ウラジオストク滞在に関する報告について(3月分) 1.3月の実施事項等について 8日 沿海地方行政府研修終了 15 日 ロシア語学校 語学研修終了 16 日 日本へ帰国 2.ロシア語学校について 先月に続き、今月も個人授業のみ週4回受講しました。さて、昨年4月から1年間、ロ シア語学校で語学研修を受講してきましたが、3月 15 日(金)で全授業が終了しました。 グループ授業、個人授業で他国の学生達やロシア人教師と一緒に学習できたことは非常に 貴重な体験でした。 なお、昨年のうちに、ウラジオストク南方、ルースキー島に極東連邦大学が移転する予 定でしたが、結局、私のロシア滞在中、キャンパスの移転は行われませんでした。移転の 具体的スケジュールも、未だはっきりとしていません。 3.ウラジオストク市内の状況について ・治安状況 今月、当地で日本人が犯罪に巻き込まれたという情報はありません。 ・気 候 3月に入り気温も徐々に上昇しています。日中の最高気温も0度を超える日があります。 太陽の出る時間も長くなっており、3月中旬では、朝8時半には夜が明け、夜8時過ぎま で明るい状態が続いています。本格的な春らしい天気は3月下旬以降だと言われています。 ・両替レート(3月 15 日現在、ロシア中央銀行より) 1 ドル 100 円 1 ユーロ 30.78 ルーブル 33.01 ルーブル 39.87 ルーブル 4.ロシアの観光について 3月上旬、日本の新聞で、「2013 年・世界の観光国際競争力ランキング」という記事を 見かけました。スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」が世界 140 の国・地域を対 象に調査したもので、世界第1位はスイス、日本は第 14 位とのことでした。 さて、ロシアはというと、2年前の前回調査から4つ順位を落とし第 63 位です。決して 良い順位ではありませんが、ロシアの新聞はこの結果に関し、「インフラ整備の脆弱さ」、 「不十分な観光資源」、「効果の低い政府の観光政策」、「安全面の不安」をマイナス要素に 挙げています。安全面に関しては、実際ロシアで生活をしてみて、街を歩く際に気を遣わ なくてはいけない場面が多いと思います。3月中旬、帰国前に首都モスクワを旅行してき ましたが、地下鉄の車両内や構内では、危ない目に遭わないよう気をつけて行動していま した。 一方、ロシア旅行におけるプラスの面として、新聞では「豊かな自然と文化」 「国内航空 路線の充実」を挙げています。新聞では、2012 年にロシアを訪れた外国人観光客は前年比 で 10%増加、逆にロシアから外国への旅行者数も約6%増加しているそうです。ロシアの 観光産業におけるマイナスの側面が改善され、今後、更に観光客が増えることを期待して います。 (写真①)ロシアの観光の定番、モスクワのクレムリン前「赤の広場」 5.ウラジオストクで働く社会人について ウラジオストクには約 100 名の日本人が滞在していますが、うち留学生、日本領事館職 員、子供等を除いた民間企業の社会人は約 30 名です。当地滞在中、民間社会人の方と接す る機会がありましたので、レポートの最後に、海外で勤務する日本の社会人の生活につい てお伝えします。 (1)ロシア勤務の様子 当地に事務所を構え活動する日本の企業は約 20 社で、商社、マスコミ、自動車、船舶、 物流会社等が活動しています。事務所に現地スタッフを雇用していても、日本人は1名の みというケースが多いようです。時には日本人1名のみで勤務している場合もあります。 仕事で用いる言語は基本的にはロシア語です。ロシア語のみで仕事の連絡調整、交渉を 行うには、高いロシア語の能力が求められますが、ある社会人の方からは「毎日の会話、 メール、資料作成は全てロシア語。嫌でもロシア語が上達する」との話をお聞きしました。 企業によっては、若手職員をロシアの大学に語学研修生として1~2年派遣し、ロシアで 活躍できる人材を育成しています。なお、ロシアの企業と業務上の詳細な打ち合わせを行 う場合は、現地雇用のロシア人スタッフを介してやり取りをするケースが多いそうです。 日本から出張者が来ると、当地をアテンドしなければならない場合もあり、当地の状況 に精通している必要もあります。休日に自分の足で街を歩き、何か新しい街の情報を得よ うとしている人もいます。 (2)私生活について 既婚者の場合、家族連れで赴任される方もいますが、多くは単身赴任で、市内のアパー トで生活をしています。ある方はアパートに関し、 「平日は仕事があり、アパートは夜、寝 に帰るようなもの。1人が生活できるだけの広さ、設備があれば充分」と話をされていま した。家賃は場所にもよりますが、日本のそれと比較しても同じ水準で、割高に感じるそ うです。 さて、休日、又は仕事終わりの時間を利用して、日本人が集まる機会を積極的に企画さ れる方もいます。同じウラジオストクに生活する者同士、なるべく仲良く交流を持とうと 努めており、海外で暮らす日本人の繋がりを感じることができます。 「海外勤務」と言えば響きは華やかですが、実際には言葉の問題、文化の違いがあり、 その中で仕事をこなす際には非常に苦労が多いと思います。ロシア滞在中、日本の社会人 の方と話をし、海外勤務の様子や日常生活の様子を知ることができたことは、非常によい 経験になりました。
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