福岡県土砂災害対策検討委員会 平成 28 年 3 月 福岡県土砂災害対策検討委員会(中間報告)の概要 ■基本理念 福岡県では、災害に強い、安全で安心して暮らせるまちづくりを目指し、下記に示す基本 事項を踏まえ、ハード・ソフト両面による総合的な土砂災害対策を推進します。 ● 地域の自然、社会特性を踏まえ、事業の早期効果発現を図るために、計画的なハー ド対策を推進します。 ● 土砂災害による被害を軽減するため、土砂災害に関連する情報を有効に活用し、安 全に避難できるような地域づくりに向けたソフト対策を推進します。 ■ハード対策の基本方針 土砂災害から県民の生命・財産を守るため、災害発生時の影響度、災害発生の危険度及び地域住民の 土砂災害に対する危機感度の 3 項目を総合的に評価し、下記事項を踏まえ、計画的なハード対策を推進 する。 土砂災害特別警戒区域内に多くの人家や、重要な公共施設等がある 土砂災害警戒区域内に多くの重要な公共施設等がある 地形・地質的に土砂災害が発生する可能性が高いと考えられる 土砂災害が発生する際の前兆現象が見られる 迅速、かつ、効果的な施設整備の実施が可能である ※1:危機感度 過去の災害履歴や土砂災害の前兆現象の発現などに由来する地域住民の土砂災害に対する危機意識の高さ ※2:事業実現性(自然要因) 土砂災害対策施設の整備が困難となる地形・地質条件、希少動植物の生息条件等の有無 ※3:事業実現性(社会要因) 速やかな事業着手が困難となる要因(用地取得に時間を要する施設・土地利用や事業、字図不一致、埋蔵文化 財等)の有無 福岡県土砂災害対策検討委員会 平成 28 年 3 月 ■ソフト対策の基本方針 土砂災害防止法による警戒区域等の指定結果や現在運用中の土砂災害危険度情報及び土砂災害警戒 情報の活用を基本とし、住民自らが判断し、避難行動をとることができるようにするための方策を展開 する。さらに、地域社会や市町村など防災関係機関における警戒避難体制を強化するための方策を展開 し、自助、共助、公助におけるバランスの取れた総合的なソフト対策を推進する。 ○緊急時 雨量情報、土砂災害危険度情報及び土砂災害 警戒情報など、住民及び要配慮者等の避難行 動を支援する土砂災害関連情報を提供する。 (住民対象) 土砂災害危険度情報や災害情報など、自治体 の避難勧告等の発令を支援する情報を提供 する。 (自治体対象) 県、自治体など関係部局と情報を共有できる 連絡体制を構築し、既存の伝達方法の活用を 基本としつつ、確実性を高めていくため複数 の方法で伝達できるように改善していく。 (自治体対象) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○平常時 土砂災害の危険性を継続して周知する。 (住民・自治体対象) ハザードマップ等の作成に必要な土砂災害 関連情報を自治体へ提供する。 (自治体対象) 自主避難が行えるように土砂災害を対象と した防災訓練や防災教育を実施する。 (住民・自治体対象) 社会のニーズを踏まえ、土砂災害に対する防 災意識を向上させるため、既存の伝達情報を わかりやすい表現に見直すなど、情報の更新 や改善を行う。 (住民・自治体対象) 主な施策 土砂災害警戒情報及び土砂災害危険度情報の伝達内容並びに方法に関する検討の推進 土砂災害危険度情報の要配慮者利用施設等への積極的な配信のためのシステム開発 市町村の土砂災害ハザードマップ作成・更新への支援 住民の自主避難行動を支援するために、土砂災害に対応した避難訓練への技術的支援 市町村や教育庁と連携し、地域住民や教職員、小中学生等を対象とした地域学習会開催への取り組 み強化 ■次年度の検討事項 項 目 優先度評価を踏まえた事業 計画 ソフト対策 リアルタイ 整備メニュ ムハザード ーの検討 システム 土砂災害を 想定した避 難訓練 土砂災害に 関する地域 学習会 具体的施策実施へ向けた検討内容及び課題 複数の土砂災害警戒区域が重複する箇所・渓流の評価手法と評価基準の設定 対策事業を必要とする急傾斜地・渓流について、整備目標の設定 土砂災害危険度情報の要配慮者利用施設等への積極的な配信の実現化に向け たシステム開発及び情報伝達方法等の検討 高度なリアルタイムハザードシステムの将来的な実現性に向けての基礎検討 避難訓練の実施へ向けたワーキンググループの設定 「訓練シナリオ(案) 」と「訓練実施要領(案) 」の作成 モデル訓練の実施と、実施体制や方法、シナリオ・要領案の問題・課題の抽出、 改善案の提言 地域学習会の実施へ向けたワーキンググループの設定 「学習会シナリオ(案)」と「学習教材(案)」の作成 モデル学習会の開催と、シナリオや教材の問題・課題の抽出、改善案の提言
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