先ず、類型論研究がどのようなものであるかについて論じ、次に世界の言語を典
型的な類型に分類し、どのような言語特徴が互いに関連し、共起するものであるか、何が普遍的な特徴と
いえるか等の問題について考える。
CC217 文字表記論A
文字の存在意義と機能、文字の基本的性質、文字と言語との関係、字体・字形・書体およびその弁別特
徴と余剰特徴、句読法、文字表記の方向・配列・配置、他の平面図形や空間認識との関係など、文字表
記をめぐる問題を取り上げ、人類の言語における文字の位置・役割という問題を考える。
CC218 文字表記論B
文字表記の実態とその分析を取り上げ、様々な文字体系、言語との対応、表記スタイル、表記の方向な
ど、文字表記をめぐる様々な問題および文字表記の多様性と文字表記システム間の類似性などを中心
に、人類の言語における文字の位置・役割という問題を考える。
CC219 社会言語学A
社会生活の中での言語の諸相とそのとらえ方について、主に日本語の具体事例を取り上げながら学ば
せる。日本語の地理的変異に着目し、貴重な言語資料である全国に広がる様々な語の分布から、ことば
の生成・発展・衰滅のプロセスをたどっていく。小方言から中核方言への統合現象や衰退する伝統方言
252
に代わる新しい方言の発生・浸透などの実態もふまえ、共通語との接触による方言の変容、それに伴う方
言の運用や意識の問題についても考えていく。
CC220 社会言語学B
社会生活の中での言語の諸相とそのとらえ方について、主に日本語の具体事例を取り上げながら学ば
せる。日本語の変種を年齢差、性差、場面差などの多角的な視点からとらえ、表現形式や談話構造のバ
ラエティを探っていく。ことばの規範、アイデンティティとことばとの関係を言語意識の側面からとらえ、コー
ドスイッチング、コミュニケーションストラテジー、敬語選択などの言語運用に具現されていく状況を、背後
で作用している様々な社会文化的要因を視野に入れながら考えていく。
CC221 Cross-Cultural Understanding A
英語を通して、さまざまな角度から、異文化について理解を深め、それによって、自文化についても考え
る。受講者の主体的な参加を求めるため、プレゼンテーションもとりいれたインタラクティヴな授業形態と
する。たとえば、イギリスにおける英語文化のさまざまな側面、アメリカ社会の多文化・多言語性、西洋文
化と日本文化の比較検討などが主なトピックとなる。
CC222 Cross-Cultural Understanding B
英語を通して、さまざまな角度から、異文化について理解を深め、それによって、自文化についても考え
る。さまざまなテーマのもとで文化のあり方を理解し、言語研究や言語教育に活かせる知見を得ると同時
に、英語によるイマージョン科目として授業をすべて英語で行うことにより、履修者の英語の運用能力を高
めることも目標とする。
CC223 言語文化論
言語と文化の相互関係について考察することを目的とする。いくつかの言語を例にとり、色彩表現、時間
の区切り方(時制・アスペクト)、politeness の表し方、情報の提示の仕方などにおける言語間の異同に関
する考察を通して、言語の恣意性に関するソシュールの言説や「言語が違えば世界の見方が異なる」と
する Sapir-Whorf 仮説の吟味を行う。心理学やコミュニケーション研究との関係も視野に入れて、人間の
「世界」に対する認識様態や異文化間コミュニケーションについて理解を深める。
CC224 翻訳研究 I(翻訳と異文化理解)
広い意味での異文化交流・異言語間コミュニケーションを考え理解するうえで、「翻訳」が果たす役割に着
目した講義科目である。翻訳の役割を多角的に検討する手がかりとして、翻訳された作品と原作とのズレ
の諸相や、翻訳出版のなされ方などを具体例を通して学ぶ。たとえば、近現代の英米文学、とくに「名作
児童文学」の日本における翻訳受容史と影響関係などを取り上げる。合わせて、「翻訳研究」という新しい
学問領域のさまざまなアプローチについても学び、「翻訳研究 II(異文化摩擦の諸相)」の基礎をつくる。
CC225 翻訳研究 II(異文化摩擦の諸相)
「翻訳研究 I(翻訳と異文化理解)」で学んだことを基に、「翻訳」を通してさらに深く異文化交流・異言語間
コミュニケーションについて考える。講義科目ではあるが、学生自身の問題発見に基づいた発言を促し、
インタラクティヴに進める。主として、プロの翻訳者により翻訳された文と原文との比較対照をおこない、そ
253
こに見られるズレの諸相をとらえ分析する。たとえば、言葉がより複層的な意味をもって用いられる文学作
品を素材として、現代日本文学の英訳や、現代英米文学の日本語訳などを、各原文と比較検討する。
CC226 文学とことばA
「文学とことば」に関して、さまざまな角度から考える。主として散文を素材にし、文学からのアプローチと
する。たとえば、テーマとしては、「子ども性」(childness)をキーワードに英語圏児童文学作品の変遷を概
観する、ファンタジー作品を成立させている見えないものを見えるように描く「ことば」の用いられ方を多角
的に検討する、文体と作品のテーマの結びつきを分析する、などがある。
CC227 文学とことばB
「文学とことば」に関して、さまざまな角度から考える。主として韻文などを素材とし、ことばからのアプロー
チとする。たとえば、テーマとしては、以下のようなものがあげられる。英語のリズムや韻について韻文を中
心にさぐる。ナーサリーライムや古謡の形式とテーマのバラエティを見る。あることばや事柄・動植物のも
つイメイジを複数の国の文学作品で横断的にさぐる。ことばと論理のからくりをナンセンス文学を素材に分
析する。特定のことば(翻訳語を含む)の用いられ方の変化を歴史的に分析する、など。場合によっては、
複数担当者による連続講義形式も想定する。
CC228 言語とアイデンティティ
ことばが発せられた時、人はその言語の中に情報内容だけでなく同時にその言語の話者の持つ公的お
よび私的なアイデンティティーを感じとっている。本講義では、人の身体的ないしは精神的アイデンティテ
ィー―年齢や性別、性格や経歴などの側面―や、話者社会の民族性や文化、価値観、社会構造と言語
がどのように関わっているかを考察する。言語を用いる際のコンテクストや社会方言、文体、マイノリティー
言語、国家と言語政策などのトピックについても探る。
CC229 言語と社会の諸相A
広告のことば、新語の使われ方、商品のネーミング、political correctness、プロパガンダ、言語的マイノリ
ティ・バイリンガル・バイカルチュラルの人々を巡る環境など、社会の中の様々な言語現象を取り上げて考
察する。他の言語科学専攻科目の知見を社会言語学的考察・社会学的考察につなげることによって、言
語と社会の関係について認識を深めることを目的とする。
CC230 言語と社会の諸相B
現代社会で話されている言語は地域的にも社会的にも大変多様化したものである。言語が社会の中で
果たしている様々な役割を考え、またこれまでの、あるいは現在進行中の言語変化について考察すること
により、言語そのものの理解とともに言語の社会的側面の理解を深める。
CC231 言語とこころA
幼児の言語発達、大人の発話・聴解・読解、失語症の症例などに関する事例研究と、言語理論・学習理
論等を吟味し、母語の獲得、言語運用、脳内の言語処理などのメカニズムについて考察する。さらに、他
の言語科学専攻科目の知見を心理言語学的な考察につなげることによって、言語と「こころ」の結びつき
についての総合的な認識を育むことを目的とする。
254
CC232 言語とこころB
幼児の言語発達、大人の発話・聴解・読解、失語症の症例などに関する事例を手がかりに、母語の獲得、
言語運用、脳内の言語処理など、人間のこころの中の言語に関わるメカニズムを概観する。心理言語学
的考察に触れ、身近な言語現象を吟味することを通して、日常の言語活動の中にも人間のこころを見る
手がかりが溢れていることを発見する。
CC233 第二言語習得基礎論 I
これまでの主要な第二言語習得理論を概観し、第二言語(外国語を含む)習得のメカニズムについて学
ぶ。行動主義理論、生得説、臨界期仮説、社会文化理論、インタラクション説などを中心に理論を学んだ
上で、母語(第一言語)習得と第二言語習得の類似点と相違点、第二言語の習得順序、母語が第二言語
習得に及ぼす影響、子供と大人の習得の違い、更にバイリンガル教育についても考察し、第二言語習得
過程の全体像をつかむことを目標とする。
CC234 第二言語習得基礎論 II
「第二言語習得基礎論I」で学んだ習得理論についての知識を踏まえ、「第二言語習得基礎論Ⅱ」では、
第二言語(外国語)の学習に影響を与えるさまざまな要因について検討する。第二言語習得の過程では、
学習者の置かれた環境などの外的要因のほかに、学習者の言語適性、性格、動機、年齢などの内的要
因が相互に作用しているが、その複雑な現象を理解し、考察することを目標とする。学生各自の言語体
験をこれまでの主要な研究成果に照らし合わせながら考察を深める。
CC235 日本語教育研究概論 I
日本語教員養成課程の最初の必修科目として、日本語教育について、関連領域も含めた広い視野から
概観し、国内および海外のさまざまな学習者に対して行われる日本語教育の多様性を捉え、日本語教師
となるために持つべき資質と能力についての見通しを持つことを目標とする。「日本語教育のための教員
養成について」(文化庁、2003)に示された教育内容を踏まえ、「社会・文化・地域」、「言語と社会」、「言
語と心理」、「言語と教育」、「言語一般」の 5 領域から日本語教育の対象、環境、内容、方法等について
考察する。
CC236 日本語教育研究概論 II
日本語教育について、関連領域も含めた広い視野から概観し、国内および海外のさまざまな学習者に対
して行われる日本語教育の多様性を捉え、日本語教師となるために持つべき資質と能力についての見
通しを持つことを目標とする。この授業では、多様な日本語学習者の個々について理解するための観点、
学習支援の基本である日本語説明能力、日本語教育能力を中心に、日本語教師として必要となる知識・
能力に重点をおいて考察する。
CC237 日本語教育研究 I
日本語教育について、社会的行為としての言語教育という視点と、個人の認知活動としての言語習得と
いう視点の両面から見ることによって、言語教育を動的に捉える力を養う。社会的視点を中心に取り上げ、
外国語としての日本語教育(JFL)と第二言語としての日本語教育(JSL)の相違、各国の言語政策や言語
255
教育政策と日本語教育の目標設定の関係を理解することによって、教室での実践事例を分析的に捉え
る。またコミュニケーション能力、社会文化能力など日本語教育が育成すべき能力について、諸理論を踏
まえて考察する。
CC238 日本語教育研究 II
日本語教育について、社会的環境からみた言語教育という視点と、個人の認知活動としての言語習得と
いう視点の両面から見ることによって、日本語教育の実践を動的に捉える力を養う。この科目では、学習
者の認知や学習行動など、個々の言語習得における多様性や個別性を理解するため、認知心理学や教
育心理学、異文化間教育学など関連諸領域の研究の動向や理論について学ぶ。それら理論の日本語
教育への応用を考えることによって、4年次の「日本語教育実習」につなげる準備とする。
■基盤演習
CC301 Writing Skills 1
Through a variety of exercises and activities, this course will give practice in commonly used types of
English sentences and will familiarise students with the most common techniques of topic selection and
development. Also included are paragraph structure and various expository writing styles such as
temporal and spatial organisation, expressing opinions, describing processes and giving instructions.
(さまざまな作文練習により、標準的な英語の文体、および、主題の提示や論の進め方について学ばせる。
あわせて、段落の区切り、時空構成、意見やプロセスの表現、指示文等の書き方についても学ぶ。)
CC302 Writing Skills 2
Building on the organisational concepts learned in Writing Skills I, students will study and apply the
techniques for planning, developing, organising, writing, and revising expository English essays. Writing
styles introduced and practised will include definition, classification, comparison, cause and effect,
persuasion/ argument, summary, and analysis.
(「Writing Skills 1」で学んだ文章構成法に基づき、さらに、英語論文を書く上での文章の立案、発展、全
体の構築、推敲に関するスキルを学ぶ。これには定義づけ、分類、比較、原因と結果、反論と議論、要約
や分析が含まれる。)
CC303 2年次演習(言語科学)
1年次で学んだ言語研究入門を踏まえ、言語についての専門知識を深めるため、少人数で行う演習。母
語の獲得や第二言語の習得のメカニズムの研究、言語能力や言語の発達、言語(方言)のバラエティ、認
知能力の考察、歴史、比較言語学などの演習から選択できる。担当教員の専門分野に関わりなく、研究
方法の基礎や学術論文の書き方を学ぶ。文献資料の活用、引用のしかた、問題提起とその対処方法、
調査や分析法、口頭発表のしかたなどについても学ぶ。
256
■発展演習
CC401 3年次演習(言語科学)
2年次で学んだことを基に、学生各自が自分の関心に応じた専門分野の研究を深めることを目標とする。
「4年次演習(言語科学)」に続いて行くものであるため、卒業論文執筆に備えた知識や方法論を学ぶ。
語用論、日英語対照研究、言語習得論、翻訳と翻訳研究、統語論、形態論、少数言語研究などの専門
分野から選択することができる。学生は意欲的にディスカッションや発表に参加することが求められる。
CC402 4年次演習(言語科学)
これまでの演習で学んだ知識や方法論を生かして、学生各自が自分自身の研究テーマを追求するため
の演習。各自の研究は最終的に卒業論文として成果が発表されるため、その制作のための専門知識の
拡充、資料の活用、(アンケート等の)調査の実施、教員の論文執筆指導に加え、教室での論文発表、他
の学生とのディスカッション、フィードバックも含まれる。
CC403 Advanced Writing
This is an advanced course in expository academic writing. Students will learn how to extract and
synthesize relevant information from various types of writing and summarize it without plagiarism, and to
produce coherent, well-organized written work with a suitable layout. An important feature of this course
is the production of a research paper which should prepare students to write their graduation thesis in
English.
(英語論文を書くための上級者向けクラス。学生は、さまざまなタイプの文献から情報を如何に抽出し引
用するかを学び、また、盗用を避けて自分の論に組み込み、論旨の通った文章を適切なレイアウトで書く
練習も行う。とりわけ、卒業論文を英語で書く準備となるよう導く。)
CC404 Advanced Reading & Discussion A
This course is designed to help students develop their capacities to read, discuss, and write intelligently
about a broad range of topics. It begins with the acquisition of those analytical skills required for a clear
comprehension of what is being expressed in a wide variety of texts, and develops those creative skills of
self expression that permit one through verbal interaction and argument to contribute to the formation of
sound opinion.
(さまざまなテーマの文章を読み、論じ、書く力を磨くための演習。種々のタイプのテクスト読解から始めて、
分析力、自分の見解を言語化して表現する能力、他者と論じ合う能力などを高めることがねらいである。)
CC405 Advanced Reading & Discussion B
This course is designed to help students further develop their capacities to read, discuss, and write
intelligently about a broad range of topics. It aims to further develop the analytical and self-expressive
skills acquired in Advanced Reading and Discussion A.
(さまざまなテーマの文章を読み、論じ、書く力を磨くための演習を通じて、「Advanced Reading and
Discussion A」で培った自己表現力、分析力をさらに伸ばすことをめざす。)
257
CC406 Advanced Speaking A
The purpose of this course is to give the students ample opportunity to practice a wide variety of the
speaking skills that are required of all those who wish to become participating members of the
international community. The main focus of Advanced Speaking A will be on conversational pragmatic
skills.
(国際的なコミュニティの一員となるために必要な、スピーキング能力を磨く機会を提供することを目標と
する。「Advanced Speaking A」では、実際の英会話で有用なスキルを習得させることを主眼とする。)
CC407 Advanced Speaking B
The purpose of this course is similar to Advanced speaking A, namely give the students ample opportunity
to practice a wide variety of the speaking skills that are required of all those who wish to become
participating members of the international community. Its main focus will however be on presentation
skills.
(「Advanced Speaking A」と同様、国際的なコミュニティの一員となるために必要な、スピーキング能力を磨
く機会を提供することを目標とする。「Advanced Speaking B」では、特に、口頭発表のスキルを身につけ
る。)
■実験・実習
CC501 フィールド言語学
予備知識の全くない言語や方言を辞書や文法書に頼ることなく自分で分析する力を養うことを目標とする。
フィールド言語学に関する論文を読み、調査方法や問題点を考える。また、言語を記述する上での基礎
となる言語学の知識を養い、実際の言語話者(年度により異なる言語の話者をコンサルタントとする)から、
学生自身(小グループの単位)が聞き取り調査を行い、文法の方法、音韻、語彙、形態の記述を行う。そ
の後、各自の分析のレビューを行い、クラスでディスカッションを行う。言語調査の経験は、学生自らが言
語の仕組みについて積極的に考え、分析する足がかりとなる。
CC502 日本語教育実習
日本語学習支援の行うために必要な事前準備、実践、実践に関する評価という教育の全体を経験する。
この授業では日本語学習のコースデザイン、授業の設計、教材作成、評価などについて、実践に向けた
指導を行う。それに基づいて学生は学内あるいは学外において教育の実践を経験し、そこで得た知見や
疑問について、授業でフィードバックを行う。
さらに、実践の評価・改善を可能にするため、学生個々の目標設定とその評価の方法の明確化、評価の
ためのデータ収集と記録、データに基づく振り返り(評価)を実施し、口頭での発表と報告書作成を通して、
学生相互の経験の共有と理解の深化を図る。
258
数 理 科 学 科
■数学基礎
DK001
微分積分学 I
微分積分学の基本事項について講義する。微分積分学の初歩については高校でも学んでいるが、その
延長として多項式、有理関数、無理関数、指数関数、対数関数、三角関数、逆三角関数などの初等関数
を中心とした1変数関数の微分と積分を体系的に学習する。高校での履修内容との重複を厭わず初等関
数の定義と性質、微分と積分の定義と計算法などから始めて、1変数関数の微分と積分について体系的
かつ正確な理解をさせることをめざす。また、微分積分学が力学を始めとして理工学分野の言語としての
役割も担っていることを認識させる。
DK002
微分積分学 II
「微分積分学Ⅰ」に引き続き微分積分学の基本事項について講義し、2年次以降の数学、情報学、自然
科学の学習で必要になる微分積分学の基礎学力を養成することを目標とする。「微分積分学Ⅰ」におけ
る初等関数の微積分についての基本的な理解をもとに、1変数関数の微分積分とその応用についてさら
に深く学ぶ。たとえば微分の平均値の定理の拡張としてのテイラーの定理や、区分求積法などを通して、
関数の近似と微分積分学との深い関連について理解させる。さらに時間に余裕があれば多変数関数の
微分積分についても触れる。
DK003
微分積分学演習 I
「微分積分学Ⅰ」の講義内容および関連した話題に関する問題演習を行い、微分積分の基礎事項に習
熟すると共に、計算力を養うことを目標とする。各自が自力で演習問題を解くことによって、初等関数の微
分積分に対する理解を確実なものにし、正確に計算が行えるようになることをめざす。「微分積分学Ⅰ」の
講義では微分積分学の体系的な理解が主眼であるが、ここではその理解を確実にするための基本的な
問題演習と、講義では十分に触れられない微分積分の種々の応用に関する問題演習を交えて行う。
DK004
微分積分学演習 II
「微分積分学Ⅱ」の講義内容および関連した話題に関する問題演習を行い、微分積分についての理解
を深めると共に、応用力を養うことを目標とする。各自が自力で演習問題を解くことによって、微分積分学
の発展的な内容についての理解を確実なものにし、正確に計算が行えるようになることをめざす。「微分
積分学Ⅱ」の講義では微分積分学の体系的な理解が主眼であるが、ここではその理解を確実にするため
の基本的な問題演習と、講義では十分に触れられない微分積分の種々の応用に関する問題演習を交え
て行う。
DK005
線形代数学 I
線形代数学の基本事項のうち、連立一次方程式や行列式など、計算が求められる部分に対して、その解
法に対する理解と計算力の育成を目標とする。高校での学習内容との滑らかな接続を考慮して、平面及
259
び空間の幾何ベクトルに対する復習から始める。幾何ベクトルを全体として考えることの重要性を強調し
て、ベクトル空間という概念を導入し、数ベクトル空間上の線形変換が行列の積で表現されることから行
列の意味を示す。行列の基本変形や行列式の計算などの技法を解説するだけでなく、その幾何学的解
釈を示して、更なる応用への準備とする。
DK006
線形代数学演習 I
「線形代数学Ⅰ」の講義内容に対する補足説明及び問題演習を通じて、理解の定着と計算力を養うこと
を目標とする。この目標の達成のため、基本的な演習問題を与え、学生各自がそれを自力で解くことを求
める。この訓練を通じて、連立一次方程式の解の構造を正しく把握し、行列の階数や行列式が正確に計
算できるようになることを目指す。時には、基本レベルから多少進んだ演習問題を提出して、意欲ある学
生が理解と応用力を向上させるための手助けとする。
260
数 学 専 攻
■解析学
DA101
解析学概論 I
「微分積分学 I」および「微分積分学 II」の続きとして、多変数関数についての微分と積分の理論について、
適宜問題演習を行いながら体系的に学ぶ。ここでは、主として多変数の関数の微分の理論を学ぶ。多変
数の関数に対する微分の本質は、関数を1次関数で近似することにあることを認識し、これが関数のグラ
フに対する接平面や法ベクトルなどの幾何学的な対象に関連して持つ意味を理解して、微分の概念と方
法を自由に使いこなせるようにする。また、多変数の関数のテイラー展開を使って、関数の極大極小など
の局所的な性質を調べる方法を学ぶ。
DA102
解析学概論 II
「解析学概論 I」に引き続いて多変数関数の微分と積分の理論を体系的に学ぶ。多変数関数の陰関数や
逆関数とその存在条件、重積分の定義と計算法およびその応用など。特に重積分の概念を確実に理解
させることに重点を置く。時間に余裕があれば、さらにベクトル値の関数の微分法や線積分・面積分など
のベクトル解析の入門的な事項、あるいは、関数列の収束と逐次近似法などにも触れる。講義を主体とす
るが適宜問題演習を行い、基本事項の理解を確実にすると共に計算法に習熟することを目標とする。
DA103
解析学の応用
微分方程式の初歩的な理論とその応用について学ぶ。微分方程式とは、未知関数とその導関数の間に
成り立つ関係式のことである。自然現象や社会現象の裏に潜む法則は、しばしば微分方程式の形に定
式化される。ここでは、微分方程式のうち主に常微分方程式、すなわち独立変数が 1 個の微分方程式を
扱い、その数学的理論と解法の初歩的部分について、多くの具体例や問題演習を交えながら解説する。
具体例としては、自然現象や社会現象の数理モデルを取り上げ、解析学の応用の一端に触れる。
DA104
連続と極限
解析学の理論的な基礎付けとして、極限と連続性についての理論を体系的に学ぶ。まず実数の連続性
を厳密に表現することを学び、それに基づいて定義される数列や級数の収束や実変数関数の連続性に
関して基本的な事項を学ぶ。高校数学や「微分積分学I」「微分積分学II」などにおいては素朴な意味で
展開されてきた収束や連続の概念を、厳密な仕方で理論付けることを理解し、解析学のみならず現代数
学の幅広い分野で現れる極限を用いた議論を正確に展開する方法を身に付ける。
DA105
複素関数論 I
複素数の世界での微分と積分についての基礎的な事項についてぶ。まず複素数と複素平面についての
基本事項を述べ、複素数の数式による表現とその幾何学的な意味について学ぶ。それを基礎として、今
まで実数の世界で考えてきた多項式、指数関数、三角関数などの初等関数を複素数の世界へ拡張する。
261
これらの関数は複素数の世界でも微分可能な関数、すなわち正則関数になっていることを理解し、さらに
一般の正則関数の基本的な性質を学んで行く。講義の理解を助けるための問題演習を適宜行う。
DA106
複素関数論 II
「複素関数論Ⅰ」に引き続き複素関数の微分と積分について学び、複素関数論の基礎を一通り理解する
ことを目標とする。まず正則関数の線積分に関して最も基本的なコーシーの定理を証明し、それを基礎と
して正則関数の諸性質を導く。たとえば線積分と正則関数の定義された領域の幾何学的な性質との関連、
正則関数は無条件でテーラー級数に展開されること、特異点のまわりでのローラン級数展開と留数など。
さらにコーシーの定理を実数の定積分の計算に応用する。講義の理解を助けるための問題演習を適宜
行う。
DA107
数理モデルと微分方程式 I
常微分方程式の初歩的な理論を体系的に学び、常微分方程式を用いて自然現象や社会現象の数理モ
デルを作り解析することを学ぶ。人口増加のモデル、生存競争のモデル、振動の問題など、比較的簡単
な常微分方程式として定式化される現象を題材として扱う。現象を数学モデルとして定式化し、モデルと
して得られた常微分方程式などの数学的対象を数学的に解析することによって、自然現象や社会現象
の理解を深めることを、実際問題を例として解説する。
DA108
数理モデルと微分方程式 II
常微分方程式の基礎理論を、各種の数理モデルを題材として現実の問題と関連付けながら解説する。
「数理モデルと微分方程式I」で扱った数理モデルよりやや複雑な数理モデルを取扱い、その過程で、行
列の指数関数、定数変化法、関数の作る空間などの考え方を解説する。2 個以上の未知関数に関する
微分方程式をも取り扱う。微分方程式の性質を理解するためにはしばしば線形代数の概念が有用である。
線形代数の概念を使うと、線形の微分方程式も行列や数ベクトルや連立 1 次方程式と同じ数学的構造を
持つことが理解される。
DA109
数理解析学AI
解析学を数理科学へ応用する際に重要な関数解析学の基本的な事項について講義する。関数解析と
は、線形代数や距離空間を始めとする様々の幾何学的な考え方を、適当な条件を満たす関数全体から
なる空間(関数空間)において展開することである。ここではベクトル空間や距離空間の基本事項につい
て復習した後、バナッハ空間やヒルベルト空間などの関数解析の基本概念を導入し、具体例を通して関
数解析の考え方に親しむことを目標とする。
DA110
数理解析学AII
「数理解析学AⅠ」の内容に引き続いて関数解析の基本的な事項とその応用について講義する。バナッ
ハ空間やヒルベルト空間における基本的な定理や手法について解説し、それを具体的な関数空間に適
用して、微分方程式の解の存在と一意性の問題、ある関数の列を用いて関数空間の任意の元を表示す
ること、などの具体的な問題を扱う。たとえば、一般の微分方程式の解を既知の関数やその不定積分を
262
用いて表すこと(求積法)は一般には不可能であるが、関数解析の手法により、解の存在や一意性の問
題を理論的に扱うことが可能になる。
DA111
数理解析学BI
関数解析の理論と、関数解析の理論を微分方程式や積分方程式などの解析に応用するための具体的
な手法とを、講義する。関数解析は、線形代数や幾何学の考え方を無限次元の空間において展開し、
種々の関数方程式の解の存在や一意性の問題などを解決しようとする理論である。関数解析を理解する
ためには、その抽象的な理論とともに、具体的な関数のつくる無限次元空間の様々の性質を理解するこ
とが不可欠である。この授業では、関数のつくる種々の空間の性質を解説し、その関数方程式への応用
について講義する。
DA112
数理解析学BII
「数理解析学BI」に引き続いて、関数解析の作用素の理論と、それを微分方程式や積分方程式などの解
析に応用するための種々の手法について、講義する。広いクラスの関数に適用できる積分の理論や、積
分を利用して関数の大きさを計る方法、フーリエ級数展開やフーリエ変換の基礎理論、直交関数系を用
いて関数を展開する一般論、種々の積分変換の基本的な性質などを講義し、それらを利用して、偏微分
方程式、常微分方程式、積分方程式などの解の性質を調べることを、理論面を重視して、解説する。
DA113
情報解析学 I
フーリエ解析の基本的事項について、特に情報学への応用を目標に解説する。フーリエ解析は、音や電
磁波などの波動現象を数学的に解明する道具である。三角関数から出発して、フーリエ級数、フーリエ変
換、離散フーリエ変換などのフーリエ解析の基本的手法について解説した後、その音声信号、電波によ
る通信、信号処理、画像処理などへの応用に言及する。フーリエ解析を通して、解析学の手法が情報学
をはじめとする理工学分野で不可欠の言語としての役割を担っていることを認識させる。
DA114
情報解析学 II
微分方程式とその数値シミュレーションの基本事項について、解析学の立場から解説する。多くの自然
現象や社会現象は、数学的には微分方程式で記述される。しかし微分方程式を正確に解くのは一般に
は困難であり、現在では微分方程式の近似解法を用いた諸現象のコンピュータシミュレーションが広く用
いられている。前半では一般の常微分方程式とその数値計算法を扱い、後半では波動方程式、熱方程
式、ラプラス方程式などの典型的な偏微分方程式を取り上げ、その数学的な性質と、それぞれの性質に
応じた数値計算法について解説する。
■代数学
DA201
線形代数学 II
線形代数の基本事項のうち、ベクトル空間と線形写像という抽象的概念に馴染みを深め、その応用として
行列を対角化する方法を理解することを目標とする。これらの概念を定義するだけでなく、数ベクトル空
263
間、数列空間、関数空間における部分空間の例を通じて、感覚的な理解の助けとする。一次独立性や基
底の概念については、感覚的説明と共に、論理的な扱いを丁寧に示し、2年次以降に導入される抽象数
学への準備とする。行列の対角化については、その幾何学的意味だけでなく、実践方法に対する詳しい
説明を与えて、理解の定着に努める。
DA202
線形代数学演習 II
「線形代数学 II」の講義内容に対する補足説明(特に実例)及び問題演習を通じて、抽象概念に対する
理解と計算力を養うことを目標とする。この目標の達成のため、学生各自に、定義を繰り返し述べること、
定義に基づいた確認を自力で行うこと、行列の対角化に関しては演習問題として与えられた実例を解くこ
とを求める。この訓練により、ベクトル空間と線形変換、ベクトルの一次独立性、基底などの抽象概念を体
得し、行列の階数や対角化の幾何学的な意味を理解し、与えられた行列が対角化可能かどうか判定し、
可能な場合には正しく対角化できるようになることを目指す。
DA203
線形代数学 III
「線形代数学Ⅰ、Ⅱ」で学んだ知識をもとに、行列の標準形、最小多項式、双対空間、商空間などの線形
代数学の更に深い内容について講義する。線形代数は、代数学はもとより、幾何学、解析学等で必須で
ある。また高度な理論が線形化を通して線形代数の問題に帰着することもある。ここでは、固有値、固有
ベクトル、行列の対角化についての復習から始めて、実対称行列、エルミート行列、実直交行列、ユニタ
リ行列、さらに一般に正規行列の標準形、1 次変換の最小多項式、双対空間、商空間について学び、他
分野への応用にも資する。
DA204
代数学AI
数学のどの分野を学ぶのにも必要とされる群論の基本的部分を学ぶ。集合に演算が定義され、特に結
合律が成立すると、数学の対象となる。更に「単位元の存在」、「逆元の存在」の公理を満たすものが群で
ある。群は数理科学のどの分野でも出現し「面白い数学には群が関係している」という標語もある。ここで
は群の一般論と共に自明でない多くの具体例を学ぶ。たとえば、巡回群、対称群、行列群、既約剰余類
群などを取り上げる。部分群による剰余分解までを目標とする。諸概念、諸定理を上記の具体的な群に
適用して理解を深める。
DA205
代数学AII
「代数学 AⅠ」に引き続き群論の基本事項について学ぶ。群は自然界の現象とも繋がりがあり、この群の
構造を調べることが、群論の目的の一つであると言ってもよい。その過程で様々な概念が導入され、様々
な定理に結実してくる。ここでは、正規部分群と剰余群、準同型写像と準同型定理、共役類分解などを学
び、諸概念、諸定理を具体的な群に適用して理解を深める。有限生成可換群の基本定理やシローの定
理までを目標とするが、体のガロア理論に付随して必要とされる群論部分についても少々言及する。
DA206
代数学B
代数学のいくつかの具体的な題材について解説する。2 年次前半までの代数学の講義では十分言及で
きなかった部分を補うものであり、また線形代数学の応用でもある。数論からの題材として既約剰余類とそ
264
の応用、平方剰余など、群論からは、一般線形群、直交群、ユニタリ群などの行列群を取り上げる。さらに
実直交群の部分群としての 3 次元回転群の有限部分群を求める。また、連続群としての行列群について
線形代数の応用として解説する。あるいは、線形代数の応用発展として、射影空間での幾何学について
解説する。
DA207
代数学C
抽象代数学への入門として、初等整数論などを通じて、群、環、体、加群の理論における基本概念への
自然な導入を与えることを目標とする。現代の暗号学における素数の持つ重要性を解説して、抽象代数
学の応用性の広さを示す一方、フェルマーの小定理などの初等的証明とその吟味を通じて、現代代数学
における抽象化のもたらす意義を示す。基本的な演習問題を与え、学生各自がそれを解くことにより、以
上の目標を達成できるように図る。
DA208
情報代数学 I
代数学の応用として、情報科学の数理的側面について学ぶ。現在のコンピュータネットワークの時代では、
データセキュリティーやデータの完全性が基本的重要性を持つ。その要請に答えるべく、暗号理論、符
号理論が展開されてきたが、それらは線形代数、数論、群論などに基づいている。ここでは、整数の性質、
ユークリッドの互除法、連分数から始めて、コード、暗号、誤り訂正符号の基本に言及する。インターネット
で使用されている暗号が、群論のフェルマー・オイラーの定理の応用であることを学ぶ。
DA209
情報代数学 II
有限体の理論とその情報科学への応用について学ぶ。現在のネットワーク社会を支える符号理論や暗
号理論では有限体(有限個の元からなる体)の理論が応用されている。ここではまず、有限体と有限体上
の多項式環について学ぶ。一般論だけでなく、具体例を実際に計算することにより理論を理解することを
目標とする。続いて多項式の乗法に基礎をおく複数の誤り訂正ができる符号について学ぶ。最後は多項
式アルゴリズムと高速フーリエ変換について学ぶ。これらで必要となる環論についても適宜説明を加え
る。
DA210
符号と暗号A
有限体上の数ベクトル空間の部分集合論である符号理論について、情報伝達における誤りを訂正するた
めの重要な技法である事を理解し、基本的な誤り訂正の実践法を習得することを目標とする。線形符号を
主に扱い、その長さ、次元、最小重みといった基本量の導入後、復号法について解説し、ハミング符号な
どを実例とする復号計算を行う。重み多項式や最小重みを持つベクトルのなす組合せ構造など更に進ん
だ話題についても触れ、符号の自己同型群の実例計算などを行うこともある。
DA211
符号と暗号B
暗号技術の数理的な基礎について学ぶ。現在ではコンピュータネットワークが社会基盤の一翼を担って
いる。そこでは暗号がデータの秘密保護、電子商取引の安全性などのために必須の技術となっている。
この授業では、暗号技術が基本的な数学、特に代数学に基づいていることを学ぶ。暗号理論の学習を通
265
して、暗号の安全性は解読するための手間の大きさに依存しており、数学の進展やコンピュータの革新
に伴って必ずしも安全ではなくなる可能性があることを認識するのは重要なことである。
DA212
代数学特論AI
環論と体論における基本事項の理解を目標とする。有理整数環、一変数多項式環などを中心例として、
主に可換環論を扱う。部分環、イデアル、剰余環、整域の商体などの基本概念から始めて、例による概念
の理解の深化を図る。適当な基本的演習問題を与えて、学生各自がそれを独力で解くことにより理解を
深めることができるようにする。時間の余裕と学生の意欲適性に応じて、基本的事項の解説に続いて次の
いずれかに関連する話題について解説する。一意分解環とイデアル分解論、非可換環論の一端、加群
と単因子論。
DA213
代数学特論AII
「代数学概論AⅠ」の接続として、可換体の拡大理論を解説し、ガロア理論を素描することを目標とする。
多くの実例を背景に拡大理論を解説し、ガロア理論の意味するところを解説する。目指すのは、代数体と
有限体を具体的に扱えるようになること、具体的な拡大における中間体とガロア群の部分群の対応が書き
出せるようになることである。学生の興味や適性に応じて、かなり抽象的な証明、例えば最小分解体や代
数閉包の存在の証明などは省くこともある。応用として、角の三等分、定規とコンパスによる作図問題など
を扱う。
DA214
代数学特論BI
3年次までの代数学関連科目で学んだ基本的概念のうち、群論及び有限体論に関するものへの理解を
更に深めることを目標とする。群の作用の概念の復習から始めて、置換群論への入門的講義を行う。作
用を受ける集合の例として取り上げるのは、有限体上のベクトル空間論中の曲線・曲面・部分空間などの
幾何構造であり、作用する群はこれらの対象の自己同型群(古典群及びその部分群)である。有限集合
上の幾何学(組合せ論)に関する基本的内容も講義する。
DA215
代数学特論BII
「代数学特論BI」において解説された群論的・組合せ論的方法を用いて、古典群及び関連する幾何構
造に関する基本的な事実を証明する。数論的に興味深い有限体上の写像に結びついて、ある幾何構造
(射影平面中の弧、可換群中の差集合、階数2の極空間など)が構成されることを説明し、置換群論的手
段を用いたその扱いの一端を示す。更に、これら低階数の古典的な幾何を抽象化した単体複体である建
物や高次元の双対弧などに関する入門的解説を行う。
■幾何学
DA301
幾何学AI
一般の距離空間について講義する。距離関数が定義された集合を距離空間という。高校時代からなじみ
の深いユークリッド空間も距離空間の一例である。ユーグリッド空間を拡張、一般化することを目標に、距
266
離関数の定義、距離空間の例からはじめて、距離空間上の写像の連続性など解析学の基礎となる事柄
について説明していく。また、距離空間は「幾何学 AⅡ」で講義する位相空間の一つとなっている。位相
空間であるという観点から、距離空間で成立する性質についても詳しく説明していく。
DA302
幾何学AII
位相空間について講義する。「幾何学 AⅠ」で講義した距離空間を更に一般化し、抽象化したものが位
相空間である。幾何学には、二種類あり、距離や面積、体積が計算できる微分幾何学と距離の概念がな
く「やわらかな幾何学」と呼ばれている位相幾何学である。位相幾何学の基礎である位相空間について、
位相空間上の写像の連続性やコンパクト性などの性質を説明していく。今までに学習した数学にはない
抽象化された概念が登場する。本質的なものを取り出し、一般化するという数学の本質に触れることにな
る。
DA303
幾何学とグラフ
この講義では、グラフが持つ幾何学的な性質に着目し、そこから発生する問題と得られる結果について
理解することが目標である。ある 2 つの集合において、一方の集合から他方の集合の適当な 2 元部分集
合族への写像が定める組み合わせ構造をグラフと呼ぶ。グラフは 1 次元の多面体として図形的に捉える
こともできる。我々のまわりに満ち溢れている様々な図形が、思いもかけない深い性質を持っていることを
認識し、またそれらの性質が、数学を用いて鮮やかに捉えられる様子を理解することが重要である。
DA304
幾何学BI
基本群について講義する。代数的位相幾何学において、二つの代表的な位相不変量がある。基本群と
ホモロジー群である。この授業では、よりイメージがつかみ易い基本群を取り上げる。位相幾何学では、
位相同型なものは同じものとみなす。三角形と円盤の区別がない世界で図形の本質的性質を研究する
のが位相幾何学である。ある点から進んで行き、その点にもどる道全体を考える。そこに群の構造を入れ
たものが基本群である。基本群の基本的な性質やその計算例等について解説する。
DA305
幾何学BII
この授業ではホモロジー群について講義する。位相不変量には、図形そのものから定義する場合と図形
間の写像から定義する場合がある。ホモロジー群は後者であり、まず図形を根本的な図形の集まりとみな
す。その根本的な図形の間に写像をつくり、写像の像と核からホモロジー群は定義される。代数的な要素
が強い位相不変量であるが、位相幾何学において最も基本的な位相不変量である。ホモロジー群の基
本的性質、そして具体的な計算法について講義する。
DA306
グラフとその応用
この授業ではグラフ理論の様々な側面を理解することが目標である。ある 2 つの集合において、一方の集
合から他方の集合の適当な 2 元部分集合族への写像が定める組み合わせ構造をグラフと呼び、これを離
散数学の立場から研究する分野をグラフ理論と呼ぶ。グラフ理論は現代数学のみならず自然科学全般
にわたりその離散構造の基幹を成し、幅広く応用されている。本講義では、グラフ理論の基礎事項につい
267
て解説するとともに、幾つかの応用例を紹介する。組み合わせ的な取り扱いのみならず、代数的及び幾
何学的な取り扱いについても触れる。
DA307
結び目理論 I
この授業では結び目理論の基礎を理解することが目標である。位相幾何学では、円周の3次元空間への
埋め込み、あるいは埋め込みの像を結び目という。即ち、紐で結び目を作り、その端点をつなげたもので
ある。いくつかの結び目の集まりを絡み目という。結び目や絡み目を研究対象にするのが結び目理論で
あり、現在、他の数学分野や統計力学など他の科学分野とも深く関係し、活発に研究されている。この結
び目理論の初歩を講義する。特に、結び目理論の目的の一つである結び目の分類のために必要な基本
的事項について、解説する。
DA308
結び目理論 II
この授業では結び目の不変量を理解することが目標である。結び目を分類するためには、結び目不変量
と呼ばれる関数が必要である。位相幾何学では、同相写像で移りあうものは同じものとみなす。結び目は
3次元空間において、様々な形を取りうる。そこで、どのような形をとっても同じ結び目ならば同じ値をとる
関数、すなわち結び目不変量が必要となる。結び目不変量が異なれば、異なる結び目であると結論でき
る。「結び目理論Ⅰ」に引き続き、結び目について講義するが、特に、色々な不変量の定義と計算方法に
ついて重点的に解説する。
DA309
位相幾何学AI
位相幾何学のうち、結び目理論の最近の話題について解説する。結び目不変量には、自然数の値をとる
ものや多項式の形をとるものなどがある。多項式不変量は、量子群不変量に一般化され、更に有限型不
変量としても特徴付けられている。まず、多項式不変量について解説し、有限型不変量の定義を解説す
る。有限型不変量はある意味で、不変量全体を階層分けしたものであり、ある階層以下の有限型不変量
はベクトル空間となる。有限型不変量の概念を詳しく解説する。
DA310
位相幾何学AII
「位相幾何学 AⅠ」に引き続き、有限型不変量について解説する。結び目の射影図において、結び目の
一部分が変形される操作を局所変形とよぶ。局所変形の中で、Cn-移動と呼ばれるものがあり、n は自然
数の値をとる。これは局所変形の集まりである。この移動と有限型不変量が密接な関係をもっている。そ
の関係について詳しく説明していく。また、有限型不変量に関する最近の話題、更に有限型不変量に限
らず、結び目理論において多くの関心を得ている話題を選び、解説していく。
DA311
位相幾何学BI
この授業では空間グラフの基礎を理解することが目標である。3 次元空間に埋め込まれた 1 次元多面体
を空間グラフと呼び、空間グラフを位相幾何学的な側面から研究する分野は空間グラフ理論と呼ばれる。
空間グラフ理論は、結び目理論の 1 つの一般化として、低次元位相幾何学の一領域を成し、代数的位相
幾何学や 3 次元多様体論とも関係しつつ、高分子化学への応用も見据えて発展を続けている比較的若
268
い分野である。本講義では、空間グラフ理論における研究の動機付けとなる古典的な事実から始めて、
基本的な結果について解説する。
DA312
位相幾何学BII
「位相幾何学 BⅠ」で講義した空間グラフ理論の基礎の上に立ち、空間グラフ理論の近年の動向を踏ま
え、その最近の話題について講義する。特に、具体的に計算可能な空間グラフの代数的不変量と、それ
ら不変量によって捉えられる空間グラフの諸性質について詳しい解説を行う。講義においては、結び目
理論には現れないけれども空間グラフには現れる独特の現象を、いかに代数的不変量によって明快に
捉えるかに重点を置いて解説する。できるだけ最新の結果についても紹介及び解説を試みる。
■応用数理学
DA401
確率統計 I
数学の一分野としての確率論の基礎を理解させることを目的とする。まず確率空間の公理をルベーグ式
の測度論を持ち出さない範囲で出来るだけ厳密に述べた後、ランダムな現象をモデル化するために確率
変数を導入する必要性を解説する。次に確率変数の分布の定義とその意義を説明し、分布の特性量とし
ての期待値、分散、共分散等の定義とその計算方法を解説する。またチェビシェフの不等式とその応用と
しての大数の法則を説明し、最後に中心極限定理まで解説する。
DA402
確率統計 II
統計学の基本的手法である推定論と検定論の初歩について講義する。数理統計学の立場から、その基
礎となる理論の根拠やその具体的手法について、具体的な例を使いながら解説をする。最初に独立同
分布確率変数列によってランダムサンプリングがモデル化されることを詳しく説明した後、推定論や検定
論が確率論的には何を意味するかを解説することによって、統計学的分析から得られた結論について正
確に理解できることを目指す。
DA403
数理モデルと確率論 I
数理モデルとして用いられる確率過程の中で最も基本的なマルコフ連鎖について講義をする。まず最も
簡単なマルコフ連鎖である 1 次元対称ランダムウォークについて組み合わせ論的な計算によって導かれ
る結果をフェラーの教科書に沿って解説する。次に状態空間の再帰的同値類と非再帰的集合への分解
について解説した後、再帰的同値類への吸収確率について論じる。最後にその応用として出生死亡過
程、待ち行列、分枝過程についての解析を行う。
DA404
数理モデルと確率論 II
「数理モデルと確率論Ⅰ」に続いてマルコフ連鎖についてより詳しく論じる。特にマルコフ連鎖の分布に
関する収束定理について論じる。まず定常分布と状態の周期に関して、その定義と関連する定理につい
て解説する。次に非周期的な状態の遷移確率の収束に関しての基本定理を詳しく解説する。最後に周
269
期的な状態についての収束定理について解説後、周期的な状態を含む一般的な場合の収束定理につ
いて解説する。
DA405
確率統計特論AI
数理ファイナンスの入門についての解説を行う。「確率統計特論 AⅠ」ではまず必要な確率論の知識を整
理して簡潔に解説する。次にポートフォリオ選択理論に関する一般論の解説を行う。次にデリバティブの
価格付け理論を離散時間モデルを用いて解説し、2項多期間モデルの極限としてブラックショールズの
価格公式が得られることを示す。また離散時間モデルの極限として連続時間モデルが得られることと、伊
藤の公式やブラックショールズの偏微分方程式についても簡単に触れる。
DA406
確率統計特論AII
「確率統計特論 AⅠ」に続いて連続時間の場合の数理ファイナンスの入門についての解説を行う。まずル
ベーグ式測度論に基づく確率論の中で使われる定理や定義の中で講義に使う必要のあるものについて
簡単にまとめて解説する。さらに条件付期待値の概念を例を交えて解説し、それを使ってマルチンゲー
ルの概念を解説する。次いで、ブラウン運動とそのマルチンゲールとしての性質に基づく伊藤の公式等
の確率解析に必要な道具立てを用意した後に、連続時間モデルを使ったデリバティブの価格付け理論
について論じる。
DA407
確率統計特論BI
多変量解析の基本的な手法とその理論についての解説を行う。講義内容は重回帰分析、主成分分析、
判別分析、数量化分析である。単なる計算手法の解説や統計パッケージの使い方の説明だけではなく、
それらの解析手法が依って立つ数理統計学に基づく理論的背景についても詳しい解説を行う。講義と並
行してパソコン用のソフトを使って模擬データや実際のデータについて計算を行いその出力結果の意味
について解説する。
DA408
確率統計特論BII
時系列解析の基本的な手法とその理論についての解説を行う。まず時系列の基本的モデルである、(ト
レンド)+(季節変動)+(定常過程)のモデルについての解説を行い、次にトレンドと季節変動について
のいくつかの推定法について解説を行う。ついで定常過程の一般論について説明した後、いくつかの代
表的な定常過程モデルについて、その性質と予測についての理論を解説する。最後にトレンドと季節変
動の推定値を合わせた時系列全体の予測についての解説を行う。講義と並行してパソコンソフトによる計
算も行う。
■情報学
DA501
情報学概論
情報科学の各分野を勉強していくために必要な基礎知識を得ることを目標とする。この講義では、情報
科学とは何か、人間の歴史における情報活動の変化やコンピュータの歴史など一般的な事柄から始め、
270
続いてコンピュータの基本構成(アーキテクチャ)、コンピュータでの情報の表現方法(補数表現、文字コ
ード)、コンピュータの言語と考え方(プログラミング、アルゴリズム、帰納と再帰)などについての概論を解
説する。また、コンピュータで何ができるか、何ができないか、これからのコンピュータについても考えてい
く。
DA502
情報数学
情報系の分野のための論理数学の基礎を講義する。コンピュータは概念と論理の機械であるから、コンピ
ュータを理解するには基本的な数学の知識が欠かせない。計算機数学の講義であるが、すべてを網羅
するのではなく、以下の内容を中心にする。まず、集合の基礎的な言葉と概念を講義する。再帰的定義、
再帰による計算、帰納法を中心として再帰、帰納の考え方を解説する。そして、主に命題論理を中心とし
た論理の初歩について解説していく。
DA503
プログラミング
C 言語の基礎を学び、C 言語で簡単なプログラムが組めるようになることを目標とする。コンピュータに作
業させるには、プログラムを書いて実行させる必要がある。プログラムとは何か、プログラムを実行させると
はどういうことか、ということから始め、どのようなプログラムを書けばよいか、アルゴリズムとは何かを、足し
算や引き算から、約数や素数を見つける計算、整数を小さい順に並べるプログラムなど、たくさんのプログ
ラムを作り、結果を確認しながら学んでいく。
DA518
情報と職業
情報を学ぶ生徒・学生が情報関連の職種へ就職する場合に必要となる進路指導のあり方について学ぶ。
情報社会における産業構造と職業構造の変化、情報関連職種への就業で必要な基礎知識、および、情
報関連分野の業務内容について解説する。その上で、情報関連職種に就業することの実情を多面的に
理解させることを通じて、職業適性について考え、職業人としての役割や責任を自覚することの重要性を
説く。さらに、職業意識や倫理観、情報関連職種のキャリアパス、専門性の習得など、情報社会における
人材育成のあり方について説く。
■情報理学
DA701
数理モデルとシミュレーションAI
数理モデルとシミュレーションの基礎について理解することを目標とする。自然現象などをモデル化して
現れる方程式を数値計算によって解き、その現象のシミュレーションを行うことを数値シミュレーションとい
う。数値シミュレーションは、コンピュータの発展に伴い様々な分野でその重要性を増し、実験とともに理
論を検証するための非常に重要な位置を占めるに至っている。この授業では、数理モデルやシミュレー
ションの基本について、できるだけコンピュータを用いた実習を取り入れながら学習する。
DA702
数理モデルとシミュレーションAII
「数理モデルとシミュレーション AⅠ」に引き続き、数理モデルとシミュレーションの基礎について理解する
ことを目標とする。数値シミュレーションは、(1)解析対象となる現象をモデル化し、微分方程式で表現す
271
る、(2)微分方程式を有限差分法や有限要素法によって離散化し、コンピュータで計算可能な線形方程
式で近似する、(3)線形方程式をコンピュータで解く、といったプロセスで実行される。この授業では、こ
れらのプロセスの基本について、コンピュータによる実習も含めて学習する。
DA901
数学講究
代数学、幾何学、解析学、応用数理学分野から担当教員と履修者が相談の上テーマを選んで、テキスト
の輪読、問題演習、討論などを通して理解を深めることを目的とする。3年次までの数学の各分野の学習
の集大成として、自らの興味ある分野について、主体的に学習や研究を進めてその結果を発表し、討論
によって理解を深化させる、という作業を毎回行い、最後にまとめとしてレポートを作成する。これにより数
学に対する理解を深めると共に、問題解決能力やプレゼンテーション能力を養う。週2コマの授業であ
る。
272
情 報 理 学 専 攻
■解析学
DB113
情報解析学 I
フーリエ解析の基本的事項について、特に情報学への応用を目標に解説する。フーリエ解析は、音や電
磁波などの波動現象を数学的に解明する道具である。三角関数から出発して、フーリエ級数、フーリエ変
換、離散フーリエ変換などのフーリエ解析の基本的手法について解説した後、その音声信号、電波によ
る通信、信号処理、画像処理などへの応用に言及する。フーリエ解析を通して、解析学の手法が情報学
をはじめとする理工学分野で不可欠の言語としての役割を担っていることを認識させる。
DB114
情報解析学 II
微分方程式とその数値シミュレーションの基本事項について、解析学の立場から解説する。多くの自然
現象や社会現象は、数学的には微分方程式で記述される。しかし微分方程式を正確に解くのは一般に
は困難であり、現在では微分方程式の近似解法を用いた諸現象のコンピュータシミュレーションが広く用
いられている。前半では一般の常微分方程式とその数値計算法を扱い、後半では波動方程式、熱方程
式、ラプラス方程式などの典型的な偏微分方程式を取り上げ、その数学的な性質と、それぞれの性質に
応じた数値計算法について解説する。
■代数学
DB201
線形代数学 II
線形代数の基本事項のうち、ベクトル空間と線形写像という抽象的概念に馴染みを深め、その応用として
行列を対角化する方法を理解することを目標とする。これらの概念を定義するだけでなく、数ベクトル空
間、数列空間、関数空間における部分空間の例を通じて、感覚的な理解の助けとする。一次独立性や基
底の概念については、感覚的説明と共に、論理的な扱いを丁寧に示し、2年次以降に導入される抽象数
学への準備とする。行列の対角化については、その幾何学的意味だけでなく、実践方法に対する詳しい
説明を与えて、理解の定着に努める。
DB202
線形代数学演習 II
「線形代数学 II」の講義内容に対する補足説明(特に実例)及び問題演習を通じて、抽象概念に対する
理解と計算力を養うことを目標とする。この目標の達成のため、学生各自に、定義を繰り返し述べること、
定義に基づいた確認を自力で行うこと、行列の対角化に関しては演習問題として与えられた実例を解くこ
とを求める。この訓練により、ベクトル空間と線形変換、ベクトルの一次独立性、基底などの抽象概念を体
得し、行列の階数や対角化の幾何学的な意味を理解し、与えられた行列が対角化可能かどうか判定し、
可能な場合には正しく対角化できるようになることを目指す。
273
DB208
情報代数学 I
代数学の応用として、情報科学の数理的側面について学ぶ。現在のコンピュータネットワークの時代では、
データセキュリティーやデータの完全性が基本的重要性を持つ。その要請に答えるべく、暗号理論、符
号理論が展開されてきたが、それらは線形代数、数論、群論などに基づいている。ここでは、整数の性質、
ユークリッドの互除法、連分数から始めて、コード、暗号、誤り訂正符号の基本に言及する。インターネット
で使用されている暗号が、群論のフェルマー・オイラーの定理の応用であることを学ぶ。
DB209
情報代数学 II
有限体の理論とその情報科学への応用について学ぶ。現在のネットワーク社会を支える符号理論や暗
号理論では有限体(有限個の元からなる体)の理論が応用されている。ここではまず、有限体と有限体上
の多項式環について学ぶ。一般論だけでなく、具体例を実際に計算することにより理論を理解することを
目標とする。続いて多項式の乗法に基礎をおく複数の誤り訂正ができる符号について学ぶ。最後は多項
式アルゴリズムと高速フーリエ変換について学ぶ。これらで必要となる環論についても適宜説明を加え
る。
DB210
符号と暗号A
有限体上の数ベクトル空間の部分集合論である符号理論について、情報伝達における誤りを訂正するた
めの重要な技法である事を理解し、基本的な誤り訂正の実践法を習得することを目標とする。線形符号を
主に扱い、その長さ、次元、最小重みといった基本量の導入後、復号法について解説し、ハミング符号な
どを実例とする復号計算を行う。重み多項式や最小重みを持つベクトルのなす組合せ構造など更に進ん
だ話題についても触れ、符号の自己同型群の実例計算などを行うこともある。
DB211
符号と暗号B
暗号技術の数理的な基礎について学ぶ。現在ではコンピュータネットワークが社会基盤の一翼を担って
いる。そこでは暗号がデータの秘密保護、電子商取引の安全性などのために必須の技術となっている。
この授業では、暗号技術が基本的な数学、特に代数学に基づいていることを学ぶ。暗号理論の学習を通
して、暗号の安全性は解読するための手間の大きさに依存しており、数学の進展やコンピュータの革新
に伴って必ずしも安全ではなくなる可能性があることを認識するのは重要なことである。
■幾何学
DB306
グラフとその応用
この授業ではグラフ理論の様々な側面を理解することが目標である。ある 2 つの集合において、一方の集
合から他方の集合の適当な 2 元部分集合族への写像が定める組み合わせ構造をグラフと呼び、これを離
散数学の立場から研究する分野をグラフ理論と呼ぶ。グラフ理論は現代数学のみならず自然科学全般
にわたりその離散構造の基幹を成し、幅広く応用されている。本講義では、グラフ理論の基礎事項につい
て解説するとともに、幾つかの応用例を紹介する。組み合わせ的な取り扱いのみならず、代数的及び幾
何学的な取り扱いについても触れる。
274
■情報学
DB501
情報学概論
情報科学の各分野を勉強していくために必要な基礎知識を得ることを目標とする。この講義では、情報
科学とは何か、人間の歴史における情報活動の変化やコンピュータの歴史など一般的な事柄から始め、
続いてコンピュータの基本構成(アーキテクチャ)、コンピュータでの情報の表現方法(補数表現、文字コ
ード)、コンピュータの言語と考え方(プログラミング、アルゴリズム、帰納と再帰)などについての概論を解
説する。また、コンピュータで何ができるか、何ができないか、これからのコンピュータについても考えてい
く。
DB502
情報数学
情報系の分野のための論理数学の基礎を講義する。コンピュータは概念と論理の機械であるから、コンピ
ュータを理解するには基本的な数学の知識が欠かせない。計算機数学の講義であるが、すべてを網羅
するのではなく、以下の内容を中心にする。まず、集合の基礎的な言葉と概念を講義する。再帰的定義、
再帰による計算、帰納法を中心として再帰、帰納の考え方を解説する。そして、主に命題論理を中心とし
た論理の初歩について解説していく。
DB503
プログラミング
C 言語の基礎を学び、C 言語で簡単なプログラムが組めるようになることを目標とする。コンピュータに作
業させるには、プログラムを書いて実行させる必要がある。プログラムとは何か、プログラムを実行させると
はどういうことか、ということから始め、どのようなプログラムを書けばよいか、アルゴリズムとは何かを、足し
算や引き算から、約数や素数を見つける計算、整数を小さい順に並べるプログラムなど、たくさんのプログ
ラムを作り、結果を確認しながら学んでいく。
DB504
ネットワーク
情報通信ネットワークについて理解することを目標とする。普段、何気なく使っているコンピュータがネット
ワークで結ばれることにより、どのようなことができるようになるか、メールはどのような方法で送受信される
のか、ホームページはどのようにして表示されるのか、ということも含めて、ネットワークシステム(ネットワー
クの基礎・構築・運用と保守・安全対策)について学習する。さらに、コンピュータを用いた実習を通して、
TCP/IP 等によるネットワークシステムの具体的な利用法を体得する。
DB505
マルチメディア概論
マルチメディアの学習・体得をめざし、デジタル化の原理、および、そこから派生するさまざまな応用につ
いて講義を行う。コンピュータはアナログデータを処理することはできない。そのため長い間、人間とのイ
ンターフェースには文字をその媒体としてきた。近年、コンピュータが高性能になりアナログをデジタル化
することによりコンピュータ処理が可能になった。文字に限らず画像、音声など、多彩な情報伝達手段が
マルチメディアである。このような原理を理解した上で、加工技術などのコンピュータ処理をする実習を行
う。
275
DB506
アルゴリズムとデータ構造
整列や探索などのアルゴリズムとその計算量、データ構造について実習を交えながら講義する。非数値
的問題をコンピュータで解決する際には、プログラムを作成したり既存のプログラムを利用したりするが、
それらのプログラムは、探索や整列などのアルゴリズム(非数値アルゴリズム)に基づいている。プログラム
を作成する際には、それぞれのアルゴリズムに適したデータ構造を導入することも重要である。アルゴリズ
ムは素朴なものと標準的なものを取り上げ、基本事項の習熟に重点を置く。C 言語によるプログラミングの
実習も行う。
DB507
コンピュータアーキテクチャ
コンピュータのハードウェアとその動作原理について実習を交えながら講義する。コンピュータのハードウ
ェアは5大要素から構成されている。これらの要素はそれぞれに工夫がなされ、全体としてコンピュータの
進化を形成している。そのベースとなるのが論理設計である。論理は2進法で表現される。5大要素の構
成およびその動作原理、2進法での論理表現、数値表現を理解させることを目標とする。特に中央処理
装置に重点を置いて解説する。実習ではコンピュータのハードウェアの分解・組立や、論理回路の設計
などを行う。
DB508
数値計算
数値計算のアルゴリズム(数値アルゴリズム)とそれらの誤差や収束性などの性質を理解することを目的と
する、数値解析の入門的講義である。理学や工学あるいは社会科学などに現れる数学の問題を数値的
に解くことが数値計算であり、数値計算の数学的基礎となる学問を数値解析という。数値解析の基本的な
各項目に対し、数学的背景を述べた上で数値計算のためのアルゴリズムについて解説する。アルゴリズ
ムは素朴なものと標準的なものを取り上げ、基本事項の習熟に重点を置く。C 言語によるプログラミングの
実習も行う。
DB509
コンピュータグラフィックス
コンピュータグラフィックス(CG)の基礎を理解し、実際に簡単な作品を作ることを目標とする。CG は今や
テレビや映画に欠かすことのできない技術となっているが、コンピュータを用いてどのようにして架空の図
形が作られるのかを理解するために、図形の表現に必要な数学的基礎知識の復習から始める。その後、
2次元画像および3次元画像の設計、表現、さらに画像の変換や合成に必要な CG の基礎を習得する。
理論だけでなく実習を行うことにより理解を深める。グループまたは個人での作品制作を最終課題とす
る。
DB510
ソフトウェア工学
高品質なソフトウェアを計画的かつ効率的に開発するための理論とその実践的技術であるソフトウェア工
学について、その基礎を広く学ぶ。ソフトウェア開発とは何か、どのような問題があり解決のためにはどん
な技術があるのかを理解することを目指す。要求工学、ソフトウェア設計、検証・テスト・保守等、システム
開発の工程に沿って必要とされる技術を学ぶ。特に、代表的な開発・設計技術であるオブジェクト指向に
ついて、設計の実習を行いながら理解する。
276
DB511
データベースA
本講ではデータベースシステムの基礎について、主に実践面から習熟することを目的とする。現代社会
においては、社会活動から生み出される"情報"が大きな価値を持つが、この情報を有意義に活用するた
めの鍵を握る要素のひとつがデータベースシステムである。リレーショナルデータベースを中心に、デー
タモデル、DBMS の基礎を学び、実習を交えながら実際にデータベース設計等を行う。発展として、オブ
ジェクト指向データベースや、データベースとしての XML や Web 等の話題も取り上げる。
DB512
データベースB
本講ではデータベースシステムの基礎について、理論面から理解することを目的とする。現代社会にお
いて重要な"情報"を有意義に活用するためにはデータベースシステムが不可欠であるが、単に利用方
法がわかるだけではなく、理論面からも正しく理解していることは大切である。リレーショナルデータベース
を中心に、正規化の理論、DBMS のアーキテクチャ、トランザクション管理等を学ぶ。また、理解の確認の
ために実習を行う。発展として、データマイニング等の話題も取り上げる。
DB513
インターネット
コンピュータの通信システムの基礎となる TCP/IP を中心に講義を行う。インターネットは情報通信システ
ムの体系のもとに、世界を結びつけている。どのような原理で通信パケットが流れていくのか、情報通信ネ
ットワークの原理と構築、運用について、理解させることを目標とし、具体的な実習を交えながら講義を行
う。さらに、応用としての ftp/telnet/mail/web についてもその知識を深めさせる。通信の理解度を深めるた
め、通信のデータパケットの流れを追う実習も行う。
DB514
オペレーティングシステム
オペレーティングシステムについて、プログラムや CLI の実習を交えながら講義を行う。コンピュータのソ
フトウェアの根幹をなすのがオペレーティングシステム(OS)である。OSはさまざまな役割をもっている。こ
れらの役割を理解させることを目標とする。すべてのプログラムはOSの補助無くては動かない。また、OS
は、たくさんのタスクを効率よく処理していくためのサポーターとしての役割も担う。さらに、マン・マシンイ
ンタフェースとしての役割もある。他にも計測・制御の分野でもOSの力が必要になる。
DB515
情報学特論A
オートマトンと形式言語について学び、現在のコンピュータにおける計算の原理を論理的に理解すること
を目標とする。オートマトンとは、コンピュータの動作をモデル化したもので、ある入力に対し、定められた
処理を実行し、結果を出力するシステムである。代表的なオートマトンである有限オートマトンやチューリ
ング機械の仕組みや動作、それらが認識する言語について学ぶ。また、計算機で解くことのできる問題と
できない問題についても触れる。
DB516
情報学特論B
計算機援用証明と精度保証付き数値計算の基礎について理解することを目標とする。計算機援用証明
は、コンピュータを用いて数学的な定理を証明する方法であり、近年のコンピュータ性能の飛躍的な向上
277
に伴って、その重要性を増してきている。一方、精度保証付き数値計算は、コンピュータによる計算の信
頼性を保証しながら行う数値計算法であり、計算機援用証明を支える技術である。本講義では、計算機
援用証明に関する具体例と精度保証付き数値計算の基本的な考え方や具体的な方法について学習す
る。
DB517
情報学特論C
離散幾何学および計算幾何学の基礎について理解することを目標とする。幾何学的な問題の中に離散
構造を見つけ問題を解くのが離散幾何学であり、それらの問題を解くために効率の良いアルゴリズムを見
つけ問題を解くのが計算幾何学である。これらの分野で扱われている様々な問題のうち、凸包問題、美
術館問題、最短路問題、ナップサック問題、巡回セールスマン問題など良く知られた問題を取り上げ、基
本的な概念や最適解を得るためのアルゴリズムについて解説する。C 言語での実習を含む。
DB518
情報と職業
情報を学ぶ生徒・学生が情報関連の職種へ就職する場合に必要となる進路指導のあり方について学ぶ。
情報社会における産業構造と職業構造の変化、情報関連職種への就業で必要な基礎知識、および、情
報関連分野の業務内容について解説する。その上で、情報関連職種に就業することの実情を多面的に
理解させることを通じて、職業適性について考え、職業人としての役割や責任を自覚することの重要性を
説く。さらに、職業意識や倫理観、情報関連職種のキャリアパス、専門性の習得など、情報社会における
人材育成のあり方について説く。
■自然科学
DB601
物理学概論
自然現象を客観的に基本法則に基づいて理解しようとする物理学の考え方をできるだけ平易に解説する。
まず、自然現象の基本的なスケールが三つに帰着することを解説する。力を受けた物体がどのように運
動するかを与え、熱・温度とは何かなどを解説する。次に、電気や磁気に関わる現象を考え、それを深く
調べると相対性理論に行き着くことを解説する。最後に原子・分子の世界を記述する量子力学にも触れる。
日常的な現象から、極微の世界、広大な宇宙の果てまでを記述する物理学の基本的事項になじむことを
目標とする。
DB602
化学概論
化学の初歩的な基礎を学び、化学的素養を身につける。ものごとを化学的に捉えるための基本概念を習
得するために、原子の構造、電子の挙動、元素の性質と周期表、化合結合の形態、化合物の性質、化学
反応とエネルギー、化学反応と速度などについて学ぶ。また、物質の気体、液体、固体、溶液の状態と性
質を理解する。これらの基礎を踏まえて、無機化学、有機化学、生命化学などの領域全体の例を見なが
ら、化学の理解を深める。更に、現代化学の潮流にも触れて、化学の広い分野に於ける重要性を認識す
る。尚、授業の一部として化学実験室での実験を行う場合がある。
278
DB603
生物学概論
高等学校で生物学を履修していなかった者や、生物学の基礎を学び直したい者を対象として、生命現象
のさまざまな側面についての基本的知識を身につけ、数理科学科の他の生物学関連専門科目の理解を
容易にすることを目標とする。講義内容としては、細胞、物質代謝、呼吸と光合成、生殖と発生、環境に
対する反応と調節、遺伝と進化、分類と生態など、広範な話題をとりあげるが、遺伝と進化、分類と生態な
ど、他の専門科目でとりあげる内容については簡潔な解説にとどめる。
DB604
力学 I
物理学のみならず自然科学全分野の基礎といえる力学を、なるべく少ない予備知識で理解させることを
目標とする。力学は微積分と密接に関連し、それを用いた方が分かり易くなる面がある。微積分の初歩は
学んであるとして講義するが、必要に応じて補足する。先ず、1次元の問題で、運動方程式、エネルギー
保存則を説明し、具体例として、等加速度運動、単振動を取り上げる。次にベクトルを導入して、3次元の
問題に入り、中心力の場合の角運動量の保存則とその応用としてのケプラー問題を扱う。非保存力や見
かけの力を取り上げることもある。
DB605
力学 II
「力学Ⅰ」に続いて力学の基礎と応用について理解を深めることを目標とする。「力学Ⅰ」の復習から始め、
その延長として、摩擦、抵抗、減衰振動、強制振動を扱うとともに、角運動量、力のモーメントについて解
説する。次に質点系の問題に入り、衝突における運動量保存則、実験室系と重心系などを扱う。後半は
主として剛体の力学を取り上げ、慣性モーメント、固定軸の問題、歳差運動と話を進めて行く。最後に解
析力学の入口として、最小作用の原理、正準形式、対称性と保存則について解り易く解説する。
DB606
電磁気学 I
電磁気学の基礎について講義する。静止している電荷の間に働くクーロン力は、電荷が作る電場としてと
らえることができる。この電気的な力の場をポテンシャルで記述し、さらに電荷が運動する場合に生じる電
流が磁場を作り出すことを理解させる。磁場を記述するには、ベクトルポテンシャルが必要である。さらに
変動する磁場が起電力を与える電磁誘導の法則を導く。最後にこれらすべての電磁気力の法則が、マッ
クスウェル方程式の形でまとめられることを述べ、電磁波が予言されることを示す。
DB607
電磁気学 II
電磁気学と相対性理論について講義する。どんなに早く走っても、光は止まっている人が観測するのと同
じ速度で伝播する。これは走る人に感じる時間が止まっている人と違うためである。これは時間と空間の
概念を根本的に変えた相対性理論の始まりで、現代物理学の柱のひとつになっている。走っている人が
見ると、時間座標・空間座標や、エネルギー・運動量などがどう変わるかを導く。このローレンツ変換のもと
で、電場・磁場がどうふるまうかを調べ、電磁波などを相対論的に記述する方法を導く。最後に一般相対
論にも触れる。
DB608
数理物理学
自然界にたいへんよく見られる波動現象を中心にして、偏微分方程式について学ぶ。応用として、拡散
現象も扱う。まず、最も簡単な弦の振動を取り上げて、波動方程式を導く。弦の様々な音色は弦の持つ固
279
有振動で決まることを示す。固有振動を用いて、フーリエ級数の方法が有用であることを示す。弦は1次
元的に広がった物体だが、2次元・3次元に広がった膜などに対して、波動方程式を与え、1次元での解
法を拡張する。同様の方法で、拡散現象も扱えることを示す。
DB609
現代物理学A
現代物理学の中心のひとつである量子力学を入門から平易に解説する。原子・分子のミクロの世界では、
電子が正の電荷の周りで回転しているにもかかわらず原子は安定で、エネルギーは特定の値の状態しか
存在しない。一方、電子は波と同様に回折するので、粒子は同時に波である。量子力学の基本方程式で
あるシュレーディンガー方程式を用いて、定常状態、特に1次元の場合に、エネルギーが離散的な値に
なることを示し、簡単な問題を具体的に解くことを学ぶ。できる限り、日常生活に登場する事柄を題材にと
る。
DB610
現代物理学B
現代物理学の基本概念について解説する。光は波であると共に、粒子であることをもっとも端的に示すの
で、まず光のさまざまな量子力学的状態を学ぶ。さらに、球対称なポテンシャルの場合は、角運動量が保
存するが、量子力学では、この角運動量が量子化されることを示す。光のようにスピンが整数の場合は二
つの粒子の入れ替えに対して対称な状態が実現するが、電子のように半奇数の場合には反対称になる。
この統計性によって、原子・分子のエネルギースペクトルや、熱的性質が大きく左右されることを見る。出
来る限り、日常生活に登場する事柄を題材にとる。
DB611
物理化学A
自然現象の解明から最新の科学に至るまで、多くの分野に共通して重要な物理化学の基礎を学ぶ。ここ
では主に気体の分子運動と熱力学に関する原理や法則に注目し、目に見えないミクロの現象をマクロ的
概念として捉え、その概念を数式によるモデルとして表現してゆく方法、そして実験検証などが加わって、
より信憑性の高い法則の成立へと導かれる過程を解き明かす。その一連の流れには物理化学特有のア
プローチがあり、楽しみながら理解してほしい。全体を通じて、物理化学の功績と今後の貢献についても
触れる。尚、授業の一部として化学実験室での実験を行う場合がある。
DB612
物理化学B
自然科学の分野で共通して重要な物理化学の基礎を学ぶ。ここでは量子化学の初歩を学ぶことで、電
子の波動としての挙動を取り入れた原子や分子の構造を理解する。自然現象を数式的モデルとして表現
しながら議論を進めてゆく。化学結合は原子間における電子の授受の仕方で決まるので、その電子の挙
動をより正確に捉えることで、実際の結合の姿がわかってくる。また、理論化学の知識をもって、より直感
的に理解し易い化学の原理や法則そして実験結果を見ることで、化学の世界がより深く理解できるように
なる。尚、授業の一部として化学実験室での実験を行う場合がある。
DB613
化学反応学
自然界の現象から人体内での現象まで、さまざまな場所で大切な役割を果たしている化学反応について、
その基礎を学ぶ。特に重要なケミカルキネティックス、即ち化学反応のメカニズムと速度に注目する。化学
280
反応に登場する反応物、多様な中間体、生成物の挙動を捉えて、それらがどのように全体に寄与するか
を考慮した反応メカニズムのモデルを考え、化学反応学特有のアナリティカルな数学的手法を駆使しな
がら、全体反応速度式を導き出す過程を学ぶ。また、化学反応の最適条件に現われる自然現象のシン
プルな結果も解き明かしてゆく。更に、化学反応の統一理論を求める研究も紹介する。
DB614
物質科学
原子や分子、化学結合や化合物の性質などの物質に関する基礎的なことがらを学ぶ。周期表に並んで
いる100種類程度の元素から無数の化合物が生まれて、自然界と人間生活に関わる物質となって存在し
ている。物質がどのようなところで、どのように機能しているかを理解することで、自然界に存在するさまざ
まな物質の不思議で深い世界を知ることになる。また、主に20世紀に科学・技術の急速な進歩によって
人間がつくり出した多くの新物質の性質と応用についても学ぶ。尚、授業の一部として化学実験室での
実験を行う場合がある。
DB615
環境科学
日常生活から地球規模まで広い範囲を対象として、自然環境と人間社会がつくり出した環境をサイエンス
の視点から理解し、環境に対する認識を深めると同時に、21世紀の環境問題を考える。酸性雨、オゾン
層破壊、温暖化などの地球全体の問題から、地域公害や生活環境汚染、そして食料品や化粧品のよう
な人体に直接影響を及ぼすものまで、全てに共通して問題となる現象は特定の物質や化学反応によって
起こるものが多い。それらの発生メカニズムを理解し、今後の科学・技術的対策について考える。尚、授
業の一部として化学実験室での実験を行う場合がある。
DB616
現代化学A
急速に進歩・発展している化学の最新分野についてわかり易く説明し、その根底にある基礎的な概念や
理論を学ぶ。ここでは生命現象を化学の視点で捉える生命化学をとりあげる。人体内に存在する生体分
子、例えばタンパク質、糖、脂質、ビタミン、酵素などによる生命を維持するための機能と役割について理
解し、それらの分子が連携して生命全体を支える仕組みについて学ぶ。また、水分子の生体内での特異
で多様な挙動を研究する水化学、細胞の機能を研究する細胞化学、人間の認知機能や思考に関わる化
学的研究などについて最新の成果を紹介する。
DB617
現代化学B
化学が関わる最新の分野についてわかり易く説明し、その背景にある基礎的な概念や理論を学ぶ。ここ
では、新しい構造を創り出すことで、これまでにない機能をもたらすことができる化合物についてとりあげ
る。また、その効果、安全性、将来性について議論する。例えば、環境・エネルギー問題の対策となる物
質変換を可能にする化合物、医療に貢献する新材料、医薬品の開発、新しい形態の化粧品などである。
それらの基盤を成す新しい化学の流れに注目する。
DB618
基礎生態学 I
生態学の基本事項についての理解をめざす。生態学は、生命現象を個体群、群集、生態系など、個体レ
ベル以上で捉え、研究する分野である。講義内容としては、個体群(個体群構造、個体数変動とそのメカ
281
ニズムなど)、種間関係(競争と共存、捕食・被捕食、寄生など)、生物群集(ニッチ、群集構成、群集多様
性など)、生態系(構造、食物網、エネルギー流、物質循環、地球上にみられる多様な生態系の特徴と分
布など)といった話題をとりあげる。
DB619
基礎生態学 II
生態学の基本事項を学んでいることを前提として、動物の生態的諸特性の多様性と規則性、進化的背景
などについて理解することを目標とする。講義内容としては、対象動物の分類、さまざまな生活史特性(生
息空間、食性、繁殖習性、行動、社会システム、生息密度、個体数変動など)の多様性と規則性、諸特性
の間にみられる関係、諸特性と系統との関連、他の生物との関係、適応的な意味などについて、比較生
態学の視点から解説する。
DB620
応用生態学 I
保全生態学の基本について理解することを目標とする。応用生態学は、人間と他の生物とのあいだに生
じるさまざまな問題の解決策を、生態学的な考え方や手法を用いて、見出そうとする分野である。生態学
の基本概念、野生生物保全の意義と方法の概要を解説し、その上で、絶滅危惧種の保全に重点を置い
て、現状、絶滅のおそれを高める要因とメカニズム、絶滅危惧度合いの評価法、現場での保全方法(生
息域内保全、生息域外保全)などについて、具体的事例を取り上げながら講義する。
DB621
応用生態学 II
生態学の基本事項を学んでいることを前提に、狩猟対象などとして資源価値をもつ、あるいは農林水産
業被害や健康被害を起こすなど有害性のある野生生物の管理について学ぶ。野生生物問題の現状、関
連する諸要因と問題発生のメカニズム、管理手法、関係する法律などについて、具体的事例を取り上げ
ながら講義する。また、野生生物の保護管理上必要なデータを得るための現地調査法、標本分析法、個
体数推定法、生命表分析法などについても解説する。
DB622
生物分類学
生物分類の考え方と方法を理解し、動植物の分類体系について基礎的な知識を身につけることを目標と
する。分類理論、分類の基本単位である生物種の性質、動物および植物の分類体系、分類の根拠となる
形態形質や分子形質、それらを用いた系統樹の作成法などをとりあげる。さらに特定の分類群(脊椎動物、
高等植物など)について、標本などを用いて、指標形質による具体的な分類・同定の方法、詳しい分類体
系などを学ぶ。
DB623
進化生物学
現代進化理論の概要を理解することを目標とする。進化現象を示す生物種の性質、種内変異の諸相とそ
れをもたらす遺伝的変異と環境要因、遺伝のメカニズム、遺伝子進化、過剰生殖と環境(同一種の他個
体、他種を含む)による淘汰や遺伝子浮動などの集団遺伝学的プロセス、適応や種分化の遺伝学的・生
態学的メカニズム、多様な生物分類群の系統進化、適応放散などについて、具体的事例を取り上げなが
ら解説する。
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DB624
生物学特論A
数理生物学の基本的考え方や方法について理解することを目標とする。数理生物学は、数理モデルの
構築、解析、計算機シミュレーションなどによって生命現象を研究する分野である。講義内容は、動植物
の行動、分布、個体数変動、種間関係、生物群集・生態系の挙動、進化過程などのマクロ生物学の分野、
および生物個体内部で起きる生化学的反応の分子機構、個体発生の機構、神経ネットワークの機能など
のミクロ生物学の分野から取り上げる。
DB625
生物学特論B
現代生物学のいくつかの分野から、年度によって異なるテーマを取り上げて、基礎から最先端までの専
門的な内容について講義する。例えば、生物の諸側面を統計学的に扱う生物測定学、生物集団におけ
る遺伝子の構成や頻度の変化を研究する集団遺伝学、タンパク質のアミノ酸配列や遺伝子の塩基配列
を比較することにより系統推定を行う分子系統学、生命現象を分子レベルで解明しようとする分子生物学、
遺伝子を人工的に操作する技術である遺伝子工学など。
■情報理学
DB701
数理モデルとシミュレーションAI
数理モデルとシミュレーションの基礎について理解することを目標とする。自然現象などをモデル化して
現れる方程式を数値計算によって解き、その現象のシミュレーションを行うことを数値シミュレーションとい
う。数値シミュレーションは、コンピュータの発展に伴い様々な分野でその重要性を増し、実験とともに理
論を検証するための非常に重要な位置を占めるに至っている。この授業では、数理モデルやシミュレー
ションの基本について、できるだけコンピュータを用いた実習を取り入れながら学習する。
DB702
数理モデルとシミュレーションAII
「数理モデルとシミュレーション AⅠ」に引き続き、数理モデルとシミュレーションの基礎について理解する
ことを目標とする。数値シミュレーションは、(1)解析対象となる現象をモデル化し、微分方程式で表現す
る、(2)微分方程式を有限差分法や有限要素法によって離散化し、コンピュータで計算可能な線形方程
式で近似する、(3)線形方程式をコンピュータで解く、といったプロセスで実行される。この授業では、こ
れらのプロセスの基本について、コンピュータによる実習も含めて学習する。
DB703
数理モデルとシミュレーションBI
様々な現象のモデル化とシミュレーションについて講義する。自然現象や社会現象などでは、実験でき
ないこと、実験では情報を得られないことが多々ある。そのような事柄について、数理モデルとコンピュー
タ・シミュレーションが、現象を理解する上で重要であることを、例を通して学ぶ。また、モデル化の基本的
な手法とプログラミングの初歩について学び、簡単なコンピュータ・シミュレーションをできるようにする。コ
ンピュータを使った実習を含む。
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DB704
数理モデルとシミュレーションBII
「数理モデルとシミュレーションBⅠ」に引き続き、現象のモデル化とシミュレーションについて講義する。
モデル化の手法である微分方程式、差分方程式、セル・オートマトンなどについて学ぶと共に、それらを
コンピュータに実装するためのアルゴリズムとプログラミングを学ぶ。物理学、生物学、化学、社会現象な
どのうちから具体的な問題をいくつか取り上げて数理モデルとコンピュータ・プログラムを作り、それを用い
たシミュレーションの結果を解析することにより、モデル化とシミュレーションの重要性と有用性を学ぶ。実
習を含む。
DB901
情報理学講究
情報学または自然科学の中から興味のあるテーマを選び、輪講あるいは調査・実習を行い全員で議論を
しながら理解を深めることを目標とする。積極性をもって自分で考え、自ら問題を解決する努力をしつつ、
1 年間の研究成果をレポートとして纏め上げる力を身につける。その過程に於いて、個性を磨き、独創性
を創出する感覚を養う。情報学では、数値計算、数理モデル、コンピュータ・シミュレーションなど、自然科
学では、量子力学、相対性理論、環境、食品、化粧品、医療、生命、野生動物の生態と保全などの幅広
いテーマが用意されている。週2コマの授業。
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