パネル討論

第17 回ARC 東京フォーラム
「変革する産業:コネクテッド・ワールドに向けた情報主導型企業」
Session-4 : パネル討論
「情報主導型生産システム~運転支援および訓練システムの課題と挑戦」
パネルディスカッション参加者
“LNG基地制御システムに関する情報処理技術への期待”
東京ガス(株) 井上敬介氏
“情報主導型生産システム”
昭和電工エレクトロニクス(株) 滝波明敏氏
“プラントライフサイクルにわたるダイナミックシミュレータの活用” (株)オメガシミュレーション 矢羽田喜彦氏
司会
元 東洋エンジニアリング(株) 鈴木剛
パネルディスカッションの進め方
・パネルディスカッションのテーマについて
・各パネリストによる話題提供
・課題の抽出
・参加者からの質問の受付
休憩
・パネリストによるディスカッション(参加者からの質問を含めて)
現状認識
プラントにおけるITの活用は、設計・建設・生産管理・運転・保守など幅広く行われてきた。
運転については、DCSの導入以降プラントデータの集約・記録・管理が進んできている。
運転のHMIについてはプラントデータの集約が進み
パネルオペレーションからCRTオペレーションへと変化して、
オペレータやスタッフを統合し効率向上に成功してきた。
その反面IT化(主にDCS化)では能動的に画面展開しないと適したデータにアクセスしにくいなど
人とITの間に課題も残っている。
安全面では独立防御層などの考えに基づいて安全計装システムが設置され
リスクに基づいたプラントの安全確保がなされている。
しかし、 プラントの状態の把握、 挙動の予測、 緊急停止後の処置(2次操作) など、
まだプラントの運転や安全の確保には人に依存する部分も多く経験と熟練が必要である。
将来への期待
近年のコンピュータとネットワークのさらなる発展を活用して、
・・プラントのモデル化を行いやすい環境、
・・作成したモデルを長期間にわたって使用できるようにする仕組み、
が実プラントに適用される傾向にある。
統計的手法(ソフトセンサーによる性状の推定や異常状態に入りそうな挙動を推定し知らせるツー
ル)の適用では、モデルパラメータを過去の蓄積データから都度求めモデルを適切に組み直すような
方法により推定精度の向上やモデルメンテナンスの削減が期待されている。
物理的なモデルを用いる方法ではプラント(プロセス)のモデルの精度向上と実運転データに合わせ
たパラメータの調整の両面が必要となるが、このパラメータ調整に動的モデルを使用することが試み
られ定常シミュレータによる解析と状態の推定から 動的シミュレータの活用への道が開けつつある。
このようなシステムは従来以上に人を支援する機能があり、
これからのオペレータは今までの匠的な技術から ITを用いて人とITの組み合わせで業務を行うよう
になるのではないだろうか。
これは将来のスマートなオペレーション(人とシステムの共生、ITを使う人の技の向上)と称することも
出来ると思う。
本日のテーマ
本パネルディスカッションでは将来のスマートなプラント(人とITの共生するプラント)に向けて、
主に連続系の石油・石化プラントを運用するためのシステム・制御と人の関わりについて考えたいと思う。
・・ソフトセンサーの適用、
・・プロセスシミュレーションを用いたプラントの解析、
など以前から用いられているが、
ITのリソースをさらに用いて実用化されつつある、
・・ダイナミックプロセスシミュレーションモデルのリアルタイムの同定とそれによる状態の予測、
・・計測できない状態量の推定による運転の支援、
・・モデルメンテナンスの不要なソフトセンサー、
などについて、
・・将来はどのように利便性向上し有効となるか、
・・難易度はどうか、
・・ITツールの改善すべき点や課題と将来の進展への期待、
・・それらを使いながら運転するオペレータ像について、
Seeds側からの適用対象の検討、
Needsの整理と解決方法の検討
についてディスカッションしてみたい。